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【小説】『インフェルノ』の感想を好き勝手に語る【ダン・ブラウン】


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『インフェルノ』日本語訳で『地獄』





歴史、美術史に疎く、今回スポットがあてられている「ダンテ」ですら名前しか知らなかった私だが、存分に楽しむことができた。


そんな私ですら面白かったのだから、元々そちらの方面に教養のある方ならさぞかし楽しめたことだろう。


ヨーロッパの歴史や美術が好きな方には、もちろんオススメできる一冊だ。だが今まで歴史や美術に興味がなかった方に逆にオススメしたいと私は思った


確かに歴史的・芸術的・宗教的にも物語中の情報量は半端ではない。有名な人物・建造物も山程出てくる。


それらが物語の進行と暗号と供に登場するので、ただ教科書を眺めているよりはよっぽど興味を持つきっかけになるし、印象にも残ると思う。



以下ネタバレありで感想を語っていくので、未読の方はコチラからどうぞ。
【インフェルノのあらすじ・紹介】

目次

感想

さて、ダン・ブラウンの作品を読んだのは『ダヴィンチ・コード』に続いて2作品目。


単刀直入に言って、面白かった。


芸術・建造物の歴史を巡る謎解きでもあり、現代の社会問題を提起している作品でもある。


相変わらずラングドンは様々な場所に飛び回ることになるのだが、そのおかげかイタリアのフェレンツェには行きたくなるしトルコのイスタンブールにも行きたくなった。


再読してなお面白い。2回目だからこそ気づける箇所があって、こんなに細かな伏線が散らばっていたのかと感心する。


再読していない方は、「ゾブリスト」が登場する冒頭場面だけでも読んでいただきたい。一周してから改めて読むと、彼の行動、決意が身に染みて感じられる。

わたしが贈るのは、未来だ。
わたしが贈るのは、救済だ。
わたしが贈るのは、地獄(インフェルノ)だ。

(引用:インフェルノ〈上〉P12/ダン・ブラウン)

の本当の意味が理解できる。
「わたしが贈るのは、地獄」まさに文字通りだった。



暗号

現存する美術品や歴史的建造物をなぞっての暗号は健在。だが『ダ・ヴィンチ・コード』と比べると単純でスムーズに進みすぎな感はあった。



納得のできる予想外

とにかく予想外の連続のラストだった。
「ウィルスがしかけられていて、指定の時間までに探し出さなければならない」
って展開になったから、物語的には
「制限時間ギリギリでなんとかウィルスを見つけて一件落着になるんだろうなぁ」
と自然と考えてしまっていた。


今あるヒントからどうやって隠された場所を探し出すのか?見つけたウィルスをどう処理するのか?というのが気になっていたところに、まさかのもうウィルスは拡散されている…と。予想外すぎるでしょ。


突飛すぎる展開だと白けてしまうが、今回のような納得がいく予想外を味わえるのは、本当に面白い。


冷静に考えて本当にウィルスを拡散させたいなら、わざわざ予告なんてしないで事前に拡散させてしまえばいいことですからね。そのあたりも納得できる。


シエナが敵側でゾブリストの恋人だったというのも驚いたが、物語の全体像が明らかになっていく後半は圧巻。


人口問題

ダンテの『神曲』と供にもうひとつスポットをあてられているのが人口爆発の問題。改めてグラフを見るとゾッとする。


実際に現代で起こっている問題なだけに、他人事ではない。この人口爆発に対して警鐘を鳴らし、そして強行手段に踏み切ったゾブリスト


「世の中を変えるのは大衆ではなく、一人の天才なんだな」と。


フィクションとは分かっているものの、『生殖能力を奪うウィルス』とはゾッとする反面、よくこんなこと考えつくなぁと思った。


これ以上に速効性があり、効果的な手段は他にないのではないだろうか。黒死病とは異なり死体があちこちに転がることもないし。



この物語が指し示すように私たちは目を背けがちだが、もっと人口問題を真摯に考えなければならないのでないだろうか。

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