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『眼球堂の殺人』の感想を好き勝手に語る【周木律】

神でさえも、ただ下記写すことしかできなかったものが、ザ・ブックなのさ。だから君も、神の実在はともかく、ザ・ブックの実在だけは信じたほうが良い。いや、信じろ

(引用:眼球堂の殺人 P19/周木律)



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第47回メフィスト賞を受賞した『眼球堂の殺人』の感想を語っていく。本格推理物であり理系ミステリーかつ異形建造物...とかなり詰め込まれた作品。内容にはがっつり触れていくので未読の方はご注意ください。


また、森博嗣の『笑わない数学者』
アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』のネタバレにも多少触れていますので、ご注意ください。


感想

最初に驚いたのは眼球堂のスケールの大きさ。表紙を見たイメージだと眼球をモチーフにした丸い建物かと思っていたかが、想像を上回っていた。


上から見るとまさに眼球そっくりな奇怪なデザインに、見取り図を見ただけでこれからこの眼球堂でどんな事件が巻き起こるのだろう、と好奇心が押さえられません。


また要所要所に図が挟んであり、事件の現場となる眼球堂、また殺人現場も鮮明にその場面をイメージすることができるのも良い。


結論から言えば、違和感を覚えるところもあったが、非常に面白かった。十和田の数学を応用した″証明″はテンポよく、なによりラストのどんでん返しはまるで予想していなく、度肝を抜かれた。


何故、眼球堂なのか?
不規則な柱の意味は?
二重扉の訳は?
どのように殺人が行われたのかのか?


多くの謎が提示されるが最後はキレイにまとめられていた。


やはり印象に残っているのは事件の舞台となる眼球堂。前述したようにスケールの大きさにもワクワクさせられたし、なにより目の性質まで共通点を持たせて表現されているのには驚愕もの。


目が回る

目が泳ぐ
盲点


正直「やられた!」と思った。




残念だった点をあげると、主人公である十和田の他に集められた人物が各界の天才たちと言われる割には印象に残らなかった。


それぞれが議論を重ねる場面があったが、なんだか表面上だけの薄っぺらい印象をうける。




『笑わない数学者』

森博嗣といえば、『すべてがFになる』のS&Mシリーズが有名だ。S&Mシリーズ第3作目が『笑わない数学者』という作品なのだが、『眼球堂の殺人』を読んでいて頭に浮かんだのがこの『笑わない数学者』だった。


不思議な館、回転、どんでん返しの真犯人...と、イメージとして重なる部分が多かったです。あとで調べたところ著者の周木律さんは講談社のHPで影響を受けた作家は?という質問に森博嗣さんを挙げていました。なるほど、納得です。


そして、一番衝撃だったのがやはり最後に明かされた陸奥愛子の正体。″堂シリーズ″として続編が出ているのは知っていたので、物語にちょくちょくと名前が出てきていた善知鳥神は、今後でてくるのかと思いきや...まさかの展開。


あれですね、アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』で有名な論争となった叙述トリックを思い出しました。


最後に

すべてを知った上でもう一度読み返したくなる、と思える作品でした。


また、続編として
双孔堂の殺人
五覚堂の殺人
伽藍堂の殺人

とすでに発売されているので、そちらのほうも読んでみたいと思ってます。

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