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『デセプション・ポイント』の感想を好き勝手に語る【ダン・ブラウン】


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ダン・ブラウンの『デセプション・ポイント』が、『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズに負けず劣らず面白かったので感想を語っていく。


NASAの大発見とは何なのか!?大統領選挙はどうなるのか!?セクストン親子の関係は!?…と、開始数十ページで物語に完璧に引き込まれた。いい意味でダン・ブラウンとは思えない作品で、ダン・ブラウンの新たな一面を伺うことができた。(って言ってもこの作品は3作目だけど)


どうしても『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズのような、史実にまつわった物語に、歴史的建造物や美術品、科学と宗教の対立、そしてフリーメイソンなどの謎の秘密結社が暗躍する……といった作品のイメージだったし、それが持ち味だと思っていたが、そんな固定概念を払拭させられた。
以下ネタバレありなので未読の方はコチラからどうぞ。
【『デセプション・ポイント』あらすじ・紹介】




目次

感想

前半では窮地に立たせれていた現大統領・ザック・ハーニー。隕石の発見でめでたく逆転……と、もちろんそんな簡単に物語が進行していくとは思ってなかったが、予想もできない一転二転の展開にハラハラドキドキで大満足だった。


物語の中で一番気になっていたのは、特殊チームデルタ・フォースの"指揮官"と呼ばれていた、裏で暗躍している人物は誰なのか?


NASA長官のエクストリーム!?それとも大統領側近のテンチ!?と考えを巡らせていたなか、ピカリングが黒幕だったのは完全に予想外だった。まんまと叙述トリックにしてやられた。一番信頼感のある人物や、犯人のはずがない人物(叙述トリックの部分だが、ピカリングはミサイルで殺されたはずだった)を黒幕に仕立て上げるのがダン・ブラウンのこれまでのよくあるパターンで、気にはかけていたのに見事に騙された。いやー悔しい!


クライマックスシーンで死んだはずだったピカリングがでてきたときには、思わず「なんで!?やられた!!」って声を出してしまいそうだった。


ダン・ブラウンが描く犯人が魅力的で嫌悪感を感じない人物が多いのは、犯人が己の志を貫いていている部分にあると思う。予想外なだけでなく、ちゃんと納得できる動機を持ち合わせている。


ピカリングの当初の計画では、犠牲者は地質学者のブロフィーだけのはずだった。しかし、計画外の出来事の連続に段々と道をそれてエスレートしてしまっていたが、すべては米国の安定のためという理想を追い求めた結果。結局は国のために命まで落としてしまうのは皮肉でもある。


レイチェルの命を狙われながらも隕石の秘密に迫る視点も面白いし、ガブリエールの視点からみる大統領選挙の裏側も面白い。どちらの視点も夢中になれる。


NSAの、各分野の専門家のお墨付きがあったはずの隕石。その隕石の秘密が暴かれていく様が痛快だった。真実に近づくにつれて、どんどん悪い予感が的中していくようで非常にハラハラさせられる。


一つ残念…というか違和感があったのは国を背負う特殊部隊デルタ・フォースがレイチェルたち民間人にやられてしまう点。武装したうえで人数の不利もない。それなのに銃火器の扱いに慣れてもいない人間にやられてしまうのは流石に違和感を覚えた。


最後に

ダン・ブラウン最新作の『オリジン』のアイデアはここからきたのかなと思う所があった。

 トーランドは楽しそうに口を開いた。「レイチェル、地球はかつて生物のいない惑星だったんだ。それが突然、一夜のうちに爆発したかのように生命が息づいた。生物学者の多くは、原始の海の成分が理想的な状態になったために、魔法のごとく命が宿ったと考えている。でも、それを実験室で再現することはいまだにできていない。宗教学者は、その試みが成功しないのは神が実在する証だと考える。神が原始の海にふれて命を吹き込んだからこそ、生き物が存在するのだと言ってね」

(引用:デセプション・ポイント〈上〉P173/ダン・ブラウン)

まさに『オリジン』の一つ目の重要ポイントなんだよなぁ。ダ・ヴィンチ・コードシリーズ最新作『オリジン』は、生命の起源と生命の未来を綴った物語。自信をもってオススメできる。
【『オリジン』のあらすじ・紹介】



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