FGかふぇ

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『θは遊んでくれたよ』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】



「神様が必要となる理由は基本的に責任転嫁のメカニズムなんだ。誰か他人のせいにする。そうすることで、自分の立ち位置を保持する、というだけのこと」

(引用:θは遊んでくれたよ P237-238/森博嗣)

森博嗣Gシリーズ第2弾『θは遊んでくれたよ』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。

前回の感想はコチラ。
【『Φは壊れたね』の感想】

【『Gシリーズ』一覧まとめ】

目次

あらすじ

25歳の誕生日にマンションから転落死した男性の額には、θという文字が書かれていた。半月後、今度は手のひらに赤いθが書かれた女性の死体が。その後も、θがマーキングされた事件は続く。N大の旧友・反町愛から事件について聞き及んだ西之園萌絵は、山吹ら学生三人組、探偵・赤柳らと、推理を展開する!

(引用:θは遊んでくれたよ 裏表紙)

感想

真賀田四季がでてきた…!!といってもまだ名前だけだけど(ラストは四季っぽいが)。彼女の名前が出る前から、なんとなくそんな予感がしてたから実際登場してくれて嬉しい。四季の存在が今後のGシリーズの鍵を握ってそうで、更にこのあとのGシリーズを読むのが楽しみになってきた。


事件のほうは、森博嗣作品にしては珍しく密室ではない事件。


Gシリーズが2作目だからまだなんともいえないが、真相を語りきらない(あくまで海月の仮説までで終わる)結末が、このシリーズの流れなのかな?


『Φが壊れたね』でも思ったのだが、海月によって語られているのは、あくまで辻褄が合う仮説なので、間違ってはいないものの、釈然としない所はある。今はまだ見えていない真相がこの先明らかになりそうでワクワクする。


今後に真相が明らかになって、四季繋がりで全部がひっくり返るようなら最高の展開。



──四季の予感

P250では直接『真賀田四季』の名前が出てくるし、その直前にはMNI(メタナチュラル協会)が出てくるし、四季が何かしらの形で物語に関わっていそうな気配をかもし出してくる。


しかし、『Θは遊んでくれたよ』ではもっと前に四季の関わりを暗示させるような部分があった。

「そうそう」西之園は頷き、こちらに顔を向けた。「Θというマーキングに、それを補完する意味合いがあるのかしら」
「補完?」
「うん、それを書くことによって、空間と時間を超えて、リンクされる」西之園が真面目な顔で言った。冗談ではなさそうだ。

(引用:Θは遊んでくれたよ P119-120)

「君が過去の記憶をすべて鮮明に再現できることは知っている。劣化しない歴史は、もう歴史とはいえない、すべて現実だ。君の現実は、空間も時間も越えている。それはわかる。しかしその場合、君にとって、実在する人間と、死んでしまった人間の差は、何?」

(引用:四季 冬 P105)

上記は『四季 冬』より四季と其志雄の会話から、其志雄の台詞。


まぁ四季シリーズでは散々四季が話してるから『空間も時間も超えて』のフレーズだけを引っ張ってきて暗示というのはおこがましいが、この台詞、とくに『空間も時間も超えて』って部分が個人的にかなり印象に残っていたので、『θは遊んでくれたよ』で萌絵からこのフレーズが飛び出したときは、びっくりした。


扱ってる話題も「生も死」で近いものがあるし大目に見てもらって……。

──『葉っぱは見られ、鳥は死なない』

海月があっさりとPHOENIX(フェニックス)と回答していた『葉っぱは見られ、鳥は死なない』。


フェニックスと聞いて、
鳥は死なない→不死鳥→フェニックス
というのはすぐにわかったが、前半部分がわからなかった。しかも海月は海月らしく詳細を語ってくれないし。


調べたら
葉っぱは見られ→観葉植物→フェニックス(という種類の植物がある)
だとか。


前半部と後半部2つに共通する単語は何か?ということでの『葉っぱは見られ、鳥は死なない』=『フェニックス』だったらしい。

──印象に残った台詞・名言

何だろう?そういえば、Φとθというギリシャ文字が使われているという共通点はある。しかし、それは単なる偶然だろう。まえの事件は、犯人も逮捕され、既に解決しているではないか。もちろん、数々の不思議は残ったままではある。特に、どうしてそんなことをしたのか、という動機の部分に関しては、未だに納得がいかない。

(引用:θは遊んでくれたよ P168)

一つ思いついた。
どこかに得体の知れない存在がある。
とにかく、それがあると仮定しよう。
名前がないものだ。
それと自殺者の関係が、θだという。
そうなると、Φもまた、同じだったかもしれない。
それが壊れた、ということか……。
関係が壊れた、というニュアンスは、なんとなくだが、すんなりと受け入れられる。

(引用:θは遊んでくれたよ P169)

一作目『Φは壊れたね』と二作目『θは遊んでくれたよ』の共通点は、自殺者の動機が不明なこと。


さらに言えば、自殺した早川聡志がなぜ額にθを書いたのか?なぜ口紅を使ったのか?その口紅はどこにいったのか?誕生日に自殺したことに意味はあるのか?
なぜ自分宛にメールで「シータは遊んでくれたよ」と送ったのか?……など、作中では明言されていない。今後に期待である。

「いずれにしても、本質ではない。宗教という形態自体が、メディアだからね」
「どういうことですか?」
「神様が必要となる理由は基本的に責任転嫁のメカニズムなんだ。誰か他人のせいにする。そうすることで、自分の立ち位置を保持する、というだけのこと」

(引用:θは遊んでくれたよ P237-238)

犀川先生の明言。出番が少ないが切れ味は抜群。

「僕が想像した仮説だ。単に、こう考えれば不思議な点がない、というだけのこと。少なくとも、僕が知っている情報に対する、重心だということ」
「ジューシンって?」今度は反町が尋ねた。
「バランスが取れる唯一の点、という意味で使いました」

(引用:θは遊んでくれたよ P292)

重心ね。海月の、言葉の選択と使い方がセンスいい。


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