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月面探査で見つかったのは5万年前の死体──『星を継ぐもの』【ジェイムズ・P・ホーガン】


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これまで誰一人真実に思い至る者がなかったとしても不思議はない。自明の理を、それも人類の歴史以前からの真実を、誰が疑おうとするだろうか?

(引用:星を継ぐもの P259-260/ジェイムズ・P・ホーガン)



名作は色褪せない。1977年に発売した『星を継ぐもの』だが、こんなにワクワクする小説は、そうないだろう。緻密な構成と宇宙の壮大なスケールが織りなす極上のハード系SF小説だ。


今回は、そんな『星を継ぐもの』のあらすじ・見所について語っていく。

『星を継ぐもの』の感想はコチラ


目次

人類は無限の世界へ

人類の探究心は宇宙へ手を伸ばし、留まる所を知らなかった。火星の砂漠には探検隊が組織され、金星の雲には探査船が飛び、木星にも探検隊が着陸している。


そして月では月面探査基地がいくつかあり、開削作業と現地探査が行われている。そこで奇妙な発見が...。なんと宇宙服を着た人の死体が見つかったのだ。更に驚くべき事にその死体の人物は5万年以上も昔に死んだものだとわかったのだ。


誰?どこから来た?本当に人間か?

月面で見つかった死体は5万年前のものとすれば、様々な疑問が浮かんでくる。


その死体を分析した結果は、現実の地球人と生物学的に見ると変わらないものだった。もし、死体が5万年前の地球人であるならば、5万年前の人類が宇宙に行けるほどの文明があったことになる。それにも関わらず地球には5万年前にあったはずの文明の遺産は残っていない。


では、地球人に似た他の惑星の宇宙人だったのだろうか?しかし問題はその宇宙人と現在の地球人が似すぎていることだ。進化論や生物学的に考えたときにこれはあり得ない。


この人物はいったい何者なのか?どこから来たのか?様々な疑問が渦巻く。


木星の衛星で見つかった謎の宇宙船

月面で見つかった死体の問題が解決する前に、さらなる発見がされる。木星の衛星・ガニメデで2500万年前の宇宙船が見つかったのだ。


そして、2500万年前の宇宙船にも関わらず現在の地球の文明とはかけ離れた技術力を備えていた。


更にはその宇宙船には地球人とはまったく違う、まさに異星人の白骨死体が発見される。月面での発見と木星の衛生での発見。この二つの発見からどのような真実が待ち受けているのか。


謎の解明に挑むのは各分野の専門家たち

月面で見つかった死体は一旦はルナリアン人種のチャーリーと名付けられた。
チャーリーの体型や身につけたいた物など、わずかなヒントから各分野の専門家達が次々と新しい発見にたどり着いていく。


『星を継ぐもの』の面白い点は、宇宙、そして宇宙人という壮大なテーマの物語であるにも関わらず、ストーリーは一貫して月面の死体は何者なのか?どこから来たのか?に特化している点だ。


物理学、言語学、天文学、数学、化学、地理...ありとあらゆる専門家が様々な視点から謎に迫っていくのだが、その様子がたまらなく面白い。


例えるとすれば難解なパズルだろう。偽物も混じるたくさんのピースの中から専門家たちが、正しいピースを見つける。その正しいピースを主人公のヴィクター・ハントがあるべき所に並べるのだ。


そして正しく並べるたけでなく、置かれたピースの形を、色を見極める。そのピースから新しいヒントを得て、周りにくっつきそうなピースを探しだせるような専門家たちに新しい情報(ピースの情報)を与えるのだ。


一つの些細な情報から、どのような答えに発展していくのか?『星を継ぐもの』の大きな見所だ。

最後に

『星を継ぐもの』には続編も存在する。シリーズで3作品あり、『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』である。


『ガニメデの優しい巨人』では、木星の衛星・ガニメデに住んでいた巨人との奇跡の邂逅を描いたもので『星を継ぐもの』の伏線もしっかりと回収されている。


『星を継ぐもの』が気に入った方なら、間違いなく楽しめる一冊になっているはずだ。