宇宙は人類にとってのロマンだ。宇宙人の存在については賛否が分かれるものだろう。私にとっては表面上ではあり得ないと考えつつも、心のどこかでは「もしかしたら...」と思わせる存在。
そんな夢とロマンを与えてくれる、心からわくわくさせてくれたのが『星を継ぐもの』だった。
ネタバレありで感想を語っていく。未読の方はコチラをどうぞ。
目次
感想
『星を継ぐもの』の何が私を夢中にさせたのだろう。そう考えた時に思いついたのは主に2つで
1.連鎖する謎と明らかになる真実
2.最大の謎の終着点
であった。
──1.連鎖する謎と明らかになる真実
月面で見つかった死体・チャーリーの発見により物語の幕が上がる。チャーリーがいったい何者なのか?それが『星を継ぐもの』の最大の謎だ。
しかし、その大きな謎を解くために、数々の疑問が、様々な角度から押し寄せる。この小さな疑問を次々と解決していく様子がたまらなく面白い。まさに複雑なパズルを解いているかのよう。
チャーリーの日記から、言語や数字をすくい出し、現在の言語に変換する。数字が判明しすれば、他のヒントへのアプローチが可能になる。
また解剖学的なアプローチを辿れば、チャーリーの遺体を解析することによって、巡り巡ってチャーリーが住んでいた惑星の公転周期すら導き出せる。
○○が分かったことで今度は▲▲が判明し、▲▲が分かったことで□□が判明し...。この解決の連鎖と行き着く答えが面白い。専門家たちの、まさに世界のトップたちが協力して謎に挑む様子がとても印象的だった。
あとは、最初は対立していたハントとダンチェッカーが次第に協力体制になっていく様子も好印象。敵の敵は味方ではないが、立ちはだかる大きな謎はお互いを認める要因になったんだろうなあ。
──2.最大の謎の終着点
月面のルナリアンの謎を追求し、木星の衛星・ガニメデにまで赴いて最後にたどり着いていた結論が『人類の起源』についてとはずいぶん洒落ていると思う。
物語はルナリアンのチャーリーについての謎の解明がほとんどを占めている。ハントが最後に導き出したチャーリーについての真相...それに伴って分かった「月」の問題など、ここだけでも興奮冷めやまない所だった。
しかし、それを上回ってくるのがダンチェッカーが説いたルナリアンが完全なる地球人の祖先だった話だ。
エピローグでダンチェッカーの説は証明されているが、出来ることなら、ハントやダンチェッカーの元に証拠の機器が届いていれば...と思わずにはいられない。
『星を継ぐもの』では、はるか昔にチャーリーたち人類同士の争いによる滅亡が描かれる。地球でもこれから起きる可能性がある。それを引き起こしたのは、地球人の祖先だというのだから考えさせられる。
──タイトルについて
星を継ぐ”もの”。タイトルの”もの”は一体誰を指すのだろう。
私は、この世界の現在の地球人(ハントやダンチェッカー)たちであると思う。「継ぐ」とは、あとを受けて続ける。継承・相続する。などの意味を持つ。
つまり、チャーリーたちから星(地球)を継ぐ(受け継いだ)もの(ハントたち)
ではないかと考えた。
チャーリーの祖先たちは、ガニメアンにガニメデに連れてこられて進化し、戦争のために月へ、そして幸運によって地球へと帰ってくる。
地球→ガニメデ→月→地球
と2500万年かけた先に、チャーリーたちの勇気があり、この世界の人類がある。
物語の終盤、ハントたちが自分たち人類の起源を知った瞬間こそが、地球をチャーリーたちから”継いだ”瞬間だったと思った。
最後に
「地球の危機のために宇宙に新天地を求める」宇宙をテーマとしたハードSFなら、ありきたり...というか使い古された設定だとは思う。
『星を継ぐもの』は、ありきたりな設定を普通とは違った角度、違った目線で使用しているなと思った。新天地を求めていたチャーリーたち。彼らの謎をひたすら解き明かしていくうちに、チャーリーたちが直面していた問題も突き止めていく。
小さな発見を積み重ねて真実に近づく...その様は、上質なミステリーを読んでいるかのように錯覚してしまう場面もあった。宇宙をテーマにした壮大なスケールにミステリーを思わせる緻密な構成。大満足の一冊だった。
さらに嬉しいことに続編があるのが、またたまらない。『星を継ぐもの』に残された伏線を回収しつつ、ガニメアンに焦点を当てた第二作目『ガニメデの優しい巨人』
こちらも間違いなく面白い作品になっているので、『星を継ぐもの』を読んで面白いと思った方は是非どうぞ!
次作『ガニメデの優しい巨人』の感想
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