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マスカレードシリーズの新作、『マスカレード・ナイト』が9月15日に発売されると知って今からワクワクが止まらない【東野圭吾】

 ※『マスカレード・ホテル』の若干のネタバレがあります。

 

みなさんはどんなジャンルの小説が好みだろうか?また苦手だろうか?

 

私はミステリー、ファンタジー、SFものが好きでこのブログで紹介するのも必然的にそれらのジャンルが多くなっている。

 

では逆に苦手なものは?と聞かれるとホラー、恋愛などだろうか。

 

いや、少し違うな。

ホラーは本当に苦手なのだが、恋愛系はけっこう好きだ。主人公とヒロインの不器用な恋模様やキュンキュンする場面は思わず夢中になって読んでしまう。

 

しかし恋愛がメインジャンルになってしまうと、なんだかお腹一杯になりすぎて胃もたれのような感覚になってしまう。

 

なので個人的なベストはミステリーの中、ファンタジーの中などに恋愛要素がサブジャンル的な位置で入っているもの。これが現在のドストライクで何か本を探すときも自然とそのような本を中心に探してしまう。

 

なので東野圭吾の『マスカレード・ホテル』

これは完全にツボだった。

 

 

私にとって東野圭吾の作品に、はまったきっかけでもある作品。

その思い出補正もあるかもしれないが、東野圭吾の好きな作品ベスト5を作るとしたら必ず入るだろう。

 

『マスカレード・ホテル』を読み終わってから、続編である『マスカレード・イブ』も読んだ。

 

『マスカレード・ホテル』では主人公の新田とフロントクラークの山岸のやりとりが好きで、『マスカレード・イブ』でも二人の掛け合いを楽しめる!と思っていたが、続編では二人が出会う前の話で、登場自体はするのだが二人が直接やりとりをすることがなかった...それだけが残念だった。

 

しかし

ついに待ちに待った続編『マスカレード・ナイト』が9月15日に発売という事で、今からもうワクワクが止まらない。

 

「マスカレード」シリーズ最新作 若い女性が殺害された不可解な事件。警視庁に届いた一通の密告状。 犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!? あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。

(引用:マスカレード・ナイト 表紙帯/東野圭吾)

 

カウントダウンパーティということで大晦日から新年にかけてのお話でしょうね。

新田刑事はまたホテルマンに化けるのでしょうか?

『マスカレード・ホテル』では犯人に警察がまだ気づいていないと思わせるために、ホテルマンに化けたわけですからね。

 

今回はわざわざ密告状が届いていると考えるとホテルマンに化ける必要はないのか?

 

いや、警察としても犯人が姿を表すと言っている以上パーティを中止させることはしないだろう。そして一般のお客様に不審がられないようにするには、おおっぴらに警察を配置することはできない。

 

ということはやっぱり新田刑事はまたホテルマンとして捜査に入るのかな。

 

それと、二人の仲に進展はあるのかな?『マスカレード・ホテル』では、だいぶロマンチックに終わりましたからね。

 

とにもかくにも、また新田・山岸のコンビを見れそうで何よりです。

『マスカレード・ナイト』 ホント楽しみです。 

 

PS(2017.9.21)

読みました。

【『マスカレード・ナイト』を紹介する】

 

【『マスカレード・ナイト』の感想を語る】

 



【ネタバレあり】感想:巡り合わせは必然か『四畳半神話大系』【森見登美彦】

 

森見登美彦さんの『四畳半神話大系』を読んだ。

 

心地よく独特な読み口、魅力的で癖が強すぎる登場人物たち、考え抜かれた設定と世界観。

パラレルワールドというSF的要素も取り込み、読者を夢中にさせること間違いなしだ。

 
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あらすじ

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!  さ迷い混んだの4つの平行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

(引用:四畳半神話大系 裏表紙/森見登美彦)

 

第一話 四畳半恋ノ邪魔者

第二話 四畳半自虐的代理代理戦争

第三話 四畳半の甘い生活

最終話 八十日間四畳半一周

 

それぞれの話は、主人公のである『私』が大学1回生のとき、何のサークルに入るか?という選択によって話が分岐している。

 

第一話では映画サークル『みそぎ』に

第二話では樋口という人物の『弟子』に

 第三話ではソフトボールサークル『ほんわか』に

最終話では秘密機関『福猫飯店』に

 

薔薇色のキャンパスライフを夢見ていたが、何故か鬱々とした日々を送ることになってしまった主人公による物語だ。

 

 

感想 

私が森見登美彦さんの作品を読んだのは、この『四畳半神話大系』が二作目となる。

 

一作目は『夜は短し歩けよ乙女』を読んだ。

 

 

相変わらずの独特な文体は中毒性があり、いつの間にかに森見登美彦ワールドに引き込まれてしまう。

 

また、『夜は短し歩けよ乙女』に登場した樋口さんや羽貫さんも本書では登場する。『夜は短し歩けよ乙女』を読んでいれば、更に楽しめることだろう。

 

逆もしかりで『四畳半神話大系』を先に読めば、『夜は短し歩けよ乙女』を更に楽しめるはずだ。

 

 

さて

まずは平行世界の設定についてだが

 

分岐は大学一回生のサークル選びからとなっている。そしてそこから完全に別の物語になっている.....という訳ではない。

 

各物語の端々に平行世界の断片が見てとれる。各物語では解決しきれない部分が別の世界線を読むことでしっくりとくる。各世界はひっそりと干渉しあっていると思うと不思議な感じがするし、ワクワク感も生まれてくる。

 

 

個人的には第二話と最終話が好きだった。

樋口師匠に弟子入りする第二話『四畳半自虐的代理代理戦争』この伝統だけで理由のない争いが、凄まじくくだらなく、だからこそ面白い。

突っ込みどころが満載すぎて突っ込むのも疲れてしまうほどだ。

 

かくして、「樋口城ヶ崎和解会談」の幕が切って落とされたのである。

「まぁ、もうそろそろ終わらせようかね」樋口師匠が言った。

「そうだな」城ヶ崎氏が頷いた。

かくして、樋口城ヶ崎和解会談は終了した。

(引用:四畳半神話大系 P164/森見登美彦)

 

樋口師匠と城ヶ崎先輩が繰り広げる謎の争い。主人公には詳細を知らされないまま物語が進んでいき、やっと物語の核に触れる二人の和解が始まると思いきや、たった4行で終了する。

こんなに引っ張ってそれで終わりかよ!!!

と思わず声がでてしまった。

 

 

また自由奔放な樋口師匠とそこから生まれる名言(迷言)には思わずニヤリとしてしまう。

 人生一寸先は闇である。我々はその底知れぬ闇の中から、自分の益となるものをあやまたずに掴みださねばならない。そういう哲学を実地で学ぶために、樋口師匠が「闇鍋」を提案した。たとえ闇の中であってもなべから的確に意中の具をつまみだせる技術は、生き馬の目を抜くような現代社会を生き延びる際に必ずや役に立つであろうと言うのであるが、そんなわけあるか。

(引用:四畳半神話大系 P153/森見登美彦)

 

他にも、小津の紹介場面

野菜嫌いで即席ものばかり食べているから、なんだか月の裏側から来た人のような顔色をしていて甚だ不気味だ。夜道で出会えば、十人中八人が妖怪と間違う。残りの二人は妖怪である。

(引用:四畳半神話大系 P8/森見登美彦) 

 

 普通なら、妖怪と間違う。で終わってしまうところをこの最後の一言。

センスしか感じない。

 

そして、最終話『八十日間四畳半一周』

ついにはそれぞれにある平行世界の旅が始まる。というより突如迷いこむ。

今までの話とはガラリと変わり主人公がひたすらに永遠に続く四畳半をさ迷い続ける。

これまでの物語の総まとめのようなお話。

 

また同じような展開になるのだろうと、たかをくくって読みはじめたが、足元をすくわれる事になった。

 

旅を通じて少しづつ核心に迫っていくところでは、もうページをめくる手が止まらなくなる。

 

結局どの選択をしても、彼には薔薇色のキャンパスライフはやってこなさそうだが、悪友であり親友の小津とは出会うことができ、明石さんとは付き合える運命だったのだろうか、このパッピー野郎が!

【ネタバレあり】小説「ラプラスの魔女」の感想を好き勝手に語る【東野圭吾】

 
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 「もし、この世に存在するすべての原子の現在位置と運動量を把握する知性が存在するならば、その存在は、物理学を用いることでこれらの原子の時間的変化を計算できるだろうから、未来の状態のがどうなるか完全に予知できる。」

 (引用:ラプラスの魔女 P342/東野圭吾)

 

今回は東野圭吾の「ラプラスの魔女」の感想を語っていきます。

内容には触れていくので、読んだことない方はこちらをどうぞ。

 

 

映画について

この物語は、フランス人数学者の「ピエール・シモン・ラプラス(1749-1827)」が提唱した上記のような仮説を題材にした物語となっている。この仮設が後に「ラプラスの悪魔」と呼ばれ、19世紀の物理学者たちを悩ませることになる。

 

しかし、20世紀に入り量子力学の登場によって「ラプラスの悪魔」は否定される。

 

 

本書を読み終えてから「ラプラスの悪魔」について調べていて、否定されていると知ったときは少しガッカリでした。

 

もし、円華や謙人のような力をもつことができたなら...と本書を読んだ方ならみんな考えるのではないでしょうか?

 

 

感想

 物理的な要素とミステリーが融合した作品だが、同じ物理をテーマとしたガリレオシリーズとはまた違った読みごたえがあった。

 

再現性のありそうなガリレオシリーズとは違い、ラプラスの悪魔は否定されてしまった仮説ですからね。

もし現実に存在したなら...と好奇心が刺激されました。

 

〈ガリレオシリーズ〉

 

前回の記事でも触れたのですが、著者は「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました。」とコメントしている。

 

 

今までの小説とどう違うのか?

第1に、ミステリーの醍醐味でもあるトリック、その殺人のトリックが超能力(ラプラスの悪魔の力)であること。

 

タブーに近いのではないか?と思われるこの設定だが、そのタブーで物語を引き立ててしまっているのだから見事としか言いようがない。

 

ひとくくりに超能力だからなんでもあり!

という訳ではなく、使える能力は限りなく正確な未来予知のみ。そのおかげでミステリーとして成り立つことができているのではないだろうか。

 

 

 

第2に、主人公が誰なのか?

 

タイトルから考えればラプラスの悪魔の力が使える円華なのだが、円華視点で話が中心に進むのかというと答えは否。確かに要所要所で重要な役割を果たしているのは間違いない。

 

印象に残った場面といえば、円華が青江に見せるドライアイスを使った、硫化水素事故の再現場面だ。

 

やがて彼女の足元から、白い煙のようなものが立ちこみ始めた。しかもそれは周囲に広がったりせず、下方に流れていく。

はっとした。煙の正体はすぐにわかった。ドライアイスによるスモークだ。おそらく円華は水をいれた容器にドライアイスを放り込んだのだ。

スモークはゆっくりと流れ落ちてきた。まるで巨大な白い蛇が移動するように、木々の間を抜け、草を這い、青江の方に向かってくる。驚いたことに、曲がりくねりながらも、スモークの幅は殆ど変わらなかった。拡散していないということだ。

ついにスモークは青江の足元に達した。さらに驚かされたのは、その直後だった。スモークは彼がいる地点を通過することなく、その場で滞留し始めたのだ。白い煙が、瞬く間に彼の全身を包んでいった。

(引用:ラプラスの魔女 P282/東野圭吾)

 

青江に不思議な能力の存在を確信させ、更にそれは事故の、いや事件の真相を暴いたもの。

表紙もこの場面を描いたものだ。

 

 

そして青江

彼は甘粕のブログまでたどり着いたり、温泉地で直接捜査、さらにはクライマックスの廃墟の鐘にまで登場するなど、何度も青江視点が回ってくる。ページ数だけでいえば彼の視点が一番長いのではないだろうか?

 

物語のキーマン、謙人

甘粕才生の息子であり、過去の硫化水素の被害者。ラプラスの悪魔の能力が使え、そして今回の事件の犯人。

復讐について一番のスポットを当てるとしたら彼が主人公ということになるのか?

 

 

 円華と謙人の共通点

 ラプラスの悪魔の能力を持つ円華と謙人だが、二人の共通点がとても多いな、と思った。

 

・母親を亡くしている

円華は竜巻で、謙人は硫化水素で共に幼い頃に母親を亡くしている。

 

・命の危機、奇跡の生還

上記にも繋がっているのだが、円華は母親を亡くした竜巻に巻き込まれている。謙人も硫化水素の事件に一緒に巻き込まれている。

 

・父親の狂気

脳神経外科医師である円華の父親「全太郎」は、円華が望んだ事とはいえ命を危険を犯してまで、実の娘に施術を行っている。

謙人の父親「甘粕」については...言うまでもないですね。

 

ラプラスの悪魔の能力を得る

「施術を行えば誰しも能力を得られる」というわけではないでしょう。分野は異なるが全太郎も甘粕も世間からは天才と称される人物。その特別な血筋を持ち、かつ不運な過去を過ごしたからこそ能力を目覚めさせることができたのではないでしょうか?

 

 

180°変わる人物像

諸悪の根元である甘粕才生、ブログを読んだ限りでは、娘が硫化水素を使った自殺を行い、それに息子と妻が巻き込まれて、結果娘と妻は死亡。息子は植物状態。

 

そんな悲劇に見舞われながらも、希望を見いだそうのする甘粕才生の様子がかかれている。

 

 

が、蓋を開けてみればすべて甘粕才生の自作自演。家族殺害の理由も「自分にとって完璧な家族ではなかったから」と狂気が漂う。

 

刑事である中岡が甘粕才生の本性を少しづつ暴いていく過程がかなり印象的。最初のイメージがどんどん覆されていき、ブログとは180°違った人物像が明らかになる。

 

この過程がゾクゾクする。

真実に近づいて行くにつれ、甘粕の狂気が明らかになるにつれ、どんな結末になっているのかと、ページをめくる手が止まらなくなった。

 

まとめに

なかなかボリュームのあるページ数でしたが、飽きることなくサクサク読み進めていけました。

個人的には何より、ラプラスの悪魔を題材した設定がツボでした。

実際にはありえないわけだけど、もし実在したならこんな感じなのかなぁと。そんな空想をリアルに詳細に感じることができました。

 

関連記事

 

彼女の見る世界とは?「ラプラスの魔女」【東野圭吾】

どうもFGです。

 

 今回は東野圭吾の「ラプラスの魔女」を紹介してきます。

 
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感想はこちらで書いてます。

 

映画について

 

 2018年には映画化が決定されており、櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰という豪華メンバーの出演だそうで映画も是非見てみたいものです。

 

あらすじ

 不思議な娘とボディーガード

元警察官だった武尾 徹(タケオ トオル)は、ある娘のボディーガードを依頼される。その娘、羽原 円華(ウハラ マドカ)の回りでは、たびたび偶然に次ぐ偶然のような不思議な事が起きる。

円華が何処へ行くにもボディーガードである武尾がついて回り、一人で出かけることは許されない。

しかしある日、円華は武尾の隙をつき姿を消してしまう。

 

温泉地での事故

ふたつの温泉地で硫化水素による死亡事故が発生する。亡くなったのは映画プロデューサーと役者で、偶然にも二人とも映像関係者であった。

地球化学の学者である青江 修介(アオエ シュウスケ)は、警察に依頼され事故現場を調査するが、不運な偶然がいくつも重なり事故が起きたとしか考えられなかった。

 

 

刑事と学者

刑事である中岡 祐二(ナカオカ ユウジ)は温泉地の事故で夫を亡くした水城 千佐都(ミズキ チサト)を遺産目当で夫を殺害したのではないかと考える。事故現場の調査を行った青江の協力を仰ぎ地道な捜査を続けていく。

 

 

 たどりついた人物のブログ

青江は事故の真相を追ううちに、甘粕 才生(アマカス サイセイ)という人物のブログを見つける。そこには甘粕家族に起きた悲劇について語られるものだった。

そして、その悲劇の元凶もまた硫化水素によるものであった。

 

 

 

円華が姿をくらませたわけとは?過去の悲劇と今回の事故との繋がりは?そしてタイトルでもあるラプラスの魔女とは?

 

 

 読み終えて

 作家デビュー30周年記念作品として著者は「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました。」とコメントしている。

 

本書を読み終えてから、このコメントを見たのだが、読んでいる最中に感じた違和感はこのせいかと納得した。いや、もちろん悪い意味ではない。

 

30年書き続け、さらにそれをぶち壊して新たな作風を生み出していくその精神には脱帽である。

 

東野圭吾らしい物理をテーマとした作品でもあるが、同じ物理をテーマとした著者の人気作品「ガリレオシリーズ」とは180°違った読みごたえがあった。

 

 

 

関連記事

 

〈ガリレオシリーズ〉

 

 

蔵カフェ!?知る人ぞ知る「cafe sorte」を紹介する【埼玉県日高市】

 

いつもの日常からちょっぴり抜け出したいあなたへ、『cafe sorte』を紹介する。

 

埼玉県日高市にある『cafe sorte』

 

国道15号線沿いにひっそりお店を構えており、最寄り駅は西武秩父線高麗駅から徒歩約20分、と駅からだとけっこう遠め。

駐車場が4台分あるので車で来ることをオススメする。

 

【外観】
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手前の建物が「cafe sorte」さん。

そう、本当に蔵なんです。

 最初は気づかずに一度通り過ぎてしまいました。

 

 

【入り口】

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看板もいい味を出している。

 

外からだと中の様子がわからない造りになっているので、初めてお店を訪れた時はちょっとの緊張と大きな期待を感じることだろう。

 

【店内】

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店内に入ってみるとビックリ!!そこには落ち着いた空間が...!!外観は失礼ながら正直キレイとは言えず、剥がれかけた外壁がちょっと不安だったが、そんなことを吹き飛ばすほど居心地のよさそうな店内。

 

 

明るすぎない店内は落ち着いた雰囲気に仕上がっている。外の光があまり入ってこない分、ライトによる明暗のコントラストが映えている。 また昔ながらの掛け時計による周期的なリズムもまた心地よい。

 

 

 【テーブルライト】

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レトロな雰囲気がたまらない。店内の内装ともピッタリあっている。このライトを使わせてもらい読書をすれば、いつもより物語に熱中できそう。

 

 

【濃厚カボチャのプリン&ラテ】

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 今回は「濃厚カボチャのプリン」と「ラテ」をいただきました。ラテには綺麗なラテアートが...!!

 

 『cafe sorte』さんではフレンチプレスによる抽出をオススメしていて、フレンチプレスで抽出されたコーヒーは、豆の味がダイレクトに伝わるそう...!!

 

濃厚カボチャのプリンは、文字通りとってもカボチャの味が強くて濃厚な口当たり!!カボチャ本来の甘さが引き立てられていた。

 

【ギャラリー(2階)】 

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 2階はイベントスペースとして解放されていて、ギャラリー、展示販売、ワークショップなど貸しスペースとして利用されているそう。

 

今回お邪魔した際にも、カップ、ジャム、アルバムなど様々なものが置いてあった。

それにしてもライトがいい仕事をしている。

 

店舗情報

  • 住所:埼玉県日高市日高市梅原64-8
  • 営業時間:月・木・金・日(11:30~18:00)

                 ※日曜のみ(12:30~)

                 ※L.O  17:30

 

 まとめ

  素直に是非また訪れたいと強く思いました。

素敵な空間と時間をありがとうございました。

 

『cafe sorte』さんのHPでは、オーナーさんの経歴やコーヒーにかける熱い思いなども語られています。その情熱に心を打たれました。是非覗いてみてください。

 

 

関連記事

 

【ネタバレあり】小説「終電の神様」の感想を好き勝手に語る【阿川大樹】


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どうもFGです。

 

今回は阿川大樹さんの「終電の神様」の感想を語っていきます。

 

ネタバレありなので、未読の方はこちらをどうぞ。

 

 

 

 

感想

 まさに終電の「神様」がいて、登場人物たちを助けてくれているのでは?と思わせてくれる作品。

 

 第一話  化粧ポーチ

このお話の神様のお仕事は夫婦円満

 

読み進めていき思ったのが「騙された!」でした。緊急停車した満員電車、忍び寄る痴漢の手。痴漢に狙われているのが女装した男性だったとは、まったくの予想外でした。

 

しかし、読み返してみるとしっかりヒントはでているんですよね。例を出すと

 

「わたしがふだんスカートを穿かないからだ。」

(引用:終電の神様 P8/阿川大樹)

 

「女は得だと思う。今日のように外出するといつも思う。」

(引用:終電の神様 P18/阿川大樹)

 

などなど。

普通に読み進めていくぶんには気づきませんでしたが、真相を知ってしまうと「なるほど、そりゃそうだ」と思ってしまいます。

 

スカートを穿かないのは、男だから

今日のように外出すると得だと思うのも、男だから。

 

結末部分がまさに終電の神様による粋な計らいです。

もし、電車か止まらずにすんなり帰れていたなら化粧を落とせる時間が十分にあったわけですからね。

 

 

第二話 ブレークポイント

元気が出る、自分も頑張ろうと思えるお話。

 

ここでの神様の仕事は、困難に立ち向かう主人公の背中を押してくれたこと。

 

 小さなIT会社に勤める主人公。

 どん詰まりの状況でも前を向く彼に、新しい出会いと気分転換のボクシング、幸せの結婚報告を与えてくれたのは、まさに電車が遅れてくれたおかげではないだろうか。

 

会長の優しさと言葉にも沁みるものがある。

「人生とちがって、ボクシングのラウンドは三分しかない。それでもけっこう長い。(中略)すべてがうまくいかないこともある。なんの手立てがないときは、まずはただ倒れずにゴングが鳴るまで立ってることを考えればいいんだ。」

倒れずに立っていれば必ずゴングが鳴る。

なんだか名言だ。少なくとも今の自分にとっては。

(引用:終電の神様 P91/阿川大樹)

 

 

第三章 スポーツばか

ここでの神様の仕事は、恋愛のお手伝い。

 

私は確信は持てないのだが、電車が遅れて主人公が彼の家に行くのが遅れたために、二人でサイレンを聞くことができ、彼が「郵便局が火事になった」という嘘を思い付いた。

 

という解釈でいいだろうか?よろしければみなさんの意見を伺いたい。

 

 

第四話  閉じない鋏 

ここでの神様の仕事は、覚悟と決意の時間を与えてくれたこと。

 

不思議なことだが、母から知らせを受けたとき、助かってくれという気持ちは起きなかった。「運命の日が来た」と自然に思った。と同時に、動かなくなった電車の中で、父への対応をくやむ気持ちが自分を圧倒しはじめていた。

(引用:終電の神様 P158/阿川大樹)

 

誰しもが直面する両親との別れを描いたお話。

電車が止まってしまい、父がいる病院へ行くのが遅くなってしまうのだが、無理矢理にでも主人公に考える時間を与えるために電車を止めたのではないかな、と思った。

 

現実を受け止める覚悟と、家業を継ぐ決意。

 

決意の後押しをしてくれたのは、小料理屋で偶然あった男性だが、素敵な出会いではないか。

 

個人的な話になってしまうが、私の両親は自営業で働いており、私はサラリーマンとして働いている。

 

主人公と重なる部分が多く、しかもなかなかに重い話。似た部分が多いなと気づいた瞬間に他人事ではないなと強く思った。

 

両親との別れは避けられない。悔いをなるべく残さないようにしようと改めて思った。

 

 

終わりに

四話までは実際に終電の電車に閉じ込められた話。

五話、六話、七話は人身事故側の話になっている。

 

迷ったところだが、「終電の神様」としての話は4話までではないか?と思ったので今回はここまでにさせてもらう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

感動のヒューマン・ミステリー、小説「終電の神様」を紹介する【阿川大樹】

どうもFGです。

 

満員電車や人身事故による電車遅延

電車を利用されている方ならどなたでも経験したことがあるのではないでしょうか?

 

私自身、満員電車では忘れられないエピソードが1つありまして、足元に置いた荷物が満員電車で身動きができないがために回収できず、結果私だけが電車を降りて荷物だけを電車においてけぼりにさせたことがあります。

 

最終的には、終点の駅で無事回収されて手もとに戻ってきたわけですが、リュックだけがぽつんと置かれ、電車に揺られている所を想像するとシュールでなりません。

 

さて、今回はそんな誰にでもある日常を切り取った作品、阿川大樹さんの「終電の神様」の紹介です。

 

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感想は別記事で書いています。

きっかけ

駅ナカの本屋さんにふらりと立ち寄ったとき、入口付近に大きなポップで「第9回 エキナカ書店大賞受賞」とあり、この作品が紹介されていました。

 

エキナカ書店大賞なんて初めて知りましたが、調べてみたところ、JR東日本リテールネットが運営するブックエキスプレスが主催しているもので、主にJR東日本の駅構内で営業しているブックエキスプレスとHINT INDEX BOOKの書店員が読み、面白い、お客様にも薦めたいと思った本の中から選考され、大賞が決定されるそうです。

 

「本屋では8割りが衝動買いが占めている」

という話を聞いたことがありますが、まさに私もその通りでポップに目を奪われ、タイトルにひかれて思わず買ってしまいました。

 

 

あらすじ

この緊急停車からドラマが動き出す

父危篤の報せに病院に急ぐ会社員、納期が迫ったITエンジニア、背後から痴漢の手が忍び寄る美人

それぞれの場所に向かう人々を乗せた夜の満員電車が、事故で運転を見合わせる。この「運転停止」が彼らの人生にとって思いがけないターニングポイントとにり、そして......あたたかな涙と希望が湧いてくる、感動のヒューマン・ミステリー。

(引用:終電の神様 裏表紙より/阿川大樹)

 

 

読み終えて

第一話  化粧ポーチ

第二話  ブレークポイント

第三話  スポーツばか

第四話  閉じない鋏

第五話  高架線のタツ子

第六話  赤い絵の具

第七話  ホームドア

 

以上の7話で構成されていて、それぞれが独立したショートストーリーとなっています。

 

まさに終電の「神様」がいて、登場人物たちを助けてくれているのでは?と思わせてくれる作品。

 

個人的には第四話の「閉じない鋏」と第七話の「ホームドア」が強く印象に残っています。あらすじに「あたたかな涙と希望が湧いてくる、感動のヒューマン・ミステリー」とありましたが、その言葉に偽りなしです。

 

もし事故による「運転停止」がなかったら逆にどうなっていたのか?そんなことをつい考えてしまいました。