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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』映画と小説の違いをまとめる。【東野圭吾】

映画ではある程度の時間的制約が設けられるため、原作である小説や漫画の良さをすべて伝える事は難しい。


しかしそれを補うのが原作にはないアレンジだったり、小説や漫画には出せない音や映像による演出だ。


原作を知ってなお映画を見たいと思うのは、余程その原作が好きというのもある。しかし私がそれ以上に思うのは、小説の場合『文字を読んで自分のイメージしていた世界と実際に映像化された世界との答え合わせがしたい』という感情が大きいのだと思う。



さて、今回は東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』について、映画版と小説版の違いを覚えている範囲でまとめていく。


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※ネタバレありなので、ネタバレNGの方はこちらをどうぞ。
【小説紹介】

【映画紹介】




映画と原作の相違点

映画でカットされた部分

まずは原作にはあるが映画ではカットされている部分についてだが大きくカットされている部分は2箇所ある。


一つ目
第一章 『回答は牛乳箱に』より
原作ではナミヤ雑貨店に忍び込んだ3人に最初に届く手紙は『月のうさぎ』からの相談だが、これは丸ごとカットされている。


二つ目
第四章 『黙祷はビートルズで』より
第一章と同じくこの章の『ポール・レノン』からの相談も丸ごとカットされている。




原作では
第一章 『回答は牛乳箱に』
第二章 『夜明けにハーモニカを』
第三章 『シビックで朝まで』
第四章 『黙祷はビートルズで』
第五章 『空の上か祈りを』
の一~五章で構成されているが、それのうち2章分が、ほぼ丸ごと抜けている。


それにともない残りの3章分の内容も、抜けた2章との関わりがある部分がカットされ、若干内容が薄くなっている感は否めない。


詳しく挙げていく
第五章 『空の上から祈りを』 より
この章では『迷える子犬』こと武藤晴美から相談を受ける。


何故『迷える子犬』というペンネームになったのか?また彼女が立ち上げた社名が何故『リトル・ドッグ』なのか?その疑問は第四章『黙祷はビートルズで』の相談者『ポール・レノン』こと藤川博との話で解決できる。


藤川博から丸光園時代に貰った手彫りの犬をお守り代わりにずっと持っていたことが『迷える子犬 』の名前に繋がっているのだが、その辺の詳細は映画では語られていない。


また、武藤晴美がナミヤ雑貨店を知った経緯、そして信頼するにあたった理由は第一章の相談者『月のうさぎ』こと北沢静子との関わりで明らかになるのだが、北沢静子は映画では登場しないので、その辺の詳細もカットされている。


時間の流れ
原作では、ナミヤ雑貨店の店内と外とでは時間の流れが違く、店内では外と比べてとてもゆっくりと時間が流れているとあったが、映画ではこの設定は触れられていなかった。



原作にはないアレンジ

では逆に原作にはなかった映画版ならではのアレンジは何があったのか?


悪事を働いた三人組について
強盗をしてナミヤ雑貨店に逃げ込んだ三人組、敦也・翔太・幸平

映画版では序盤、ナミヤ雑貨店の雰囲気に違和感を覚え、店をでて商店街を走り抜けるシーンがあった。(原作では、ナミヤ雑貨店から少し出るくらいで、三人が商店街へは行かない)


そこでいくら走っても同じ場所をループしたり、バスをすり抜けたり、いつの間にかにナミヤ雑貨店の前にワープしていたりと、いかにも不思議な世界に迷い混んだしまったような演出があった。


そして商店街から寂れた様子はなく、過去に飛んでいるような印象を受けた。


また、映画では原作以上にこの三人に焦点を当てて心情や葛藤が描かれていた。
現状を変えたいと思ってはいるが、心の底ではそんなことは無理だという感情が支配してしまっている三人。


敦也と他二人の意見が対立する場面が原作にもあるが、映画では敦也が翔太を殴ってしまう場面もあった。


さらに、原作では三人がナミヤ雑貨店の店主『波矢雄治』から白紙の手紙の返事を読んで終わるのだが、映画では三人のその後も少し描かれていて、武藤晴美を助けに行くシーンと、三人が更正して働いているシーンが加わっていた。



未来からの手紙

ナミヤ雑貨店店主・波矢雄治が未来からの手紙を受けとるシーン。原作では息子の波矢貴之と内容を見る場面。映画では貴之の代わりに、過去に波矢雄治と駆け落ちをしようとしていた、丸光園の初代園長である明子が登場する。


しかしすでに亡くなっている明子、幽霊だったのか、雄治が見た幻覚だったのかは定かではない。




まとめ

誤解がないように言っておきたいのだが、今回映画版に対して厳しめの意見を述べてしまっているが映画が決してつまらなかった訳ではない。むしろ原作を知っていてなお、面白かったと思えるくらいだ。


抜けた2章を敦也たち三人組に焦点を当てて補ったり、他の3章の内容を際立っていたと思う。


特に『夜明けにハーモニカを』は映画のほうが好きだ。もう涙止まりませんでした。


『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は小説、映画共にそれぞれの良さがある素晴らしい作品だと思います。

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