FGかふぇ

読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

【26作品】2020年上期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】



2020年上期(1〜6月)に読んだ小説26作品を5段階評価で好き勝手に感想を書いていく。


そして、後半は上期に読んだ小説の面白かった作品ベスト3をあらすじなどと共に紹介。2020年に発売した小説ではなく、あくまで私が1〜6月に読んだ小説なのでご注意を。

目次

1.読んだ小説・一言感想

おやすみラフマニノフ/中山七里
☆☆☆☆
ミステリ面でみて面白いのはもちろんだが、表現の一つひとつが繊細できれい。音楽をテーマにしているのでついついもとになった曲を聞きたくなる。


密室の鍵貸します/東川篤哉
☆☆☆☆
メタ的な書き方がちょっと歯がゆいところがあったけど、トリックも面白かったし、テンポがよくて読みやすかった。


狼と香辛料XXⅠ SpringLogⅣ /支倉凍砂
☆☆☆☆
ロレンスとホロ、久しぶりの二人旅の様子が懐かしい。違うのは昔みたいなハラハラ感はなく、安心して読めるところ。


狼と香辛料XXⅡ SpringLogⅤ/支倉凍砂
☆☆☆☆
これは『マグダラで眠れ』と繋がってるのか……!?


内なる宇宙/ジェイムズ・P・ホーガン
☆☆☆☆☆
”内なる”宇宙ね、なるほどね。タイトルの意味がわかったときが圧巻。『内なる宇宙』は『星を継ぐもの』からなるシリーズものの4作目になるが、過去作を巻き込んだ予想外の展開が最高。


宝石商リチャード氏の謎鑑定/辻村七子
☆☆☆☆
宝石は何故”宝石”なのか?『華やか』『贅沢品』といったイメージが強かったけど、『支え』『絆』とか新しい考えが自分の中に入ってきた。随所にでてくる宝石に関する蘊蓄は分かりやすい。なにより宝石の世界が自分にとって新しい世界だからシンプルに面白かった。


図書館内乱/有川浩
☆☆☆☆
郁の悩める家庭問題から小牧の恋愛事情、そして手塚兄の登場と目白押しの展開で今回も面白かった。まだまだ続きが気になるところ。


図書館危機/有川浩
☆☆☆☆
ほのぼのからシリアスまで飽きさせない展開で読み応えバッチリ、一気に読み切った。手塚のギャップが新鮮。


図書館革命/有川浩
☆☆☆☆☆
本編完結編。
甘々、だがそれがいい。


別冊 図書館戦争Ⅰ/有川浩
☆☆☆☆
『図書館革命』の甘さを超えてくるとは…!
前作ではラストでいきなり結婚していて、ちょっと物足りなさを感じていたけど、見事に解消された。


別冊 図書館戦争Ⅱ>/有川浩
☆☆☆☆
いくつかの短編があったけど、一番心に残ったのは手塚と柴崎のその後を描いた『背中合わせの二人』。タイトルが、これまでの二人の関係を示していてまたいいよね。


ハリーポッターと賢者の石/J・K・ローリング
☆☆☆☆
映画では散々見たことがあったが本デビュー。わくわく感はそのままに、映画より人間関係などが詳細に描かれていた。さくさく読める。


ハリーポッターと秘密の部屋/J・K・ローリング
☆☆☆☆☆
『自分が何者かは、能力ではなくてどんな選択をしたかで決まる』名言や。
ダンブルドアの偉大さが段々と見えてくる。


ハリーポッターとアズカバンの囚人/J・K・ローリング
☆☆☆☆☆
ラスト、怒涛の伏線回収が見事すぎて一気読み。アズカバンは間違いなく映画より本で読んだほうが楽しめる気がする。


ハリーポッターと炎のゴブレット/J・K・ローリング
☆☆☆☆☆
シリアス展開に舵がきられていく。4巻のラストにして、いよいよ物語の本番が幕をあけるって感じが鳥肌立つ。


ハリーポッターと不死鳥の騎士団/J・K・ローリング
☆☆☆☆☆
フレット・ジョージの『ピーブス!おれたちにかわってあの女を手こずらせてやれよ!!』
このシーンがめっちゃ好き。


ハリーポッターと謎のプリンス/J・K・ローリング
☆☆☆☆☆
過去作の伏線をことごとく回収していく目が離せない。そしてまさかすぎる展開。『謎のプリンス』あたりから映画を見てないのでハラハラしっぱなしだった。あの人の死がつらすぎる…。


ハリーポッターと死の秘宝/J・K・ローリング
☆☆☆☆☆
『キャラクターの成長』ってファンタジー作品の中で、重要なポイントだと思うけど、それが遺憾なく堪能できる。シリーズ通してはもちろんのこと、『死の秘宝』だけをとっても。読み終えた直後に再読したくなる、とてつもない物語だった。


謎解きはディナーのあとで/東川篤哉
☆☆☆☆☆
個性的なキャラクターたちが軽快に活躍していて読みやすい。その上、ミステリーの内容はとても凝っている。殺人事件を扱っているが、謎解きに特化していてスピーディで癖になる。


ソラリス/スタニスワフ・レム
☆☆
合わなかった。
淡々とソラリス(惑星)学の歴史を追うのが退屈すぎた。


StorySeller
☆☆☆☆
『読み応えは長篇並 読みやすさは短篇並』。好きな作家さんのお話を楽しむもよし、初めて読む作家さんの作品と出会うのもよし。1バン印象深かったのは有川浩さんの『ストーリー・セラー』。


夜のピクニック/ 恩田陸
☆☆☆☆
事件らしい事件は起きないけど、二人の登場人物の心情の変化が面白く、すべてが丸く収まってく様が読んでいて心地よい。懐かしい『あの時』を思い出させてくれる。


数奇にして模型/森博嗣
☆☆☆☆
『作っている最中にだけ所有できる実感』ね、なるほどね。
森博嗣作品って個人的に好き嫌いが分かれるんだけどこれは好きなやつ。


コーヒーが冷めないうちに/川口俊和
☆☆☆
登場人物たちの「前向きになって生きよう」という気持ちに心打たれるとともに、自分もこれからの未来をがんばって生きようと思える一冊だった。


片想い/東野圭吾
☆☆☆
男と女、男女の境界についてが興味深い。メビウスの例えがめっちゃわかりやすくて納得。


鹿の王 水底の橋/上橋菜穂子
☆☆☆☆☆
安定の上橋菜穂子クオリティ。前作からの期待を裏切らない面白さ。



2.2020年上期ベスト3

2020年上期に読んだなかでとくに面白かった3作品をあらすじなどとともに紹介していく。


3位:内なる宇宙

──あらすじ

架空戦争に敗れたジェヴレン。その全土を管理/運営くる超電子頭脳ジェヴェックスは、一方で人々を架空世界漬けにし、政治宗教団体の乱立を助長していた。一指導者による惑星規模の大プロジェクトが密かに進行するなか、進退谷まった行政側は、ついに地球の旧き友、ハント博士とダンチェッカー教授に助力を求めるが……《巨人たちの星》3部作から10年、待望の第4部登場!

(引用:内なる宇宙〈上〉/J・P・ホーガン)


──壮大なる物語の終着点
『内なる宇宙』は、全4作品からなるシリーズの最後のストーリー。これまでのシリーズとは少し毛色は異なるが、間違いなく傑作。

以下シリーズ一覧

1:『星を継ぐもの』
2:『ガニメデの優しい巨人』
3:『巨人たちの星』
4:『内なる宇宙』


正直『内なる宇宙』から読んでも訳がわからん事になると思うので順当に『星を継ぐもの』から読むことをオススメする。


『星を継ぐもの』は月面で宇宙服を身につけた死体が発見されて幕をあける。月面で死体が発見されることでも驚きなのに、調査の結果その人物は5万年前の死体だったと判明する。


『星を継ぐもの』の面白い点は、宇宙、そして宇宙人という壮大なテーマの物語であるにも関わらず、ストーリーは一貫して月面の死体は何者なのか?どこから来たのか?に特化している点だ。


物理学、言語学、天文学、数学、化学、地理...ありとあらゆる専門家が様々な視点から謎に迫っていくのだが、その様子がたまらなく面白い。




2位:鹿の王 水底の橋

──あらすじ

黒狼熱大流行の危機が去り、東乎瑠帝国では、次期皇帝争いが勃発。様々な思惑が密かに蠢きはじめているとは知らずオタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医・真那の招きに応じて、恋人ミラルとともに清心教医術の発祥の地・安房那領へと向かう。ホッサルはそこで、清心教医術に秘められた驚くべき歴史を知るが、思いがけぬ成り行きで、次期皇帝争いに巻き込まれていき!?ふたつの医術の対立を軸に、人の命と医療の在り方を描いた傑作エンタテインメント!

(引用:鹿の王 水底の橋 | 上橋 菜穂子 |本 | 通販 | Amazon)


──安定の上橋菜穂子クオリティ

『鹿の王 水底の橋』は2015年の本屋大賞を受賞した『鹿の王』の続編にあたる物語。そして作者は『精霊の守人』シリーズでお馴染みの上橋菜穂子


『水底の橋』はシリーズ2作目の作目となるため、シリーズ第1段の『鹿の王』から読むことをオススメする。


『水底の橋』は、ホッサルひとりを主人公に置くとこによって医術についてピックアップされているので前作『鹿の王』よりもアクション要素は薄いが、民族間での医術や文化の違い、死についての考え方などファンタジーとは思えないほどリアルに展開されている。


前作を読んだ方なら是非読んでもらいたい一冊。



1位:ハリーポッターシリーズ

──あらすじ

ハリー・ポッターは孤児。意地悪な従兄にいじめられながら11歳の誕生日を迎えようとしたとき、ホグワーツ魔法学校からの入学許可証が届き、自分が魔法使いだと知る。キングズ・クロス駅、9と3/4番線から紅色の汽車に乗り、ハリーは未知の世界へ。親友のロン、ハーマイオニーに助けられ、ハリーの両親を殺した邪悪な魔法使いヴォルデモートとの運命の対決までの、息を飲む展開。9歳から108歳までのファンタジー。

(引用:ハリー・ポッターと賢者の石 (1) | J.K.ローリング, J.K.Rowling, 松岡 佑子 |本 | 通販 | Amazon)


──誰もが知る傑作ファンタジー
もはや知らない人はいない『ハリーポッターシリーズ』。ここで今更、紹介するのも野暮というものだろう。


だがしかし、「映画は見たことあるけど、本では読んだことない」という人が多いのではないだろうか?私もそのうちの1人だったのだが、映画をすでに観ていて先の展開を知ってたとしても十二分すぎるほど楽しんで読むことができた。


時間的制約がある映画の性質上、原作の物語をすべて映しだすことはできない。「物語本来のすがたをじっくりと堪能することができる」これはハリーポッターに限ったことではないが、原作の素晴らしい点だ。


とくにシリーズ終盤(不死鳥の騎士団あたり)になるに従って、物語は複雑になっていく。映画であらかたの流れは把握しているつもりだったが、原作を読んで初めて知ったことがあったり、理解が深まった所が少なくなかった。


映画勢の方、是非原作にも手を出してみては?きっともっとハリーポッターシリーズが好きになるはずだ。

3.最後に

紹介した3作品がすべてシリーズものになってしまって申し訳ない……。ただ、自信をもってオススメできるシリーズなのでぜひとも読んでいただきたい。


またその他の作品で、☆5つをつけたものも一読の価値があると思うので読んだことない作品があればぜひ。