『図書館の魔女』の主人公であるキリヒトとマツリカ
キリヒトに関しては以前記事を書いたがマツリカについてはまだ書いていなかったので、私が感じたマツリカに対しての疑問の提示とそれに対する考察を行っていきたいと思う。
『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】
第二部である『図書館の魔女 烏の伝言』も発売されているが、まだまだマツリカに関する謎が多い。
マツリカの家族について
マツリカの祖父であるとされる図書館の番人の先代″タイキ″こそ登場するものの、その他にマツリカの家族については一切触れられていない。
作中ではキリヒトの家族(父親)についてハルカゼが秘密裏に調査を進めているようだが、個人的にはここまでまったく明かされていないマツリカの家族のほうが気になる問題である。
そもそもの疑問と言えば、「図書館の番人を引き継いだのが何故マツリカだっかのか?」という点である。
順当に行けば、タイキ➡️マツリカの両親➡️マツリカ、と引き継がれていきそうなものだ。そうなっていないのは何故なのか?
可能性として、大雑把に考えれば
- マツリカの両親は図書館の番人としての器がなかった。
- マツリカの両親は亡くなっている。
- マツリカ自身が養女である。
となるだろうか。
1.マツリカの両親は図書館の番人としての器がなかった
一つ目の可能性としては、マツリカの両親はマツリカほどの能力を持ち合わせてはいなかったために、図書館の番人にはなれなかった、という説。
マツリカの推理力や言葉に対する理解は常識を逸している。例え血縁であったとしてもすべての人がその能力があるわけではないだろう。
まぁタイキを父に持ち、マツリカを子にした両親がただ者であるはずがないだろうから、図書館とは関係ない所で重要な職務についている可能性は高いように思われる。
2.マツリカの両親は亡くなっている
二つ目の可能性としては、マツリカの両親はすでに亡くなってしまっているために、マツリカが図書館の番人になったという説。
3.マツリカ自身が養子縁組である。
上記の1.2とはまったく違う目線からの説で、マツリカ自身が養女であるため両親は図書館の番人を引き継ぐ事とは関係ないと考えた説。
マツリカは特殊な生まれで、厳密に言って貴族ではないし、議会筋にも王宮にも血縁は全くない。一ノ谷に古い血筋と言われながらも、養子縁組が多かった血統でもあり、王城の奥にそそり立つ高い塔の威容と同様に、一家としてまったく独立していた。それで姓名の詳細を知るものはほとんどいなかった。近しい者はただマツリカという名を知るばかりで、世間では「図書館の魔女」と言えば誰のことかははっきりしている。
(引用:図書館の魔女2 P344/高田大介)
『マツリカは特殊な″生まれ″で』の″生まれ″がマツリカ自身を指すのか、家系全体を指すのかはっきりしていないのでこの文章からだけではなんとも言えない。
この子は私と一緒だ。私が望んで図書館の番人の家に生まれてきたのではないように、望んで特殊な教育を受けてきたのではないように、この子だってキリヒトの出る家系とやらに望んで生まれついたわけではないだろう。
(引用:図書館の魔女2 P437/高田大介)
2巻のラストシーン、マツリカが自身の境遇とキリヒトの境遇を重ね合わせる印象的な場面。この時にマツリカは『私が望んで図書館の番人の家に″生まれてきた″のではないように』と言っている。この場面からだと、マツリカが養女というのは考えずらい。
以上の3点が、マツリカの両親が図書館の番人になっていない理由だと思われる。
いずれにしろ、今考えた推測に合っていたものがあったとしても、それがマツリカの両親について、あえて語られない理由にはならない。
最後に
今回はマツリカの両親について自分なりの推論を立てて見ました。粗の多い仮説ではあると思います。こんな考えがあるのでは?という『図書館の魔女』ファンの皆様の意見があれば是非とも聞かせていただきたいと思っております。
シリーズ3作目の『図書館の魔女 霆ける塔』では両親について触れられるのでしょうか?
そのあたりも楽しみにしつつ、霆ける塔の刊行を待ちたいと思います。
当初は2016年刊行予定でしたが、気づけば2018年ですからね...
高田大介先生!そろそろお願いします!
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