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読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

『かがみの孤城』の感想を好き勝手に語る。鏡の向こう少年少女の体験記【辻村深月】

2018年本屋大賞、堂々の1位に輝いた、辻村深月の『かがみの孤城』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。 目次 あらすじ 感想 ──まとまりがあるストーリー ──こどもたちを繋ぐもの ──印象に残ったセリフなど 最後に あらすじ あなた…

【17作品】2020年下期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】

2020年下期(7〜12月)に読んだ小説17作品を5段階評価で好き勝手に感想を書いていく。 そして、後半は下期に読んだ小説の面白かった作品ベスト3をあらすじなどと共に紹介。2020年に発売した小説ではなく、あくまで私が7〜12月に読んだ小説なのでご注意を。目次…

『キャプテンサンダーボルト』の感想を好き勝手に語る【伊坂幸太郎・阿部和重】

「これは全部、ガキの頃の思い出のおかげだ。あの頃に見聞きして、味わったことのすべてが、今の俺たちを守ったんだ」 (引用:キャプテンサンダーボルト〈下〉/263) 伊坂幸太郎と阿部和重の合作『キャプテンサンダーボルト』の感想を語っていく。ネタバレあ…

『虹を待つ彼女』あらすじ・紹介:衝撃的な自殺を遂げた彼女の真意とは…【逸木裕】

世界が変わって見えた。まさにこのときだった。工藤賢は、生まれて初めて、恋に落ちた。水科晴。六年前、奇妙な方法でこの世を去った、彼女に対して。 (引用:虹を待つ彼女 P149/逸木裕) 第三十六回横溝正史ミステリ大賞受賞作、ゲームの世界と現実の世界を…

『虹を待つ彼女』感想:もしかしたらそれは究極の愛の形【逸木 裕】

人工知能と劇場型自殺事件を起こした女性を扱ったミステリ『虹を待つ彼女』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はコチラからどうぞ。【『虹を待つ彼女』あらすじ・紹介】 目次 感想 ──ミステリ?いや、究極の恋愛小説 ──切なすぎるラスト 最後に…

【26作品】2020年上期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】

2020年上期(1〜6月)に読んだ小説26作品を5段階評価で好き勝手に感想を書いていく。 そして、後半は上期に読んだ小説の面白かった作品ベスト3をあらすじなどと共に紹介。2020年に発売した小説ではなく、あくまで私が1〜6月に読んだ小説なのでご注意を。目次 1…

『鹿の王 水底の橋』の感想とタイトルの考察【上橋菜穂子】

人ってのは、良い言い訳が見つかると逃げたくなる生き物だ。それでいて、逃げることは後ろめたいもんだから、いつの間にか言い訳を鉄壁の理屈に祭り上げちまう。神さまがこういう存在を生んだから、なんて言われたら、そこですべてはどん詰まりだ。医術師に…

『コーヒーが冷めないうちに』感想:過去は変わらない、だけど…【川口俊和】

川口俊和の『コーヒーが冷めないうちに』を読んだ。コーヒーを淹れて冷めるまでのわずかな時間だけ過去にいける不思議な喫茶店は、これからを生きる活力を与えてくれる素敵な物語だった。以下ネタバレありなので未読の方はご注意を。 感想 ──未来はこれから…

『謎解きはディナーのあとで』の感想を好き勝手に語る。キレ者執事の軽快なミステリー【東川篤哉】

軽快なテンポと本格推理が癖になる、東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』の感想を語っていく。 感想 個性的なキャラクターたちが軽快に活躍していて読みやすい。その上、ミステリーの内容はとても凝っていて心地よい読了感だった。 シリーズ1作目は6話構…

『ストーリーセラー 〜StorySeller〜』の感想を好き勝手に語る。

新潮社出版の短編集、『ストーリーセラー 〜StorySeller〜』の感想を語っていく。この短編集は伊坂幸太郎、近藤史恵、有川浩、米澤穂信、佐藤友哉、道雄秀介、本多考好の7人の作家で構成されている。 表紙にある通り『読み応えは長篇並 読みやすさは短篇並』…

『夜のピクニック』の感想を好き勝手に語る。”あの時”を思い出す青春小説【恩田陸】

当たり前のようにやっていたことが、ある日を境に当たり前でなくなる。こんなふうにして、二度としない行為や、二度と足を踏み入れない場所が、いつのまにか自分の後ろに積み重なっていくのだ。 (引用:夜のピクニック P22/恩田陸) 第二回本屋大賞受賞作、…

本棚の救世主!!ダイソー『お助け本棚』の活用・裏技!

散らかった本棚の救世主!!ダイソーの『お助け本棚』を紹介。『お助け本棚』を使えば、今まで無駄になっていたスペースをなくして本棚を最大限に利用することができます。 今回は、基本的な使い方を2つ。そしてあまり知られていない『お助け本棚』のもう1つ…

『宝石商リチャード氏の謎鑑定』【辻村七子】

美しさは千差万別、幅広く、豊かなもので、そこに気づくことができるのは才能です。 (引用:宝石商リチャード氏の謎鑑定 P68/辻村七子)辻村七子の『宝石商リチャード氏の謎鑑定』の感想を語っていく。ネタバレがあるので未読の方はご注意を。 目次 感想 ──…

『内なる宇宙』の感想を好き勝手に語る【ジェイムズ・P・ホーガン】

ジェイムズ・P・ホーガンの『内なる宇宙』の感想を語っていく。ネタバレがあるので未読の方はご注意を。 目次 感想 ──タイトルの”内なる”の意味 ──過去作との繋がり 最後に 感想 今までのシリーズ作品とはだいぶ毛色の違う作品だった。 『内なる宇宙』は10年…

『まほり』の感想をネタバレなしで語っていく【高田大介】

およそ言葉というものは、欠けるにしても足されるにしても、形が変わるのに必ず動機を必要とする。なぜなら、放っておいたら勝手には変わらないというのが言葉のかなり重要な機能の一つだからだ。世の人が一般に信じているほどに言葉というものは闊達に変化…

普通の恋愛小説が飽きたあなたへ『四月になれば彼女は』のあらすじ・紹介【川村元気】

「 でも僕、思うんです。人は誰のことも愛せないと気付いたときに、孤独になるんだと思う。それって自分を愛していないってことだから」 (引用:四月になれば彼女は P250/川村元気) ありきたりな恋愛小説に飽きたあなたへ。 心躍る恋心から人間らしい欲望を孕…

『神の守り人』の感想を好き勝手に語る【上橋菜穂子】

「悪人を裁いてくれるような神がいるなら、この世に、これほど不幸があるはずがない。……そう思わないかい?」 (引用:神の守り人〈下〉P136-137/上橋菜穂子) 守り人シリーズの『神の守り人』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。 目…

『精霊の守り人』の感想を好き勝手に語る【上橋菜穂子】

言わずと知れた和製ファンタジー作品の代表作、上橋菜穂子の『精霊の守り人』の感想を語っていく。ネタバレには触れていくので未読の方はご注意を。 感想 著者の他作品である『鹿の王』や『獣の奏者』はすでに読み終えており、上橋菜穂子氏の作品ならば間違…

『虚空の旅人』の感想を好き勝手に語る【上橋菜穂子】

「……そなたの才能を、政だけにすり減らすな。驚きをもって異界を見るまなざしを決ししてくもらせないでくれ」 (引用:虚空の旅人 P380/上橋菜穂子) 上橋菜穂子氏による大人気シリーズ、『守り人』シリーズの外伝『虚空の旅人』の感想を語っていく。 ネタバレ…

泥棒と警察官 二人の恋の行方は──『ルパンの娘』のあらすじ・紹介【横関大】

「今すぐ別れなさい」 わたしは泥棒の娘。 結婚を考えていた彼は、警察一家の長男だった。 2019年7月からドラマ化が決定した横関大の原作小説『ルパンの娘』のあらすじ・見どころを紹介していく。 500ページ弱と文量はそこそこあるが、文体は読みやすく軽快…

『本日は、お日柄もよく』の感想を好き勝手に語る【原田マハ】

『困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している』 (引用:本日は、お日柄もよく P323/原田マハ) 目を背けなければ、ピ…

仇敵同士の二人の王が歩む軌跡『黄金の王 白銀の王』あらすじ・紹介【沢村凜】

「薫衣様。私はお教えしたことのなかで、いちばん大切なことは何でしたでしょうか」 「この血に恥じぬよう生きること。事切れる間際まで」 (引用:黄金の王 白銀の王 P27/沢村凜) 仇敵同士の二人の王が歩む軌跡、沢村凜のファンタジー作品『黄金の王 白銀の…

『黄金の黄金 白銀の王』の感想を好き勝手に語る【沢村凜】

「薫衣様。私はお教えしたことのなかで、いちばん大切なことは何でしたでしょうか」 「この血に恥じぬよう生きること。事切れる間際まで」 (引用:黄金の王 白銀の王 P27/沢村凜) 沢村凜の和製ファンタジー、『黄金の王 白銀の王』の感想を語っていく。ネタ…

【小説】『羊と鋼の森』の感想を好き勝手に語る【宮下奈都】

天文学と音楽が世界の基礎だという説にうなずこうとしている。無数の星々の間からいくつかを抽出して星座とする。調律も似ている。世界に溶けている美しいものを掬い取る。その美しさをできるだけ損なわないよそっと取り出して、よく見えるようにする。 (引…

かつて愛した人は殺人犯なのか?──『木漏れ日に泳ぐ魚』あらすじ・紹介【恩田陸】

かつて愛した人は殺人犯なのか? 最後の夜に繰り広げられる心理戦 深まる疑惑、明かされる真実、濃密な心理戦 物語は予想外の結末を迎える── 恩田陸の『木漏れ日に泳ぐ魚』が不意打ちのように心に刺さったのであらすじ・紹介をしていく。感想はコチラ。『木…

『木漏れ日に泳ぐ魚』の感想を好き勝手に語る【恩田陸】

たぶんこれは、一枚の写真についての物語なのだろう。 むろん、ある男の死を巡る謎についての物語でもあるし、山の話でもあるはずだ。そして、一組の男女の別離の話という側面も持っている。 (引用:木漏れ日に泳ぐ魚 P7/恩田陸) 恩田陸の作品は、今回読ん…

『向日葵の咲かない夏』の感想を好き勝手に語る。爽やかな皮を被ったえげつない物語。【道尾秀介】

油蝉の声を耳にして、すぐに蝉の姿を思い浮かべる人は、あまりいないだろう。雨音を聞いて、雨音のそれぞれが地面に接している瞬間を想像する人がいないように。 (引用:向日葵の咲かない夏 P5/道尾秀介) 道尾秀介の代表作『向日葵の咲かない夏』の感想を語…

『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』のあらすじ・紹介【岡崎 琢磨】

良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。 (シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール [フランス、1754─1838]) 私がカフェ好きというのもあって、コーヒーやカフェに纏わる小説を探していた…

『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』の感想を好き勝手に語る【岡崎 琢磨】

「その謎、たいへんよく挽けました」 バリスタ・切間 美星の淹れる珈琲に惚れた青年・青山の物語『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』が想像の3倍くらい面白かったので感想を語っていく。 ネタバレありで語っていくので未読の…

『盤上の向日葵』彼は咲かせる、大輪を【柚月裕子】

2018年本屋大賞二位に輝いたミステリー作品 柚月裕子の『盤上の向日葵』を紹介する。 タイトルの『盤上』、そして表紙の『王将』を見て分かる通り、将棋、そして将棋の駒が物語の中核をなすミステリー作品。 もちろん対局の様子も描かれていて将棋を知ってい…