FGかふぇ

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『私たちは生きているのか?』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】



人間というのは、自分という存在を過去や先祖に立脚してイメージするものだ。生命というものの価値も、少なからずそういった思想に基づいているだろう。

(引用:私たちは生きているのか? P100)

Wシリーズの5作目、森博嗣の『私たちは生きているのか?』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。

前回の感想はコチラ。
【『デボラ、眠っているのか?』感想】

目次

あらすじ

富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンが潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。
富の谷にある巨大な岩を穿って造られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実在の物語。

(引用:私たちは生きているのか? 裏表紙/森博嗣)



感想

ついにWシリーズも折り返しの5作目『私たちは生きているのか?』。タイトル通り、『生きる』『生きている』とはどういった状態を指すのか?ハギリの考えが印象的だった一冊。とくに最後のデボラとの会話がとくに面白かった。


前作『デボラ、眠っているのか?』では、トランスファと呼ばれるAIがネットの世界で生きていたが、今回は更に一歩進んでウォーカロンが、更には人間が、躰を必要とせずネットの……バーチャルの世界で生きていけることを証明していた。着実に四季が予期した世界に変わっていくな……。



物語の中で今後、登場しそうな重要な事といえば『コンピュータの中で孵化する卵』の話。


富の谷の住人・フーリが話していたが、卵の漂流方法で「どんな鍵でも開けられる万能の鍵を持っている。コンピュータや、ネットの萌芽期からのもの」と言っていたが、前シリーズを読んでいればピンとくる方が多いだろうが、これは四季が持っていた技術……というか仕込んだものとしか考えられない。


また、卵といえば『デボラ、眠っているか?』で出てきたスーパ・コンピュータのテラがちょうど卵型のシェルに覆われていたのが記憶に新しいが……関係あるのかな。


──生命の定義

生きるとは何か?今作で大いに語られているところだが、気になったので少し調べてみた。
生物学的に考えられる生物の定義として、3つの条件があるらしく、それは、

①外界と膜で仕切られている。
②代謝(物質やエネルギーの流れ)を行う。
③自分の複製を作る。

以上の3つだそう。


いやはやなるほど、これまでは漠然と「へー、ウォーカロンとハギリたち人工細胞をいれた人間は子供ができないのかー」となんとなく受け入れていた事実だったが、現代の生物学の定義的には、それは生命の定義から外れているとなると……また話が変わってくるな。


ウォーカロンはまだしも、これではハギリたちもすでに生きていないということになる。


本書『私たちは生きているのか?』でも結局、生きることの定義というか、答えは提示されなかった訳だが……著者はこの問題にどのような答えをもっているのか……あかされるなら是非、拝見したいものだ。



──印象に残ったセリフ・名言

「自由への欲求が生まれるのは、どうしてでしょうか?」
「え?うーん、哲学的な質問だね。それはたぶん、生きていることが、その状況のベースにあると思う」
「生きていることが、ですか?」
「いや、しかし何をもって生きているのか、それがまた曖昧だ。むしろ逆かもしれない。自由を志向することが、現代では、生きていると表現される状況かもしれない」

(引用:私たちは生きているのか? P98)

人間というのは、自分という存在を過去や先祖に立脚してイメージするものだ。生命というものの価値も、少なからずそういった思想に基づいているだろう。

(引用:私たちは生きているのか? P100)

しかし、子供が生まれないことよりも、また、ウォーカロンが人間になれるかどうかということよりも、まさに人類が直面している問題とは、生命というものの概念なのだ。それは、長く問われなかったテーマだった。誰もが、普通に信じていた。自分たちは生きていると、なんの疑いもなく、誰もが胸を張って主張した。人の命はかけがいのないもの、この世で最も貴重なものだ、という信念によってすべてが進められてきた。だが、それは本当なのか、どうしてそんなことがいえるのか、という危うい境界にまで、我々の文明は到達してしまったのである。

(引用:私たちは生きているのか? P113-114)
哲学的すぎる。生きていることの再定義ね……。

生きているものだけが、自分が生きているかと問うのだ。

(引用:私たちは生きているのか? P262)
真理。

──今後、大事かもしれない備忘録

・卵のプログラム、ネット上で漂流し条件が合えば孵化する。孵化するとしだいに卵どうしが集まり、成長する。(P159)



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【オススメ記事】






『デボラ、眠っているのか?』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】


誰が自分を作ったのかはわからないと言っていたが、あれは隠しているのかもしれない。機械が嘘をつかないなんてことはない。機械がつく嘘は、辻褄を完璧に合わせる計算が行き届いているから、始末が悪い

(引用:デボラ、眠っているのか? P133)


Wシリーズの4作目、森博嗣の『デボラ、眠っているのか?』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。

前回の感想はコチラ。
【『風は青海を渡るのか?』感想】


目次

あらすじ

禱りの場。フランス西海岸にある古い修道院で製織可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。施設構造は、ナクチュのものと相似。ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。
一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。拡大と縮小が織りなす無限。知性が挑発する閃きの物語。

(引用:デボラ、眠っているのか? 裏表紙)


感想

カンマパではない、本物(?)のデボラが大活躍する第4作目Wシリーズ。AIvsAI(物語の言葉を使うならトランスファvsトランスファ)がはじまり、SF味が強まってきた。『すべてがFになる』から読んでいると『デボラ』とトランスファに名付けたことが感慨深い。


ハギリたちが話していたが、『デボラ』には他に、『旧約聖書に登場する預言者』や、ヘブライ語で『蜜蜂』だったり、『小惑星』の名前だったりするらしいね。


どんどん未来的な話になって、現代とは乖離していってるにも係わらず、何故かすんなり物語が入ってくる。理由としては、著者の描く未来像が将来実現しそうな気がしてならないからだろう。例えば、人工知能の発達で人間と機械(ウォーカロン)の境界がなくなってくること、人間がチップなどで機械化しはじめていること……など。


もし私が森博嗣作品を読み始めたのが、このWシリーズからだったなら、上記のようなウォーカロンの人間化また人間の機械化など、すんなり入ってこなかったかも。

「そもそも、この躰というものが、いつまで必要でしょうね」僕は言った。「エネルギィ効率から考えて、すべてをバーチャルにする選択は、けっこう早い段階で訪れる気がします。なにしろ、みんなが歳を重ねて、自分の躰に厭き厭きしてしまうんじゃないですか?そんな気がしますよ」

(引用:デボラ、眠っているのか? P266)

上記は物語終盤のハギリの言葉。
現代で考えるとけっこう突飛な考え方だと思うが、こういうセリフや考え方をすんなり納得してしまうのって、過去シリーズ(S&Mとか)を通して刷り込まれているからだと思う。確証はないが、「体は邪魔。いつか必要なくなる」といった趣旨のことを四季が語っていたはず。


彼女がS&Mシリーズで犀川たちに向けて、上記のような言葉を残してから百年以上あとのWシリーズで同じ思考をする人間がいるって感慨深い。いやそれを通り越して、やっぱり四季って桁違いの天才なんだって実感する。


ハギリだってかなり優秀な人間だけれども、そのハギリが考えることは、もう百年以上昔に四季が思考していたという事実。まぁ他にも四季が語っていた未来の姿が少しずつではあるけど、実を結んできているってどんだけ正確に未来を見通してたのか……。



あと、とっっっても印象に残っているのがエピローグのウグイがかわいいところ、P270-271。そんなことする人だったのか……普段とのクールなギャップに差にやられたね。みんなそう思うに違いない。

──印象に残ったセリフ・名言

人間の寿命が半永久的に長くなった今、人は現実というものをどう捉えて良いのか、迷っているように思える。《中略》いずれ自分にそれができるという無限の可能性を持っている者には、最初から興醒めでしかないをカタログを眺めるように、選択のための資料としての価値しかない。カタログは商品てまはない。カタログが欲しいわけではなく、商品を手にする未来を見ている。その未来は、今は無限に広くなり、逆に霞んでしまったように思える。大勢が霧の中で迷っているはずだ。

(引用:デボラ、眠っているのか? P87-88)

人の寿命が半永久的になったからこそ、未来が霞んでしまっている。
自分みたいな先延ばし癖のある人間にとって不老不死は毒でしかないかもしれない。

誰が自分を作ったのかはわからないと言っていたが、あれは隠しているのかもしれない。機械が嘘をつかないなんてことはない。機械がつく嘘は、辻褄を完璧に合わせる計算が行き届いているから、始末が悪い

(引用:デボラ、眠っているのか? P133)


「人間は、基本的に合理的な思考をしない傾向を持っています。私には、そう観察されます。無駄なことを考えて、最適ではないものを選択します。それでも人間は後悔しない。多くの戦争は、平均化すればこのような不合理の中にのみ成立する現象でした。したがって、歴史からは、学ぶものがほとんどありません」

(引用:デボラ、眠っているのか? P186)


デボラ(人工知能)から、この言葉を言われるの刺さるなぁ。歴史からわかるのは、いかに人間が愚かなのかってことくらいなのかもしれない。

そもそも、人工知能は人間のように私腹を肥やすとか、権力を欲しがるといった欲望を持たないはずだ。人間に比べればデフォルトが天使寄りなのである。
それは、ウォーカロンでも同じだろう。皆素直で、正直に生きているではないか。
そういった設計をしたのは人間なのだ。人間は、自分たちの至らなさを恥じ、もっと完璧な存在を目指して、コンピュータやウォーカロンを作った。その技術の初心を、忘れてはならないだろう。
そうでもなければ、生命の価値が消えてしまう。
それでは、あまりにも恥ずかしい、と僕は思うのだ。

(引用:デボラ、眠っているのか? P261-262)


ハギリの言葉。


──備忘録

今後のシリーズで、重要かもしれない個人的に気になった箇所の備忘録。

・ハギリの夢の中(デボラとの会話)でデボラは、カンマパを娘と言った(P65)

・城のスーパ・コンピュータの名前は『テラ』、ナクチュにあったものは『アース』。両方ともに地球の意。ヴォッシュは、『ベルベット』、『アミラ』と呼んでいる(P152)

・デボラの発想にはどこか人間的なものを感じる。(P168)

・共通思考とは、人工知能による新しい社会の構築。社会そのものが知性で、それは新しい生命体。(P175)


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『風は青海を渡るのか?』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】



あらゆるものを手に入れようとして、結局のところ、あらゆるものを失っているのではないか、という気がしてならない。

(引用:風は青海を渡るのか? P64)



Wシリーズの3作目、森博嗣の『風は青海を渡るのか?』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。

前回の感想はコチラ。
【『魔法の色を知っているか?』感想】

目次

あらすじ

聖地。チベット・ナクチュ特区にある神殿の地下、長い眠りについていた試料の収められた遺跡は、まさに人類の聖地だった。ハギリとヴォッシュらと、調査のためその峻厳な地に再訪する。
ウォーカロンメーカHIXの研究員に招かれた帰り、トラブルに足止めされたハギリは、聖地以外の遺跡の存在を知らされる。
小さな気づきがもたらす未来。知性が掬い上げる奇跡の物語。

(引用:風は青海を渡るのか? 裏表紙)


感想

久々のWシリーズの続きを読んだ。やっぱりこのシリーズは読みやすい上に、次の展開が気になるからどんどん読めてしまう。一冊の文量もほどほどだし。


期間でいうとシリーズ2作目『魔法の色を知っているか?』から約一年半あけての今回だったので、だいぶ思い出しながら読み事になった。どうでもいいけど、やっぱりハギリに犀川みを感じるんだよな。


なんでそんなに期間が空いたかというと、VシリーズとGシリーズを読み進めていたため。あらためて思うのは、やっぱりシリーズの順番通りに読むべきだったね。これで心置きなくWシリーズに専念することができる。


とくに面白かったのがP220-228くらいのページでハギリがウォーカロンが人間になる最後の一歩の要因を閃いたところ。


「気まぐれ、人間にしかないもの」
「人間の思考のほうがランダムで、他回路へ飛びやすい」
「ぼんやりしてしまう」

人間とほぼ同じのウォーカロンの人間とは違うところ。人間にしかないところ。AIが発達し始めている現代だから、ハギリの考えがなんとなく理解できる。人の曖昧な部分というか論理的ではない部分。さらに、そこをどうすればウォーカロンが人間になれるのか、しかしそれを実験し、再現して、証明したところでウォーカロンにとって、人間にとって、この世界にとって、どんな意味を持つのか……。


ハギリの思考の連続、人と機械の境界線。面白い。


──今回の終わり方よ……

このシリーズ毎回毎回、物語最後にあ然とさせられてる気がするのだが、今回も「そうくるか……」って思わざるを得なかったな……。

「四歳だね。どうもありがとう。名前は何ていうの?」
彼女は顔を背け、母親を見上げた。それから、今度はタナカを見た。
タナカは笑顔で、黙って頷いた。
再び僕を見たが、恥ずかしそうに下を向く。
躰を僅かに揺すっていた。
しかし、やがて、顔を上げて、小さな声で答えたのである。
「シキ」

(引用:風は青海を渡るのか? P261)


憶測だが仕草から彼女が四季の人格があるようには思えない。でも、わざわざ物語の終わりにこの展開を持ってくる、そして「シキ」の名前に意味がないなんてことはないよなぁ……。今後この子がどう関わってくるのか……。


※備忘録として記しておくと、この子「シキ」は、ナチュラル(人工細胞を入れていない)な人間とウォーカロンから産まれた子ども。父親が人間のタナカ(元ウォーカロンメーカ)、母親がウォーカロン(名前はない)。


巨大な四季のような顔がでてきて、なおかつ作動したことで十分驚きだったのに、「シキ」の登場は駄目押しだった。このシリーズの感想を書くとき毎度言ってる気がするが、今後の展開に期待。


──デボラ

『デボラ』といえば、『すべてがFになる』に出てくるシステム(AI?)の名前だったはずだが、登場人物としてでてきた。チベット・ナクチュの区長『カンマパ・デボラ・スホ』(P162)。


彼女の手紙の中に"ある方"って濁されて書かれてだけど、"デボラ"ときて、"ある方"ときたら、あの人しかいないよな…?



そういえば、ハギリが本名を『ハギリ・ソーイ』と名乗っていたけど、たぶん本名を名乗ったのはこれがはじめて…?

──印象に残ったセリフ・名言

いつの間にかそれは、料理が美味しいと同程度になった。その料理にしても、現在はどんな好みのものも人工的に作り出せる。十ほどの数字で表すことが可能で、容易に再現できる。同時にそれは、未体験の美味しさなどない、と言いきれる。人間が興味を示すほどの価値は認められない、と多くの人が諦める対象になってしまった。
あらゆるものを手に入れようとして、結局のところ、あらゆるものを失っているのではないか、という気がしてならない。

(引用:風は青海を渡るのか? P64)

「この地方では、青い鳥と同じ意味で、青い海を求めるのです」タナカは話した。「遠くから見ると、青くて綺麗なのですが、水辺まで近づくと、青くはない」
それは、僕の人生のどこかで聞いたことあるストーリィだった。ようするに、憧れている間は綺麗に見える。自分のものになると、素晴らしさは埋没し、汚れた現実が目につく、という教訓らしい。だったらどう対処するのか、には言及していないのだ。
「それは研究でも同じだ」ヴォッシュが言った。「他人の研究は、綺麗なところばかりが見える。なんという素晴らしい発想だ、よくこんなことを思いついたな、どうして自分の実験はうまくいかないのだろう。こんな役に立たないデータばかりなのは、どういうわけなんだ?」ヴォッシュは笑った。「だが、そんな汗に薄汚れた毎日から、美しい公式が現れるんだ。まるで天使のようにね」

(引用:風は青海を渡るのか? P241-242)





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【オススメ記事】






『グラスホッパー』の感想を好き勝手に語る【伊坂幸太郎】


とにかくよ、仲間が燃やされて、他のホームレスが怒っちまったんだ。あいつらだって、やる時はやるからな。希望は持ってるってわけだ。ホームレスっつっても、ホープレスじゃねえだろ

(引用:グラスホッパー P46-47/伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ『グラスホッパー』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。


目次

あらすじ

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。
一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに──「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!

感想

目の付け所というか、物語の設定が新鮮。あらすじに『分類不能の「殺し屋」小説』とあるように、たしかに分類不能でこれまでに読んだことがないような物語だった。


内容も個人的にかなり好きで面白かった。いきなりクライマックスか!?ってくらいの始まりの仕方。所謂、殺し屋などの裏の世界にはまったく縁のなかった鈴木が、妻の死により復讐を心に刻み、裏の世界に飛び込んでしまう。そこで暗い現実を目の当たりにしながらも、彼なりに強く生きていく……と。


登場する殺し屋が個性豊かなのがまた面白いところ。「蝉」が一般的(?)と言うのはまた違うかも知れないが、想像しやすい殺し屋だけど、他の殺し屋である「鯨」とか「押し屋」とかは、そのスタイルが面白い。まぁ「鯨」のやってる『自殺をさせる殺し屋』っていうのは、この現実世界でも少なからず存在してそうでちょっと暗い気持ちに。


あとは、あいも変わらず伊坂幸太郎らしい言葉選び、テンポの良さが光る作品だったと思う。


これは違う作品のネタバレになるから詳しいことは書かないが、物語の重要な部分、キーになってくる部分が道尾秀介の『カラスの親指』に似ていて「おぉ!?」ってなった。いや、パクり云々を言うつもりはサラサラない。なんなら刊行年で言えば『グラスホッパー』のほうが先だし。


『カラスの親指』は好きな作品だし、内容もかなり覚えていたのに、『グラスホッパー』で同じトリックにまんまとハマったのが少し悔しかった。



──印象に残ったセリフ・名言

「政治家の秘書が自殺して、どうなるって言うんですかね」
「誰かが自殺すると、面倒臭くなる。効果はあるんだ」
《中略》
死ぬなんて卑怯じゃないか、逃げただけじゃないか、というもっともな批判も上がるが大筋では、「これで許してやろうじゃないか」という暗黙の了解のようなものが広がる。
「生贄を差し出されると、理屈に合わなくても、それ以上責めるのが面倒臭くなる」

(引用:グラスホッパー P35)

「生贄を差し出されると、理屈に合わなくても、それ以上責めるのが面倒臭くなる」

事実なんだろうけど、なんだかなぁって。

「死にたくなければ、自殺しろ」と言う理屈だったが、それでも説得力を持っていた。拳銃で撃たれたくないために、言うことを聞く。人は本当に死ぬまで、自分が死ぬとは信じないからだ。

(引用:グラスホッパー P39)

とにかくよ、仲間が燃やされて、他のホームレスが怒っちまったんだ。あいつらだって、やる時はやるからな。希望は持ってるってわけだ。ホームレスっつっても、ホープレスじゃねえだろ

(引用:グラスホッパー P46-47)

ホームレスっつっても、ホープレスじゃねえ
言葉のリズムがいいね。

「不安になったり、「怒ったりするのは動物的だけど」と言った亡き妻の声が甦る。「原因を追求したり、打開策を見つけようとしたり、くよくよ悩んだりするのは、絶対人間特有のものだと思うよ」
「だがら、人間は偉いって言いたいわけ?それとも、人間は駄目だって言いたいわけ?」鈴木は訊き返した。
「動物にね、『どうして生き残ったんですか』って訊ねてみてよ。絶対こう答えるから『たまたまこうなった』って」

(引用:グラスホッパー P131)


度々鈴木の妻のエピソードが出てくるが、それはどれも印象的なものばかり。あとはバイキングの話とかね。鈴木が妻のこと、ホントに愛していたんだなって痛感させられる。まぁなにしろ復讐のあめに命がけで怪しい組織に潜入するくらいだしな。


手っ取り早く自由になる唯一の方法は、親を殺害することだ。ある小説にそう書いてあったことを蝉は思い出した。今は違う。世界から自由になるには、携帯電話を切ればいい。丹治で、ひどくくだらない。

(引用:グラスホッパー P168)


最後に

『グラスホッパー』の他シリーズとして、『マリアビートル』や『AX』が現在あるようなので、そちらも是非読んでみようと思う。チラッとあらすじをみたところ今回の登場人物とはまた違うキャラが活躍するらしい。


槿の謎めいたキャラがすきだったので、登場してほしいところだが……どうなることやら。



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【オススメ記事】






『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の感想:過去と繋がる奇蹟の手紙【東野圭吾】



東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はコチラの紹介からどうぞ。
【『ナミヤ雑貨店の奇蹟』あらすじ・紹介】



目次

あらすじ

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?
3人は戸惑いながらも当時の店主・波矢雄治に代わって返事を書くが・・・。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?

感想

『東野圭吾史上、最も泣ける作品』との触れ込みもあるが、それに恥じない感動と、心暖まるストーリー。個人的には東野圭吾の作品の中で一番好きな作品。


『最も泣ける』の部分は、悲壮からの涙ではなく、感動・心暖まるものなので、読了感がよい。そしてストーリーは、過去と手紙で繋がるというSF・ファンタジックな設定が軸になっているものの、描かれるのは終始人と人との繋がりを描くヒューマンドラマ。


全5章で構成されている物語は、それぞれ章ごとに違う人物の悩み相談で展開されるが、それぞれが少しづつ繋がっていき、最後に大きな輪郭が見えてくるという緻密な作り。


読後感がよく、ファンタジックな面白い設定、そして全体を通すことで見えてくる物語の緻密さ。すべて自分の好みに突き刺さる素晴らしい物語だった。


──読みやすく・飽きさせない構成

物語の基本的な構成は、5章とも過去と現在とが繋がる『ナミヤ雑貨店』の手紙のやりとりである。5章ともそれだと単調なストーリーになってしまうのでは……?と思うがところがどっこいそんなことはない。


一章〈回答は牛乳箱に〉では、敦也たち現在のみの視点で、過去のことは手紙の内容だけ。

二章〈夜明けにハーモニカを〉では逆に、過去の"魚屋ミュージシャン"の視点で、敦也たち現在は手紙の内容のみ。

三章〈シビックで朝まで〉は、ナミヤ雑貨店の店主である波矢のじいさんが初めてでてくる章。敦也たちがやりとりしている過去よりさらに昔の話。

四章〈黙祷はビートルズで〉では、波矢のじいさんが、はじめて真剣な悩み相談に回答する章。

五章〈空の上から祈りを〉では、再び敦也たちが登場。過去と現代2つの視点から物語が進んでいき、これまでの伏線を回収しつつ終幕へ。


以上のように、過去と現代の手紙のやりとりが軸となっているが、見せ方を少しずつ変えて物語が進行しているので飽きないし、最初は現代だけ、次は過去だけ、と時系列がはじめはごちゃごちゃしていないので、読者としても混乱せずに読み進めることができる。


──好きな展開・シーン3選

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で、個人的に特に展開・シーンが3つあるので挙げていく。

──1.『再生』

1つ目は2章〈夜明けにハーモニカを〉の魚屋ミュージシャンこと松岡克郎のオリジナル曲『再生』が、児童養護施設『丸光園』で育った水原セリに受け継がれ、大人気アーティストになる話。


メインは、売れないミュージシャン松岡が、このままミュージシャンを続けるか、実家の魚屋を継ぐべきか。という悩みをナミヤ雑貨店に相談する展開の話だが、とにかくラストシーンが刺さる。


恩返しとして『再生』を歌い続けるセリ、そして松岡が作った『再生』が彼女の歌声によって後世に残されていく……。シンプルにいい話すぎて泣ける。


このシーンに関しては、映画だと更にいい。理由としては単純に『再生』が映像とともに聴けるから。小説だとどうしてもこれはね……。門脇麦さんの魂揺さぶられる歌声、気になった方は是非映画のほうも除いてみてはどうだろうか。時間の都合で省かれている所はあるが、全体を通して原作ファンでも大満足な仕上がりだと思う。詳しくは下記の記事で書いている。
【映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』】


──2.受け継がれる意思・男と男の約束

何度も言うようだが『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は過去と現在とのやりとりが主軸となる物語だが、ナミヤ雑貨店のじいさんが未来(じいさんが過去の登場人物なので、ここでの未来は現在を指す)から手紙を貰うために彼の子孫が大活躍する。それが波矢駿吾だ。


彼は波矢貴之の孫、つまり波矢のじいさん・波矢雄治の曾孫にあたる人物。


雄治からの遺言を貴之の代では果たせず、更に孫の駿吾に託す。そして駿吾が約束通り雄治の遺言をネットに流すことで、雄治は未来からの手紙を受け取ることができた……と。30年越しの、世代を超えての男と男の約束。なかなかに熱いじゃないか。


駿吾自体の登場は一瞬だし、物語上ではここの場面はさらっと流されるが個人的にはかなり好きな場面。それだけに映画でこのシーンがなかったのは、ちょっと悲しかったな。


──3.白紙の手紙

敦也たちが雑貨店の秘密を確かめるためち白紙の紙をシャッターの郵便受けに入れ、それを受け取ったナミヤのじいさんがただのイタズラととらえずに真面目に白紙の紙へ、手紙の返事をする。


ラストシーンだし、印象に残ってる方も多いのではないかと思う。


この敦也たちへの手紙の返事の内容がまたいい。
「白紙の地図なら、これからどんな地図だって描くことができる。すべて自由で、自分次第で、無限の可能性がある」


現代で、悩み、迷走する敦也たちにとっての素晴らしすぎる回答。事実彼らは最後この手紙に後押しされてるしなぁ。彼らは過去から手紙を受け取っている唯一の人物だというのもなんだか響くものがある。


まぁ敦也たち以外への手紙の回答も、それぞれ刺さる部分があってじいさんの懐の深さというか、思慮深さが表現されてて好き。


──印象に残ったセリフ・名言

「おまえの世話にならなきゃいけないほど、俺も『魚松』もヤワじゃない。だから余計なことは考えず、もういっぺん命がけでやってみろ。東京で戦ってこい。その結果、負け戦なら負け戦でいい。自分の足跡ってものを残してこい。それができないうちは帰ってくるな。わかったな」

(引用:ナミヤ雑貨店の奇蹟 P128)

考えてみな。たとえでたらめな相談事でも、三十も考えて書くのは大変なことだ。そんなしんどいことをしておいて、何の答えも欲しくないなんてことは絶対にない。だからわしは回答を書くんだ。一生懸命、考えて書く。人の心の声は、決して無視しちゃいかん」

(引用:ナミヤ雑貨店の奇蹟 P142)


最後に

東野圭吾の中で個人的に一番好きな作品だが、好き故にこれまで感想を書けていなかったが、再読を期に書き記してみた。やっぱり何度読んでもいい話。一年後くらいにまたここに帰ってこようと思う。


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【オススメ記事】






『香君』の感想を好き勝手に語る【上橋菜穂子】


2022年4月に発売された、上橋菜穂子氏の新作長編ファンタジー『香君』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。


目次

あらすじ

遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。この奇跡の稲をもたらし、香りで万象を知るという活神〈香君〉の庇護のもと、帝国は発展を続けてきたが、あるとき、オアレ稲に虫害が発生してしまう。
時を同じくして、ひとりの少女が帝都にやってきた。人並外れた嗅覚をもつ少女アイシャは、やがて、オアレ稲に秘められた謎と向き合っていくことになる。

(引用:香君 上 西から来た少女 | 上橋 菜穂子 |本 | 通販 | Amazon)

感想

声を持たない草木が主張する"香り"という声。それが聞こえてしまう少女の物語『香君』


聡く、心優しく、度胸も持ち合わせた少女・アイシャの覚悟と勇気の物語は、心振るわずにはいられない。上巻・下巻構成で文量はそこそこあるものの、読み始めたら一気に世界に入り込んでしまった。


本書『香君』に限ったことではないが、著者の作品はファンタジーという架空の世界のディテールが細かく、本当にその世界を見て描いたようなリアルさがある。


そのリアルさを感じさせるのは、政治、民族・風習、その土地それぞれの食事、街の風景・山の風景……そして特に今回でいうなら植物と虫の描写が惜しげなく語られているためであろう。


物語序盤から読んでいるのが辛いほどの境遇で、絶対絶命の状態のアイシャがどのように生き延び、そして彼女しか持っていない、『香りで万象を知る力』をどのように生かすのか……。読了後には熱い気持ちの残る一冊であった。




──『香りで万象を知る』

『香りで万象を知る』、初代香君のみが持っていたとされる力を持っていたアイシャ。その特別な力で物語の舵がきられていくわけたが、特別な力を持つ故の『孤独』というのがとても印象的だった。


香りが見える、聞こえるのが当たり前なのにそれは自分だけ。
他の人には見えない香りが見える、聞こえない香りが聞こえる。自分にとっては当たり前な事を、他の誰にも理解されないというのは、考えれば考えるほど悲しくなる。
 

確かにアイシャは香りで物事を知れる能力があるので、人より様々な事を知れるかもしれない。だがその能力によって誰にもわからない『孤独』な状況にある。


アイシャが人より聡く、勘が鋭い様子がたびたび描写されるが、これはなんとなくだがアイシャがずっと『孤独』だったためな気がする。


そして、そんなアイシャと対極として登場するのが現代の香君・オリエ。彼女がまたいい人すぎるんだ……。末永くマシュウと幸せになってほしい。

誰にもわからぬ世界にいるよう振る舞う君と、本当に、誰にもわからぬ世界にいるアイシャ。──君たちが助け合って生きることは、他の方法では得られない救いもあるんじゃないか」

(引用:香君〈上〉 P251)

上記はマシュウのセリフ。
『誰にもわからぬ世界にいるよう振る舞うオリエと、本当に、誰にもわからぬ世界にいるアイシャ。』


どちらも違う辛さがあるんだよなぁ……。



初代香君のような力を持つアイシャ。
オリエを救うため、そして本当の力を持っているアイシャに香君になってもらいたいと思うマシュウ。
実際に香君を努めているからこそ、この重荷を背負ってもらいたくないオリエ。


後半はとくに3人のそれぞれの想いと葛藤が胸に刺さった。


誰か一人でも明確な悪役なら話は違うんだけど、3人とも悪意がなく、他人思いなところがまたつらい。まぁ結局はキレイに収まるわけだが。



物語の流れ的に、アイシャが香君になるのではないか?と思っていたし、実際そうなったわけだが、香君になる場面が最高に盛り上がる……といったら失礼かもしれないが、読者目線からしたら、そうくるか!!と思わずにはいられない。アイシャかっこいい。


──神域オアレマヅラ

オアレ稲、天炉のバッタ、アイシャの母の謎……など、神域オアレマヅラは多くの謎を残したまま今回の物語は幕を閉じた。


アイシャたちオアレマヅラに行くかと思ってたけど、そんなことはなかったなぁ。でもそれは今後に……つまり続編に期待……!!


旅する香君になったアイシャならいずれオアレマヅラを訪れる可能性あると思う。オアレ稲の研究を続ける上で、オアレマヅラに行く、探す動機としては十分だと思うし……妄想の粋はでないけど。

──印象に残ったセリフ・名言

「嫌いっちゅうこともねぇでしょうが、リタランは、あの人はリタランじゃ、と、言われるのを好かんもんです。──誓いっちゅうもんは、ひっそりと立てるもんで。外から、あれやこれや言われるのは、いやなもんでしょうけ」

(引用:香君〈上〉 P90)

「誓いはひっそりと立てるもの」


誰にもわからぬ世界にいるよう振る舞う君と、本当に、誰にもわからぬ世界にいるアイシャ。──君たちが助け合って生きることは、他の方法では得られない救いもあるんじゃないか」

(引用:香君〈上〉 P251)

──人という生き物は、過去に幸せだった思い出だけでは、生きていけないのかとしれないわね。
あるとき、ふと、そう言ったオリエの言葉をアイシャはよく思い出した。
──この先にも、なにか幸せがあると思えなければ、苦しみを越えて行かれない。自分がしていることに意味がある、人を幸せにできると思えることが、私にとって救いなの。

(引用:香君〈下〉 P56)


最後に

著者のあとがきで、『香君』を書くにあたって、かなりの数の参考文献が挙げられている。とくに『生きものたちをつなぐ「かおり」──エコロジカルボタイルズ──』は気になる。是非読んでみようと思う。



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2分でわかる『クジラアタマの王様』のあらすじ・紹介:ファンタジックな伊坂ミステリ【伊坂幸太郎】

2022年7月に文庫化された伊坂幸太郎の『クジラアタマの王様』のあらすじ・紹介を語っていく。重要なネタバレなしで解説していく。


ネタバレありの感想はコチラ。
【『クジラアタマの王様』感想】


目次

1.あらすじ

記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている?──製菓会社の広報部署で働く岸は、商品の異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこにはおもいもよらぬ「繋がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかに新境地。

(引用:クジラアタマの王様 裏表紙/伊坂幸太郎)



主人公の岸は、製菓会社の広報部署で働いているユーモアあふれる、どこにでもいそうな社会人。


ある日、お菓子の新商品に「画鋲が入って子供が怪我をした!!」というクレームが入ったことをきっかけに、ネットでの炎上騒ぎ、マスコミの殺到、非難罵倒など、大きなトラブルへの発展してしまう。


しかし、そんなトラブル中、岸は不思議な夢をきっかけに異物混入事件は思わぬ好転をとげる。そして岸の元に池野内と名乗る議員が現れて物語は更に加速していく……。



2.あらすじ補足

もう少し踏み込んで『クジラアタマの王様』について紹介していく。
重要なネタバレには触れないが、ちょこちょこと物語の中身に触れていくので嫌な方は戻る推奨。















『クジラアタマの王様』の大きなポイントは、『現実世界』と『夢の世界』の2つの世界が登場する点である。

記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている?

(引用:クジラアタマの王様 裏表紙)


上記のあらすじにあるように、岸の頭の片隅には、何かと戦う夢の記憶が残っている。そして『クジラアタマの王様』の最大の特徴が、この夢の出来事がマンガのような形で描いているのだ。冒頭ほうの夢の1ページだけ引用する。






(引用:クジラアタマの王様)


味のあるいい絵…!普通のマンガと違う点としては、セリフが一切ない点だろう。これは夢の中の曖昧さを表しているのか、読者に判断を委ねているのかは定かでないが、どちらにせよ小説の文中に突然現れるこのマンガは読者に驚きと、このマンガは何なのか、と想像力掻き立てられること間違いない。


もちろんだが、このマンガが大切な役割を果たしているので是非じっくり見て頂きたい。


そして、現実世界では主人公の岸、議員の池野内の他にあと一人、重要な登場人物がいる。それがスカイミックスという人気ダンスグループの小沢ヒジリなる人物だ。



・製菓会社の岸
・議員の池野内
・人気ダンスグループの小沢


共通点、関連性も何もなさそうな3名だが、3人には過去にとある繋がりを持っていて──それが夢と大きな関わりがあるのである。



3.最後に

あらすじの最後に『伊坂幸太郎の新境地』とあるように、マンガと小説の構成は新しく、なおかつマンガ部分は小説部分を引き立てる役割をしている。


著者の緻密な物語構成と、はりめぐらされた伏線を回収しながら進む良さを残しつつ、ミステリとファンタジーが融合したような不思議な世界。是非一読してみて頂きたい。




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