『困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している』
(引用:本日は、お日柄もよく P323/原田マハ)
目を背けなければ、ピンチはチャンスに変えられる。
一歩ふみだす勇気を貰える。
そんな元気がでる原田マハの『本日は、お日柄もよく』の感想を語っていく。
【書籍情報】
タイトル:本日は、お日柄もよく
著者:原田マハ
出版社:徳間文庫
ジャンル・要素:青春小説・お仕事小説
ページ数:375ページ
刊行年:2013年
映像化:2017年にWOWOWでテレビドラマ化
読後感:ハッピーエンド
感想
今までまったく興味も関心もなかったことに関心を持たせてくれる出会いがあるのが本のいいところ、と気づかせてくれる一冊。そしてちょっと勇気を出して一歩踏み出してみようと思える一冊だった。
興味をひかれたのはメインであるスピーチについて、もう一つは政治の世界について、そして言葉について。
言葉は、ときとして、世の中を変える力を持つ。
(引用:本日は、お日柄もよく P331/原田マハ)
このセリフ通り、私たちが普段なにげなく使っている『言葉』の力、『言葉』の可能性をスピーチという形で読者に投げかけていた。
スピーチがメインテーマなだけあって、スピーチの場面は思わず引き込まれる。私はスピーチ…というか目立つこと一般がとても苦手なのだが、そんな私でもちょっと人前で話すのも楽しそう!『言葉』で世界を変えてみたい!と思えたほどだ。
スピーチの極意も散りばめられていてるのが普通にためになる。物語を楽しみながらも勉強になる。
「聴衆に向かって最初に問いかけるのは、聴くもの興味を喚起するのに最も効果的なスピードの手法のひとつ」
「 ディベートの時はできるだけ具体的な例を盛り込むことで聴衆の関心を集めることができる」
などなど。そして印象に残るセリフも多い。
言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけも、励ましもする。本やネットを目で追うよりも、話せばなおのこと、生きた力をみなぎらせる。この魔物をどう操るか。それは、話す人次第なのだ。
(引用:本日は、お日柄もよく P131/原田マハ)
物語全体的に見れば、しっかりまとまっているしハッピーエンドで読後感もよい。見事なくらいのハッピーエンドで若干の歯がゆさもあるが。
ただ…片思いをしていた幼馴染の結婚式でスープに顔面から突っ込むって…。さすがにめちゃくちゃすぎて感情移入はてきなかった。あとは文体が好みじゃなかったかな。
関連記事