FGかふぇ

読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

一度読んだら忘れない!一行目・冒頭が印象的な小説14作品を紹介する


百の物語があれば百の結末があるように、物語の始まりもまた千差万別である。美しい一行目、唐突な始まり、引き込まれる冒頭の一節……。 


第一印象を与えられるのは一度きり。今回は、その第一印象で思わず痺れた小説、続きが読みたくなるような小説、また一気に引き込まれるような小説の1行目や冒頭部分を紹介する。

引き込まれる一行目&冒頭

──①ギンカムロ/美奈川護

「花火には二つしかない」
山頂から吹き降りてくる秋の風が、厳粛な空気の隙間を舐めるように吹いていた。
「一瞬で消えるか、永遠に残るか...その二つしかない」



──②重力ピエロ/伊坂幸太郎

春が二階から落ちてきた。



──③アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

腹を空かせて果物屋を襲う芸術家なら、まだ格好がつくだろうが、僕はモデルガンを握って書店を見張っていた。

──④狼と香辛料/支倉凍砂

この村では、見事に実った麦穂が風に揺られることを狼が走るという。
風に揺られる様子が、麦畑の中を狼が走っているように見えるからだ。

──⑤秘密/東野圭吾

予感めいたものなど、何ひとつなかった。

──⑥夜の写本師/乾石智子

右手に月石。
左手に黒曜石。
口のなかに真珠。
カリュドウは三つの品をもって生まれてきた。

──⑦ロスト・シンボル/ダン・ブラウン

秘密はいかにして死ぬかだ。
時のはじまりから、秘密はつねに、いかにして死ぬかであった。

──⑧真夜中乙女戦争/F

真夜中を愛する者は乙女である。真夜中を憎む者もまた乙女である。


──⑨夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

これは私のお話ではなく、彼女のお話である。
役者に満ちたこの世界において、誰もが主役を張ろうと小狡く立ち回るが、まったく意図せざるうちに彼女はその夜の主役であった。そのことに当の本人は気づかなかった。今もまだ気づいてはいまい。

──⑩博士の愛した数式/小川洋子

彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、ルートと呼んだ。息子の頭のてっぺんが、ルート記号のように平らだったからだ。

──⑪シュレディンガーの猫を追って/フィリップ・フォレスト

漆黒の闇夜のなかで黒猫を捕まえるのは、この世でもっとも難しいことだと言われる。猫がいなければなおさらだ。

──⑫木漏れ日に泳ぐ魚/恩田陸

たぶんこれは、一枚の写真についての物語なのだろう。
むろん、ある男の死を巡る謎についての物語でもあるし、山の話でもあるはずだ。そして、一組の男女の別離の話という側面も持っている。

──⑬向日葵の咲かない夏/道尾秀介

油蝉の声を耳にして、すぐに蝉の姿を思い浮かべる人は、あまりいないだろう。雨音を聞いて、雨滴のそれぞれが地面に接している瞬間を想像する人がいないように。

──⑭スロウハイツの神様/辻村深月

「チヨダ・コーキの小説のせいで人が死んだ」その日の天気は、快晴だった。

あらすじ

以下では、先程紹介した作品のあらすじと簡単な紹介を行っている。

──①ギンカムロ/美奈川護

花火には、二つしかない。一瞬で消えるか、永遠に残るか。幼い頃、花火工場の爆発事故で両親を亡くした昇一は、高校卒業後、一人東京で暮らしていた。ある日、祖父から電話があり、四年ぶりに帰郷する。そこには花火職人として修行中の風間絢がいた。十二年前に不幸な出来事が重なった。それぞれが様々な思いを抱え、苦しみ、悩み、葛藤していく。花火に託された思いとは──。希望と再生の物語。

評価6/10
この記事を書くきっかけになった作品『花火には、二つしかない。一瞬で消えるか、永遠に残るか。』このセリフが好きすぎる。夜空を彩る花火を支える職人の世界と、人間ドラマを描いた物語。


──②重力ピエロ/伊坂幸太郎

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟は大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは──。溢れくる未知の感動、小説の軌跡が今ここに。

評価8/10
『春が二階から落ちてきた。』この書き出しは有名。インパクトがあり知ってる方も多いのではないかと思う。この『春』は四季の春ではなくて……!


──③アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は──たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は結構の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

評価8/10
伊坂幸太郎作品からもう一つ。先程の『重力ピエロ』はインパクトだったが、『アヒルと鴨のコインロッカー』は、とにかく続きが読みたくなる。「どうしてそうなった!?」と一気に物語に引き込まれる。

──④狼と香辛料/支倉凍砂

 行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台に眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。
「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」
 老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に対応することを了承した。
 そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのが──。
 第12回電撃小説大賞〈銀賞〉受賞作!

評価9/10
とにかくヒロインのホロがかわいい。
『狼と香辛料』は著者の代表作である。


ファンタジーであるが、主人公の行商人という職業を通じて、商人たちの駆け引きの様子がまず面白いし、経済的な内容が多いのも特徴的。

──⑤秘密/東野圭吾

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な”秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度の ベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。


評価9/10
『予感めいたものなど、何ひとつなかった。
これから始まる物語の、期待と不穏さを感じる。

東野圭吾の代表作の一つであり、映画化もされている。


──⑥夜の写本師/乾石智子

右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠。三つの品を持って生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔導師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る〈夜の写本師〉の修行をつむが……。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書会にセンセーションをまき起こした著者のデビュー作、待望の文庫化。

評価7/10
『夜の写本師』の冒頭はとにかくインパクトが強い。物語は、まさに”ダークファンタジー”。終始おどろおどろしい雰囲気なのだが、その不思議な魅力に読む手が止まらなくなる。


──⑦ロスト・シンボル/ダン・ブラウン

世界最大の秘密結社フリーメーソン。その最高位にある歴史学者のピーター・ソロモンに代理で基調講演を頼まれたラングトンは、ワシントンDCへと向かう。しかし会場であるはずの連邦議会議事堂の〈ロタンダ〉でラングドンを待ち受けていたのは、ピーターの切断された右手首だった!そこには第一の暗号が。ピーターからあるものを託されたラングドンは、CIA保安局局長から、国家の安全保障に関わる暗号解読を依頼されるが。

評価6/10
ラングドンシリーズの3作目。フリーメイソンを扱った作品。ラングドンシリーズを読んだことない方は、まず『天使と悪魔』か『ダ・ヴィンチ・コード』を読もう。

──⑧真夜中乙女戦争/F

20XX年12月25日未明──東京は、
あと一分で終わる。
愛してると言えないうちに

忘れがちなことだけど、行きたい所には行ってみる。会いたい人には会ってみる。家で思い出はできない。バカげていると思っていたことほどやると楽しい。寂しい時は寂しいを盾に甘えに行ってもいい。風呂は風呂に入るまでがめんどくさいように、旅は旅に出た後あんまり後悔しないので割と行った方がいい。でも、それでも解決しない問題がある時、私たちは戦争するしかない。

評価6/10
『真夜中を愛する者は乙女である。真夜中を憎む者もまた乙女である。』
つまり私は乙女ということか。


作中の一言ひとことが詩的で美しい。そして心に刺さる。

──⑨夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する"偶然の出逢い"にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

評価7/10
森見登美彦の代表作『夜は短し歩けよ乙女』。最初の一節から森見登美彦ワールド全開。著者の文体は唯一無二で癖になる。

──⑩博士の愛した数式/小川洋子

〔僕の記憶は80分しかもたない〕博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に"新しい"家政婦。博士は"初対面"の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

評価8/10
切なくも暖かい物語、幅広い層に読まれている一冊。数学が嫌いな方ほど読んでみてほしい。


──⑪シュレディンガーの猫を追って/フィリップ・フォレスト

鬱々と日々を過ごす主人公の前に現れたのが一匹の猫だ。何の変哲もない、どこにでもいそうな猫。しっぽが太くふさふさして、黒の縞が入ったグレーの毛並みの小柄な猫が、なにかの徴〈しるし〉のように彼の生活に入り込んでくる。それは現実の猫だが、仮想世界に住む生き物であるように見え、語り手の瞑想は文字通り迷走し、妄想となり、猫は反=猫となり、鏡の中で増殖していく。


文学と量子力学の融合。(内容が難しくて挫折し読み切ってないのは秘密である)

──⑫木漏れ日に泳ぐ魚/恩田陸

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿──共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。不思議な胸騒ぎと開放感が満ちる傑作長編!

評価7/10
じわじわと、にじみでるような面白さを秘めた作品。作中にでてくるなんでもない表現が、セリフがいちいち心に刺さる。


──⑬向日葵の咲かない夏/道尾秀介

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。奇妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

評価7/10
『油蝉の声を耳にして、すぐに蝉の姿を思い浮かべる人は、あまりいないだろう。雨音を聞いて、雨滴のそれぞれが地面に接している瞬間を想像する人がいないように。』


何が、とはうまく言葉にできないんだけど、この冒頭すごい好き。
しかしトラウマ作品でもある。

──⑭スロウハイツの神様/辻村深月

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ──あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激しあってた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

評価10/10
『自殺ゲームで参加者15名全員が死亡する』こんなインパクトのある始まりなわけだが、本筋は夢を追いかける創作家たちの青春物語が描かれている。



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