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『ルパンの娘』の感想を好き勝手に語る【横関 大】


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「華、自分の胸に手を当てて、よく考えてごらん。あんたが幸せになるんだったら、私はどんな鍵だって開けてあげるよ」

(引用:ルパンの娘 P378/横関 大)




今回は横関 大の『ルパンの娘』の感想を語っていく。ネタバレは考慮せずに書いていくので、未読の方はご注意下さい。





感想

『ルパンの娘』というタイトルに一目惚れして購入したのがきっかけ。


『泥棒一家と娘』と『警察一家の長男』の恋愛事情。泥棒一家の祖父が殺害された真相、という二つの見所を備えた作品。


物語のテンポもよく読みやすく、どんどん引き込まれてあっという間に読みきってしまった。

正反対の二人

なんといっても一番気になったのは、天下の泥棒一家で育った三雲 華と警察一家で育った桜庭 和馬の関係。


泥棒と警察という、水と油の関係。まさに叶わない恋...叶えてはいけない恋に落ちてしまった二人がどうなってしまうのか。


華自身は犯罪行為に自ら手を染めてはいないが、家庭環境を考えれば警察官の和馬と結婚できるはずがない。


普通の家に生まれていれば叶うはずの恋が、特殊な家庭環境のせいで報われることができない。その華の葛藤がなんとも切なくもどかしい。


両家の顔合わせの際に、「何故華は両親に相手が警察官だというのを告げなかったのか?言いづらいのはわかるが流石にそれはないだろう」と読んでるときは思った。


しかし今思えば、あえて伝えないことが、泥棒一家に生まれたことで普通の恋すらできなくなってしまったことへのささやかな反抗だったのかもしれない。

二人の恋の行方も気になるところだが、物語に散りばめられた謎にも興味をひかれた。

  • 何故、華の祖父・巌の遺体は顔をつぶされていたのか?
  • 巌と和馬の祖父・和一との関係は?
  • 巌たちが大学生のときに起きた事件とは?
  • その事件と現在の事件との繋がりは?
  • そして、真犯人は誰なのか?


華と和馬の恋愛事情の裏で巻き起こる事件。このミステリー要素がしっかりと構成されているからこそ、二人の様子が映えるのかもしれない。



ただ、真犯人について...これが残念だったかな。


実行犯である巻。彼は和馬と一緒に捜査をしていた警察官だし、物語中に何度も登場している。


しかし、その巻に殺人を唆した人物がその祖父であると言われても、今まで全然登場していなかった人物がいきなり「実は真犯人でした」と言われても、なんだか突拍子もない感じがしてしまった。



ラスト

結婚式中に公開推理ショーをやるなんて、やること大胆すぎてワクワクしてしまった。


ただ、新婦のエミリには同情してしまった。せっかくの結婚式を台無しにされてしまったあげくに、身内からは犯罪者が出て、更には結婚もなかったことに...。


彼女がこの物語、一番不孝な人物に思えてならない。


それと華と和馬、二人の祖父が想像以上にくせ者だった。完全にだまされた。


すべてがこの二人の手のひらの上だったのは...。確かに言われてみれば、『伝説のスリ師』とも恐れられる人物が簡単に殺されるってのも変な話か。


三雲家、桜庭家ともにハッピーエンドで締め括られてていて後味もよく読み終えることができた。




最後に

タイトルに興味をもち、あらすじで引き込まれて、最後までワクワクしながら読むことができた。


小説でも良かったが、映像化によってより映える物語だと思った。


是非、著者の他の作品も読みたくなった。