「だって、我々の仕事はその目標に向かう選手に伴走することなんだよ。相手がどこに行こうとしているのか、何をしたいのか、それすらわからずにサポートなんかできないだろ。そんな仕事になんの意味がある」 (引用:陸王 P346) ドラマ化もされた話題作、池井…
「そんなこと、なんでわかるの?円華さんって何者なの?」 円華は両手を腰に当て、純也を睨んだ。 「なんでわかるか?あたしだからわかる。そうとしかいえない。もしそれでも満足できないなら、こう答えておく。あたしは魔女だから。それでいい?」 (引用:…
Wシリーズの7作目、森博嗣の『ペガサスの解は虚栄か?』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。前回の感想はコチラ。 【『青白く輝く月を見たか?』感想】 目次 あらすじ 感想 ──印象に残ったセリフ・名言 あらすじ クローン。国際法に…
無限ともいえる知性あるい思考は、どこへ行き着くのか。壮大な実験を人間はスタートさせて、そのまま忘れてしまったのだ。コンピュータは、言われたとおりに学び続け、知性の実験を続けている。 なんとなく虚しい。 人工知能が、無限の虚しさに襲われても無…
東野圭吾作品の中でもシリーズ作品は特に人気を博している。魅力的な主人公、巻き起こる事件、そしてシリーズを通して読むことで明らかになる新たな事実──!最近では『沈黙のパレード』が映画化されたことでも話題である。 著者のシリーズものとえば、『加賀…
向こう側に捜査員が一人でも姿を見せた場合も、私はスイッチを入れる」 「湯川、気はたしかか」 「これまでの生涯で、最もたしかだ」 (引用:禁断の魔術 P287) 東野圭吾のガリレオシリーズ第8作目『禁断の魔術』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の…
人間というのは、自分という存在を過去や先祖に立脚してイメージするものだ。生命というものの価値も、少なからずそういった思想に基づいているだろう。 (引用:私たちは生きているのか? P100)Wシリーズの5作目、森博嗣の『私たちは生きているのか?』の感想…
誰が自分を作ったのかはわからないと言っていたが、あれは隠しているのかもしれない。機械が嘘をつかないなんてことはない。機械がつく嘘は、辻褄を完璧に合わせる計算が行き届いているから、始末が悪い (引用:デボラ、眠っているのか? P133) Wシリーズの4…
あらゆるものを手に入れようとして、結局のところ、あらゆるものを失っているのではないか、という気がしてならない。 (引用:風は青海を渡るのか? P64) Wシリーズの3作目、森博嗣の『風は青海を渡るのか?』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方…
とにかくよ、仲間が燃やされて、他のホームレスが怒っちまったんだ。あいつらだって、やる時はやるからな。希望は持ってるってわけだ。ホームレスっつっても、ホープレスじゃねえだろ (引用:グラスホッパー P46-47/伊坂幸太郎)伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ『…
東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はコチラの紹介からどうぞ。 【『ナミヤ雑貨店の奇蹟』あらすじ・紹介】 目次 あらすじ 感想 ──読みやすく・飽きさせない構成 ──好きな展開・シーン3選 ──1.『再生』 ──2.…
2022年4月に発売された、上橋菜穂子氏の新作長編ファンタジー『香君』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。 目次 あらすじ 感想 ──『香りで万象を知る』 ──神域オアレマヅラ ──印象に残ったセリフ・名言 最後に あらすじ 遥か昔、…
2022年7月に文庫化された伊坂幸太郎の『クジラアタマの王様』のあらすじ・紹介を語っていく。重要なネタバレなしで解説していく。 ネタバレありの感想はコチラ。 【『クジラアタマの王様』感想】 目次 1.あらすじ 2.あらすじ補足 3.最後に 1.あらすじ 記憶の…
2022年7月に文庫化された伊坂幸太郎の『クジラアタマの王様』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はコチラからどうぞ。【『クジラアタマの王様』あらすじ・紹介】 目次 あらすじ 感想 ──人の悪意・非難 ──クジラアタマの王様 ──夢の世界について…
「ずっと昔から伝わっているんだ。カテクには重要な秘密が隠されている。《中略》生命とはなにか、それはどのようにして始まったのか、わたしたちはどこから来たのか?」 「誰?人間のこと?」 「そうだ。わたしたちみんなだ。その答がカテクの中にあると考…
14年後、彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった (引用:流星の絆 帯/東野圭吾) 今回はドラマ化された東野圭吾の大人気作品『流星の絆』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。 【書籍情報】 タイトル:流星の絆 著者:…
今回は、2022年4月20日に発売した東野圭吾『マスカレードシリーズ』の最新作『マスカレード・ゲーム』のあらすじやどんな内容なのかを重要なネタバレを除いてを紹介していく。 目次 1.はじめに 2.あらすじ 3.あらすじ補足 最後に 1.はじめに 『マスカレード…
和製ファンタジーといえばこの人!!というほどの知名度を持つ上橋菜穂子。 その緻密に作り上げられた世界観、登場人物たちの関係性や気持ち、著者の民族学者ならではの知識を生かしての物語……など、子供向けかと思いきや大人が読んでも面白い。また子供の頃…
あっと驚く展開、予想していなかったどんでん返し、華麗な伏線回収、摩訶不思議な密室トリック、そしてそれを解き明かす探偵……。ミステリーの楽しみは人それぞれ無限大である。 今回は、そんなミステリーにジャンルを絞って、私が自信を持ってオススメできる…
不幸な偶然の重なり──そんな簡単な言葉で片付けていいものだろうか。 しかしそれ以外には考えられない。人為的なものが関わる余地などゼロだ。この世に魔力とでもいうべきものが存在しないかぎりは──。 (引用:魔力の胎動/東野圭吾) 今回は、東野圭吾の『ラプ…
『お仕事小説』というジャンルの小説がある。主人公が仕事に取り組む様子がメインで描かれ、主人公が仕事を通して成長いく様子、プロ意識や職務を全うする大切さを教えてくれる。 また、自分とはまったく縁のなかった新しい仕事の内容、その裏事情を知れるの…
今回は森博嗣『Gシリーズ』の作品一覧、またあらすじ・紹介とネタバレなしの感想を述べていく。 個人的には、『Gシリーズ』より先に『S&Mシリーズ』、『Vシリーズ』を読むことをオススメする。以下、各シリーズの紹介。 【S&Mシリーズの一覧・紹介】 【Vシ…
「それじゃあ、話をしましょうか」島田は言った。「鈴木さん、覚悟はよろしい?」 「何の覚悟ですか?」 「貴方が何者か、という話です」 (引用ψの悲劇 P195/森博嗣) 森博嗣のGシリーズ第11弾、後期三部作の二作目『ψの悲劇』の感想を語っていく。ネタバレ…
宇宙、知的生命体、未来、タイムトラベル、パラレルワールド……。人間の想像によって生み出されたSFの世界は、そのディテールの細かさ、完成された世界観から、あたかも本当にそんな世界があるかのように錯覚させられる。 今回は、読み始めたら世界に引き込ま…
あなたの好き・読みたい小説がきっと見つかるオススメリンク集。これまで書いたオススメの小説一覧や、シリーズ一覧をまとめたもの。気になる所へ飛んでいただければ幸いである。 目次 ──1.オススメまとめ ──厳選14作品 ──長編ファンタジー8選 ──ジャンルフ…
天才とは儚いものだ、と皆が語った。そうして、自分たちの社会を守ろうとした。 天才は寂しいものだ、と皆が感じた。そうすることで自分たちを慰めたのだ。 (引用:χの悲劇 P175) 森博嗣のGシリーズ第10弾『χの悲劇』の感想を語っていく。ネタバレありなので…
「僕の考えを聞いても、意味はない。真実は、推論の中から生まれるんじゃない。現実の観察から明かされるものだ」 (引用:キウイγは時計仕掛け P302-303)森博嗣のGシリーズ第9弾『キウイγは時計仕掛け』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注…
これまでで100を超える作品を世に放ち、数多くの名作を生み出してきた東野圭吾。今回は、東野圭吾ファンである私がみなさんに読んでみてほしい10作品を紹介していく。 前回は、東野圭吾作品をあまり知らない方向けに作品紹介をしたが今回は完全に自分好みの…
異常なんてものは、存在しない。あるとしたらみんながそれぞれ異常を持っている (引用:ジグβは神ですか P372)森博嗣のGシリーズ第8弾『ジグβは神ですか』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。 前回の感想 【『目薬αで殺菌します』…
「はい。このゲームにルールはないと思っています。勝つためなら何でもやります。もっと確実にゲームに勝つ方法がある、とおっしゃるなら話は別ですけど」 (引用:マスカレード・ゲーム P130)2022年4月20日に発売した東野圭吾『マスカレードシリーズ』の最新…