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東野圭吾オススメ10選!!大好きな東野作品をランキングで紹介



これまでで100を超える作品を世に放ち、数多くの名作を生み出してきた東野圭吾。今回は、東野圭吾ファンである私がみなさんに読んでみてほしい10作品を紹介していく。


前回は、東野圭吾作品をあまり知らない方向けに作品紹介をしたが今回は完全に自分好みのランキングなので、その辺はご了承いただきたい。


前回のまとめはコチラ。東野圭吾作品をあまり知らなくて何を読めばいいか悩んでいるからはコッチがオススメ。
『東野圭吾初心者へオススメ11選』



※あらすじは裏表紙から引用している。

10位『悪意』

──あらすじ

人気作家・日高邦彦が仕事場で殺害された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみである野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人はなぜ、人を殺すのか。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。


──人の”悪意”は底知れない
『悪意』は加賀恭一郎シリーズの4番目の作品である。あらすじにある通り、この作品は犯人の動機についてひたすらに追及していくちょっと変わった作品。


加賀恭一郎シリーズは、普段は隠れている人間の本性が垣間見えるのが一つの特徴だと私は思っている。今回はタイトル通りまさに人間が持つ『悪意』を思い知らされる一冊である。


読了した後味がいい作品ではない。私自身そういった作品は苦手だったが、『悪意』は好き嫌い以上に、東野圭吾が語る、人間の本質が胸に刺さる作品であった。


【加賀恭一郎シリーズの紹介】
加賀恭一郎シリーズの作品一覧とあらすじ・紹介【東野圭吾】 - FGかふぇ

9位『ラプラスの魔女』

──あらすじ

円華という若い女性のボディーガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。
同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する──。
価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。
作家デビュー30年、80作目の到達点。
これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。──東野圭吾

──彼女の瞳は何を写すのか

『ラプラスの魔女』は、フランス人数学者の「ピエール・シモン・ラプラス(1749-1827)」が提唱した「ラプラスの悪魔」という仮説を題材にした物語となっている。どんな仮説かというと以下の通りだ。
 

 「もし、この世に存在するすべての原子の現在位置と運動量を把握する知性が存在するならば、その存在は、物理学を用いることでこれらの原子の時間的変化を計算できるだろうから、未来の状態のがどうなるか完全に予知できる。」

これは実際に『ラプラスの魔女』本文から引用したものだ。


「もし、未来がわかったら…」と、だれもが一度は考えたことがあるはず。そんな力を得てしまった登場人物と、巻き起こる事件に一気読み必死の作品だ。


賛否がわかれる作品ではあるが、個人的には推したい一冊。何よりも『ラプラスの悪魔』を持ち込んできた設定が好みすぎた。また映画化もされているが……小説で楽しむ事をオススメする。


8位『流星の絆』

──あらすじ

何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。著者会心の新たな代表作。


──兄弟たちの復讐劇
『流星の絆』は、両親を殺害された幼い三兄妹による復讐劇が描かれた一冊だ。その復讐劇に「詐欺」「禁じられた恋」などの要素が絡められながら物語が進んでいく。


メインは復讐劇のわけだが、あらすじに『最大の誤算は、妹の恋心だった』とある。妹が好きなってしまった相手が実は……という訳なのだが、この妹の葛藤が実に胸にくる。


ページ数は600ページと多いが、それを感じさせないスリリングな展開の連続、そして最後の最後まで気が抜けない小説の醍醐味をあじわえる作品。


確かだが、私が東野圭吾の作品で初めて読んだのが『流星の絆』だった。思い出補正もあるかもしれないが、それを差し引いても名作であることは間違いない。


7位『白夜行』

──あらすじ

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂──暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年……。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇!


──圧倒的支持を集める長編ミステリー
『白夜行』でまず目をひくのが、その鈍器と言っても差し支え無い質量だろう。文庫本で全860ページと圧巻のボリュームで、東野作品で一番の文量である。そのボリュームには、なかなかに手を出す勇気が必要だが、読み始めてしまえば一気に物語に引き込まれてしまう。


『白夜行』の一番の特徴は、主人公である二人の心理描写が一切描かれておらず、第三者の視点や周りの状況だけで二人の人間性・関係性が表現されていることだろう。


物語は、大阪の廃ビルで一人の男が殺害されることで幕が開ける。被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂は、その接点を持たせないままに、二人の心情は直接語らせないまま物語が進行していく。


太陽のように明るくはない。しかし夜の闇のように真っ暗でもない。そんな白夜を歩む二人の19年の長い道のりが描かれているのが『白夜行』だ。


『白夜行』を「東野圭吾の最高傑作である」という意見も多々見受けられる。その納得のストーリー、是非体感して頂きたい。


6位『真夏の方程式』

──あらすじ

夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう一人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは──。

──博士と少年 一夏のストーリー
『真夏の方程式』はガリレオシリーズの第5作目の作品だ。2022年現在、ガリレオシリーズは短編5作、長編5作が刊行されている。個人的には長編のガリレオ作品はハズレがないと思っている。『真夏の方程式』もその長編の一つだ。


ガリレオこと湯川と、恭平少年のやりとりがミスマッチのようで、どこか微笑ましく、その湯川の普段とのギャップがこの作品一つの魅力といっていいだろう。



恭平は両親の仕事の都合により、一人で伯母の家に泊まらされることに対して不満をつのらせていた。しかし皆が恭平のことを子供扱いするなかで唯一、正面から向き合ってくれたのが湯川であった。恭平のために湯川が”ある実験”を行うのだが、その場面がとても印象的だ。


湯川と少年・恭平を中心に物語がすすんで行くのだが、もちろんミステリーの面も抜け目がないのは言うまでもない。東京と玻璃ケ浦、現在の事件と過去の事件、そして人間関係……それぞれ絡まり合ったすべての糸が解ける瞬間がたまらない。


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5位『マスカレード・ゲーム』

──あらすじ

解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件。
共通点はその殺害方法と、被害者はみな過去に人を死なせた者であることだった。
捜査を進めると、その被害者たちを憎む過去の事件における遺族らが、ホテル・コルテシア東京に宿泊することが判明。
警部となった新田浩介は、複雑な思いを抱えながら再び潜入捜査を開始する──。
累計490万部突破シリーズ、総決算!


──シリーズ最新作!新田にまさかの展開が…?!
2021年に映画が公開された『マスカレード・ナイト』が2017年の初刊だったので、『マスカレード・ゲーム』は実に5年ぶりの最新シリーズである。


前作『マスカレード・ナイト』のような派手さはないが、毎度お馴染み潜入捜査も利用し淡々と真実に迫っていく様子があいも変わらず面白い。そして今回は新たな登場人物が新田の苦悩を増やすことになるが……!?


エンタメだけじゃなくて、罪についての話がありこれまでのシリーズにはなかった深みがある。世の中悪い人間ばかりじゃないと思えるいい話。
もちろんシリーズものとしての進展もあるのでファン必見の一冊である。


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4位『祈りの幕が下りる時』

──あらすじ

明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。シリーズ最大の謎が決着する。


──加賀恭一郎シリーズ最高傑作
『祈りの幕が下りる時』は、先程紹介した『悪意』と同じく加賀恭一郎シリーズの一つ。そして10作品からなるシリーズの最終巻である。

以下シリーズ一覧


①卒業
②眠りの森
③どちらかが彼女を殺した
④悪意
⑤私が彼を殺した
⑥嘘をもうひとつだけ
⑦赤い指
⑧新参者
⑨麒麟の翼
⑩祈りの幕が下りる時

『祈りの幕が下りる時』だけでも、一つの話として完成されているが、やっぱりこれはシリーズを通して読んでこそ、その本領が発揮される。


東野作品のシリーズものといえば、ガリレオシリーズと加賀恭一郎シリーズが有名どころだと思うが、個人的なイメージとしては、ガリレオシリーズはどこから読んでも楽しめる。加賀恭一郎シリーズは通して読んでこそ楽しめる作品だと思っている。


号泣必至の物語、そしてこのシリーズを是非とも堪能してみてほしい。


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3位『容疑者Xの献身』

──あらすじ

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。


──天才vs天才 慟哭のミステリー
ガリレオシリーズから2作目の紹介。『容疑者Xの献身』は映画もされている有名作品。



簡単に作品説明するとすれば、惚れた女性の犯罪を隠す石神と、犯罪の秘密に迫る湯川の二人の天才による対決が描かれた物語である。
 

石神と湯川は大学時代の同期であり、お互いに「天才」という意味では同じであったが、決して似ている二人ではない。


湯川は頭脳明晰、容姿端麗おまけにスポーツ万能...とすべてを兼ね備えた完璧人間と言っても過言ではない。このようなことに対して石神は、湯川と対極の人物である、と説明すればわかりやすいだろう。


この二人によって展開される頭脳戦が『容疑者Xの献身』の見所の一つ。石神による人の盲点を突く、天才的発想の隠蔽工作は予想の斜め上をいく。また、その石神の隠蔽工作に対して湯川はどこから真実を見抜くのか...!?


もう一人の見所としてはタイトルの意味だろうか。読了後にはタイトルの意味を深く噛み締める事になるだろう。


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2位『マスカレード・ホテル』

──あらすじ

都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!? いま幕が開く傑作新シリーズ。


──名コンビ誕生 伝説のはじまり
”マスカレード”シリーズは、一流シティホテル「コルテシア」を舞台に繰り広げられる物語。先程紹介した『マスカレード・ゲーム』の第一弾の物語。2022年現在では
『マスカレード・ホテル』
『マスカレード・イブ』
『マスカレード・ナイト』
『マスカレード・ゲーム』
以上の4作品が刊行されている。


そして、新田&山岸のコンビが誕生したのがシリーズこの第一作『マスカレード・ホテル』だ。


犯人不明
動機不明
いつ事件が起こるか分からないし
誰が狙われるかもわからない


判明しているのは次の犯行現場が一流ホテル「コルテシア東京」だということのみ。


優秀だがプライドの高い刑事の新田
ホテルウーマンとして優秀な能力を持つ山岸


犯人の仮面を暴こうとする新田と、お客様の仮面を守ろうとする山岸。職業柄、価値観のまったく違う二人は最悪の印象で物語は始まる。


しかし、警察という仕事、フロントクラークという仕事を通して、お互いがお互いをプロとして認め、信頼関係を築いていく様子がとても印象的な作品。


ミステリーのジャンルの作品だが、ホテルという舞台、そしてそこで働く人たちの喜びや苦労が楽しめるのもこの作品の大きな魅力の一つだろう。最後まで予測のつかない犯人と、その緊張感。そして主人公二人の息のあったコンビがたまらない。


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1位『ナミヤ雑貨屋の奇蹟』


──あらすじ

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?
3人は戸惑いながらも当時の店主・波矢雄治に代わって返事を書くが・・・。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?


  
──現在と過去を繋ぐ奇蹟の手紙
『東野圭吾史上、最も泣ける作品』との触れ込みもあるが、それに恥じない感動と、心暖まるストーリーである。


『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の特徴は、ヒューマンドラマとファンタジーの性質を合わせ持っている点。ファンタジー要素というのが、30年前の過去から手紙が届くのだ。


現在と未来が繋がる、また『ナミヤ雑貨店の奇蹟』のように現在と過去が繋がる。小説の設定としては、ありきたりのものだ。


しかし、この物語の本質はヒューマンドラマである。過去と現在でやり取りされる手紙は、過去軸の人間の”悩み相談”を現在軸の人間が答える形式となっている。


この手紙のやり取りを通して、3人の青年は相手の事を考え、自分自身を見つめ直し成長する過程が、描かれている。


また、物語は5章構成になっていて各章ごとに新しい相談者の話になる。だが完全に独立した話という訳ではなく、端々で繋がっていく。


個人的に第二章の『夜明けにハーモニカを』の話がたまらなく好きだ。
音楽の道に進むか、家業の魚屋を継ぐか。そんな人生の二択に迫られた青年がナミヤ雑貨屋に相談の手紙を出して……という流れなのだが最後は思わず涙があふれるだろう。



最後に

今回の紹介はランキング形式ではあるが、どれも魅力的すぎて順位をつけるのが難しかった……。正直全部同率1位でもいいくらい。




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