FGかふぇ

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【ネタバレあり】小説「終電の神様」の感想を好き勝手に語る【阿川大樹】

どうもFGです。

 

今回は阿川大樹さんの「終電の神様」の感想を語っていきます。

 

ネタバレありなので、未読の方はこちらをどうぞ。

 

 

 

 

感想

 まさに終電の「神様」がいて、登場人物たちを助けてくれているのでは?と思わせてくれる作品。

 

 第一話  化粧ポーチ

このお話の神様のお仕事は夫婦円満

 

読み進めていき思ったのが「騙された!」でした。緊急停車した満員電車、忍び寄る痴漢の手。痴漢に狙われているのが女装した男性だったとは、まったくの予想外でした。

 

しかし、読み返してみるとしっかりヒントはでているんですよね。例を出すと

 

「わたしがふだんスカートを穿かないからだ。」

(引用:終電の神様 P8/阿川大樹)

 

「女は得だと思う。今日のように外出するといつも思う。」

(引用:終電の神様 P18/阿川大樹)

 

などなど。

普通に読み進めていくぶんには気づきませんでしたが、真相を知ってしまうと「なるほど、そりゃそうだ」と思ってしまいます。

 

スカートを穿かないのは、男だから

今日のように外出すると得だと思うのも、男だから。

 

結末部分がまさに終電の神様による粋な計らいです。

もし、電車か止まらずにすんなり帰れていたなら化粧を落とせる時間が十分にあったわけですからね。

 

 

第二話 ブレークポイント

元気が出る、自分も頑張ろうと思えるお話。

 

ここでの神様の仕事は、困難に立ち向かう主人公の背中を押してくれたこと。

 

 小さなIT会社に勤める主人公。

 どん詰まりの状況でも前を向く彼に、新しい出会いと気分転換のボクシング、幸せの結婚報告を与えてくれたのは、まさに電車が遅れてくれたおかげではないだろうか。

 

会長の優しさと言葉にも沁みるものがある。

「人生とちがって、ボクシングのラウンドは三分しかない。それでもけっこう長い。(中略)すべてがうまくいかないこともある。なんの手立てがないときは、まずはただ倒れずにゴングが鳴るまで立ってることを考えればいいんだ。」

倒れずに立っていれば必ずゴングが鳴る。

なんだか名言だ。少なくとも今の自分にとっては。

(引用:終電の神様 P91/阿川大樹)

 

 

第三章 スポーツばか

ここでの神様の仕事は、恋愛のお手伝い。

 

私は確信は持てないのだが、電車が遅れて主人公が彼の家に行くのが遅れたために、二人でサイレンを聞くことができ、彼が「郵便局が火事になった」という嘘を思い付いた。

 

という解釈でいいだろうか?よろしければみなさんの意見を伺いたい。

 

 

第四話  閉じない鋏 

ここでの神様の仕事は、覚悟と決意の時間を与えてくれたこと。

 

不思議なことだが、母から知らせを受けたとき、助かってくれという気持ちは起きなかった。「運命の日が来た」と自然に思った。と同時に、動かなくなった電車の中で、父への対応をくやむ気持ちが自分を圧倒しはじめていた。

(引用:終電の神様 P158/阿川大樹)

 

誰しもが直面する両親との別れを描いたお話。

電車が止まってしまい、父がいる病院へ行くのが遅くなってしまうのだが、無理矢理にでも主人公に考える時間を与えるために電車を止めたのではないかな、と思った。

 

現実を受け止める覚悟と、家業を継ぐ決意。

 

決意の後押しをしてくれたのは、小料理屋で偶然あった男性だが、素敵な出会いではないか。

 

個人的な話になってしまうが、私の両親は自営業で働いており、私はサラリーマンとして働いている。

 

主人公と重なる部分が多く、しかもなかなかに重い話。似た部分が多いなと気づいた瞬間に他人事ではないなと強く思った。

 

両親との別れは避けられない。悔いをなるべく残さないようにしようと改めて思った。

 

 

終わりに

四話までは実際に終電の電車に閉じ込められた話。

五話、六話、七話は人身事故側の話になっている。

 

迷ったところだが、「終電の神様」としての話は4話までではないか?と思ったので今回はここまでにさせてもらう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。