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『図書館の魔女』マツリカ様の名言集【高田大介】


『図書館の魔女』のマツリカによる名言をまとめた。自分用の説もある。
《中略》している箇所もあるので、前後の文や、全文を確認したい場合は、自らで本を開いてほしい。そのため引用は単行本用、文庫本用それぞれ用意した。


感想や考察等、『図書館の魔女』関係の記事はコチラ

目次

──第一巻(上巻)

──科学者でもいい、博物学の徒でも文献に沈くものでも構わないが、人がこの世界について何か新たに余人の知りえぬことを見いだしたと思ったとき、必ずや人は書物を著す。そのようにこの世界の森羅万象を明らめ、究めようと一冊の書物が生まれ、類書に並んでいく。こうして世界のありとあらゆる事どもを細大漏らさず記すべく数限りない書物が書架に背を並べ、やがては書物の詰まった棚の数々がそれじたい一つの世界をなして、網の目のように絡まりあって世界の全体を搦めとっていこうとする。これが図書館だよ、キリヒト。

(引用:図書館の魔女 1巻P93/上巻P78)




──図書館にある書物は、すべてが互いに関連しあって一つの稠密な世界を形づくっている。《中略》図書館は人の知りうる世界の縮図なんだ。図書館に携わるものの驕りを込めて言わせてもらえば、図書館こそ世界なんだよ

(引用:図書館の魔女 1巻P94/上巻P78-79)


図書館こそ世界


「マツリカ様はその……本と本との網の目ような絡まりあいがみんな頭に入っているのですか。この図書館の本の全ての……」
──とんでもない。《中略》全てを知り全てを覚えておく必要はないんだよ。そこに然々の智慧があるということを知っていること、その智慧をどこに行けば参照できるのかといこと、それだけ判っていれば足りるんだ。智慧と智慧がどのように関係しあい、どのように組み立てられていくのか、その大ざっぱな構図が見えていれば、あとはゆっくり解きほぐしていけばいいんだ

(引用:図書館の魔女 1巻P104/上巻P86-87)


マツリカの考え方の根本

──全ての書物を読んでいるだなんて。読みうる書物の量に比べれば人の一生なんて短いものだよ。読むか読まざるか、その選択がおぼつかなければ書物につきあうことはむしろ時間の浪費につながるよ。

(引用:図書館の魔女 1巻P108/上巻P90)


大きい本屋とか図書館にいくと、自分の人生全部使っても、ここの本たちの数%も読めないんだなぁって思い知らされる。

──もうひとつ、今度は結論から言おう。声に出す、文字に記す、私のように手振りを組み立てるのでもいい、どんな手段に依るにせよ言葉たるものは必ず時の運行に従うということだ。言葉は一方通行で不可逆

(引用:図書館の魔女 1巻P132/上巻P109)

「ふかぎゃく……」

──第二巻(上巻)

──本当に秘密を守るのは共犯者だけだからね。そこを弁えてなんぴとにも井戸のことを漏らしてはいけない。

(引用:図書館の魔女 2巻P12/上巻P298)

井戸の冒険、ホントわくわくするよね。

「マツリカ様、暗いのが怖いのですか」
──怖いかって?怖いものか!それは怖いよ、でも暗闇が怖いんじゃないよ、お前はどうして怖くないんだ?

(引用:図書館の魔女 2巻P58/上巻P335)

かわいい

──それはお考えになりますよ。人は見たことがないものでも知ることが出来るし、理解することも出来る。こうして小さな魚がどんなに美しいかということもあらかじめ知っていることはできる。でも、実際にこうして見てみて、ほんとうに美しいねと思うこととは、それは別のことだね。実際に見てみて心を震わせるということは知識として「美しい」と知っていることとはぜんぜん異なったことなんだろう。そういうことは知っていても仕方のないものなのかもしれない。

(引用:図書館の魔女 2巻P276-277/上巻P513-514)


ここの一文は、この後のキリヒトの描写で引き立つ。『ほんとうに美しいねと思うこと』


──いやカリームの、ウルハイのといった話ではない。後ろ盾を余所に求めるのは終わりにしよう。これからは図書館があなたたちを守ろう。あなたたちに弓を引くなら、それは図書館に弓を引くということ。

(引用:図書館の魔女 2巻P389-390/上巻P605)

かっこいいマツリカ様。
キリンとハルカゼが明確に図書館側についた瞬間。


──お前はずっと私の手をとっていなければならないだろう。このように。
キリヒトは黙っていた。
──ならばあの杖を振るうには手が足りないね。鞘が抜けない……

(引用:図書館の魔女 2巻P443/上巻P650)

キリヒトの運命と図書館の番人に生まれた自分の運命を重ねた後のこの言葉……刺さる……。

──第三巻(下巻)

「それが図書館の仕事であると」
──そうだ。この小さな欠片を未来に届けるのが図書館の責務だ。この上なく具体的な責任だ。「書一般」なんていう得体の知れない抽象物に拘っている暇はないな。

(引用:図書館の魔女 3巻P62-63/下巻P52)

この前のマツリカの台詞も名言だが長すぎるため泣く泣くカット。マツリカが語る上記の引用した部分も刺さるものがあるし、そのあとのイズミルの回想シーンもまたどストライク。


このシーンはピックアップして感想を書いている。


──だってあんな下らないものを大真面目に閲覧したがっているのが既に滑稽でしょう。《中略》まあ秘宝の書などといえば大概は愚書が馬鹿を呼び寄せているようなものだ。そして馬鹿が愚書を崇めるから無用な悪循環になる。それに高い塔下さいま付き合ってやらねばならない義理なんてないだろう?願い下げだよ。だから却下!悪い?

(引用:図書館の魔女 3巻P73-74/下巻P60-61)


ファンタジーなのに、禁書やら秘宝の書やらを真っ向から論理的に否定するの楽しすぎる。マツリカの意見がド正論すぎる。

──他には?
 マツリカはふとキリヒトを見上げて黙った。マツリカは先のことで細かく指示をだしはじめると途端に舌鋒が戻ってきていた。そうは言っても荷台の隅に凭れて、弱々しく右手で語るマツリカはキリヒトには随分消耗しているように見えた。痛々しかった。
──他には……そうだな……側に──用はなくとも、手の届くところに。

(引用:図書館の魔女 3巻P211-212/下巻P173)


双子座に左手を縛られた後のシーン。普段が強気なだけに、弱ってるマツリカはギャップがある。名言というよりは印象に残ってる場面。


──第四巻(下巻)

「しかしこれはインチキ手品になりますが……」キリンが躊躇い顔に指摘する。
──インチキはしているところを公然と見せれば詐術に当たらない。ここは私が誤魔化してみせるから、そういう話になればこっちにお鉢を回して。

(引用:図書館の魔女 4巻175/下巻P435-436)

水槌の所も好きな所の一つ。他に手がないとはいえ、いっぱつ勝負でこの胆力よ。


「なに、マツリカ様、鎧は一対、もう一つある」
──わかった、下で待つ。
「では後ほど、我が姫君」
──お前に後で用ができた。必ず無事で降りてこい。

(引用:図書館の魔女 4巻P412/下巻P626-627)

人形の館からの脱出シーン。ここも名言というよりは好きな所。前後のやりとりありきだけど。


──そうとも、お前は図書館のものだ。もう、とっくに。でもそれは、身に及ぶ危険を遠ざけるのにお前が、お前の能力が必要だから図書館にいなければならないということではない。お前が自分の意思で図書館を選ぶのでなければならない。お前が私の側にいるならば、それは好都合な随身として必要だからいるのではなく、図書館の魔女を守るために必要だからいるのではなく、お前自身が自分の意志でそれを選ぶのでなければならない。

(引用:図書館の魔女 4巻P469/下巻P672)

4巻後半は、もう引用したいところのオンパレード。

──だったら……図書館においで。

(引用:図書館の魔女 4巻P471/下巻P674)


──高い塔に踏み込んだ者達はみな善かれ悪しから障害の岐路を知る。今まで知らぬ世界をいくつも知ることになり、それとは逆に、生涯会うことはない人々、足を踏み入れることのない土地、手にすることのない宝、聴くことのない歌の存在を知る。《中略》
だから図書館は人の命運に選択を迫る。人はそこで知ることを覚え、知りえぬことを悟る。選ぶことを学び、選びえぬことを知る。そしてひいては、高い塔で人は、生涯を選ぶ。

(引用:図書館の魔女 4巻P533/下巻P724-725)

《中略》でかなり省いてしまったが(省略しないと、この3倍くらいになってしまうため)、ここは全部含めて読んでほしい……!この物語『図書館の魔女』のまとめになっている。

──私の自信は、私の言葉が人に届くということ、これ一つで私は、私たちはたたかっていける。そして私の失望は、私の言葉の届かなかった者達がいたということだ。

(引用:図書館の魔女 P536/下巻P727)


「言葉は絶えない……」
──お前達は言葉を手段か何か、道具のようなものと考えていたんだろう。だから「道具」を奪えばこと足りると考えたんだろう。黙らせられると考えたんだろう。それが最初にして最大の踏み外しだった。言葉は何かを伝えるためにあるんじゃないよ。言葉そのものがその何かなんだ。言葉は意思伝達の手段なんかじゃない。言葉こそ意思、言葉こそ「私」……。

(引用:図書館の魔女 4巻P589/下巻P769)



【最後に】
あそこの名言抜けているよ!!っていうのがあったら教えていただけると非常に嬉しい。

霆ける塔を読むまでは死ねない。






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