FGかふぇ

読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

『幻惑の死と使徒』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】


記号覚え、数式を組み立てることによって、僕らは大好きだった不思議を排除する。何故だろう?

(引用:幻惑の死と使徒/森博嗣)


奇怪で奇妙で奇数な物語『幻惑の死と使徒』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。

S&Mシリーズの紹介はコチラ

目次

感想

──目次からワクワクが止まらない

私が森博嗣作品で好きなのは、緻密に組み立てられたストーリーや個性的なキャラなど、あげればきりがないが、その好きな理由の一つが目を引く「章題」だ。


「章題」を意識するようになったのは、森博嗣の代表作『すべてがFになる』がきっかけ。
【『すべてがFになる』の目次】

色で統一された章題は、見た目もさることながら、もちろん内容とリンクしていて見事としか言えない。「無色の週末」とかセンスが溢れてる。


さて、そして今回の『幻惑の死と使徒』の目次が以下である。
【『幻惑の死と使徒』の目次】


章題が「奇」統一なのと、奇数章しかない!!インパクトはばっちりだし、発想もセンスも飛び抜けてる…。


気になる偶数章は?というと次作の『夏のレプリカ』で偶数章は構成されている。
【『夏のレプリカ』の目次】


同じ時系列で進行している事件なのでこのような形態になっているわけだが……思い切った構成だ。『幻惑の死と使徒』の中で『夏のレプリカ』の話題に触れたり、逆もあったりと時系列をしっかり整理し直してもう一度じっくり読みたいものだ。



──トリックと真実

霊柩車のトリックは、すぐに気付いてドヤ顔で「これしかないだろ!!」って思って、事実当ってたわけだが……「これくらいは、わかって当然」くらいに萌絵や他のマジシャンに流されて喜び半分、悲しみ半分。


霊柩車の運転手が死体のフリをしているしかありえないと思ってからトリック自体は感づいたものの、何故運転手がそんなマネをしなければなかなかったのか?有里匠幻との関係は?とわからない事ばっかりだったが、犀川の考えを聞いて納得。


最初の事件が起きた時点では、有里匠幻の名前を華々しく飾るための自殺では?と思ったが死体が消えてしまう霊柩車のトリックで考え方改めさせられ、まさかこんなどんでん返しだったとは……。

──印象に残った言葉・名言

「妄想と幻想の違いは何ですか?」萌絵は突然思いついた質問をした。
〈中略〉
「同じだね」犀川は答える。「前者は現実より悪い空想、後者は良い空想に使われる場合が多い。また、妄想は他人に見せられないが、幻想はマジックみたいに他人に見せることができる。しかし、成立する条件も、結果も、特に違いはない。つまりは、同じものだね」

(引用:幻惑の死と使徒 P236/森博嗣)

「精神の復元力みたいなものじゃないかな。僕もよくわからないよ、そんなこと。専門じゃないからね。でも……、西之園君。物理の難しい法則を理解したとき、森の中を散歩したくなる。そうすると、もう、いつもの森とは違うんだよ。それが、学問の本当の目的なんだ。人間だけに、それができる。ニュートラルネットだからね」

(引用:幻惑の死と使徒 P283/森博嗣)

 誰もが、日常生活でマジックを体験し、マジックの中で生きている。いちいち「不思議だ」などと驚いている暇はない。本来、人類の特徴ともいえる、最も敏感だった感覚、不思議なことを発見し、それが不思議だと感知するセンサは、現代では無用となった。そればかりか、現代社会は、その感覚を完全に麻痺させようとしている。
 身の回りは不思議なことに満ち溢れ、それらを鵜呑みにしないかぎり生きていけない。生まれたときから、そんな環境の中にいるのである。たとえ、不思議に思ったとしても、すべての仕組みを分解するには小さすぎ、理解するには複雑すぎる。

(引用:幻惑の死と使徒 P437-438/森博嗣)

「ものには名前がある、という意味は?」
「人間のすべての思考、行動……、創造も破壊も、みんな名前によって始まる」犀川は、答える。「ヘレン・ケラーを知っているだろう?三重苦の。もの心がつく以前から盲目で耳も聞こえなかった人が、何を最初に理解したと思う?そういう人に言葉を教えるには、何が必要だろう?」
「実物に触れさせて、言葉を教えたのでしょう?」
「それ以前に、重要なことがあるんだ。それは、ものには名前がある、という概念なんだよ。すべてのものに名前がある、ということにさえ気づけば、あとは簡単なんだ。ものに名前があることを知っている、あるいは、ものに名前をつけて認識するのは、地球上では人類だけだ」

(引用:幻惑の死と使徒 P509/森博嗣)



──Vへの伏線

「なんだ、眠っていたんじゃないのかい?」犀川はトーマに言った。犬を相手に話しかけるなんて、何年ぶりのことだろう、と思った。

(引用:幻惑の死と使徒 P514-515/森博嗣)


犀川の何気ない一言だけど、これはVシリーズの伏線っぽい。こういう地味な伏線が張り巡らされているのがたまらない。


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『四季 秋』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】



「Fになる、というメッセージを残したり、プログラ厶上にでも、形跡をわざと消さなかった。自分よりも、どれだけ人類が遅れているか、そのタイムラグを観測しようとした、といっても良いね」

(引用:四季 秋P102/森博嗣)

『すべてがFになる』に隠されていた謎が明かされる『四季 秋』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。


目次

あらすじ

妃真加島で再び起きた殺人事件。その後、姿を消した四季を人は様々に噂した。現場に居合わせた西之園萌絵は、不在の四季の存在を、意識せずにはいられなかった……。犀川助教授が読み解いたメッセージに導かれ、二人は今一度、彼女との接触を試みる。四季に知られざる一面を鮮やかに描く、感動の第三弾。

感想

『すべてがFになる』のさらなる真実に夢中になりすぎて1日で読了。P117のレゴブロックがでてくるあたりからもう止まらない。


というのも、あなたは『すべてがFになる』の最後の一文がどのようなものだったか覚えているだろうか?以下に引用しておく。

ポケットの中の右手が、何か固い小さなものに触れた。犀川はそれを摘み出す。
「あら、それ……」萌絵がコーヒーカップを両手で持ちながら言った。「記念品ですね……」
テーブルの上に置かれた記念品は、四角いプラスチックの黄色いブロック……、それは、立派なおもちゃの兵隊になることを夢見た小さな孤独だった。

(引用:すべてがFになる P507-508/森博嗣)


上記がラストシーンなのだが、どうしてブロックの話を最後の最後にもってきたのか正直私はずっと理解できてなかった。だからこそ『四季 秋』でブロックの話が出てきたときは「そこに繋がるのか!!」と鳥肌が立った。


『テーブルの上に置かれた記念品は、四角いプラスチックの黄色いブロック……、それは、立派なおもちゃの兵隊になることを夢見た小さな孤独だった。』


犀川が偶然にも持ち帰ったのは黄色のブロック。そして、おもちゃの兵隊にメッセージが隠されたのも黄色のブロック…。


あと『すべてがFになる』に残されていた謎といえば、切断された遺体の両手足がどこにいったのか?この謎に関しても『すべてがFになる』の中では明らかにされていなかったはずだ。明かされてはいなかったが、トリックの真相などのインパクトが大き過ぎてこの謎については、すっかり意識の外にもってかれていた。


四季が島を抜け出した理由、道流の死の真実、腕が切断された理由…これですべてが繋がった。道流が感電死(四季曰く自殺)したという話も、『すべてがFになる』と合わせて読むとその理由も納得できる。

「子供は、15より大きな数字を教えてもらわなかったの。人間は15年しか生きられないと教えられていたのよ。分かるかしら?この意味……。15年目に、14歳になったら両親を殺す。母親が14歳のときにそうしたように……。生まれたときから、子供はそう教えられた……。
もの心ついたときから、あの日は決まっていました。四季が決めていた日だったの。その日が来たら、四季を殺して、部屋の外に出て、そして父親を殺す。何度も、そう教えられていた。それが、良いことなのか、悪いことなのかなんて、考えもしなかった。教えられていなかったのです。すべて決まっていたこと。それが人間の生き方だと教えられて教えられたのです」

(引用:すべてがFになる P444/森博嗣)


天才の娘も天才なわけではない。天才の親が天才でなかったように。こんな教育を受けていたなら、普通の神経だったら自殺を選ぶ理由も分かる。


でもそういう生き方しかないと教育されていたにも関わらず、関わりのあった唯一の人間である四季の教えに背いて自殺ができるのも、並の人間ではないなぁとは思う。



犀川は、「四季博士は、世界は自分が中心に回っていると考えている」と言っていた。それと同じように森博嗣ワールドの物語のすべては、真加田四季を中心として回っていると考えていいだろう。


──追記(2021.12.5)

前回読んだときは、Vシリーズを読み切ってなかった。それでも十分面白かったが、やはりセオリー通りVシリーズを読んでからのほうが人間関係含めほとんどの事で理解が通って面白かった。


とくにVシリーズで保呂草と各務のことを知れたからこそ、イタリアのモンドヴィで保呂草と犀川が再開した所は、前回では分からない感動があった。Vシリーズでは紅子にしか別れをつげてなかったしな。


あと細かい所だけど、儀同世津子と保呂草(椙田)の会話で

「いえ、貴女のことを特に調べたわけではありません。大丈夫、ご心配なさらないように。そうではなくて、さきほども説明したように、僕は各務さんのことを調べています。その過程で、犀川さんや貴女のことがでてきただけのことです」
「兄も、ですか?」
「貴女以上に、真賀田博士のことをご存じかもしれない。なにか聞いていませんか?」
「いいえ、なにも。その……、そういったことを人に話すようなタイプじゃないんです」
「うん、そうでしょうね」
「え、ご存じなのですか?」
「あ、いいえ」彼は煙草の煙を吐く。「誰にも話せるような内容ではありませんから」

(引用:四季 秋 P58)

「うん、そうでしょうね」
保呂草のこの一言だけでもシリーズ通して読んでると刺さるんだよなぁ。こういう細かい所がシリーズ通して読んでる人へのご褒美。

最後に

私は、S&MシリーズとVシリーズを読破する前にこの四季シリーズに手を出してしまった不届き者ゆえに、人間関係や過去の事件の繫がりなど完璧に理解することはできなかった。(各務と保呂草、エンジェルマヌーヴァなど)


順番通りに読んだほうが絶対いいってわかってはいたんだが…真賀田四季の魅力に勝てなかった。


この四季シリーズは『すべてがFになる』そして真賀田四季が大好きな方にはたまらない一冊だ。



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『四季 夏』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】




春、夏、秋、冬の四部作からなる『四季』。その中の『夏 Red Summer』を読んだので感想を語っていく。名作『すべてがFになる』の舞台を整える、前作ファンにはたまらない至高の一冊だ。


目次

あらすじ

十三歳。四季はプリンストン大学でマスタの称号を得、MITで博士号も取得し真の天才と讃えられた。青い瞳に知性を湛えた美しい少女に成長した彼女は、叔父・新藤清二と出掛けた遊園地で何者かに誘拐される。彼女が望んだもの、望んだこととは?孤島の研究所で起こった殺人事件の真相が明かされる第二弾。

感想

Vシリーズの瀬在丸紅子やら他のシリーズも読んでいる人にはたまらない一冊だった。加えて『すべてがFになる』の前日譚的な要素もあり、さらに四季の生い立ちも追える欲張りセット。


ちゃんと『すべてがFになる』に繋がるがすごいよなぁ…。作者の頭の中どうなってるんだろ。


『四季 夏』で起きることは、『すべてがFになる』で了解している。つまりそこへ至る展開と、天才の思考、天才と凡人の会話が本作の面白い所だった。

──『すべてがFになる』の謎が明かされる

『すべてがFになる』で新藤は四季に殺される。そして新藤は四季をかばって真実をつげないまま死んでしまうわけだが、なぜ新藤は四季のためにそこまでできるのか正直わからなかった。また、四季が両親を殺した動機もあかされていなかった。


今までモヤがかかっていた"真実"が四季の思考を通して明らかになる様子は、これから起こる事実が分かっていてもわくわくする。


確かに"真実"は明らかになるものの、それと受け入れられるかは別問題。四季の考える理屈は分かる。しかし受け入れることはできない。そこが天才と凡人の差なんだよなぁ。


『すべてがFになる』では、四季のパソコンにメッセージが残されていた。P176-177のあたりだ。真賀田四季、栗本其志雄、佐々木栖麻の四季の別人格を合わせた三人の名前が記されている。


『春』では栗本其志雄が登場し、『夏』では新たな人格の森川須磨が登場した。何故、森川須磨から佐々木栖麻へ名前が変わってしまったのか?それ自体は謎だ。


しかし、 森川須磨の人格がなぜ作られたのか?その答えは何となく想像できる。森川須磨が現れたタイミングは、四季が性交渉を行う直前だった。つまりそれは四季にとっては珍しい"わからないこと"だったわけだ。知識だけではどうしようもない事を解決するために森川須磨の人格が形成されたのではないだろうか。


今まで身の回りの世話をしていて四季との距離が近かった、そしてなにより新藤のことをよく知っている。そのため彼女の人格が形成するのが一番の近道だったのだろう。

──『Vシリーズ』との繋がり

紅子、林、各務、保呂草と『夏』ではVシリーズの主要登場人物も多く登場する(保呂草の名前は出ていないが、保呂草だろうと推測できる)。


Vシリーズの10作品目『赤緑黒白』でほのめかされてはいたが、今回でようやく正式に林の正式名称が犀川 林であることが明かされる。つまりへっくんはS&Mの主人公・犀川創平であった……と。これはびっくりだよなぁ……。


また、各務と保呂草の関係の変化もなんだか意外な感じ。各務って一匹狼タイプっぽかったが……相変わらず保呂草は罪な男のようだった。



──真賀田 四季について

森博嗣の作品において、四季ほど魅力に溢れる登場人物はいない。天才の思考を追うだけでもこの作品を読む価値がある。一つ、私に突き刺さった四季の思考を引用しておく。

なにもインプットしない。
なにもアウトプットしない。
単なる燃焼だけの生命がほとんどだ。
抵抗もせず、
攻撃もしない。
流れるままに生きる生命がほとんどだ。
自分たちの創り上げたものにも無関心。
それどころか、自分は歴史には無関係だと信じている。
戦争を嫌い、
犯罪を嫌い、
自分には何もできない、
自分はこんな人間です、と諦める。
食べることだけの喜びを見出しているようにさえ見える生命。
酸化するだけのプログラム。
針のない時計、アイドリング中の車、スイッチを消し忘れた機械、水車、風車、風見鶏、すなわち、最初はなにかしようとしたはずなのに、なにもしなくても生きていけることを知ってしまった生命たち。
エネルギィを浪費するだけの仕組み。
そんな膨大な無駄を抱えてる、この社会。

(引用:四季 夏 P235-236/森博嗣)

自分がこの言葉通りなんだよなぁ…。


受け入れなくたくない、物事の真理を突きつけられる。私も多くの登場人物と同じで、四季が怖いんだ。すべてが見透かされそうで、自分の生きる意味をすべて否定されそうで。しかし四季の思考に触れたい。それは怖いとわかっていてもついホラー映画に手を出してしまうような心理と似たものなのかな。



四季は何にもしばられない。この人間社会に洗脳されていないから。人間が長年作り上げたルール、エゴにしばられない。それが本当はおかしいと分かっているから。

最後に

S&MシリーズやVシリーズを読んだうえでの構成とは分かっていたが、読破しないまま読んでしまったことにちょっとの後悔はあるが、後悔を上回る面白さであった。


まさかここでS&MシリーズとVシリーズの繋がりが見えるとは思わなかった。紅子が出てきた時点で四季を通じて、シリーズ同士が繋がってるかと思いきや紅子と犀川がなぁ……。完全に意表をつかれた。


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【オススメ記事】






『十二国記』の作品一覧!全10作品をまとめて紹介する【小野不由美】


あなたは、ファンタジーに何を求めるだろうか?
応援したくなる主人公?
魅力あふれる登場人物?
ハラハラドキドキの冒険?
スカッとするようなどんでん返し?
それとも作り込まれた世界観?


十二国記の世界にはそのすべてがつまっている。
 

これから十二国記デビューを考えている方、十二国記とはなんぞや?って方、どれから読んだらいいかわからない!って方へ、私がどハマリしたこの異世界ファンタジーの魅力、そして各作品のあらすじ・紹介を行っていく。



目次

十二国記シリーズはどれから読めばいい?

十二国記では、各作品ごとに登場する国や主人公、時代が異なっており、刊行順が時系列順ではない。では、どの作品から読めばいいのか?


ズバリ下記の順番で読むことをオススメする。(下記は刊行順である)

1.『魔性の子』
2.『月の影 影の海』
3.『風の海 迷宮の岸』
4.『東の海神 西の滄海』
5.『風の万里 黎明の空』
6.『丕緒の鳥』〈短編集〉
7.『図南の翼』
8.『黄昏の岸 暁の天』
9.『華胥の幽夢』〈短編集〉
10.『白銀の墟 玄の月』

さて、十二国記は簡単に言えば『異世界ファンタジー』という枠組みにおさまる物語だ。


しかし、1であげた『魔性の子』は日本が舞台で異世界は一切でてこない、ホラー寄りの作品だ。では何故、この『魔性の子』から読むのをオススメするか?それはこの『魔性の子』が『十二国記』の世界に飛び立つ前の助走の役割を果たしてくれるからだ。所謂エピソード0といったところ。


もちろん『月の影 影の海』からでも物語を楽しむことはできるだろう。しかし『魔性の子』から読めば、後々の作品をよりいっそう面白くしてくれるはずだ。


また、6の『丕緒の鳥』と9の『華胥の幽夢』は短編集なので、順番通りでも最後に読んでも問題ない。

十二国記はどんな世界?

──世界観

古代中国がベースだが、まったく別の世界。文明は現世よりだいぶ遅れており、電気などは通ってなく旅は徒歩か馬を使うのが主である。世界は文字通り12の国でできた世界の物語である。(世界の中心に『黄海』という島があるが、この島は十二国に含まれない。)

【十二の国】

慶(けい)
雁(えん)
戴(たい)
恭(きょう)
漣(れん)
才(さい)
奏(そう)
柳(りゅう)
範(はん)
芳(ほう)
巧(こう)
舜(しゅん)

【十二国記の世界地図】


十二国記は、『現世』と『十二国(ファンタジーの世界)』の二つの世界が登場する。設定としては我々の住む現世(十二国の世界の住人は蓬莱と呼ぶ)と十二国記の世界は虚海という広大に海に隔てられている。


本来は『現世』と『十二国』とは行き来ができないのだが、蝕(しょく)と呼ばれる天災が起こると『現世』と『十二国』の世界が混じり、『現世』から『十二国』へと、また逆に『十二国』から『現世』へと人が流れ着いてしまうことがある。


『十二国』に流れついてしまった人々は、海客と呼ばれるのだが、物語の主人公たちはこの海客が多い。


様々な主人公の目線から異世界の世界を堪能できるのも十二国記の魅力の一つだ。世界観がしっかり構築されていて登場人物も魅力的。私は『月の影 影の海』を読んでから十二国記の世界にのめり込んでしまった。


──十二の"王"と"麒麟"

十二国では各国に一人の王と麒麟が存在する。麒麟の大きな役割は、王を選ぶことである。麒麟は天意によって王を選び、王は麒麟に選ばれることによってのみ、国を統べることを許さる。


十二国記の物語の根っこは国同士の争いはなく、王と麒麟がいかに国を治めることができるのか?にある。


王に選ばれれば、その人物は人によって人にあらず…仙人の力(不老の力)を得られ国の統治が上手くいってる限りは王も麒麟も何百年と生きることができる。逆に、悪政を続けて国が傾いていくと……。


王の治世は、数年で終わる場合もあれば、数百年にも及ぶこともある。当然、長く続く国は安定しているので国は栄えるし、何度も王が代わっている国は悪政の連続で貧しく国になっていく。


十二国記のあらすじ・紹介

ここからは、すべての作品のあらすじと簡単な紹介をしていく。

──1.『魔性の子』

──あらすじ

どこにも、僕のいる場所はない──
教育実習のため母校に戻った広瀬は、高里という生徒が気に掛かる。周囲に馴染まぬ姿が過ぎし日の自分に重なった。彼を虐めた者が不慮の事故に遭うため、「高里は祟る」と恐れられていたが、彼を取り巻く謎は、"神隠し"を体験したことに関わっているのか。広瀬が庇おうとするなか、更なる悲劇が……。心に潜む暗部が繙かれる「十二国記」戦慄の序章

(引用:魔性の子/小野不由美)


──戦慄の序章
十二国記のエピソード0。この物語だけはファンタジーではなく、ジャンルはホラーに近い。『魔性の子』は十二国記の世界を余すことなく楽しむための助走の物語といった印象だ。


私自身も『魔性の子』から十二国記の物語に入ったわけだが、『魔性の子』で登場した伏線がその後に続く作品の中で徐々に繋がっていくので理解できたときは「そうだったのか!!」と唸ってしまった。特に『黄昏の岸 暁の天』を読み終わった後には、なおさら『魔性の子』が読み返したくなるはずだ。


神隠しの謎、祟りの謎、『魔性の子』なくして十二国記は語れない。

「自分の居場所はここではない。あちらの世界へ帰りたい」

──2.『月の影 影の海』

──あらすじ

「お捜し申し上げました」──
女子高生の陽子の許にケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会うものに裏切られ異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒涛のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。

(引用:月の影 影の海/小野不由美)


──少女は一人、異世界へ渡る
現世で生きる少女が突如、異世界に放り込まれる。あまりに苛酷で味方は誰一人…いない。エピソード0の『魔性の子』とはうってかわって、『月の影 影の膿』は異世界ファンタジーの世界に本格的に突入する。


目を引くのは、困難に立ち向かう主人公・陽子の”強さ”と"成長"だ。放り込まれた異世界で懸命に生きる姿がとにかく印象的。というのも、陽子が来てしまった十二国記の世界は、現世に比べてあまりに苛酷なのである。騙され、裏切られ、挫折して、の連続。段々と追い込まれていく彼女を見ているのが正直辛かった。


しかし、人に暗い影の部分があれば、明るい光の部分があるように、とある出会いが陽子の運命を大きく変える。


──3.『風の海 迷宮の岸』

──あらすじ

天啓にしたがい王を選び仕える神獣・麒麟。蓬莱国で人間として育った幼い麒麟・泰麒には王を選ぶ自信も本性を顕わす天変の術もなく、葛藤の日々を過ごしていた。やがて十二国の中央、蓬山をのぼる人々の中から戴国の王を選ばなくてはならない日が近づいてきたが──。壮大なる構想で描くファンタジー巨編!!

(引用:風の海 迷宮の岸 /小野不由美)


──蓬莱生まれの幼い麒麟が歩む軌跡
『風の海 迷宮の岸』は、戴国の麒麟・泰麒が王を選ぶまでを描いた物語だ。泰麒は蓬莱…つまり現世で、人間として育った。そのため幼い頃に身につけるはずの本来の姿に戻る"天変の術"や、妖魔と契約を交わすことなど、麒麟ができるはずの能力を使うことができず葛藤の日々を過ごしていた。


やがて蓬山に登る人たちの中から王を選ばなければならない時期がくるのだが…。


時系列でいえば、『月の影 影の海』より過去の物語となっている。


──4.『東の海神 西の滄海』

──あらすじ

廃墟と化した雁国の復興に励む延王・尚隆と延麒。幼い頃に出会った更夜の来訪に懐かしさで一杯の延麒は、実は仕組まれた罠であることを疑いもしなかった。争いごとや殺傷を忌み嫌う麒麟を人質にとられ、雁国は怒濤の騒乱にまきこまれてゆくが──。華麗なる筆致で運命の力をうたい謳いあげる大スペクタクル。

(引用:東の海神 西の滄海/小野不由美)


──500年の歴史を作った雁国の序章
今まで紹介した3作品『魔性の子』『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』のすべてにちょこっと登場している延王・尚隆延麒・六太


十二国記の世界では現時点で2番目に長い500年という果てしない年月を治めている二人。『東の海神 西の滄海』は尚隆と六太、二人の始まりの物語である。つまり時系列でいうと『月の影 影の海』などの話より500年ほど前の話となる。


尚隆と六太は共に胎果であり、蓬莱(日本)で生まれ育った。胎果を簡単に説明すると、本来は十二国の世界に生まれるはずだったが、蝕などによって蓬莱(日本)に流されてしまった人である。


──5.『風の万里 黎明の空』

──あらすじ

天命により慶の国の、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父国の非道を知り自らを恥じていた。蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討ちを誓った。それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の邂逅の時を迎える──。

(引用:風の万里 黎明の空〈上〉/小野不由美)


──良い国とは?良い王がとは?
『風の万里 黎明の空』は、『月の影 影の海』の主人公・陽子が再び登場する。慶国の王となった陽子。


王になったとはいえ、ほんの少し前まで普通の女子高生だった彼女は「良い国」を作ろうと悩み、葛藤するわけだが、もいろん簡単に答えは見つからない。


真っ向から向き合い、悩み、現実を見つめながら答えを出している。だからこそ、最後に陽子が出した答えにはきっとあなたも痺れるだろう。


なぜ陽子は王に選ばれたのか?
その疑問も『風の万里 黎明の空』を読んでいて、朧気ながら分かった気がする


──6.『丕緒の鳥』

──あらすじ

「希望」を信じて、男は覚悟する。
慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる「大射」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒は、国の理想を表す任の重さに苦慮していた。希望を託した「鳥」は、果たして大空に羽ばたくのだろうか──表題作「丕緒の鳥」ほか、己の役割を全うすべく煩悶し、一途に走る名も無き男たちの清廉なる生き様を描く全4編収録。

・丕緒の鳥
・落照の獄
・青条の蘭
・風信

『丕緒の鳥』は以上の4つからなる短編集だ。表題にもなっている丕緒の鳥の話が個人的に一番すき。陽子の話がすきな方は是非読んでもらいたい一冊。


どの話も派手さはないが、私たちにとっても共感できる点が多く、胸に深く刺ささる短編集となっている。


これまでは「王にとって」「王になるとは」という点に焦点をあてた物語だったが、『丕緒の鳥』では官吏や民にとって、「王とは」「国とは」という話で、物語本筋ではあまり語られていなかったサイドストーリーとなっている。


──7.『図南の翼』

──あらすじ

何不自由なく豪商の娘として育った少女珠晶は先王の歿後、荒廃した恭国を憂い自ら王になるため蓬山を目指す。侍女の衣を失敬し家を抜け出したものの騎獣をだましとられ、苦難の末に辿り着いた蓬山には自らを恃む人が溢れていた。だが最後に麒麟が跪いたのは……。十二国供王誕生への遠大なる旅の物語!!

(引用:図南の翼/小野不由美)


──国を統べるのは、あたししかいない!!
『図南の翼』は、「あたしがこの国の王になる!」とわずか12歳の少女・珠晶(しゅしょう)が荒廃を辿る一方の恭国を救うため玉座を目指す物語だ。


勝ち気な性格と少女とは思えない聡明さを持ち合わせた珠晶。そんな彼女のハラハラドキドキの冒険に目が離せない。子供ゆえの未熟さはあるものの、物事の本質から目を背けない強さと、真っ直ぐな気持ちを持ち合わせた彼女は魅力的でついつい応援したくなってしまう。


他の作品で昇山について触れられてはいたが、昇山をメインに扱ったのは『図南の翼』が初めてであった。旅の過程はいままで描かれてなかったけど、こんなに大変なことだったんだなぁと改めて思い知らされる。


そして、予想外の出会いも…。


──8.『黄昏の岸 暁の天』

──あらすじ

登極から半年、戴国再興に燃える泰王驍宗。反乱鎮圧のため自ら文州に赴いた王の悲報に、留守を預かる幼い泰麒は衝撃をうけ、大鳴動とともに忽然と姿を消した。王と麒麟を突然失い、偽王の圧政が始まった戴──。その行く末を案じ将軍李斎は命をかけて景王陽子に会うため空を翔けるが……。

(引用:黄昏の岸 暁の天/小野不由美)


これまでに撒かれた伏線が一気に回収されはじめる。『魔性の子』から順々に読んできた方には待ちわびた展開だ。


十二国記における"天"という絶対的な存在を読者に突き付けるなど様々な面で衝撃的な一冊といっていいだろう。


登場人物はこれまでに出てきたオールスター、王も麒麟たちも勢揃いする熱い展開…外交はあっても協調することはなかったこの世界。そんな十二国の国々が泰麒捜索のために力を合わせる。
泰麒、そして戴国の行く末やいかに…。


──9.『華胥の幽夢』

──あらすじ

戴国王驍宗の命で漣国へ赴いた泰麒を待っていたのは。芳国王仲韃への大逆の張本人月渓に慶国王陽子から届けられた親書とは。才国の宝重華胥華朶に託された理想の王国への憧憬の行方は。そして、陽子、楽俊、十二国はいま──。あなたの心をふるわせ胸を熱くする十二国記珠玉の短編集。

(引用:華胥の幽夢/小野不由美)


・冬栄〈とうえい〉
・乗月〈じょうげつ〉
・書簡〈しょかん〉
・華胥〈かしょ〉
・帰山〈きざん〉


『華胥の幽夢』は、5つの物語からなる、十二国記のストーリーの隙間を埋めてくれる短編集だ。


冬栄では泰麒がひたすらに愛らしいし、乗月ではタイトルの意味に感銘をうけ、書簡では陽子と楽俊のやりとりに安心し、華胥では失道の過程にやるせなさを感じ、帰山では今後の物語の展開がさらに楽しみなる。


様々な感情が胸を巡る、シリーズを順当に読んできた方にはたまらない短編集となっている。

──10.『白銀の墟 玄の月』

──あらすじ

戴国に麒麟が還る。王は何処へ──
乍驍宗が登極から半年で消息を絶ち、泰麒も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎は慶国景王、雁国延王の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国に戻った麒麟は無垢に願う、「王は御無事」と。──白雉は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!

(引用:白銀の墟 玄の月〈一〉/小野不由美)

18年の沈黙を経て刊行された十二国記待望の新刊『白銀の墟 玄の月』。『黄昏の岸 暁の天』でついに蓬莱から戻ってきた泰麒が、消息を絶った驍宗を探すために戴国を旅する。


驍宗が失った王宮内は混沌を極めていた。玉座を奪ったのにも関わらず、政に関わらずに引きこもっている阿選、傀儡のようになっていく官吏たち…。戴国では一体なにが起こっているのか?


そして成長した泰麒は、消息を絶った驍宗を探して戴国を旅するのだが、そこで目にした戴国の現状はあまりに酷いものだった。


驍宗は果たしてどこに消えてしまったのか?そして泰麒は、民のために大きな決断を下すのだが…!?


※『白銀の墟 玄の月』は2019年10月12日に〈一、ニ〉が発売され、続きの〈三、四〉は2019年11月9日に発売である。





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地獄とは救いであり未来でもある──『インフェルノ』あらすじ・紹介【ダン・ブラウン】


わたしが贈るのは、未来だ。
わたしが贈るのは、救済だ。
わたしが贈るのは、地獄だ。

(引用:インフェルノ〈上〉P12/ダン・ブラウン)


ダン・ブラウンの大人気作品『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズの『インフェルノ』を紹介していく。


『インフェルノ』はシリーズ第4作目になるが、シリーズ第1作目からではなく、この『インフェルノ』からでも十分楽しめるつくりになっている。ちなみに他の『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズは以下の通りだ。

シリーズ5作品と刊行年
1.天使と悪魔〈2000年〉
2.ダ・ヴィンチ・コード〈2003年〉
3.ロスト・シンボル〈2009年〉
4.インフェルノ〈2013年〉
5.オリジン〈2017年〉


『インフェルノ』は、芸術・建造物の歴史を巡る謎解きでもあり、現代の社会問題を提起している作品でもある。

そして他のシリーズ作品と同様に、謎の組織、命を狙われる主人公・ラングドン、芸術作品にまつわる暗号…と、ダン・ブラウン節が顕在の一冊だ。

目次

【書籍情報】

タイトル:インフェルノ
著者:ダン・ブラウン
出版社:角川文庫
ジャンル・要素:ミステリー
ページ数:〈上〉305ページ
〈中〉296ページ
〈下〉266ページ
刊行年:2013年
映像化:映画化
読後感:衝撃的


あらすじ

「地獄」。そこは″影″──生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂──が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件のてがかりがあると気付くが──。

(引用:インフェルノ〈上〉裏表紙/ダン・ブラウン)


ハーバード大学教授のロバート・ラングドンが目覚めたのはフィレンツェの病院だった。記憶の最後ではアメリカにいたはずが、いつの間にかイタリアに来ていた。


担当医のシエナ・ブルックスいわく、何者かに拳銃で撃たれ、銃弾が頭をかすめて意識を失ったところを病院に運びこまれたらしい。怪我の影響か2日間の記憶が無く混乱するラングドンの元に拳銃を持った女が病院を襲撃してくる。


ラングドンはシエナと共に命からがら病院から逃げ出し、シエナのアパートに身を隠すこととなる。そして救援を要請するためアメリカ領事館に連絡するも、そこに現れたのは先程襲撃をしてきた女だった。ラングドンは政府に狙われているのか?はたしてこの2日間に何があったのか?


ラングドンはジャケットのポケットに身に覚えのない金属製の筒を発見。そこには"バイオハザード"の不吉なマークが…。調べてみるとその筒は投影機で、壁に映し出されたは『地獄の見取り図』であった。


ラングドンとシエナは襲撃者から逃げつつ、なぜフィレンツェにいるのか?何故こんな物を持っているのか?そして、何故命を狙われているのか?シエナと共に真相究明に乗り出す。




──ダンテ・アリギエーリ

『インフェルノ』を語る上で外せない存在が14世紀に活躍したイタリアの詩人・ダンテ・アリギエーリ『神曲』だ。作中ではこんな説明がなされていた。

世界文学の最高傑作のひとつとして讃えられる〈地獄篇〉は、三篇から構成されるダンテ・アリギエーリの『神曲』──ダンテが地獄の苛酷な道をくだり、煉獄をめぐって、最後に天国に行き着くまでが描かれた14233行の叙事詩──の最初の一篇だ〈地獄篇〉、〈煉獄編〉、〈天国篇〉の三篇のなかで、〈地獄篇〉は抜群に広く読まれ、人々の記憶に刻まれている。
ダンテ・アリギエーリが1300年代に記したこの作品は、中世の地獄観をまさしく定義しなおした。このような娯楽の形を通じて、大衆が地獄の概念に心を奪われるなど、それまで例がなかった。ダンテの著作は、抽象的だった地獄の概念を鮮明で恐ろしい光景へと──生々しく、わかりやすく、忘れがたい光景へと──一夜にして結晶させた。この詩篇が発表されたあと、教会にかようキリスト教信者が急増したというのも驚くにあたらない。ダンテが新たな形にした地獄へはけっして墜ちたくないと、罪人たちが恐れをなしたのだ。

(引用:インフェルノ〈上〉P114-115/ダン・ブラウン)


そして〈地獄篇〉の様子を忠実に再現したのが、ボッティチェリの作品『地獄の見取り図』。この『地獄の見取り図』が先程あらすじで説明したように、ラングドンがもっていた投影機で映し出されるわけである。


【地獄の見取り図】

(出典:インフェルノ〈上〉/ダン・ブラウン)



しかし上の画像とは違い、ラングドンがもっていた投影機によって映し出された『地獄の見取り図』には一部修正が加えられていた。
『C・A・T・R・O・V・A・C・E・R』
という謎のアルファベット。そして、その映像の下には「真実は死者の目を通してのみ見える」と書かれていた。この暗号から『インフェルノ』の幕があける。


原作と映画はラストが違う!?

実はこの『インフェルノ』は、原作小説と映画ではラストの展開がかなり違う。いや、まったく違うと言っていいだろう。


私は元々原作を読んでいて、先日(2019年3月9日)に土曜プレミアムの放送で初めて映画を見たのだが衝撃だった。映画では時間の縛りがあるので、省略できる箇所を省略するのはしかたがないが、ここまでラストを変えてしまっていいのか疑問である。


個人個人で好みはあるだろうが、私は原作派だ。原作だと暗号などがじっくり楽しめるのも大きい。もしあなたが『インフェルノ』の映画を見て面白かったと思ったなら、是非とも原作小説を読むことをオススメする。


謎を一つ一つ吟味する楽しみと、もう一つの衝撃のラストと出会えるはずだ。


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『本日は、お日柄もよく』の感想を好き勝手に語る【原田マハ】



『困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している』

(引用:本日は、お日柄もよく P323/原田マハ)


目を背けなければ、ピンチはチャンスに変えられる。
一歩ふみだす勇気を貰える。

そんな元気がでる原田マハの『本日は、お日柄もよく』の感想を語っていく。


【書籍情報】
タイトル:本日は、お日柄もよく
著者:原田マハ
出版社:徳間文庫
ジャンル・要素:青春小説・お仕事小説
ページ数:375ページ
刊行年:2013年
映像化:2017年にWOWOWでテレビドラマ化
読後感:ハッピーエンド

感想

今までまったく興味も関心もなかったことに関心を持たせてくれる出会いがあるのが本のいいところ、と気づかせてくれる一冊。そしてちょっと勇気を出して一歩踏み出してみようと思える一冊だった。


興味をひかれたのはメインであるスピーチについて、もう一つは政治の世界について、そして言葉について。

言葉は、ときとして、世の中を変える力を持つ。

(引用:本日は、お日柄もよく P331/原田マハ)


このセリフ通り、私たちが普段なにげなく使っている『言葉』の力、『言葉』の可能性をスピーチという形で読者に投げかけていた。


スピーチがメインテーマなだけあって、スピーチの場面は思わず引き込まれる。私はスピーチ…というか目立つこと一般がとても苦手なのだが、そんな私でもちょっと人前で話すのも楽しそう!『言葉』で世界を変えてみたい!と思えたほどだ。


スピーチの極意も散りばめられていてるのが普通にためになる。物語を楽しみながらも勉強になる。

「聴衆に向かって最初に問いかけるのは、聴くもの興味を喚起するのに最も効果的なスピードの手法のひとつ」

「 ディベートの時はできるだけ具体的な例を盛り込むことで聴衆の関心を集めることができる」


などなど。そして印象に残るセリフも多い。

言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけも、励ましもする。本やネットを目で追うよりも、話せばなおのこと、生きた力をみなぎらせる。この魔物をどう操るか。それは、話す人次第なのだ。

(引用:本日は、お日柄もよく P131/原田マハ)



物語全体的に見れば、しっかりまとまっているしハッピーエンドで読後感もよい。見事なくらいのハッピーエンドで若干の歯がゆさもあるが。


ただ…片思いをしていた幼馴染の結婚式でスープに顔面から突っ込むって…。さすがにめちゃくちゃすぎて感情移入はできなかった。あとは文体が好みじゃなかったかな。


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仇敵同士の二人の王が歩む軌跡『黄金の王 白銀の王』あらすじ・紹介【沢村凜】



「薫衣様。私はお教えしたことのなかで、いちばん大切なことは何でしたでしょうか」
「この血に恥じぬよう生きること。事切れる間際まで」

(引用:黄金の王 白銀の王 P27/沢村凜)



仇敵同士の二人の王が歩む軌跡、沢村凜のファンタジー作品『黄金の王 白銀の王』を紹介していく。


感想はコチラ
【『黄金の王 白銀の王』感想】

目次

【書籍情報】
タイトル:黄金の王 白銀の王
著者:沢村凜
出版社:角川文庫
ジャンル・要素:ファンタジー・歴史ファンタジー
ページ数:481ページ
刊行年:2007年
映像化:なし
読後感:泣ける・すっきり


あらすじ

二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王であった──。翠の国は百数十年、鳳穐と旺厦という二つの氏族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領・穭が治めていた。ある日、穭は幽閉してきた旺厦の頭領・薫衣と対面する。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王。彼らが選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。日本ファンタジーの最高峰作品。

(引用:黄金の王 白銀の王/沢村凜)


物語のテーマは、覇権を争う二人の王の「和解」そして「共闘」。ファンタジーといば魔法がでてきたりだとか、派手なアクションをイメージする方も多いだろうが、そのような要素はなく物語は静かに淡々と進む。だが熱い。世界に引き込まれる。それは魅力的な二人の王が歩む軌跡を堂々と、時に残酷に、そして現実世界のように鮮明に描かれているからだろう。


二つの氏族と二人の王

物語の舞台となるのは翠国。翠国は、鳳穐(ほうしゅう)旺厦(おうか)の二つの氏族が常に覇権を争っていた。タイトルの『黄金の王 白銀の王』は、この二つの氏族の王であり名前は、鳳穐は穭(ひづち)、旺厦は薫衣(くのえ)という。
そして現在は、鳳穐が覇権を握っている。というあたりから物語が始まる。

(出典:黄金の王 白銀の王/沢村凜)


鳳穐と旺厦は100年以上前から争いを続けており、穭も薫衣も、それぞれの敵氏族を駆逐するよう教えられ、世の中もそれが当然の摂理であると考えていた。


そんな中、穭は世の中の流れに逆らい大きな決断を下す。それは鳳穐と旺厦が「共闘」すること。鳳穐と旺厦が長年争いを続けているために翠国は衰退の一途をたどっていた。ひとつの国の中で潰し合っている場合ではないのだ。さらには翠の国外から、海を渡って他の民族が侵略してくる可能性も高い。


「なすべきことをなす」ため穭と薫衣は、共に100年の歴史を覆す「共闘」をはじめる。


……が、物事はそううまくまとまるものではない。あらすじにあるように、二人の王は生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられたもの同士。様々な葛藤を胸に二人は新しい翠国を目指していく。

「共闘」

大きな目標のために敵同士だった者が手を組む。これだけ聞けば、盛り上がるよくある展開だ。本書もこの展開に違いはないが、『黄金の王 白銀の王』で語られるのは「共闘」を決め、達成を目指す果てない道のりだ


同じ王でも、穭と薫衣の人間性はまったく異なるし、周りから見る二人の立場もまるで違う。努力家肌で広い視野を持ち、細かな根回しができる穭。天才肌でカリスマ性と我慢強さをあわせ持つ薫衣。


鳳穐が実権を握るこの時代で旺厦の王・薫衣は非常に厳しい立場に立たされる。そして先程も述べたが、二人の王は生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられたもの同士。そんな二人が20年以上の時をかけて人心と政情を少しずつ少しずつ動かしてゆく。


最後に

派手さのある作品ではない。しかし『黄金の王 白銀の王』は、私にとってじわじわと心に残り続ける作品だ。激しい熱量で燃焼するような炎ではなく、じわじわと燻り続ける、一見弱々しいが確かに暖かい、そして決して消えることない。そんな炎のような作品だ。





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