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『流星の絆』の感想を好き勝手に語る。【東野圭吾】


14年後、彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった

(引用:流星の絆  帯/東野圭吾)

 

 

今回はドラマ化された東野圭吾の大人気作品『流星の絆』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。

 
【書籍情報】
タイトル:流星の絆
著者:東野圭吾
出版社:講談社文庫
ジャンル・要素:ミステリー・恋愛
ページ数:617ページ
刊行年:2014年に4月(文庫本)
映像化:2008年にドラマ化
読後感:スッキリ

 

 

あらすじ

何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。著者会心の新たな代表作。

(引用:流星の絆 裏表紙)


幼い三兄妹はある日、流星群を見るために、こっそりと家を抜け出した。しかし、三兄妹が帰宅すると両親が自宅で惨殺された。

 

三兄妹は施設で幼少期を過ごした後に、相次いで詐欺などに襲われ、強く生きるためいつしか彼ら自身も、詐欺を行いながら生きてきた。

 

そして次のターゲットの父親が、両親が惨殺されたときに家から出てきた人物に似ていることに気付く。ある「きっかけ」から3人はこの人物が犯人だと確信し、完璧な復讐計画を仕掛ける。

 
その最大の誤算は妹の恋心だった。
そして事件の衝撃の真相とは...!?

 
 

感想

ページ数は600ページと多いが、それを感じさせないスリリングな展開の連続。そして最後の最後まで気が抜けない小説の醍醐味をあじわえる作品で一気読みだった。文句なしに面白い。


メインは復讐劇のわけだが、「詐欺」「禁じられた恋」などの要素が絡められながら物語が進んでいく。


あらすじに『最大の誤算は、妹の恋心だった』とある。妹が好きなってしまった相手が実は……という訳なのだが、この妹の葛藤が実に胸にくる。


″運命を共にしてきた兄達″と″自分達の仇の息子″、どちらを取るべきかなんて決まってる。けどまぁ理屈じゃないんだよなぁ……。あちらを立てればこちらが立たずの状況だけども、真犯人の存在でその状況が一変すると。


この落とし所が完璧で、戸神が犯人じゃないなら当然、仇の息子ではなくなるし、それなら兄たちを裏切るわけではなくなる。


警察が犯人な訳がない……という裏をついたどんでん返しの結末と、3兄妹の絆が守られ、静奈と戸神が無事に結ばれてのハッピーエンド。見事なくらいキレイに物語がまとまっていて、読後感も非常によかった。


600ページと長いもののスピーディーな展開、そしてエンタメ要素(詐欺の計画や、禁じられた恋)とミステリ要素(最後のどんでん返しなど)のバランスがよくて、飽きがなく読み続けられるオススメの一冊だった。

最後に

確かだが、私が東野圭吾の作品で初めて読んだのが『流星の絆』だった。思い出補正もあるかもしれないが、それを差し引いても名作であることは間違いない。



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