密輸ガール・「ジャズ」が月面都市で大暴れ!?
『アルテミス』を紹介する。
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あらすじ
人類の初の月面都市アルテミス───
直径500メートルのスペースに建造された5つのドームに2000人の住民が生活するこの都市で合法/非合法の品物を運ぶポーターとして暮らす女性ジャズ・バシャラは、大物実業家のトロンドから謎の仕事を受ける。それは都市の未来を左右する陰謀へと繋がっていた‥....。『火星の人』で極限状態のサバイバルを描いた作者が、舞台を月に移してハリウッド映画さながらの展開で描く第二作
(引用:アルテミス〈上〉裏表紙/アンディ・ウィアー)
月面都市『アルテミス』
表紙には月が描かれ、さらに「4つの大きな丸」と「1つの小さい丸」が線で繋がっているのがわかる。
これこそがタイトルになっている月面都市『アルテミス』を表している。
街全体は直径500メートル。大小5つの球体は″バブル″と呼ばれ、球体の半分は月面に顔を出し、もう半分は地下に埋まった構造だ。
そして表紙でいう球体を繋ぐ線の部分は、各バブルを行き来するためのトンネルとなっている。
ジャズ
ジャスミン=バシャラ、通称ジャズ。この物語の主人公で、ポーター(現代の配達人)として働いている。
何があってもへこたれない性格、どんな場面でも見せるユーモアなセンス、そして有能すぎるほどの技術と知恵と思考力。
彼女の軽快な語りで物語は進行していく。
ジャズはポーターの正式な仕事とは別に地球からの密輸品を取り扱っている。ある日、密輸相手のお得意様「トロンド」から謎の仕事を依頼されるが、成功報酬はジャズの月収のおよそ100倍。
二つ返事で仕事を受けたジャズに待ち受けているのは...
不可能と思われるミッション
トロンドから依頼されたミッションは、まさに「不可能」と言っていいほど無謀なものだった。
そのミッションにジャズは己の頭脳を最大限に活かして挑む。しかしそのミッションさえも物語の序章にすぎず......
リアル
地球の1/6の重力下にある月、その重力だと私たちの生活とはどう違うのか?また真空中ではどのような問題があるのか?
それら月ならではの事情がジャズの軽快な語り口調で述べられていて、とてもサクサクと頭に入ってくる。
そしてなにより月面都市アルテミスの設定がなによりリアル。解説を読んでいて納得した。
そもそも何故、月面に都市を建設する必要があるのか?もっともな疑問だ。
わざわざ月面都市を作ったのは何故か?そのメリットはなんなのか?
そんな裏事情も推測しながら読むとより楽しめるかもしれない。
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