お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務
『マスカレード・ホテル』に続くシリーズ第2作目、『マスカレード・イブ』の感想を語っていく。
ネタバレにも軽く触れているので未読の方はコチラをどうぞ。
目次
感想:前作『マスカレード・ホテル』に繋がる完璧な前日譚
1.黒い山岸
読み進めていてまず違和感を感じたのは、山岸の性格だ。前作『マスカレード・ホテル』ではなかったような、黒さを感じる言動や感情が多かったように思える。
例をあげると
「御心配なく。私どもは、どんなにお金を積まれても、お客様の仮面に隠された本当の顔をほかの方に教えることは絶対にございません。その素顔が美しいならともかく、醜くければ尚のことです」
(引用:マスカレード・イブ P61/東野圭吾)
このセリフをお客さんに面と向かって言い放っているのだから恐ろしい。
男にたちはまたしてもぼそぼそと話し合いを始めた。どの部屋に泊まるかによってデポジットも変わるということで、もめ始めたようだ。
めんどくせーな、と尚美は腹の中で呟いた。
(引用:マスカレード・イブ P127-128/東野圭吾)
鈍感だな、と尚美は舌打ちをしたい思いだった。こんなんで警察官が務まるのだろうか。
(引用:マスカレード・イブ P255/東野圭吾)
まぁP127-128のオタクのところは非常に気持ちがわかるが。
P61の女性客への一言はお客様への態度としてはどうかと思うところもあるが、元彼との再開などもあり、冷静ではなかったのかな。
あとは、山岸がホテルウーマンとしての”仮面”を完全には被れていなかったのかと考えると、なんだか納得できる。
実際に物語序盤では、フロント業務で初歩的なミスをするという『マスカレード・ホテル』では決してなかった初々しさを見せているが印象的。
2.伏線
読んでいて目をひかれるは、やはり前作『マスカレード・ホテル』の伏線の回収だろう。前作の影が見えるのは、シリーズ物を読む醍醐味だ。
エピローグで語られる話が『マスカレード・ホテル』に繋がる決定的な場面だ。その他にも『マスカレード・ホテル』では新田が「シティホテルなんて、一度しか泊まったことがない。」と言っていた。
そのシティホテルに泊まっている場面も『マスカレード・イブ』ではサラッと書かれていたのが好印象。
3.最後に
マスカレードシリーズの他2作品と違って短編集であるがゆえに本格ミステリとして見れば物足りない感はある。
しかし『マスカレード・ホテル』の前日譚として見れば大満足の一冊だった。『マスカレード・ホテル』では、新田・山岸ともに一人前の刑事とフロントクラークとして描かれていたが、今作『マスカレード・イブ』では二人が成長していく姿をみることができ
「こうやって二人は成長していったんだな」と、よりこのコンビが好きになった。
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