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『四季 秋』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】



「Fになる、というメッセージを残したり、プログラ厶上にでも、形跡をわざと消さなかった。自分よりも、どれだけ人類が遅れているか、そのタイムラグを観測しようとした、といっても良いね」

(引用:四季 秋P102/森博嗣)

『すべてがFになる』に隠されていた謎が明かされる『四季 秋』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。


目次

あらすじ

妃真加島で再び起きた殺人事件。その後、姿を消した四季を人は様々に噂した。現場に居合わせた西之園萌絵は、不在の四季の存在を、意識せずにはいられなかった……。犀川助教授が読み解いたメッセージに導かれ、二人は今一度、彼女との接触を試みる。四季に知られざる一面を鮮やかに描く、感動の第三弾。

感想

『すべてがFになる』のさらなる真実に夢中になりすぎて1日で読了。P117のレゴブロックがでてくるあたりからもう止まらない。


というのも、あなたは『すべてがFになる』の最後の一文がどのようなものだったか覚えているだろうか?以下に引用しておく。

ポケットの中の右手が、何か固い小さなものに触れた。犀川はそれを摘み出す。
「あら、それ……」萌絵がコーヒーカップを両手で持ちながら言った。「記念品ですね……」
テーブルの上に置かれた記念品は、四角いプラスチックの黄色いブロック……、それは、立派なおもちゃの兵隊になることを夢見た小さな孤独だった。

(引用:すべてがFになる P507-508/森博嗣)


上記がラストシーンなのだが、どうしてブロックの話を最後の最後にもってきたのか正直私はずっと理解できてなかった。だからこそ『四季 秋』でブロックの話が出てきたときは「そこに繋がるのか!!」と鳥肌が立った。


『テーブルの上に置かれた記念品は、四角いプラスチックの黄色いブロック……、それは、立派なおもちゃの兵隊になることを夢見た小さな孤独だった。』


犀川が偶然にも持ち帰ったのは黄色のブロック。そして、おもちゃの兵隊にメッセージが隠されたのも黄色のブロック…。


あと『すべてがFになる』に残されていた謎といえば、切断された遺体の両手足がどこにいったのか?この謎に関しても『すべてがFになる』の中では明らかにされていなかったはずだ。明かされてはいなかったが、トリックの真相などのインパクトが大き過ぎてこの謎については、すっかり意識の外にもってかれていた。


四季が島を抜け出した理由、道流の死の真実、腕が切断された理由…これですべてが繋がった。道流が感電死(四季曰く自殺)したという話も、『すべてがFになる』と合わせて読むとその理由も納得できる。

「子供は、15より大きな数字を教えてもらわなかったの。人間は15年しか生きられないと教えられていたのよ。分かるかしら?この意味……。15年目に、14歳になったら両親を殺す。母親が14歳のときにそうしたように……。生まれたときから、子供はそう教えられた……。
もの心ついたときから、あの日は決まっていました。四季が決めていた日だったの。その日が来たら、四季を殺して、部屋の外に出て、そして父親を殺す。何度も、そう教えられていた。それが、良いことなのか、悪いことなのかなんて、考えもしなかった。教えられていなかったのです。すべて決まっていたこと。それが人間の生き方だと教えられて教えられたのです」

(引用:すべてがFになる P444/森博嗣)


天才の娘も天才なわけではない。天才の親が天才でなかったように。こんな教育を受けていたなら、普通の神経だったら自殺を選ぶ理由も分かる。


でもそういう生き方しかないと教育されていたにも関わらず、関わりのあった唯一の人間である四季の教えに背いて自殺ができるのも、並の人間ではないなぁとは思う。



犀川は、「四季博士は、世界は自分が中心に回っていると考えている」と言っていた。それと同じように森博嗣ワールドの物語のすべては、真加田四季を中心として回っていると考えていいだろう。


──追記(2021.12.5)

前回読んだときは、Vシリーズを読み切ってなかった。それでも十分面白かったが、やはりセオリー通りVシリーズを読んでからのほうが人間関係含めほとんどの事で理解が通って面白かった。


とくにVシリーズで保呂草と各務のことを知れたからこそ、イタリアのモンドヴィで保呂草と犀川が再開した所は、前回では分からない感動があった。Vシリーズでは紅子にしか別れをつげてなかったしな。


あと細かい所だけど、儀同世津子と保呂草(椙田)の会話で

「いえ、貴女のことを特に調べたわけではありません。大丈夫、ご心配なさらないように。そうではなくて、さきほども説明したように、僕は各務さんのことを調べています。その過程で、犀川さんや貴女のことがでてきただけのことです」
「兄も、ですか?」
「貴女以上に、真賀田博士のことをご存じかもしれない。なにか聞いていませんか?」
「いいえ、なにも。その……、そういったことを人に話すようなタイプじゃないんです」
「うん、そうでしょうね」
「え、ご存じなのですか?」
「あ、いいえ」彼は煙草の煙を吐く。「誰にも話せるような内容ではありませんから」

(引用:四季 秋 P58)

「うん、そうでしょうね」
保呂草のこの一言だけでもシリーズ通して読んでると刺さるんだよなぁ。こういう細かい所がシリーズ通して読んでる人へのご褒美。

最後に

私は、S&MシリーズとVシリーズを読破する前にこの四季シリーズに手を出してしまった不届き者ゆえに、人間関係や過去の事件の繫がりなど完璧に理解することはできなかった。(各務と保呂草、エンジェルマヌーヴァなど)


順番通りに読んだほうが絶対いいってわかってはいたんだが…真賀田四季の魅力に勝てなかった。


この四季シリーズは『すべてがFになる』そして真賀田四季が大好きな方にはたまらない一冊だ。



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