FGかふぇ

読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

『パラレルワールド・ラブストーリー』の感想を好き勝手に語る【東野圭吾】


f:id:furikake-gohan:20180721160730j:plain


東野圭吾の『パラレルワールド・ラブストーリー』が2019年に映画化されることに!!「何故、今になって?」というのが正直な感想。刊行されたのが1998年なので...20年前の作品!?


時の流れとは恐ろしい...。


ということで数年前に一度読んだこの作品を再読することに。


覚えているのは、始まりかたが好きだったというのと、ぼんやりと覚えている結末。


″ネタバレには触れていく″ので未読の方はコチラからどうぞ。
『パラレルワールド・ラブストーリー』あらすじ・紹介


目次

感想

1.やっぱり始まりがいい


印象に残ってただけに、やっぱり物語の始まりがとても好き。

その電車は、近づいたり、離れたりしながら、同じように走っていた。ほぼ同じ速度だがら、最接近した時などは、まるで一緒の車両内にいるかのように、向こうの乗客のようすを見ることができた。無論、向こうからもこちらのようすが手に取るようにわかるはずだった。だがどれだけ近づいても、双方の空間に交流はない。あちらはあちらで、こちらはこちらで世界が完結している。

(引用:パラレルワールド・ラブストーリーP9-10/東野圭吾)


その二つの電車で毎週火曜日に見かける女性。主人公が向かいの車両にいる彼女に一目惚れ。双方の車両が最も近づく瞬間は、その彼女と殆ど向き合った状態になる。


彼女も自分のことを見ているのでは...?


しかし何のアクションも起こさないまま一年がすぎ、主人公の就職を機に最後のチャンスとなる火曜日。


勇気をだして彼女がいつもいる車両に乗ることに...。ところが...いつもの場所に彼女はいない。


落胆した主人公が隣を走る車両に目を向けると、いつも自分が乗っていた車両に彼女の姿。そして彼女は誰かを探すように車両内をゆっくりと歩いている。


駅で電車が止まると、急いで乗り換えて彼女を探すがそこにいた彼女はもういない。





──あぁ、やっぱり好きだな。この始まり。


この話をメインにして一本作品が書けそうなのに、これが「序章」なんだもんなぁ...。


2.記憶

崇史が失った...改編させられた記憶を取り戻していくのがメインのストーリー。その様子を読んでいくなかで記憶ってものがいかに曖昧なものなのかを知らしめさせられる。あとは記憶を失う(改編)させられるのがいかに恐ろしいかということを。

時々ふっと思い出す記憶がおかしい...?自分は麻由子と付き合っていて、昔からの″思い出″もあって...いや、麻由子は智彦と付き合っていた...?そんなはずは...あれ、そういえば智彦はどこへ消えた...?

矛盾と違和感、彼周辺に起きる不気味な動きが不安を助長させる。


自分だけの″モノ″であるはずの記憶を変えられるって恐怖しかない。自分の記憶さえ信じられなかったら、他に何を信じればいいのだろう。



3.三角関係

主人公の崇史と、その親友の智彦。智彦の彼女である麻由子。そして麻由子と崇史は序章の電車の二人...と。


絵にかいたような三角関係。読みきってから思ったのが誰の視点から見ても救われない


三角関係なんて厄介な形だから、救われるも何もないかもしれないが、それにしてもえぐい。



記憶の改編によって苦しむ崇史はもちろん。智彦視点で見れば親友と彼女を同時に失う目に遭う(薄々気づいてはいたが)。


物語全体を知ってからだと、麻由子視点もなかなかにえぐい。かつての恋人であった智彦が付き合っていた記憶を改編して、無かったことにしたあげく仮死状態になる。


その仮死状態を救うために、記憶を改編した崇史と、監視をかねて付き合うことに...。


崇史と麻由子は「序章」の関係もあり、お互いに好き合った仲とはいえ、麻由子からしたら、智彦が危険な状態のなか、何も知らない呑気な崇史と付き合うわけだろう...?


自分が麻由子だったらメンタルぶっ壊れそう。


とにかく、タイトルの『パラレルワールド・ラブストーリー』の″ラブストーリー″と序章の切ない感じからはかけ離れた人間の、嫉妬や弱さが描かれた作品だと思った。




関連記事