FGかふぇ

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『図書館の魔女 合同感想本』は原作ファンには堪らない愛が詰まった一冊だった

『十人十色』とはよく言ったもので、物語の感想一つとっただけでも、視点・表現・考え方など「こんなに違いがあるのか」と思わずにはいられない。


『図書館の魔女』の世界に魅せられた10名によって綴られたこの感想本は、あなたをもっと『図書館の魔女』のことを好きにさせるはずだ。


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『図書館の魔女 合同感想本』とは?

著者・高田大介による長編ファンタジー『図書館の魔女』及び『図書館の魔女 烏の伝言』の感想をまとめた本である。


サークル・紫向屋のさよさんと寄稿者9名、合計10名の『図書館の魔女』に関するイラスト・感想・考察が綴られている。


2018年1月21日文学フリマ京都にて出店・発売され、現在でも通販で購入することができる。


私は是非現地で直接買いとは思っていたものの、残念ながら京都まで赴くことはできず...埼玉からは流石に遠すぎました...。だがしかし個人でも通販ができる時代なんですものね、いい時代になったものです。おかげさまで一足遅くなりましたが購入することができました。


表紙

鮮やかな色に『図書館の魔女』文庫本を思わせる緻密な幾何学模様。ひらく前からもうわくわくが止まりません。並べてもいい感じ。
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並べて気づいたのですが、書体も字の並びも同じなんですね。


在庫のほうも少なくなってきている、とのことなので興味が湧いた方はお早めにどうぞ!『図書館の魔女』ファンならたまらない一冊だと思います。


『図書館の魔女 合同感想本』販売ページ
紫向屋*MurasakiMukouya* - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード)
(追記:2018年2月24日をもって売り切れとなりました。)


感想

感想の″感想″になってしまうが、僭越ながらみなさんの感想・イラストについて一人ひとり私なりの感想を述べていく。

さよさん

共感、とにかく共感しました。私が思ってたこと、感じていたことを余すことなく...私もこんな感想が書きたかった...。


「高い塔」の謎
私もとても気になります。螺旋の回廊のはずなのに行きと帰りが同じ向き...一方通行にして不可逆...どうなっているのか想像もできません。


第三作は『霆ける″塔″』ですからね、烏の伝言では登場しなかったキリヒト、ミツクビの動向など気になる事ばかりですが、今まであまりスポットのあたっていない「高い塔」についても注目したいです。


そして...漫画の中のマツリカとキリヒトがいとおしくてたまらない!!文章で何度も読んでいたので、次の展開も分かっている。セリフもほぼほぼ分かる。なのにとても新鮮でした。


漫画の中の二人のやり取りを見ていて『図書館の魔女』という物語が好きなのと同じくらい、マツリカとキリヒトの二人が好きなのだな、と気づかされました。もっと漫画の『図書館の魔女』が見たいです!よろしくお願いします(失礼)


明(みん)さん

迫力があってカッコいい...今にもマツリカの指を鳴らす音が聞こえてきそうです。キリンとハルカゼだけではなく、それぞれが好きな蝶と鉱物まで描かれていて、見ていて飽きません。


私のキリヒトのイメージは、イラストよりもう少し幼いイメージで、何年か後にはイラストのようなイケメンな青年になるかなぁと、思わず妄想が膨らみました。


図書館メンバー4人が勢揃いな素敵なイラストありがとうございます!

鼓十音さん

詩のような形式が美しい...


「この物語が終わってほしくない」からの一節がまさに4巻のラストを読んでるときの私でした。


そしてマツリカとキリヒト、二人の関係を書いた文章が自分でもわからないくらい胸に刺さりました。


特に最後の部分ですかね。私も二人がひとときでも背負わされた定めを忘れ、平穏な時を送れることを願っています。


ふじさん

まず20ページのイラストに目を奪われました。孤独そうなマツリカに始まり、キリヒトと手を重ねるようになり、最後には皆で食卓を囲んでいる...。イラストだけで物語の流れを感じました。


食卓を囲んでるイラストがそれぞれの個性が現れていて特にお気に入りです。


2巻のラストシーン...いいですよね。この長い物語の中でマツリカが唯一、涙を...そして弱さを打ち明けるシーンのように思います。印象に残らないはずがありません。



アトリさん

思わず「なるほど」と唸ってしまいました。恥ずかしながらアトリさんの感想を読んで初めてキリンの軍師としての凄さを理解することができました。


今までに様々な軍師を見てきたアトリさんだからこそ見えた、気づいたキリンの素晴らしさと覚悟。その考えに触れることができ、私も衝撃を受けました。


確かに彼女は『最高の軍師』ですね。この感想のおかげでキリンのことがもっと好きになりました。烏の伝言では残念ながら出番はありませんでしたが、第三作、私も心待ちにしています。

よいこさん

イラストだけで、「あぁ、この絵はあのシーンだな、この絵はあそこかな?」と頭に浮かびました。


特に好きになったのは、マツリカが魚の大きさを「これくらい!」と言ってる笑顔の絵とニザマから帰って来てイラムのスープをしみじみと飲んでいる絵です(違っていたらごめんなさい)


私が一番を心魅かれた部分も、よいこさんと同じでマツリカとキリヒトの関係だったので、何度も頷きながら読ませていただきました。



yoanさん

キャッチコピーに一目惚れしました。是非ともパk...参考にしたいなぁと。


『図書館の魔女』を知らない方が見ても興味をひかれる内容で、『図書館の魔女』を読んだことがある方が見れば、二人の成長を感じられるような素敵なキャッチだと思います。

駒々真子さん

ハルカゼの考察がもう納得の一言。一人の登場人物に対してこれほど深く掘り下げた考察・想いを読めてとても嬉しく思います。


「魔女の想像を越えていく大胆さを持っている」
「色んなものを拾い上げる」
そして、「ハルカゼの役割」
確かに...なるほど、と思わずにはいられませんでした。


ハルカゼはマツリカ以上にマツリカの事を分かっているように、駒々真子さんはハルカゼ以上にハルカゼを分かっているのでは...とさえ思ってしまいました。


ともさん

凛々しいマツリカ様がカッコいい!!また場所が書斎というのもツボでした。


本編にはあまり登場しない書斎。図書館の広大な感じも好きですが、書斎のこの秘密基地チックな感じがとても好きです。まさに″本で出来た巣″。


無造作に重なってる本
螺鈿の机
何かを探しているようなキリヒト


思わずじっくりと眺めてしまいます!


(この場を借りまして、Twitterで拝見したのですが、ぐるぐるとしょまじょのようなデフォルメ絵もとても可愛かったです!)

ふにょふぇさん

細かい所まで読み込んでいるなぁ、と思いました。キリヒトと牛目については私もとても気になっていました。今後のポイントになってきそうですよね。ただ、セトさんですか、まっかく気が付かなかったです。


イラストのほうからも文章のほうからも衛兵愛が伝わってきます。薄々気付いていましたが...ヴァーシャ大好きですよね!?


とくに36ページのイラストが好きです。仮面の下の笑顔、誰がその紐を結んでいるのだろう?いつ頃の彼なのだろう?と考えずにはいられませんでした。

最後に

素晴らしい本をありがとうございました。『図書館の魔女』という物語と出会えたこと、またそれを通じてこのような感想本に出会えたことを本当に嬉しく思います。


登場人物たちの新しい一面を知ることができ、また改めて物語の緻密さ、″言葉″の深さを確認することができました。十名の方には感謝の限りです。


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