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地獄とは救いであり未来でもある──『インフェルノ』あらすじ・紹介【ダン・ブラウン】

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わたしが贈るのは、未来だ。
わたしが贈るのは、救済だ。
わたしが贈るのは、地獄だ。

(引用:インフェルノ〈上〉P12/ダン・ブラウン)


ダン・ブラウンの大人気作品『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズの『インフェルノ』を紹介していく。


『インフェルノ』はシリーズ第4作目になるが、シリーズ第1作目からではなく、この『インフェルノ』からでも十分楽しめるつくりになっている。ちなみに他の『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズは以下の通りだ。

シリーズ5作品と刊行年
1.天使と悪魔〈2000年〉
2.ダ・ヴィンチ・コード〈2003年〉
3.ロスト・シンボル〈2009年〉
4.インフェルノ〈2013年〉
5.オリジン〈2017年〉


『インフェルノ』は、芸術・建造物の歴史を巡る謎解きでもあり、現代の社会問題を提起している作品でもある。

そして他のシリーズ作品と同様に、謎の組織、命を狙われる主人公・ラングドン、芸術作品にまつわる暗号…と、ダン・ブラウン節が顕在の一冊だ。

目次

【書籍情報】

タイトル:インフェルノ
著者:ダン・ブラウン
出版社:角川文庫
ジャンル・要素:ミステリー
ページ数:〈上〉305ページ
〈中〉296ページ
〈下〉266ページ
刊行年:2013年
映像化:映画化
読後感:衝撃的


あらすじ

「地獄」。そこは″影″──生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂──が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件のてがかりがあると気付くが──。

(引用:インフェルノ〈上〉裏表紙/ダン・ブラウン)


ハーバード大学教授のロバート・ラングドンが目覚めたのはフィレンツェの病院だった。記憶の最後ではアメリカにいたはずが、いつの間にかイタリアに来ていた。


担当医のシエナ・ブルックスいわく、何者かに拳銃で撃たれ、銃弾が頭をかすめて意識を失ったところを病院に運びこまれたらしい。怪我の影響か2日間の記憶が無く混乱するラングドンの元に拳銃を持った女が病院を襲撃してくる。


ラングドンはシエナと共に命からがら病院から逃げ出し、シエナのアパートに身を隠すこととなる。そして救援を要請するためアメリカ領事館に連絡するも、そこに現れたのは先程襲撃をしてきた女だった。ラングドンは政府に狙われているのか?はたしてこの2日間に何があったのか?


ラングドンはジャケットのポケットに身に覚えのない金属製の筒を発見。そこには"バイオハザード"の不吉なマークが…。調べてみるとその筒は投影機で、壁に映し出されたは『地獄の見取り図』であった。


ラングドンとシエナは襲撃者から逃げつつ、なぜフィレンツェにいるのか?何故こんな物を持っているのか?そして、何故命を狙われているのか?シエナと共に真相究明に乗り出す。




──ダンテ・アリギエーリ

『インフェルノ』を語る上で外せない存在が14世紀に活躍したイタリアの詩人・ダンテ・アリギエーリ『神曲』だ。作中ではこんな説明がなされていた。

世界文学の最高傑作のひとつとして讃えられる〈地獄篇〉は、三篇から構成されるダンテ・アリギエーリの『神曲』──ダンテが地獄の苛酷な道をくだり、煉獄をめぐって、最後に天国に行き着くまでが描かれた14233行の叙事詩──の最初の一篇だ〈地獄篇〉、〈煉獄編〉、〈天国篇〉の三篇のなかで、〈地獄篇〉は抜群に広く読まれ、人々の記憶に刻まれている。
ダンテ・アリギエーリが1300年代に記したこの作品は、中世の地獄観をまさしく定義しなおした。このような娯楽の形を通じて、大衆が地獄の概念に心を奪われるなど、それまで例がなかった。ダンテの著作は、抽象的だった地獄の概念を鮮明で恐ろしい光景へと──生々しく、わかりやすく、忘れがたい光景へと──一夜にして結晶させた。この詩篇が発表されたあと、教会にかようキリスト教信者が急増したというのも驚くにあたらない。ダンテが新たな形にした地獄へはけっして墜ちたくないと、罪人たちが恐れをなしたのだ。

(引用:インフェルノ〈上〉P114-115/ダン・ブラウン)


そして〈地獄篇〉の様子を忠実に再現したのが、ボッティチェリの作品『地獄の見取り図』。この『地獄の見取り図』が先程あらすじで説明したように、ラングドンがもっていた投影機で映し出されるわけである。


【地獄の見取り図】
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(出典:インフェルノ〈上〉/ダン・ブラウン)



しかし上の画像とは違い、ラングドンがもっていた投影機によって映し出された『地獄の見取り図』には一部修正が加えられていた。
『C・A・T・R・O・V・A・C・E・R』
という謎のアルファベット。そして、その映像の下には「真実は死者の目を通してのみ見える」と書かれていた。この暗号から『インフェルノ』の幕があける。


原作と映画はラストが違う!?

実はこの『インフェルノ』は、原作小説と映画ではラストの展開がかなり違う。いや、まったく違うと言っていいだろう。


私は元々原作を読んでいて、先日(2019年3月9日)に土曜プレミアムの放送で初めて映画を見たのだが衝撃だった。映画では時間の縛りがあるので、省略できる箇所を省略するのはしかたがないが、ここまでラストを変えてしまっていいのか疑問である。


個人個人で好みはあるだろうが、私は原作派だ。原作だと暗号などがじっくり楽しめるのも大きい。もしあなたが『インフェルノ』の映画を見て面白かったと思ったなら、是非とも原作小説を読むことをオススメする。


謎を一つ一つ吟味する楽しみと、もう一つの衝撃のラストと出会えるはずだ。


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