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【森博嗣】春・夏・秋・冬の4作からなる『四季シリーズ』のあらすじ・紹介


『すべてがFになる』を始めとしたS&Mシリーズ、瀬在丸紅子たちの活躍を描いたVシリーズ、そして今回は『四季シリーズ』の紹介をしていく。


セオリーとしては『S&Mシリーズ』→『Vシリーズ』と読んだあとに『四季シリーズ』を読んだほうが物語を100%楽しむことができるだろう。
【S&Mシリーズの紹介・あらすじ】

【Vシリーズの紹介・あらすじ】

目次

1.作品一覧・読む順番

1.四季 春〈Green Spring〉
2.四季 夏〈Red Summer〉
3.四季 秋〈White Autumn〉
4.四季 冬〈Black Winter〉

読む順番は、シンプルに春→夏→秋→冬と、読み進めていけばいいだろう。

2.『四季シリーズ』の概要

四季シリーズはタイトル通り、S&Mシリーズで衝撃の初登場をきめた天才・真賀田四季にひたすらにスポットを当てたシリーズになっている。


『すべてがFになる』の裏側、四季が両親を殺害した場面の詳細、更には彼女の幼少期の話など、これまでのシリーズで彼女の魅力にとりつかれた人に取ってはたまらないシリーズであろう。


ちなみにVシリーズラストの『赤緑黒白』。この不思議なタイトルは、四季シリーズのそれぞれのタイトルの伏線にもなっている。


3.『四季シリーズ』あらすじ・紹介

──1.四季 春〈Green Spring〉

──あらすじ

天才科学者・真賀田四季。彼女は五歳になるまでに語学を、六歳には数学と物理をマスタ、一流のエンジニアになった。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考するその能力に人々は魅了される。あらゆる概念にとらわれぬ知性が遭遇した殺人事件は、彼女にどんな影響を与えたのか。圧倒的人気の四部作、第一弾。

──天才の幼少期
『四季 春』では真賀田四季の、過去のエピソード。幼少期の彼女の、思考、感情、行動が綴られている。幼少期ですでにその存在は絶対的で、度肝を抜かれること間違いない。


また"其志雄"たち多重人格のルーツ、また深読みすればその多重人格が生まれたきっかけなども読み取れるかもしれない。


──2.四季 夏〈Red Summer〉

──あらすじ

十三歳。四季はプリンストン大学でマスタの称号を得、MITで博士号も取得し真の天才と讃えられた。青い瞳に知性を湛えた美しい少女に成長した彼女は、叔父・新藤清二と出掛けた遊園地で何者かに誘拐される。彼女が望んだもの、望んだこととは?孤島の研究所で起こった殺人事件の真相が明かされる第二弾。

──天才の旅立ち
VシリーズやS&Mシリーズの繋がりがさらに見える一冊。加えて『すべてがFになる』の前日譚的な要素もあり、さらに四季の生い立ちも追える欲張りセット。


『四季 夏』で起きることは、『すべてがFになる』で了解している。つまりそこへ至る展開と、天才の思考、天才と凡人の会話が本作の面白い所。


十三歳になり肉体的に不自由がなくなってきた四季が、しがらみを断ち切り、旅立つような印象を受けた。


──3.四季 秋〈White Autumn〉

──あらすじ

妃真加島で再び起きた殺人事件。その後、姿を消した四季を人は様々に噂した。現場に居合わせた西之園萌絵は、不在の四季の存在を、意識せずにはいられなかった……。犀川助教授が読み解いたメッセージに導かれ、二人は今一度、彼女との接触を試みる。四季に知られざる一面を鮮やかに描く、感動の第三弾。

──天才のその後
『四季 秋』は、時系列でいうとS&Mシリーズの『有限と微小のパン』より数年後の物語である。


『春』『夏』では、四季の視点がメインだったが、『秋』では、S&MとVの登場人物たちの視点で物語が進んでいく。


そして『秋』では、『すべてがFになる』に残された伏線の回収があるので、ファンには無視できない一冊である。




──4.四季 冬〈Black Winter〉

──あらすじ

「それでも、人は、類型の中に夢を見ることが可能です」四季はそう言った。生も死も、時間という概念をも自らの中で解体し再構築し、新たな価値を与える彼女。超然とありつづけながら、成熟する天才の内面を、ある殺人事件を通して描く。作者の一つの到達点であり新しな作品世界の入口ともなる、四部作完結編。

──天才の物語
『秋』とはうって変わって再び四季視点の物語。『すべてがFになる』に残された謎に犀川と萌絵は『秋』でついにたどり着いた。その更に先の展開が『冬』では待ち受けている。


更にS&Mシリーズの10作目『有限と微小のパン』のラストシーンで、犀川と四季の会話場面は印象的だが、そこを四季視点で味わうことができる。


詩的に、そして哲学的に語られる四季の思考。生と死とはなんなのか?孤独とはなんなのか?圧倒されるシリーズ最終巻。

4.Gシリーズ

『Gシリーズ』のGは、ギリシャ文字の頭文字Gからきていると言われている。シリーズ作品はすべてタイトルにギリシャ文字が含まれており、タイトルに特徴のある森博嗣作品の中でも、特に目を引くシリーズだと言っても過言ではない。


今回のシリーズでは、大学生の加部谷恵美、海月及介、山吹早月らが中心となってストーリーが進んでいく。
山吹は、四季シリーズの『秋』で、加部谷は、S&Mシリーズ『幻惑の死と使徒』で登場している人物である。


つまり、この『Gシリーズ』も『S&Mシリーズ』、『Vシリーズ』と同じ世界線であることが伺える。なので新たな人間関係が明らかになることも……!?


四季シリーズの次は、新シリーズGをどうぞ。リンクは作品一覧。
【『Gシリーズ』一覧まとめ】


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