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『図書館の魔女 烏の伝言』の感想を好き勝手に語る【高田大介】

図書館の魔女シリーズ第二段『図書館の魔女 烏の伝言』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はコチラをどうぞ。

【図書館の魔女 烏の伝言 紹介】


『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】


感想

マツリカ

さて、読み初めて最初に思ったのはマツリカたちがでてこない!!
これに尽きる。


講談社HPにある著者コメントでは、きちんとマツリカたちがメインではないと言及されていましたが、私が図書館の魔女を初めて読んだときには、もうこの烏の伝言も発売されていて、勢いのまま続編を読み始めたのでそこまで把握していなかったんです。


そしてやっとマツリカの話題が出てきたと思ったら、剛力たちから完全に化け物扱い。まさに魔女。

「酒場には気をつけろよ。その魔女って奴、こっちをさんざん荒らして回ってる間もずっと行く先々で酒盛りしてたって話だぜ。とっとと酒を持っていかねぇとさ、給仕が鯰にされちまうんだ」
「そいつは滅法だな」
「そういう話だ。そして女中は蛙にされちまう」

(引用:図書館の魔女 烏の伝言〈上〉 P57/高田大介)

こんなん笑うに決まってる。
行く先々で酒を飲んでいたってのは間違ってないけど。


ニザマ帝とミツクビをぶつけたのも、三国円卓会議の事なども、魔女の呪いとしてねじ曲げられていて、ニヤニヤしながら読んじゃいました。


地道な努力と策略があって初めて和睦という結果に至った訳だけれども、過程を知らずに結果だけ知らされれば確かに呪いでも使ったのかと疑いたくなる気持ちはわかる。



カロイがちょこちょこと
「あの人ならばわかるだろうか...」
とか、マツリカが出てくるか!と思わせつつ...
だがしかし出てこない。


もうね、どれだけ焦らされるのかと。

そしていよいよ登場したと思ったら相変わらずの態度


うん、逆に安心した。


登場してからは、やっぱり安定の思考と考察力。一を聞いて十を知る頭脳。いいところを持っていくなぁと。


だけど少しもの足りないのはやっぱりキリヒトがいないからでしょうか?二人の掛け合いは第三作に期待ですね。




剛力・近衛・鼠ときどきカロイ

今回のメインであるこの三方と一人

初めは利用し、利用してやろうという思惑しかなかったであろうこの三方がお互いの美徳に気付き、誇りに感化され共闘する場面は心揺さぶられるものがあった。


廓の外道に相対しているからこそ、この三方の人情・誇り・弁えが際立って感じられた。



そして今回のキーパーソン″カロイ″


前作から読んでいる方なら、″隻腕″と見た瞬間から察するものがあったはず。


高い塔から一人離れてしまって
「あぁ、ヴァーシャの軽口を見れることも、もうないのかなぁ...」
と思いきや、まさかの登場に...なんかもう嬉しかったです(語彙力)


お得意の軽口はシリアスなシーンが多い今回はありませんでしたけどね。


ヒュイを助け出すシーン、そして

「そうだ。お前たちのように......決して裏切らない者を......一人助ければ、それが一人分の罪滅ぼし。まだまだ先は長いよ。だからトゥアン、この子も必ず助けるぞ」

(引用:図書館の魔女 烏の伝言〈下〉P228/高田大介)

このセリフは忘れらない。
ひどいめにあわされてきた鼠たちだけれども、剛力・近衛そしてカロイのような大人たちの存在もいるってことはだいぶ救われるだろうな。


何故、山中の村は焼かれたのか?

何故、毒は料理ではなく、酒に盛られたのか?

何故、鈴の音とともに首が狩られるのか?


など各所に散りばめられた謎にも目が離せなかった。中でも一番心に残っているのがエゴンが皆を集めた″烏の伝言″の謎。


言葉が話せないはずのエゴンがどうして皆を集めることができたのか?それを『図書館の魔女』らしい言葉の見解で説明しきっているのには納得の一言。



ふと思ったことある。

たとえば「魚」という本字があり、これが「さかな」という意味、「さかな」という観念に結びつけられる......これ自体はとても単純なことじゃないかな?一方で「さ」と「か」と「な」という仮名がある、これはどんな意味にも観念にも結びつけられていない勝れて抽象的なものだ。それぞれ「さ」と「か」と「な」......何の意味もまだ持っていない抽象的な音にしか紐付けられていない。ここから正しく配列して組み立て、意味を成す言葉、中身のある語に織り上げていかねばならない......(略)

(引用:図書館の魔女 烏の伝言〈下〉P306-307/高田大介)

エゴンが仮名はわからないけど本字(漢字)はわかる。という物語の核になるマツリカによる解説シーン。


これがもし英語など他の言語に訳されるとしたらどうなるのかな...と。


ひらがなと漢字を両方扱う、日本人だからこそ成り立つ...というかスムーズに読むことができるオチだと思うんですよね。


それを思うと日本人でよかったとしみじみ感じます。


最後に

物語のラスト、タイトル通り″烏の伝言″で...また、マツリカらしい内容で...


余韻の残る素晴らしい〆でした。


どうにも登場する人物すべてが魅力的すぎて、またの活躍を期待してしまいます。剛力・近衛・姫・鼠...またチラっとでもいいから登場することを願っています。


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