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『マスカレード・ナイト』の映画を見た方への補足解説+映画と原作の違い【東野圭吾】


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2021年9月17日に公開された映画、東野圭吾の『マスカレード・ナイト』。前作『マスカレード・ホテル』の続編ということで楽しみにしていた方も多いはず。


今回は原作は読んでないけど映画だけ見た方向けの補足解説的なものを書いた。内容は

①犯人、密告者、協力者の関係(事件の概要)
②映画では語られなかった事件の詳細
について述べていく。


あとはおまけで、映画と原作の違いも書いたので、原作を読んだ方も楽しめると思う。

※映画は一度見ただけなので、今回書いた内容と差異があったらご教授願いたい。


ネタバレありなのでご注意を。

目次

①犯人、密告者、協力者の関係(事件の概要)

今回の映画では、前作『マスカレード・ホテル』と違い、殺人の犯人、その密告者、そして殺人犯の協力者(正確には協力ではなく脅されていたのだが)の3つの立場の人間が登場することで事件が少しややこしくなっている。


映画だけでは理解が追いつかなかった方のために彼らの関係を詳しく見ていく。


まずは登場人物の確認。


被害者は和泉春奈


和泉春奈が殺された事件の犯人は仲根緑(本名:森沢光留)。(山岸に無理難題をふっかけてきた日下部が一目惚れした人物)


密告者は貝塚由里曽野万智子。(曽野万智子は3人家族の嫁、そして貝塚由里は万智子の夫の浮気相手)


協力者は、浦部幹夫(本名:内山幹夫)。(ぺんぎんの被り物をしていた人物)



事件の大雑把な概要は、仲根緑の犯行を曽野万智子が息子経由(望遠カメラで部屋を覗いた)で気づいてしまう。


仲根緑を脅して金を要求しようと、曽野万智子は友人の貝塚由里に協力を仰ぐ。


曽野万智子と貝塚由里は金の受け渡し場所にホテルコルテシアを指定。


計画の途中で曽野万智子は、貝塚由里と夫が浮気していることに気づき、貝塚由里を裏切ることに。曽野万智子は仲根緑に、金の要求を取り下げる代わりに貝塚由里を殺害してほしいと依頼。仲根緑はこれを承諾。


仲根緑は浦部幹夫の弱みを握っていた(浦部は妻子持ちなのにも関わらず和泉春奈との関係があった)ため、今回の密告者と警察の目を誤魔化すために、浦部幹夫は仲根緑に利用されていた。


以上が、事件の登場人物の関係と、大雑把な概要である。


②映画では語られなかった事件の詳細

原作では、事件が一段落した後に事件の関係者の供述場面が描かれており、そこで事件の細部を知ることになる。

──仲根緑(森沢光留)の本性

犯人の仲根緑(本名:森沢光留、以下森沢)に関しては映画で大部分語られていたが重要なのでかぶるところがあるのはご容赦してほしい。


森沢は仲のいい双子の妹の世羅がいた。その妹はレイプされたことで自殺してまったのだが、レイプされた後の警察の取り調べがさらに妹を苦しめた結果、自殺してしまったという。そのため、森沢は警察に恨みを抱えていた。


ちなみに森沢が女裝趣味(性同一性障害?)なのは妹が原因で、妹が森沢に化粧を施したことが根源である。もともと女裝映えする顔立ちだったこともあるだろうが。


映画では語られていなかったはずだが、森沢は裕福な医者家系に生まれ、現在の肩書きは神経科クリニックの院長である。貝塚たちに多額の現金を要求されたのも、森沢が金持ちだと判明したからである。





──被害者と内山幹夫の関係

被害者の和泉春奈と浦部幹夫(本名:内山幹夫、以下内山)は、男女の関係にあった。二人は、内山が飼っている犬のリードが外れ、和泉に犬がかけよったことがきっかけで知り合った。


映画では、和泉のお腹の子供が誰の子であるか詳しく語られていなかったが、内山の子である。そして和泉は子供ができたことを喜んていた。


まぁ先程も少し触れたが、内山は妻子持ちだったわけだが……。


──ロリータファッション

なぜ、被害者の和泉がロリータファッションをしていたかというと、森沢は和泉に対してマインドコントロールに近いことしていた。


前述した通り、森沢は妹を溺愛していてその妹の代わりに仕立て上げるため、妹が着ていたロリータファッションを和泉にさせていた。


しかし、その妹役の和泉が内山と男女の関係になったしまったことに、森沢は激怒し和泉を殺害してしまったのである。



──新田が仮装した森沢に気づいた理由

映画では、パーティ会場で沢山の人の中からピンポイントで新田が仮装している森沢に気づく。「目の色でわかった」ような事を言っていたが流石に無茶だろ!思った方も多いだろう。


原作では、パーティ会場に入る前に新田が不審人物として森沢をマークする。ホテルコルテシアの制服と似た服をきた人物(仮面をしていたため、顔はわからなかった)を新田が見つける。(森沢が制服を着ていた理由は、ホテル内を自由に歩きやすくするため)


森沢はトイレで制服を着替え、マイケル・ジャクソンの仮装をしてパーティ会場へ。トイレから出てきた人物が違うことで怪しさを確信に変えた新田がパーティ会場で森沢に声をかける。といった感じ。


ちなみに瞳のくだりは原作でもある。


おまけ:映画と原作の異なる点

映画と原作の大きく異なる点を気づいた範囲で書いていく。


①映画では大晦日、一日の出来事として描かれているが、原作では4日間である(元旦を入れれば5日間)


5日間の出来事を一日に凝縮したらそりゃキツキツになるよな。すごいのは登場人物はほとんど変わらないこと。裏を返せばキーパーソンが多すぎて省けなかったとも考えられる。



②登場していない人物
重要そうな原作にしか登場しない人物

・ホワイト氏
コルテシアの常連。ホテルの様子がいつもの違うことに気付く。そのことを山岸にも伝えていた。


・ミイラ男
森沢が雇った人物。内山と同じ、パーティの時の撹乱がかり。


・笠木
森沢にかつてマインドコントロールされていた人物。彼女からの証言で新田たちは森沢の本性を知る。


③曽野の夫がホテルから出て行った理由
曽野万智子の夫がパーティ直前に出て行った。映画では確かコンビニに行くと言っていた?(曖昧)


原作では詳細が語られていて、万智子が嘘をついて夫をマンションに帰らせた。(自宅の車に悪戯されているとマンション管理会社から電話があったとかなんとか)これは、夫に容疑がかからないようにするため。



④山岸の時計
映画では、物語序盤で時計のことを新田と話している。印象的な場面で、「これ、伏線になるんじゃね?」と気づきやすいと思う。


原作ではもう少し凝っていて、山岸の時計の時間が遅れていることを新田が知るのは、山岸が襲われた後である。


原作で、山岸は時計をしている描写はあったうえで『正確な時間を確認するためにスマートフォンをみた』という箇所がある。
原作のほうがちょって複雑である。


最後に

『マスカレード・ナイト』映画の感想をいうと、警察の潜入わかりやすすぎじゃね?とか思うところもあるが、まぁ映画だし、わかりやすくするためにはしょうがないのかな、と。


『マスカレード・ホテル』と比べるとカットされてる場面も少ないし、よくこのボリュームを詰め込んだなぁと思う。


エンタメとして楽しめる作品なのは間違いない。


そろそろ原作のほうも、『マスカレード・ナイト』の続き読みたいのだが……東野先生……どうでしょうか?

原作の感想はコチラ

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