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『透明な螺旋』の感想とタイトルの考察【東野圭吾】


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東野圭吾の大人気作品『ガリレオシリーズ』。今回は2021年9月に発売されたシリーズ10作目『透明な螺旋』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。


目次

あらすじ

シリーズ第十弾。最新長編。 今、明かされる「ガリレオの真実」。 房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。 失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮上した。 警視庁の刑事・草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川学を訪ねる。 「愛する人を守ることは罪なのか」 ガリレオシリーズ最大の秘密が明かされる。

(引用:https://www.amazon.co.jp/%E9%80%8F%E6%98%8E%E3%81%AA%E8%9E%BA%E6%97%8B-%E6%9D%B1%E9%87%8E-%E5%9C%AD%E5%90%BE/dp/4163914242


感想

ガリレオシリーズといえば、理系トリックのイメージが強いが、それは短編作品。長編に関していえば人間関係と登場人物にスポットを当てた作品というのが私のイメージ。



そして今回の『透明な螺旋』はガリレオ長編としては5作目となる。


事件に関しては、上辻は典型的なDV男で同情することもないし、凝ったトリックがあるわけではなかったし、比較的シンプルな印象(ガリレオシリーズにしては)。


いつも通り湯川が事件の真相に迫っていき、「え?このまま山場もなく終わってしまうの?」と思っていたら、もちろんそんなことはなくて安心した。


松永奈江の存在がずっと読んでてひっかかっていた。最初は冒頭の施設に子供を預けた人物かと思ったがそうではなく、かといって犯人でもない。でも明らかに物語の鍵を握っていそうな人物。


湯川の口から「実の母親」と明かされたときは、本当にびっくりして「えっ!」と思わず声を出しでしまった。まさかここにきて湯川の過去が明かされるとはなぁ……。


両親の介護事情がでてきたりと、湯川や草薙もシリーズのなかで歳をとってきたなぁと思わずにはいられない。なんだがガリレオシリーズの終わりもそう遠くなさそうだなぁと感じてしまった。

──タイトルと表紙の意味

表紙は黒のバックに赤い薔薇と透明な2つの手とDNA。シンプル。東野圭吾ファンならピンとくる方もいるだろうが、黒のバックに赤の薔薇の組み合わせは、同じガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』を連想させられる。並べてみると一目瞭然だ。
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そして表紙だけでなく、内容に注目しても『容疑者Xの献身』と似ている部分がある。


それは、愛する人を守る為に殺人を犯してしまうこと。


もちろん『容疑者Xの献身』とシチュエーション自体は違うものの、愛する人を守るための自己犠牲の様子、取り調べでの嘘の供述など、ついついあのときの石神を思い出してしまった。


タイトルの『透明な螺旋』の螺旋はDNAを指すのだろう。実際、DNA関連の話がでた場面もあった。では、『透明』は何を指すのだろうか?


『透明』とは、物体が存在しているが、透き通って存在しないかのように感じられること。つまり合わせて考えるとタイトルは、『DNAという血の繋がりはもちろんあるが、それがなくとも同じような関係にはなれる』という意味ではないかと私は考えた。


まぁ間違ってるかもしれないし、拡大解釈だとは思うが、湯川親子、そして園香と秀美の関係を見ていると、この考えが一番しっくりきた。


ちなみに、『容疑者Xの献身』の感想でも述べたが、薔薇は、色や本数によって花言葉が変わる。ちなみに赤色は 「あなたを愛してます」「愛情」「美」「情熱」「熱烈な恋」「美貌」


そして1本だと「一目ぼれ」「あなたしかいない」である。親と子の関係なんてまさしく「あなたしかいない」がぴったりだ。変わりなんていないんだ。


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