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傑作ぞろい!圧倒的な世界観に引き込まれるオススメSF小説4選




宇宙、知的生命体、未来、タイムトラベル、パラレルワールド……。人間の想像によって生み出されたSFの世界は、そのディテールの細かさ、完成された世界観から、あたかも本当にそんな世界があるかのように錯覚させられる。


今回は、読み始めたら世界に引き込まれて読む手が止まらなくなる傑作作品たちを4作品紹介していく。さっそくどうぞ。



1.地球の長い午後/ブライアン・W・オールディス

──あらすじ

大地を覆いつくす巨木の世界は、永遠に太陽を片面に向けてめぐる植物の王国と化した地球の姿をだった! わがもの顔に跳梁する食肉植物ハネンボウ、トビエイ、ヒカゲワナ。人類はかつての威厳を失い、支配者たる植物のかげでほそぼそと生きのびる存在になりはてていた。人類にとって救済は虚空に張り渡された蜘蛛の巣を、植物蜘蛛に運ばれて月へ昇ること。だが滅びの運命に反逆した異端児が......ヒューゴー賞受賞の傑作

(引用:地球の長い午後 裏表紙/ブライアン・w・オールディス)


──植物が世界を支配する地球の未来
現代から数億年未来の話。地球の自転が停止し、世界は永遠の昼と夜となる。片面は太陽が照り続ける植物の世界。もう片面は明けることのない夜の世界。つまり明けることのない長い昼..….それがタイトルの『地球の長い午後』という訳だ。


永遠の昼となり熱帯と化した世界では、巨大に進化した樹木が大陸を覆い尽くし、活動する食肉植物たちが世界を支配していた。生存している動物は巨大化した数種類の昆虫と人間のみ。


その人間すら現代の文明は完全に廃れ、昼夜を問わず食肉植物に命を狙われるちっぽけな存在となってしまっている。


太陽から永遠に降り注ぐ紫外線の攻撃により多くの生物が絶滅に追い込まれる。もちろんそれは人間も例外ではない。なんとか絶滅は免れているものの、人間も体格は現在の五分の一にまで縮み、知能そのものも著しく退化している。


物語の主人公は、グループの仲間と対立し追放されてしまった少年・グレン。ここ弱肉強食の世界での孤独は、まさに死に直結するもの。心も身体も弱りきったときに、とある寄生植物と出会ってしまい……。


独特の生物や設定など、すんなり入って来ない部分も多いが、とにかくこの圧倒的な世界観がすごい。まさに想像力の限界に挑んでいると言っても過言ではないだろう。


2.三体/劉慈欣

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。
失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。
そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。
数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。
その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。
そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?

──圧倒的スケールの傑作SF
『三体』は三部作の構成である。


第一部:『三体』
第二部:『三体 黒暗森林』《上・下》
第三部:『三体 死神永生』《上・下》


2021年についに第三部:死神永生まで発売され、無事完結を迎えた。一部より二部、二部より三部と、スケールが大きくなっていき、それと比例するように物語の面白さも増していく。一部を読み終える頃には、この先の展開が気になりすぎて、すぐに二部に手を出したくなることだろう。



──科学者の相次ぐ不審死と怪現象
主人公で、科学者である汪森(ワン・ミャオ)は、軍と警察の共同組織の会議に招集され、科学者が相次いで不審な死を遂げていることを告げられる。


汪森は共同組織の指令に従い、学術組織「科学フロンティア」のスパイを引き受けるのだが、その後彼の身を『ゴースト・カウントダウン』という怪現象が襲う。物理学の常識を覆す体験をした汪森は、やがて3つの太陽がある異星を舞台としたVRゲーム『三体』にたどり着くのだが……。


やはりこのVRゲームが登場してからが、一気に流れが変わってワクワクする。あの不可思議な世界……そして、そのゲームの存在意義がわかるときに……。






3.星を継ぐもの/ジェイムズ・P・ホーガン

──あらすじ

月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。だが綿密の調査の結果、驚くべき事実が判明する。死体はどの月面基地の所属でもないだけでなく、この世界の住人でさえなかった。彼は5万年前に死亡していたのだ!一方、木星の衛星ガニメデで、地球のものではない宇宙船の残骸が発見される。関連は?J・P・ホーガンがこの一作を持って現代ハードSFの巨星となった傑作長編!


──月面探査で見つかったのは5万年前の人間の死体だった!?
『星を継ぐもの』がきっかけでSFが好きになり色々読み漁っているが、未だにコレを超える作品には出会えていない。


名作は色褪せない。『星を継ぐもの』は1977年に発売され、2018年には驚異の100刷を達成した、数字にも裏付けられた名作である。


物語は月面で宇宙服を身につけた死体が発見されて幕をあける。月面で死体が発見されることでも驚きなのに、調査の結果その人物は5万年前に死んでいたことが分かったのだ!!


『星を継ぐもの』の面白い点は、宇宙、そして宇宙人という壮大なテーマの物語であるにも関わらず、ストーリーは一貫して月面の死体は何者なのか?どこから来たのか?に特化している点だ。


物理学、言語学、天文学、数学、化学、地理...ありとあらゆる専門家が様々な視点から謎に迫っていくのだが、その様子がたまらなく面白い。


例えるとすれば難解なパズルだろう。偽物も混じるたくさんのピースの中から専門家たちが、正しいピースを見つけ出す。そしてその正しいピースを主人公のヴィクター・ハントがあるべき所に並べ変える。


こんなにワクワクする小説は、そうないだろう。緻密な構成と宇宙の壮大なスケールが織りなす極上のハード系SF小説だ。



『星を継ぐもの』シリーズの紹介はコチラ



4.天冥の標/小川一水

──あらすじ

西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン3世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電規制などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、《海の一統》のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが……小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕編。

──宇宙の支配者は誰だ……!?
物語は、今からおよそ800年後、地球から遥か彼方にある植民星、『メニー・メニー・シープ』で幕を開ける。


2800年という圧倒的未来の話……かと思いきや、実はそうではない。すべては現代と繋がっているのである。1巻こそ未来の話なのだが、2巻の舞台はまさかの2000年の現代に巻き戻る。そして巻を重ねるごとに再び2800年に近づいていくのである。


1巻はこれから始まる壮絶な物語の序章にすぎない。2巻以降で歴史が語られ、徐々に1巻で描かれていた物語の裏側が明らかになってくる。その1巻では隠されていた真実が明らかになり、パズルのピースがハマるようか感覚がたまらない。しかしそれ以上に、それらの真実は過酷な現実でもあり心が揺さぶられる。


人々の歴史、異星人との邂逅、ヒトの底力、そして想像もできないような存在…。圧倒的スケールで語られる10巻、全17冊構成の特大ボリュームSF。



最後に

最後までご覧頂きありがとうございました。SFに関しては、まだまだ読み漁ってある途中でそこまで詳しいとは言えないが、そんな私でも自信を持って面白い!!と思える4作品である。


SF作品のオススメがあれば是非、ご教授願いたい。



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