2018-01-01から1年間の記事一覧
「帰ってどうする」 「それは、帰ってから考える」 「一思いに死んだ方が良くはねえかい」 「誰も惜しまない命だから、自分だけでも惜しんでることにしたんだ」 (引用:月の影 影の海〈下〉P22/小野不由美) 小野不由美のファンタジー作品、十二国記『月の影…
今回は私が2018年下期(7〜12月)に読んだ小説34作品を5段階評価で好き勝手に感想を書いていきます。 これから読む本はその都度追記予定。また再読の本も含んでいます。 そして、後半は下期に読んだ小説の面白かった作品ベスト3をあらすじなどと共に紹介。(こ…
かつて愛した人は殺人犯なのか? 最後の夜に繰り広げられる心理戦 深まる疑惑、明かされる真実、濃密な心理戦 物語は予想外の結末を迎える── 恩田陸の『木漏れ日に泳ぐ魚』が不意打ちのように心に刺さったのであらすじ・紹介をしていく。感想はコチラ。『木…
たぶんこれは、一枚の写真についての物語なのだろう。 むろん、ある男の死を巡る謎についての物語でもあるし、山の話でもあるはずだ。そして、一組の男女の別離の話という側面も持っている。 (引用:木漏れ日に泳ぐ魚 P7/恩田陸) 恩田陸の作品は、今回読ん…
真夜中に起きた一つの交通事故が悲劇の連鎖を生む『ダイイング・アイ』のあらすじ・紹介をしていく。 感想はコチラ 『ダイイング・アイ』感想 目次 あらすじ すべての始まりは真夜中の交通事故 主人公の前に現れる謎の女 狂気の人形職人 鍵は事故の真実と謎…
「運命ね。君と僕とは運命の糸で結ばれているというわけだ」 「そうよ。そしてこの糸は」彼女は再び慎介の指に自分の指をからめてきた。「決してほどけたり切れたりしないの」 (引用:ダイイング・アイ P238-239/東野圭吾) 2019年の3月にWOWOWでドラマが放…
併走する二つの電車 どれだけ近づいても 双方の空間に交流はない こちらはこちら、むこうはむこうある日、主人公は ″むこう″側の女性に一目惚れしたが彼女は親友の恋人 親友の恋人の、はずだったのに── さて、今回は2019年に映画公開が決まった『パラレルワ…
今、インストジャズバンド『SANOVA』が熱い 『インスト』と聞いてもあまり馴染みがない方も多いと思います。インストとは『インストゥルメンタル(Instrumental)』の略で、歌のない楽曲・演奏を指し示す音楽用語です。 今回、私がオススメするのがインストの…
『星を継ぐもの』に次ぐシリーズ第二弾 『ガニメデの優しい巨人』の感想を語っていくネタバレありで語っていくので未読の方はご注意を。 またシリーズ第一弾の『星を継ぐもの』を読んでいないと、訳がわからないと思うので読んだことがない方はコチラからど…
宇宙は人類にとってのロマンだ。宇宙人の存在については賛否が分かれるものだろう。私にとっては表面上ではあり得ないと考えつつも、心のどこかでは「もしかしたら...」と思わせる存在。 そんな夢とロマンを与えてくれる、心からわくわくさせてくれたのが『…
これまで誰一人真実に思い至る者がなかったとしても不思議はない。自明の理を、それも人類の歴史以前からの真実を、誰が疑おうとするだろうか? (引用:星を継ぐもの P259-260/ジェイムズ・P・ホーガン) 名作は色褪せない。1977年に発売した『星を継ぐもの…
娘を殺したのは、私でしょうか。 先日『コーヒーが冷めないうちに』の映画を観てきた。その時に私が気になっている11月に公開予定の作品『人魚の眠る家』の無料映画パンフレットをGETしたので紹介していく。 有村架純さんが最高に可愛かった『コーヒーが冷め…
あの日に戻れたら、 あなたは誰に会いに行きますか? (出典:http://coffee-movie.jp/sp/index.html) 2018年9月21日にで公開された映画『コーヒーが冷めないうちに』を見てきたので感想を語っていく。ネタバレありで語っていくのでご注意を。 きっかけ 『コ…
「湯川先生には何か確信があるんですか。そこまで強く断言できる理由を教えていただけますか」 「その理由は──」湯川は人差し指を立てた。「もし僕が新たに立てた仮設があたっているのなら、今のままではパズルを成立させるピースが一つ足りないからだ。その…
あらゆるものが沈黙を徹した。それは私欲のため、友情のため、そして──愛情のため。 2018年10月11日に待ちに待ったガリレオシリーズ最新長編『沈黙のパレード』が発売された。 そこで今回は『沈黙のパレード』のあらすじや見所を紹介していく。また『沈黙の…
『図書館の魔女』のタイトルになっている『図書館』つまり「高い塔」──。 「高い塔」は人の意思をくみとることができるまた自らの意思を持っているという結論に達したので、そう考えるようになったきっかけを語っていく。『図書館の魔女』感想・考察・まとめ…
油蝉の声を耳にして、すぐに蝉の姿を思い浮かべる人は、あまりいないだろう。雨音を聞いて、雨音のそれぞれが地面に接している瞬間を想像する人がいないように。 (引用:向日葵の咲かない夏 P5/道尾秀介) 道尾秀介の代表作『向日葵の咲かない夏』の感想を語…
「うまくいかなかった時には観念する──それが普通の人間だ。最後の最後まで庇い続けるなんてのは至難の業だ」湯川は遠くを見つめる目をして呟いた。「石神だってそうだ。そのことは彼自身にもよくわかっていたんだ。だから……」 (引用:容疑者Xの献身 P337/…
長編”ガリレオ”シリーズ第一作目の『容疑者Xの献身』を紹介していく。 ”ガリレオ”シリーズの説明や他作品の紹介はコチラをどうぞ。 長編”ガリレオ”シリーズの紹介 感想はコチラ 『容疑者Xの献身』感想 目次 あらすじ 登場人物とあらすじ補足 花岡親子 天才数…
「遊びで人を殺している、とおっしゃるのですか?」 「遊びで殺すのが一番健全だぞ」 (引用:黒猫の三角 P47/森博嗣) 今回は森博嗣の『黒猫の三角』の感想を語っていく。ネタバレありのため、未読の方はご注意を。 目次 あらすじ 感想 印象に残ったセリフ・…
ガリレオシリーズ待望の新作長編『透明な螺旋』が2021年9月に発売となった。そこで今回は、その『透明な螺旋』含む長編ガリレオシリーズ6作と、あとはガリレオシリーズを知らない方へ簡単にシリーズについて紹介をしていく。好きな東野圭吾作品をランキング…
シンプルな表紙に、シンプルなタイトルが美しくてたまらない。この様に3冊が並んでいたら思わずに手にとってしまいたくなる。 今回は有川浩の代表作品『塩の街』・『空の中』・『海の底』を紹介する。 最近ではドラマや映画など映像化された作品も段々と増え…
目次 1.あらすじ 2.植物が世界を支配する地球の未来の姿 3.天下をとった植物たち 4.仲間から追放された少年 5.最後に 1.あらすじ 大地を覆いつくす巨木の世界は、永遠に太陽を片面に向けてめぐる植物の王国と化した地球の姿をだった! わがもの顔に跳梁する…
”マスカレード”シリーズの第2作目『マスカレード・イブ』は一話完結の物語が四話分収録されている短編集である。 物語の時系列でいうと『マスカレード・ホテル』より過去の物語が『マスカレード・イブ』だが、先に読むのは『マスカレード・ホテル』のほうが…
お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務 『マスカレード・ホテル』に続くシリーズ第2作目、『マスカレード・イブ』の感想を語っていく。 ネタバレにも軽く触れているので未読の方はコチラをどうぞ。 目次 感想:前作『マ…
人は様々な仮面をかぶっている。”マスカレード”シリーズは、お客様の仮面を守るホテルウーマンと犯人の仮面を暴く刑事がおくる物語。今回は、そんなマスカレードシリーズの一覧、読む順番、あらすじ等を紹介していく。 目次 ”マスカレード”シリーズとは? 特…
「その言葉こそ、人類の墓標に刻まれるべき一言です。神様、よくわかりませんでした……ってね」 (引用:有限と微小のパン P827/森博嗣) 「そうだ、私はこんなミステリーを求めていたんだ」 これまで積み上げたモノすべてが一瞬でひっくり返され、想像もして…
私が母と呼んだ女性は、単なる分身製造装置に過ぎなかった。 (引用:分身 P356/東野圭吾) 東野圭吾の『分身』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。 目次 あらすじ 感想 1.ストーリー全体について 2.クローンについて 3.刺さった言葉…
自家焙煎のこだわりコーヒーが飲めるお店、埼玉県上尾市にあるカフェ『KOMIBOU』へ行ってたので紹介する。 JR高崎線の線路沿いに店を構える『KOMIBOU』は、上尾駅と北上尾駅のほぼ中間に位置しており、どちらの駅からも徒歩7分ほどで訪れてることができる。 …
良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。 (シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール [フランス、1754─1838]) 私がカフェ好きというのもあって、コーヒーやカフェに纏わる小説を探していた…