FGかふぇ

読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『天冥の標Ⅵ〈宿怨〉』の感想:どこまでも「ヒト」の物語である【小川一水】

SF

ブレイドがそれこそ真の目的だとして心の源に捉えたのは、どちらも人間であるという信念だった。《救世群》は歪められた人間である。パナストロ人は、まだそれを知らない人間である。〈中略〉何より絶望的なのは、《救世群》誕生からこれまでの5百年間、当の…

『天冥の標Ⅴ〈羊と猿と百掬の銀河〉』の感想:本当の根源に迫る【小川一水】

SF

「知ろうとした?今は違うの?」 「今でもそうだ。けれどもぼくは思ったよりもたくさん見てしまったから」 「何を?」 「人が、可憐に滅んでいくさまを」 かの者を除いて、この世に彼より可憐でないものなど、存在しなかった。 (引用:天冥の標Ⅴ P315-316/小…

『星を継ぐもの』シリーズ一覧!全4作品+αをまとめて紹介する【J・P・ホーガン】

SF

「夢を描くことがなくなったのだね」ダンチェッカーは悲しげに頭をふった。「それは悲劇だ。わたしたちが今当たり前と思っていることはすべて、誰かが突拍子もない夢を描いたところから始まっているのだからね」 (引用:巨人たちの星 P259/J・P・ホーガン) …

『天冥の標Ⅳ〈機械じかけの子息たち〉』の感想:少年は種族を超える【小川一水】

小川一水の天冥の標シリーズ第4弾『天冥の標Ⅳ〈機械じかけの子息たち〉』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。前回の感想はコチラ 【『天冥の標Ⅲ』感想】 目次 感想 ──全体を通して ──救世群と《恋人たち》 ──《恋人たち》の原点と『…