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『十二国記』の作品一覧!全10作品をまとめて紹介する【小野不由美】


あなたは、ファンタジーに何を求めるだろうか?
応援したくなる主人公?
魅力あふれる登場人物?
ハラハラドキドキの冒険?
スカッとするようなどんでん返し?
それとも作り込まれた世界観?


十二国記の世界にはそのすべてがつまっている。
 

これから十二国記デビューを考えている方、十二国記とはなんぞや?って方、どれから読んだらいいかわからない!って方へ、私がどハマリしたこの異世界ファンタジーの魅力、そして各作品のあらすじ・紹介を行っていく。



目次

十二国記シリーズはどれから読めばいい?

十二国記では、各作品ごとに登場する国や主人公、時代が異なっており、刊行順が時系列順ではない。では、どの作品から読めばいいのか?


ズバリ下記の順番で読むことをオススメする。(下記は刊行順である)

1.『魔性の子』
2.『月の影 影の海』
3.『風の海 迷宮の岸』
4.『東の海神 西の滄海』
5.『風の万里 黎明の空』
6.『丕緒の鳥』〈短編集〉
7.『図南の翼』
8.『黄昏の岸 暁の天』
9.『華胥の幽夢』〈短編集〉
10.『白銀の墟 玄の月』

さて、十二国記は簡単に言えば『異世界ファンタジー』という枠組みにおさまる物語だ。


しかし、1であげた『魔性の子』は日本が舞台で異世界は一切でてこない、ホラー寄りの作品だ。では何故、この『魔性の子』から読むのをオススメするか?それはこの『魔性の子』が『十二国記』の世界に飛び立つ前の助走の役割を果たしてくれるからだ。所謂エピソード0といったところ。


もちろん『月の影 影の海』からでも物語を楽しむことはできるだろう。しかし『魔性の子』から読めば、後々の作品をよりいっそう面白くしてくれるはずだ。


また、6の『丕緒の鳥』と9の『華胥の幽夢』は短編集なので、順番通りでも最後に読んでも問題ない。

十二国記はどんな世界?

──世界観

古代中国がベースだが、まったく別の世界。文明は現世よりだいぶ遅れており、電気などは通ってなく旅は徒歩か馬を使うのが主である。世界は文字通り12の国でできた世界の物語である。(世界の中心に『黄海』という島があるが、この島は十二国に含まれない。)

【十二の国】

慶(けい)
雁(えん)
戴(たい)
恭(きょう)
漣(れん)
才(さい)
奏(そう)
柳(りゅう)
範(はん)
芳(ほう)
巧(こう)
舜(しゅん)

【十二国記の世界地図】


十二国記は、『現世』と『十二国(ファンタジーの世界)』の二つの世界が登場する。設定としては我々の住む現世(十二国の世界の住人は蓬莱と呼ぶ)と十二国記の世界は虚海という広大に海に隔てられている。


本来は『現世』と『十二国』とは行き来ができないのだが、蝕(しょく)と呼ばれる天災が起こると『現世』と『十二国』の世界が混じり、『現世』から『十二国』へと、また逆に『十二国』から『現世』へと人が流れ着いてしまうことがある。


『十二国』に流れついてしまった人々は、海客と呼ばれるのだが、物語の主人公たちはこの海客が多い。


様々な主人公の目線から異世界の世界を堪能できるのも十二国記の魅力の一つだ。世界観がしっかり構築されていて登場人物も魅力的。私は『月の影 影の海』を読んでから十二国記の世界にのめり込んでしまった。


──十二の"王"と"麒麟"

十二国では各国に一人の王と麒麟が存在する。麒麟の大きな役割は、王を選ぶことである。麒麟は天意によって王を選び、王は麒麟に選ばれることによってのみ、国を統べることを許さる。


十二国記の物語の根っこは国同士の争いはなく、王と麒麟がいかに国を治めることができるのか?にある。


王に選ばれれば、その人物は人によって人にあらず…仙人の力(不老の力)を得られ国の統治が上手くいってる限りは王も麒麟も何百年と生きることができる。逆に、悪政を続けて国が傾いていくと……。


王の治世は、数年で終わる場合もあれば、数百年にも及ぶこともある。当然、長く続く国は安定しているので国は栄えるし、何度も王が代わっている国は悪政の連続で貧しく国になっていく。


十二国記のあらすじ・紹介

ここからは、すべての作品のあらすじと簡単な紹介をしていく。

──1.『魔性の子』

──あらすじ

どこにも、僕のいる場所はない──
教育実習のため母校に戻った広瀬は、高里という生徒が気に掛かる。周囲に馴染まぬ姿が過ぎし日の自分に重なった。彼を虐めた者が不慮の事故に遭うため、「高里は祟る」と恐れられていたが、彼を取り巻く謎は、"神隠し"を体験したことに関わっているのか。広瀬が庇おうとするなか、更なる悲劇が……。心に潜む暗部が繙かれる「十二国記」戦慄の序章

(引用:魔性の子/小野不由美)


──戦慄の序章
十二国記のエピソード0。この物語だけはファンタジーではなく、ジャンルはホラーに近い。『魔性の子』は十二国記の世界を余すことなく楽しむための助走の物語といった印象だ。


私自身も『魔性の子』から十二国記の物語に入ったわけだが、『魔性の子』で登場した伏線がその後に続く作品の中で徐々に繋がっていくので理解できたときは「そうだったのか!!」と唸ってしまった。特に『黄昏の岸 暁の天』を読み終わった後には、なおさら『魔性の子』が読み返したくなるはずだ。


神隠しの謎、祟りの謎、『魔性の子』なくして十二国記は語れない。

「自分の居場所はここではない。あちらの世界へ帰りたい」

──2.『月の影 影の海』

──あらすじ

「お捜し申し上げました」──
女子高生の陽子の許にケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会うものに裏切られ異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒涛のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。

(引用:月の影 影の海/小野不由美)


──少女は一人、異世界へ渡る
現世で生きる少女が突如、異世界に放り込まれる。あまりに苛酷で味方は誰一人…いない。エピソード0の『魔性の子』とはうってかわって、『月の影 影の膿』は異世界ファンタジーの世界に本格的に突入する。


目を引くのは、困難に立ち向かう主人公・陽子の”強さ”と"成長"だ。放り込まれた異世界で懸命に生きる姿がとにかく印象的。というのも、陽子が来てしまった十二国記の世界は、現世に比べてあまりに苛酷なのである。騙され、裏切られ、挫折して、の連続。段々と追い込まれていく彼女を見ているのが正直辛かった。


しかし、人に暗い影の部分があれば、明るい光の部分があるように、とある出会いが陽子の運命を大きく変える。


──3.『風の海 迷宮の岸』

──あらすじ

天啓にしたがい王を選び仕える神獣・麒麟。蓬莱国で人間として育った幼い麒麟・泰麒には王を選ぶ自信も本性を顕わす天変の術もなく、葛藤の日々を過ごしていた。やがて十二国の中央、蓬山をのぼる人々の中から戴国の王を選ばなくてはならない日が近づいてきたが──。壮大なる構想で描くファンタジー巨編!!

(引用:風の海 迷宮の岸 /小野不由美)


──蓬莱生まれの幼い麒麟が歩む軌跡
『風の海 迷宮の岸』は、戴国の麒麟・泰麒が王を選ぶまでを描いた物語だ。泰麒は蓬莱…つまり現世で、人間として育った。そのため幼い頃に身につけるはずの本来の姿に戻る"天変の術"や、妖魔と契約を交わすことなど、麒麟ができるはずの能力を使うことができず葛藤の日々を過ごしていた。


やがて蓬山に登る人たちの中から王を選ばなければならない時期がくるのだが…。


時系列でいえば、『月の影 影の海』より過去の物語となっている。


──4.『東の海神 西の滄海』

──あらすじ

廃墟と化した雁国の復興に励む延王・尚隆と延麒。幼い頃に出会った更夜の来訪に懐かしさで一杯の延麒は、実は仕組まれた罠であることを疑いもしなかった。争いごとや殺傷を忌み嫌う麒麟を人質にとられ、雁国は怒濤の騒乱にまきこまれてゆくが──。華麗なる筆致で運命の力をうたい謳いあげる大スペクタクル。

(引用:東の海神 西の滄海/小野不由美)


──500年の歴史を作った雁国の序章
今まで紹介した3作品『魔性の子』『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』のすべてにちょこっと登場している延王・尚隆延麒・六太


十二国記の世界では現時点で2番目に長い500年という果てしない年月を治めている二人。『東の海神 西の滄海』は尚隆と六太、二人の始まりの物語である。つまり時系列でいうと『月の影 影の海』などの話より500年ほど前の話となる。


尚隆と六太は共に胎果であり、蓬莱(日本)で生まれ育った。胎果を簡単に説明すると、本来は十二国の世界に生まれるはずだったが、蝕などによって蓬莱(日本)に流されてしまった人である。


──5.『風の万里 黎明の空』

──あらすじ

天命により慶の国の、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父国の非道を知り自らを恥じていた。蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討ちを誓った。それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の邂逅の時を迎える──。

(引用:風の万里 黎明の空〈上〉/小野不由美)


──良い国とは?良い王がとは?
『風の万里 黎明の空』は、『月の影 影の海』の主人公・陽子が再び登場する。慶国の王となった陽子。


王になったとはいえ、ほんの少し前まで普通の女子高生だった彼女は「良い国」を作ろうと悩み、葛藤するわけだが、もいろん簡単に答えは見つからない。


真っ向から向き合い、悩み、現実を見つめながら答えを出している。だからこそ、最後に陽子が出した答えにはきっとあなたも痺れるだろう。


なぜ陽子は王に選ばれたのか?
その疑問も『風の万里 黎明の空』を読んでいて、朧気ながら分かった気がする


──6.『丕緒の鳥』

──あらすじ

「希望」を信じて、男は覚悟する。
慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる「大射」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒は、国の理想を表す任の重さに苦慮していた。希望を託した「鳥」は、果たして大空に羽ばたくのだろうか──表題作「丕緒の鳥」ほか、己の役割を全うすべく煩悶し、一途に走る名も無き男たちの清廉なる生き様を描く全4編収録。

・丕緒の鳥
・落照の獄
・青条の蘭
・風信

『丕緒の鳥』は以上の4つからなる短編集だ。表題にもなっている丕緒の鳥の話が個人的に一番すき。陽子の話がすきな方は是非読んでもらいたい一冊。


どの話も派手さはないが、私たちにとっても共感できる点が多く、胸に深く刺ささる短編集となっている。


これまでは「王にとって」「王になるとは」という点に焦点をあてた物語だったが、『丕緒の鳥』では官吏や民にとって、「王とは」「国とは」という話で、物語本筋ではあまり語られていなかったサイドストーリーとなっている。


──7.『図南の翼』

──あらすじ

何不自由なく豪商の娘として育った少女珠晶は先王の歿後、荒廃した恭国を憂い自ら王になるため蓬山を目指す。侍女の衣を失敬し家を抜け出したものの騎獣をだましとられ、苦難の末に辿り着いた蓬山には自らを恃む人が溢れていた。だが最後に麒麟が跪いたのは……。十二国供王誕生への遠大なる旅の物語!!

(引用:図南の翼/小野不由美)


──国を統べるのは、あたししかいない!!
『図南の翼』は、「あたしがこの国の王になる!」とわずか12歳の少女・珠晶(しゅしょう)が荒廃を辿る一方の恭国を救うため玉座を目指す物語だ。


勝ち気な性格と少女とは思えない聡明さを持ち合わせた珠晶。そんな彼女のハラハラドキドキの冒険に目が離せない。子供ゆえの未熟さはあるものの、物事の本質から目を背けない強さと、真っ直ぐな気持ちを持ち合わせた彼女は魅力的でついつい応援したくなってしまう。


他の作品で昇山について触れられてはいたが、昇山をメインに扱ったのは『図南の翼』が初めてであった。旅の過程はいままで描かれてなかったけど、こんなに大変なことだったんだなぁと改めて思い知らされる。


そして、予想外の出会いも…。


──8.『黄昏の岸 暁の天』

──あらすじ

登極から半年、戴国再興に燃える泰王驍宗。反乱鎮圧のため自ら文州に赴いた王の悲報に、留守を預かる幼い泰麒は衝撃をうけ、大鳴動とともに忽然と姿を消した。王と麒麟を突然失い、偽王の圧政が始まった戴──。その行く末を案じ将軍李斎は命をかけて景王陽子に会うため空を翔けるが……。

(引用:黄昏の岸 暁の天/小野不由美)


これまでに撒かれた伏線が一気に回収されはじめる。『魔性の子』から順々に読んできた方には待ちわびた展開だ。


十二国記における"天"という絶対的な存在を読者に突き付けるなど様々な面で衝撃的な一冊といっていいだろう。


登場人物はこれまでに出てきたオールスター、王も麒麟たちも勢揃いする熱い展開…外交はあっても協調することはなかったこの世界。そんな十二国の国々が泰麒捜索のために力を合わせる。
泰麒、そして戴国の行く末やいかに…。


──9.『華胥の幽夢』

──あらすじ

戴国王驍宗の命で漣国へ赴いた泰麒を待っていたのは。芳国王仲韃への大逆の張本人月渓に慶国王陽子から届けられた親書とは。才国の宝重華胥華朶に託された理想の王国への憧憬の行方は。そして、陽子、楽俊、十二国はいま──。あなたの心をふるわせ胸を熱くする十二国記珠玉の短編集。

(引用:華胥の幽夢/小野不由美)


・冬栄〈とうえい〉
・乗月〈じょうげつ〉
・書簡〈しょかん〉
・華胥〈かしょ〉
・帰山〈きざん〉


『華胥の幽夢』は、5つの物語からなる、十二国記のストーリーの隙間を埋めてくれる短編集だ。


冬栄では泰麒がひたすらに愛らしいし、乗月ではタイトルの意味に感銘をうけ、書簡では陽子と楽俊のやりとりに安心し、華胥では失道の過程にやるせなさを感じ、帰山では今後の物語の展開がさらに楽しみなる。


様々な感情が胸を巡る、シリーズを順当に読んできた方にはたまらない短編集となっている。

──10.『白銀の墟 玄の月』

──あらすじ

戴国に麒麟が還る。王は何処へ──
乍驍宗が登極から半年で消息を絶ち、泰麒も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎は慶国景王、雁国延王の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国に戻った麒麟は無垢に願う、「王は御無事」と。──白雉は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!

(引用:白銀の墟 玄の月〈一〉/小野不由美)

18年の沈黙を経て刊行された十二国記待望の新刊『白銀の墟 玄の月』。『黄昏の岸 暁の天』でついに蓬莱から戻ってきた泰麒が、消息を絶った驍宗を探すために戴国を旅する。


驍宗が失った王宮内は混沌を極めていた。玉座を奪ったのにも関わらず、政に関わらずに引きこもっている阿選、傀儡のようになっていく官吏たち…。戴国では一体なにが起こっているのか?


そして成長した泰麒は、消息を絶った驍宗を探して戴国を旅するのだが、そこで目にした戴国の現状はあまりに酷いものだった。


驍宗は果たしてどこに消えてしまったのか?そして泰麒は、民のために大きな決断を下すのだが…!?


※『白銀の墟 玄の月』は2019年10月12日に〈一、ニ〉が発売され、続きの〈三、四〉は2019年11月9日に発売である。





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