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植物が地球を支配した世界『地球の長い午後』のあらすじ・感想を好き勝手に語る【ブライアン・W・オールディス】


目次

1.あらすじ

大地を覆いつくす巨木の世界は、永遠に太陽を片面に向けてめぐる植物の王国と化した地球の姿をだった! わがもの顔に跳梁する食肉植物ハネンボウ、トビエイ、ヒカゲワナ。人類はかつての威厳を失い、支配者たる植物のかげでほそぼそと生きのびる存在になりはてていた。人類にとって救済は虚空に張り渡された蜘蛛の巣を、植物蜘蛛に運ばれて月へ昇ること。だが滅びの運命に反逆した異端児が......ヒューゴー賞受賞の傑作

(引用:地球の長い午後 裏表紙/ブライアン・w・オールディス)

2.植物が世界を支配する地球の未来の姿

現代から数億年未来の話。地球の自転が停止し、世界は永遠の昼と夜となる。片面は太陽が照り続ける植物の世界。もう片面は明けることのない夜の世界。つまり明けることのない長い昼...それがタイトルの『地球の長い午後』という訳だ。


永遠の昼となり熱帯と化した世界では、巨大に進化した樹木が大陸を覆い尽くし、活動する食肉植物たちが世界を支配していた。生存している動物は巨大化した数種類の昆虫と人間のみ。


その人間すら現代の文明は完全に廃れ、昼夜を問わず食肉植物に命を狙われるちっぽけな存在となってしまっている。


3.天下をとった植物たち

物語中に登場する植物たちがとにかく多彩で個性的。「植物が支配とはどういうこと?」と思う方もいるかもしれない。現代の食虫植物というとハエトリグサやウツボカヅラなら知っている方は多いだろう。


私は『地球の長い午後』を読む前はそのような植物があちらこちらに生息しているのだろうも思っていたのが...”ヤツラ”はそんな受動的な植物ではなかった


あるものは海を歩いて渡り、あるものは空を飛び、あるものは火を操り、あるものは動物を洗脳し、あるものは月へと渡る。そんな植物が数十種類と登場する。そんな世界を生きる人間はまさしく無力。


物語によく登場する重要な植物を3種類だけ紹介しておく。


ベンガルボダイジュ
枝じたいが根になる複雑な組織を利用した圧倒的な繁殖力で、地上のほとんどにその枝と幹を伸ばしている。結果として地球上最大の生物となり、大陸を覆いつくすほどとなった。


綱渡:ツナワタリ
森の王者が先程の”ベンガルボダイジュ”なら、空...物語上でいう〈頂き〉の王者が”ツナワタリ”である。全長が2kmちかいのだからまさに規格外。蜘蛛のような形態のツナワタリは自らがめぐらした網(ケーブル)に沿って地球と月を行き来している。


アミガザダケ
生物に寄生することで、その生物に知能を与え、最終的には寄生した生物をいのままに操ることが出来るキノコ。スケールこそないものの、本能で生きる植物ではなく、思考力を持ち合わせた植物で物語にも大きな影響を与える。



4.仲間から追放された少年

太陽から永遠に降り注ぐ紫外線の攻撃により多くの生物が絶滅に追い込まれる。もちろんそれは人間も例外ではない。なんとか絶滅は免れているものの、人間も体格は現在の五分の一にまで縮み、知能そのものも著しく退化している。


物語の主人公は、グループの仲間と対立し追放されてしまった少年・グレン。ここ弱肉強食の世界での孤独は、まさに死に直結するもの。心も身体も弱りきったときに、先程説明したアミガサダケに出会い、心を許してしまう。


人に寄生する代わりに、人に知性を与えるアミガサダケ。主人公は、それまで持ち合わせていなかった、思考力を手に入れるものの、徐々にグレンの自由は奪われていく。


5.最後に

『植物に支配された世界』
これだけでも読み応えがあるのに、物語は『夜の世界』、そして『月』まで広がっていくのは素直に驚いた。


宮崎駿の『風の谷のナウシカ』にも影響を与えたと言われるが...なるほど、言われて見れば圧倒的スケールの腐海と呼ばれる森も存在感を放つ蟲たちも似ているような気がする。


植物が昆虫が、圧倒的な存在感を持っていて、人間がいかに無力であるかを痛感させられるという点では同じといっていいだろう。


独特の生物や設定など、すんなり入って来ない部分も多いが、とにかくこの圧倒的な世界観がすごい。まさに想像力の限界に挑んでいると言っても過言ではないだろう。

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