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【映画】『マスカレード・ホテル』の感想&原作と映画の違い【東野圭吾】


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東野圭吾原作の映画『マスカレード・ホテル』を見てきた。『マスカレード・ホテル』は私が東野圭吾にはまったきっかけの作品であり、大好きな作品だったので、映画化されたのは、すごく、すごくうれしかった。


絶対に映像映えする作品だと思っていたので映画化されると知ったときは「ついにきたか!!」と心が踊った。

さて、感想はネタバレありなのでご注意を。『マスカレード・ホテル』ってどんな作品?と知りたい方はコチラからどうぞ。

【マスカレードシリーズをまとめて紹介】


目次

感想

 
映画が始まって序盤にタイトルが出るじゃないですか。そのタイトル"マスカレード・ホテル"の文字とまだ刑事の風貌の新田と何も知らない山岸、最初の2ショットがとても絵になっていて、そこから一気に引き込まれ、あっという間の2時間だった。


原作には、ほぼほぼ忠実に描かれていた。登場人物は減らさずに、省ける所をなるべく省いたといった印象。そのため連続殺人事件の詳細が分かりにくいのではないかと思った。私は原作を知っていたから問題なく観れたが、映画が『マスカレード・ホテル』の初見だと理解しきれないのではないだろうか。


逆に、新田と山岸の活躍をひたすらに追っていたという印象。文庫本で500ページを超える分量がある原作を思えば、最低限の内容は盛り込みつつ、よく映画の枠に納めたなぁと思う。原作ファンの私も満足な内容だった。


新田はフロントでの潜入捜査だったので必然的にホテルの入り口・ロビー・フロントのカットが多かった。私のイメージはもっとシンプルなイメージだったけど、だいぶごちゃごちゃしたロビーだったなぁと(あと流石に狭い気が…)。ホテルのきらびやかな表舞台とは違ったホテルの裏側を見れるのも面白いよね。


原作で感じた『マスカレード・ホテル』の面白い所は、犯人が最後までわからないところと、最悪の印象で始まる新田と山岸が、次第にお互いをプロとして認めあっていくところだと思っている。
 

この2点が映画でもうまく表現されていたと思う。特に原作でも印象に残っていたのがこのセリフ。

「ホテルマンはお客様の素顔を想像しつつも、その仮面を尊重しなければなりません。決して、剥がそうと思ってはなりません。ある意味お客様は、仮面舞踏会を楽しむためにホテルに来ておられるのですから」

(引用:マスカレード・ホテル P410/東野圭吾)

フロントに立ってロビーを眺めつつ二人が背中で語ってるのが見ていて、信頼関係を感じられた。


ラストの仮面舞踏会の幻想のようなシーンはついつい『マスカレード・ナイト』の仮面舞踏会の様子を想像してしまって、はやくも続編でもこの二人の活躍が見たいなぁと思った。もしやるとしたら犯人役は大変だろうなぁと思ったり思わなかったり。


あとはエンディングまで素敵だった。エンドロールの両脇を絵で飾っていて、またその絵が芸術的なタッチかつ、物語の見せ場見せ場を描いているもんだから、最後の最後まで飽きることなる映画を堪能することができた。


原作と映画の違い

感想部分でも述べたが、原作にかなり忠実に描かれていた。原作でホテルを訪れる客は全員、映画にも登場していた。その分、客一人ひとりのエピソードはだいぶ省略された形となっている。


カットされている部分をあげていくときりがないので、原作と映画の相違点を覚えている範囲で書いているので抜けている部分もあると思うがご了承ください。


──政治評論家と和風美人

客である政治評論家と着物の美人がホテルに訪れたとき、原作では山岸の勘違いがあって一波乱あったが映画ではトラブルもなくスムーズに進んでいる。

──ペーパーウェイト

山岸が犯人に捕まり、部屋に閉じ込められたてとき、新田が押したインターホンに二人はバスルームに隠れる。その時、新田は二人に気づいていないふりをする訳だが、山岸と犯人がいることに気付いた理由が原作と映画では違っている。


映画では、ホテルコルテシアのロゴが入ったペーパーウェイトが気付いたきっかけだった。山岸がいつも向きと位置を直していたペーパーウェイト、それが所定の位置ではなく乱れていた。


それに対して原作では以下の通りである。

「ベットの乱れに気づかないほど鈍感じゃありません。それに何より、入った瞬間にあなたの気配を感じました」

(引用:マスカレード・ホテル P503/東野圭吾)


映画では、何度もペーパーウェイトを映して注目をひいていたし予想はできたが、演出的には映画のほうが好き。


──ラストシーン

事件解決後、山岸と新田がホテルのレストランで乾杯をして終了のわけだが、原作は夜なのに対して、映画では外がまだ明るかった。(細かい事を言えば原作はシャンパンなのに、映画は赤ワイン?だった)


何故こんな細かいとこまで覚えているかというと、原作のラスト一行が好きなんですよ。

かちんと合わせたグラスに、東京の夜が映っていた。

(引用:マスカレード・ホテル P515/東野圭吾)

なのでそこの部分が映画ではどう表現されているかが気になっていたのだが…まさかの夜じゃないとは…。

──仮面舞踏会

事件解決後、コルテシアのロビーで新田と山岸が出会うとき、新田が仮面舞踏会のような幻想をみる。そのあとの長澤まさみがまた美しくて…映画ならではの演出だった。

最後に

キャストが発表されたときに、新田=キムタクと聞いてイメージがわかなかったが、蓋をあけてみればいいキャスティングだったと思う。刑事の風貌のキムタクがカッコ良かったですねー。序盤しか見れないけど。


エンドロールでは明石家さんまの名前があったけど、私は全然気づかなかった…。どこにいたのかすごい気になる…。もしこれから見る方がいたら探してみてください。



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