FGかふぇ

読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

2021-01-01から1年間の記事一覧

『Φは壊れたね』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】

語りえぬものについては、沈黙せねばならない。 (引用:Φは壊れたね P299/森博嗣)森博嗣のGシリーズ第1弾『Φは壊れたね』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。【『Gシリーズ』一覧まとめ】 目次 あらすじ 感想 ──海月及介 ──『Φは…

『四季 冬〈BLACK WINTER〉』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】

「僕を、殺してくれるんだね?」彼は言った。 彼の瞼が一瞬震える。 「はい、お約束しましたから」彼女は頷いた。 (引用:四季 冬 P50/森博嗣)森博嗣の四季シリーズ最終巻、『四季 冬』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。 前巻『…

【森博嗣】春・夏・秋・冬の4作からなる『四季シリーズ』のあらすじ・紹介

『すべてがFになる』を始めとしたS&Mシリーズ、瀬在丸紅子たちの活躍を描いたVシリーズ、そして今回は『四季シリーズ』の紹介をしていく。 セオリーとしては『S&Mシリーズ』→『Vシリーズ』と読んだあとに『四季シリーズ』を読んだほうが物語を100%楽しむこと…

【森博嗣】『Vシリーズ』10作品の一覧とあらすじ・紹介

『すべてがFになる』を始めとしたS&Mシリーズの次なる物語、森博嗣のVシリーズの作品について紹介、また読む順番のオススメをしていく。 セオリーとしては『Vシリーズ』より『S&Mシリーズ』を先に読むことをオススメする。 【S&Mシリーズの紹介・あらすじ】 …

『赤緑黒白』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】

「端的にいえば、それは問題解決です。その邪魔ものが科学的な謎であれば、解決した者は科学者として成功し、その邪魔ものが技術的困難であれば、解決した者は一流のエンジニアになる。その邪魔ものが、たまたま生きた人間だったときは、解決した者が、殺人…

『朽ちる散る落ちる』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】

偶然と認識されるものは、つまり必然であり、世界のどこを切り取っても、特別に偏った部分は見受けられない。神はいつも平等に振る舞われ、そして何事についても冷酷に判断されるようだ。 (引用:朽ちる散る落ちる P12)森博嗣のVシリーズ第9弾『朽ちる散る落…

『三体Ⅲ 死神永生』感想:この物語の衝撃を私は文章で表現しきれない【劉慈欣】

彼らは、絶滅という題名のこの壮大な絵画に真っ先に描かれた人類となったのである。 (引用:三体Ⅲ 死神永生《下》P275) 1巻で『三体世界』があることがあきらかになり、2巻で三体世界との接触が始まり……そして今回の3巻『死神永生』で地球文明VS三体文明の決…

『聖女の救済』の感想を好き勝手に語る【東野圭吾】

「理論的には考えられるが、現実にはありえない、という意味だ。北海道にいる夫人が東京にいる夫に毒を飲ませる方法が一つだけある。だけどそれを実行した可能性は、限りなくゼロに近い。わかるかい?トリックは可能だが、実行することは不可能だということ…

『図書館の魔女』マツリカ様の名言集【高田大介】

『図書館の魔女』のマツリカによる名言をまとめた。自分用の説もある。 《中略》している箇所もあるので、前後の文や、全文を確認したい場合は、自らで本を開いてほしい。そのため引用は単行本用、文庫本用それぞれ用意した。 感想や考察等、『図書館の魔女…

『重力ピエロ』の感想を好き勝手に語る【伊坂幸太郎】

春が二階から落ちてきた。 (引用:重力ピエロ P9/伊坂幸太郎)今回は伊坂幸太郎の『重力ピエロ』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。目次 あらすじ 感想 ──最強の家族 ──印象に残った台詞・名言等 最後に あらすじ 兄は泉水、二つ下…

『舟を編む』感想:辞書を引くたびにこの作品を思い出すだろう【三浦しをん】

「言葉は、言葉を生み出す心は、権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。また、そうであらねばならない。自由な航海をするすべてのひとのために編まれた舟。『大渡海』がそういう辞書になるよう、ひきつづき気を引き締めてやっていきましょう」 …

『マスカレード・ナイト』の映画を見た方への補足解説+映画と原作の違い【東野圭吾】

2021年9月17日に公開された映画、東野圭吾の『マスカレード・ナイト』。前作『マスカレード・ホテル』の続編ということで楽しみにしていた方も多いはず。 今回は原作は読んでないけど映画だけ見た方向けの補足解説的なものを書いた。内容は①犯人、密告者、協…

『透明な螺旋』の感想とタイトルの考察【東野圭吾】

東野圭吾の大人気作品『ガリレオシリーズ』。今回は2021年9月に発売されたシリーズ10作目『透明な螺旋』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。 目次 あらすじ 感想 ──タイトルと表紙の意味 あらすじ シリーズ第十弾。最新長編。 今、…

『狼と香辛料XXⅢ Spring LogⅥ』の感想を好き勝手に語る【支倉凍砂】

「旅の間に感じる寂しさとか、悲しさとか、どうにもならぬ苦しい感情もまた、今は楽しいんじゃ」 (引用:狼と香辛料XXⅢ P265) 支倉凍砂氏の『狼と香辛料XXⅢ Spring LogⅥ』の感想を語っていく。ネタバレありなのでご注意を。 感想 『狼と香辛料』シリーズも…

『狼と羊皮紙Ⅵ』の感想を好き勝手に語る【支倉凍砂】

『狼と羊皮紙Ⅵ』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。 目次 感想 感想 ストーリー全体の感想としては、いつもどおりって感じ。コル、ミューリの前で巻き起こるトラブルを解決して、謎を解いて、めでたしめでたし…と。 あっと驚くよう…

『カラスの親指』の感想を好き勝手に語る。天才!?詐欺師の驚愕ペテン【道尾秀介】

「飛びたいです、自分」 テツさんはそう言ったのだ。 「ずっと這いつくばるようにして生きてきたんです。人を、下から見上げてばかりだったんです。だから──だからいつか、飛びたいです」 (引用:カラスの親指 P38-39) 驚愕の逆転劇!?感動の結末!?!? 今…

『恋恋蓮歩の演習』の感想:罪な男の大活躍回【森博嗣】

あなたが急いでも、あなたの人生は短くならない。 (引用:恋恋蓮歩の演習 P17/森博嗣) 『種も仕掛けもありません』なんて、トリックがあると言っている常套句のようなものだ。今回は、森博嗣のVシリーズ第6弾『恋恋蓮歩の演習』の感想を語っていく。ネタバ…

『六人の超音波科学者』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】

未来は過去を映す鏡だ。 心配する者はいつか後悔するだろう。 自分が生まれ変わるなんて信じている奴にかぎって、ちっとも死なない。 (引用:六人の超音波科学者 P27/森博嗣)森博嗣のVシリーズ第7弾『6人の超音波科学者』の感想を語っていく。ネタバレあり…

『魔剣天翔〈Cookpit on Knife Edge〉』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】

森博嗣のVシリーズ第5段『魔剣天翔』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。前回の感想はコチラ。 『夢・出逢い・出逢い』の感想 目次 感想 ──脅迫状 ──練無の過去 ──印象に残ったセリフなど 最後に 感想 前作の『夢・出逢い・魔性』と…

『夢・出逢い・魔性』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】

どんな記録でも、多かれ少なかれ同じだと思う。しかもそれがずっと以前のことであれば、なおさらだろう。記憶とは、想像力が作る記号なのだ。 (引用:夢・出逢い・魔性 P30/森博嗣) 森博嗣のVシリーズ第4作品目、『夢・出逢い・魔性』の感想を語っていく。…

『圕の大魔術師』考察:作中に登場するヒューロン語の解読を試みる【泉光】

ビブリオファンタジーの『圕の大魔術師』。ワクワクするストーリー、そして繊細な絵、個性豊かな登場人物たち、そして何より驚いたのは、その設定の細かさ。 扉絵で紹介される民族や歴史など、ファンタジーの世界を形作るのには欠かせない要素の設定が練りに…

『白鳥とコウモリ』感想:負の連鎖は止まらない【東野圭吾】

「そんなことが起こりますか?そんな奇跡みたいなことが」 「夢だよ、俺の。刑事ってのは、辛い現実ばかりを見せられる仕事だ。たまには夢ぐらい見せてくれ」 (引用:白鳥とコウモリ P502/東野圭吾) 2021年4月に発売された東野圭吾の新作『白鳥とコウモリ』…

『天冥の標X〈青葉よ、豊かなれ〉』の感想を好き勝手に語る【小川一水】

「……あんたもじゃない」 「ん?」 「とてつもなく大きな敵に立ち向かって、とてつもなくたくさんの味方と戦ってきただけだかと思ったら、あんたにも……一番大事な一人が、いたんじゃない」 (引用:天冥の標X part1 P303/小川一水) シリーズラストとなる『天…

『ジェイムズ・P・ホーガン』の作品一覧と和訳されている作品まとめ【33作品】

SF

SF界の巨匠『ジェイムズ・P・ホーガン』。今回は彼の作品一覧と、邦訳されている作品のあらすじをまとめた。彼の作品に興味がある方の参考になればと思う。ホーガンの作品にはじめて手を出そうと思っているならまずは『星を継ぐもの』を読もう。話はそれから…

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』のあらすじ・紹介【東野圭吾】

東野圭吾の『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』のあらすじ・見所を重要なネタバレなしで紹介していく。 【感想はコチラ】 目次 あらすじ 紹介・見どころ ──現代とリンクした時代背景 ──今回の探偵は……! ──続編もありそう? ブラック・ショーマンと…

加賀恭一郎シリーズの作品一覧とあらすじ・紹介【東野圭吾】

数多くの作品を世に放っている東野圭吾。その中でもシリーズ作品は特に人気を博している。魅力的な主人公、巻き起こる事件、そしてシリーズを通して読むことで明らかになる新たな事実──! 東野圭吾でシリーズものとえば、天才物理学者・湯川学を主人公とした…

『狼と香辛料』でお馴染み!支倉凍砂の小説一覧!あらすじと作品紹介

この村では、見事に実った麦穂が風に揺られることを狼が走るという。 風に揺られる様子が、麦畑の中を狼が走っているように見えるからだ。 (引用:狼と香辛料 P13/支倉凍砂) ライトノベル作家の支倉凍砂氏のこれまでに刊行されている小説をまとめた。またシ…

『天冥の標Ⅸ〈ヒトであるヒトとないヒトと〉』の感想:さぁ舞台は整った【小川一水】

SF

「大きな構図の、外側のさらに大きな構図がわかったところで、いちばん小さな手元の問題が消えてなくなる訳じゃないの。ねえ、知ってるかしら?痛みや悲しみはそれが重なると麻痺してしまうけれど、責任というものは、背負えば背負っただけ、無限に重く感じ…

『天冥の標Ⅷ〈ジャイアント・アーク〉』の感想:二つの”ジャイアント・アーク”【小川一水】

SF

一千メートルの柱を登り、長い長いドーム天井の道を歩いてもなお、この巨大な箱舟〈ジャイアント・アーク〉の輪郭を実感きていなかったのだとカドムは思った。多分、今もなお実感しきっていないのだ。自分たちは、あとどれほどのことを理解していないのだろ…

『天冥の標Ⅶ〈新世界ハーブC〉』感想:ついに謎の原点が明らかになる【小川一水】

「まだわかってないな。人類だよ」ハンは両手の先をクイと自分の顔に向けた。「僕たちが人類であり、人類といえば僕たちになったんだ。厳密な意味で」 (引用:天冥の標Ⅶ P213) 小川一水の『天冥の標』シリーズ第7段、『天冥の標Ⅶ〈新世界ハーブC〉』の感想…