FGかふぇ

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『夜明けの街で』を紹介。不倫とは甘い地獄である【東野圭吾】

「謝るっていうのは、その時だけのことじゃないんだぞ。土下座は贖罪のスタートにすぎないんだ。で、それが終わる日は来ない。一生、謝罪の日が続くんだ。女房に頭は上がらず、家でも肩身の狭い思いをすることになる。どちらかが死ぬまでそれは続く」

(引用:夜明けの街で P129-130/東野圭吾)

今回は不倫を主軸にした東野圭吾のミステリー『夜明けの街で』を紹介する。


感想はコチラで書いてます。

『夜明けの街で』は2007年に刊行され、2011年には、岸谷五郎・深田恭子主演で映画化された作品である。


私は本書を読み終えてから知ったのだが、この作品は東野圭吾がサザンオールスターズの『LOVE AFFAIR~秘密のデート~』に感化されて書かれたらしい。


なるほど、確かにそう言われると歌い出しは「夜明けの街で~」からだし、歌詞の中には本書の場面を思わせる箇所がいくつも見受けられる。



あらすじ

不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。
ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる―。建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。彼女は真犯人なのか?渡部の心は揺れ動く。まもなく事件は時効を迎えようとしていた…...。

(引用:夜明けの街で 裏表紙/東野圭吾)




見所

主人公目線

主人公である渡部は一部上場の会社に勤めいる。面倒見のよい妻と可愛らしい娘がいる、いわゆる普通の家族だ。
「不倫なんてするやつはバカ」と思っていた渡部が、思わぬ巡り会わせで不倫の泥沼にはまってしまう心理描写が恐いくらい丁寧に書かれている。


家族に不満があるわけでもない。むしろ恵まれていると言ってもいい。不倫に対しても批判的であった。そんな主人公が堕ちていく姿は妙にリアルで生々しい。


的確な表現

この記事冒頭の言葉は、主人公・渡部の友人である新谷の台詞である。


新谷の不倫に対しての考え、表現、例えがわかりやすく、思わず「なるほど、確かに」と納得してしまうほど説得力がある。


またそんな説得力のある新谷の話が、おまけとして番外編のような形で載っている。


ミステリー

不倫の事ばかりの紹介になってしまっていたが、そこは東野圭吾、もちろんミステリー特有のどんでん返しの展開も用意されているだろう!?


とは言うものの、やはり主軸は不倫による主人公の心理である事には変わりない。


終わりに

私個人の話をすると、このような不倫を主軸にした物語は初めて読んだ。何故、今までそのようなテーマの物語を読んでいなかったというと理由は単純明快、好きではないからだ。


最初では、ドラマや映画などで不倫や浮気をテーマにした作品がとても増えたと思う。また芸能人や政治家のそのようなニュースも毎日のように放送されている気がしてならない。


そんな他人の色恋沙汰を騒ぎ立てて何が楽しいのか理解に苦しむ所ではある。


この作品『夜明けの街で』を読もうと思ったきっかけは著者が東野圭吾だったからだ。彼のファンである以上、「嫌いなジャンルだから読まない」という選択肢はなかった。


まぁ結果としては食わず嫌いをせずに読んでよかったな、と。
人間、経験から学ばなければ分からないことも多い。だからといって学ぶために不倫をするほど馬鹿な事はない。そういった意味ではいい勉強になったと思う。


主人公の最初の立場、考え方は世の一般的男性のそれに近しいものがあると思うので、もし自分が主人公だったら...と思わず考えてしまうかもしれない。

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