2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
天文学と音楽が世界の基礎だという説にうなずこうとしている。無数の星々の間からいくつかを抽出して星座とする。調律も似ている。世界に溶けている美しいものを掬い取る。その美しさをできるだけ損なわないよそっと取り出して、よく見えるようにする。 (引…
小野不由美の十二国記に出会ってはや1ヶ月。十二国記のおかげでこの1ヶ月は濃密すぎる読書生活をおくる事ができました。 現在刊行されている『魔性の子』〜『華胥の幽夢』まで読み終わったので、出会ったきっかけ、感想を好き勝手に語っていく。十二国記シリ…
陽子は鳥を、書卓の脇にある棚の上に留まらせた。そっと翼を撫でてやる。 鳥は語る。この世界で最初に得た友人の言葉を。──彼の声で。 (引用:華胥の幽夢 P166/小野不由美)十二国記の短編集『華胥の幽夢』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方は…
東野圭吾原作の映画『マスカレード・ホテル』を見てきた。『マスカレード・ホテル』は私が東野圭吾にはまったきっかけの作品であり、大好きな作品だったので、映画化されたのは、すごく、すごくうれしかった。 絶対に映像映えする作品だと思っていたので映画…
『月の影 影の海』で活躍した陽子のその後を描いた物語、十二国記シリーズ『風の万里 黎明の空』の感想を語っていく。ネタバレなしの作品紹介はコチラ 【十二国記の全作品紹介】 目次 感想 ──良い国とは?良い王とは? ──景麒のセリフにぐっときたのは私だけ…
嘘でもいいから賢帝だと信じたい。──そこにつけこむ」 「お前、王より詐欺師のほうが向いてないか?」 (引用:東の海神 西の滄海 P158-159/小野不由美) 500年続く雁国の延王・尚隆と麒麟・六太の始まりの物語、十二国記シリーズの『東の海神 西の滄海』の感…
「夢を描くことがなくなったのだね」ダンチェッカーは悲しげに頭をふった。「それは悲劇だ。わたしたちが今当たり前と思っていることはすべて、誰かが突拍子もない夢を描いたところから始まっているのだからね」 (引用:巨人たちの星 P259/J・P・ホーガン) …
──迷いがあった。どこかで自分が自分以外のものであることを、信じきれていなかった。 (引用:風の海 迷宮の岸 P252/小野不由美) 小野不由美の十二国記シリーズ『風の海 迷宮の岸』の感想を語っていく。 『風の海 迷宮の岸』から読めばすっきりした読了感が…