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『四季 春』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】


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 たとえるなら、それは天体の運行に類似している。たまたま、彼女の軌道と、僕の起動が、最も接近する位置に、そのときの二人が存在しただけのこと。
 つまり、偶然。

(引用:四季 春 P14/森博嗣)


森博嗣の代表作品『すべてがFになる』やその他の作品で圧倒的な存在感を示した天才・真賀田四季。彼女のルーツに迫る四部作『春』『夏』『秋』『冬』の『春』を読んだので感想を語っていく。


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このシリーズは表紙が素晴らしくかっこよい。


感想

真賀田四季は子供でもやっぱり真賀田四季だった。
『すべてがFになる』で彼女の圧倒的存在を知って、『有限と微小のパン』で更に彼女の魅力に取り憑かれる。彼女に再び会いたくて『四季 春』を手にとった。とうてい子供ではあり得ない思考・言動に面食らったが、過去作での"四季"という人物を知っていれば、違和感は全然ない。


彼女の事を「天才」なんてありふれた言葉では表現してしまっていいのだろうか。もっと唯一無二、もし全知全能の神が人の形をとったとしたら、きっと彼女になるのだろう。


『四季 春』は怖いもの見たさに似てる。すべてを理解できる訳ではないが彼女の事を、彼女の思考に触れる度に今までの自分の価値観を否定されるような、世界の真理を突きつけられているような感じがする。

「私、別に、生きていたいなんて思わない」
「どうして?」
「その質問は、まず、どうして生きたいのか、に答えてからでなくては意味がないわ」
「だから、それは、楽しいからだよ」
「楽しいと思い込んでいるだけよ」四季は笑った。「生きていることが、どれだけ、私たちの重荷になっているか、どれだけ、自由を束縛しているか、わかっている?」
「生きていることが、自由を束縛している?それは、逆なんじゃない?」
「いいえ。生きていなければならない、という思い込みが、人間の自由を奪っている根元です」
「でも、死んでしまったら、なにもない。自由もなにもないじゃないか」
「そう思う?」彼女は微笑んだ。
「だって、それは常識だろう?」
「常識だと思う?」

(引用:四季 春 P228-229/森博嗣)


彼女と自分を比べるなんて恐れ多いもいいところだが、彼女を知れば知るほど自分はなんてちっぽけで、ありきたりな存在なんだと思い知らされる。大きく見れば四季を生み出した森博嗣という人物が恐ろしい。



『四季 春』を読んで釈然としかなかった方、よくわからなかった方へ。『四季 春』の考察を書いている方のページを下記に貼っておく。一読の価値ありだ。


『四季 春』を一度読んだだけでは正直、"其志雄"についてや事件の奥深くにある真相など、わからない事、理解できないことがいくつもあった。しかしこの方のサイトで説明されている事がとっても腑に落ちた。てか洞察が深すぎて感心しっぱなしだった。




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