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S&Mシリーズ最終章!『有限と微小のパン』の感想を好き勝手に語る【森博嗣】



「その言葉こそ、人類の墓標に刻まれるべき一言です。神様、よくわかりませんでした……ってね」

(引用:有限と微小のパン P827/森博嗣)



「そうだ、私はこんなミステリーを求めていたんだ」


これまで積み上げたモノすべてが一瞬でひっくり返され、想像もしていなかった結末を与えてくれる。


特にラスト100ページでは、読む手が止まらなくなる。


ということで、S&Mシリーズ最終第10作、『有限と微小のパン』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。

S&Mシリーズの紹介はコチラ


目次

あらすじ

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。

(引用:有限と微小のパン 裏表紙/森博嗣)

感想

1.ちょっと個人的な話

ご存知の通り『有限と微小のパン』はS&Mシリーズであり、以下の全10作品である。

1.『すべてがFになる』 The Perfect Insider
2.『冷たい密室と博士たち』 Doctors in Isolated Room
3.『笑わない数学者』  Mathematical Goodbye
4.『詩的私的ジャック』 Jack the Poetical Private
5.『封印再度』 Who Inside
6.『幻惑の死と使途』 Illusion Acts Like Magic
7.『夏のレプリカ』 Replaceable Summer
8.『今はもうない』 Switch Back
9.『数奇にして模型』 Numerical Models
10.『有限と微小のパン』 The Perfect Outsider


今回感想を書いている『有限と微小のパン』はS&Mシリーズ最終作品となるわけだが、私はシリーズすべてを読んだわけではない。


読んだのは『すべてがFになる』『冷たい密室と博士たち』『笑わない数学者』『詩的私的ジャック』『封印再度』の5作品だ。


森博嗣は『すべてがFになる』で初めて知り、その内容に度肝を抜かれた。そしてそれがシリーズ作品であると知り、期待に胸を膨らませつつS&Mシリーズ2作目、3作目と読んでいったわけだが...。


「なにか違う」


『冷たい密室と博士たち』も『笑わない数学者』も決してつまらない訳ではない。つまらない訳では無いのだが、なにか物足りない。


『すべてがFになる』の衝撃か大きすぎたために、S&Mシリーズのハードルが上がりすぎていたんだと思う。


そのために5作品まで読んで、続きは読んでいなかった。


だがしかし、やはり『すべてがFになる』の衝撃を忘れることができず、また『有限と微小のパン』が傑作だ!という話を聞き、シリーズをとばして10作目に手を出した訳だが...大正解だった。

2.真賀田四季

彼女の存在はやはり大きい。シリーズ2作品目以降に感じていた「物足りなさ」の原因は、『真賀田四季』の不在によるものだったと思う。


そう思えるくらい『すべてがFになる』と同様に今回も彼女は逸脱していた。


四季の話を聞いているだけで、圧倒される。それは犀川自身も語っている。

真賀田四季に直接あったことは、一度しかない。三年半まえの夏だった。
話をしたことは幾度とある。
だが、すべての機会を含めても、時間は僅か。
どれほどの言葉を交わしたというのか。
しかし、彼女の才能を垣間見るのには、充分だった。一分話すだけで、その力に圧倒される。誰だって、そうだろう。
完璧だ。
完璧な人間なのだ。
地球上のすべての人間の生命が、彼女一人と釣り合う。

(引用:有限と微小のパン P593/森博嗣)


四季の言葉の一つひとつが、重く響く。常人には理解できない思考回路。


メタ的に言えば、その圧倒的な存在感を放つ人物像を創っている森博嗣が異次元なのだが。



最後に明らかになる瀬戸千衣=真賀田四季は予想外すぎた...が、P64で儀同との会話で四季が「きゃあ」とか言ってるのは、まぁ想像ができない。ギャップがありすぎて。


演技の分野でも天才だったのか。それとももう一つの人格だったのか。


3.ストーリー全体について

「やられた...!」としか思えなかった。何一つとして予想できなかった。


どのように殺害したのか?どのように逃走したのか?などトリックを必死に考える訳だが...事件自体がトリックだったとは!!


まさに裏をとられた感じ。


事件もフェイクなら、記者も、テレビも警察すらもフェイクって...しかも警察は『すべてがFになる』で会っている顔見知り、気づけないってこれは。


犀川が語るラストの100ページほどが驚きの連続だった。まったく進まない事件の真相が一気に明らかになる様は見事。


すべてがフェイクだった、という真相には賛否両論ありそうだが、私は存分に楽しめた。このくらいぶっ飛んでいて、予想できない結末のほうが好き。

4ラスト

四季の居場所をつきとめた犀川の思考が、論理がすばらしい。これはしびれる。

長崎は那古野からどれくらいの距離だろう、と彼は考えた。六百キロくらいか......。だとすれば地球の円周の一.五パーセントになる。日本の経度では、その距離は、回転周囲のおおよそ二パーセントくらいか。一日の二パーセントは、0.四八時間で、つまり三十分くらいいになる。だから、那古野よりも、ここ長崎は、日の入りがそれだけ遅いわけだ。

(引用:有限と微小のパンP444/森博嗣)

犀川の思考でこの部分は何故か印象に残っていたが、これが伏線になっていたとは思いもしなかった。思わず震えた。


あと気になるのは、最後に四季といた男は誰だったのかな?


最後に

S&Mシリーズは主人公である犀川創平と西之園萌絵のファーストネームのイニシャル、「S」と「M」に由来するものだが、犀川の「S」と真賀田の「М」をとってS&Mシリーズでいいんじゃないですかね(すっとぼけ)


そう思えるほど二人のやりとりが印象に残った作品だった。


──追記(2022.1.26)

この感想を書いてからはや3年。S&Mシリーズはすべて読み終え、Vシリーズも読み終え、そして四季シリーズも読み終え、現在はGシリーズとWシリーズを並行して読み進めている状況である。


S&Mシリーズをすべて読み終わって、シリーズ通しての感想としては、3年前と同じで『すべてがFになる』そして『有限と微小のパン』のインパクトがものすごい。この2作品が個人的にはS&Mの中で頭一つ抜けていると思う。


理由も上記の感想と同じ。やはり真賀田四季の存在感たるやいなや……。


このページをあなたが読んでいるということは、つい最近『有限と微小のパン』を読み終わったのではないだろうか?そんな方に私ができるアドバイスは、続きのVシリーズ、そして四季シリーズ……と読み進めてほしい、ということだけだ。


S&Mの完結はまだ序章にすぎない。まだまだこの先も森博嗣ワールドはとどまるところを知らない。




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『分身』の感想を好き勝手に語る。二人が生きる未来は……。【東野圭吾】

私が母と呼んだ女性は、単なる分身製造装置に過ぎなかった。

(引用:分身 P356/東野圭吾)



東野圭吾の『分身』の感想を語っていく。ネタバレありなので、未読の方はご注意を。


目次

あらすじ

函館市生まれの氏家鞠子は18歳。札幌の大学に通っている。最近、自分に瓜二つの女性がテレビに出演していたと聞いた──。小林双葉は東京の女子大生で20歳。アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。鞠子と双葉、この二人が結ぶものは何か?現代医学の危険な領域を描くサスペンス長編。

(引用:分身 裏表紙/東野圭吾)

感想

1.ストーリー全体について

一言でいえば...面白かった


文庫本で全457ページとそこそこの分量があるが、スピーディーな展開とじわじわと明らかになっていく真実に読む手が止まらなくなった。


鞠子の父親の研究内容やタイトルの『分身』などから、鞠子と双葉が″クローン人間″なんだろうな、という予想は容易くできる。


予想こそできるが、何故、双葉の母が殺害されたのか?何故、鞠子の母が自殺をはかったのか?などの物語に散りばめられた事件の真相、またその着地点が見事。


最後にはすべての謎がしっかり1本の線で繋がる。そして″クローン″について、もし人間のクローンがいたらどうなるんだろう?と考えさせられる作品だった。

2.クローンについて

1993年に文庫本が発売されたということで、現時点より25年も前の作品になる。25年前に「クローン」の存在がどれほど認知され、世間に知られていたかは定かではない。


日本では2000年にクローン人間の作成を
禁止する「クローン技術規制法」が成立している。


そのような規制法ができるもっと以前よりクローンに目をつけて、このような小説を書き上げている点に関して、やはり東野圭吾の先見の明は流石といえるだろう。


クローン人間が何故、倫理的に問題があるのか?またクローン人間のメリットについても『分身』の中では触れられていた。


『分身』で触れたメリットで「なるほど!」と思ったのは骨髄移植について。自身のクローンだから拒絶反応が少ない優秀なドナーになる...と。今まで考えもしなかったので目から鱗だった。


倫理的な問題を言うと、そのドナーの人権はどうなるのか?という点。ドナーになるために生まれさせられた?じゃあその後の人生は?


難しい。


3.刺さった言葉

終盤、二人のクローンの元である晶子が登場してからは、とくにクローンについての深い部分に触れていて心に残る台詞が多かった。

私が母と呼んだ女性は、単なる分身製造装置に過ぎなかった。少なくとも、父は彼女をそのように扱った。たぶんそれと同様に父は私を、かつて愛した女性の複製としてしか見ていなかったのだろう。父にとって私は、それ以上のものでも以下のものでもなかったに違いない。

(引用:分身 P356/東野圭吾)

「私が母と呼んだ女性は、単なる分身製造装置にすぎなかった。」


この文章の威力が凄まじい。鞠子の母親は何も知らなかった訳だし、自殺してしまったのも頷ける。彼女がこの物語の中で一番辛い立場の人間だったと思う。

でもやはり私は、自分が生まれてきた理由にこだわらずにはいられない。「分身」として生み出され、「分身」だからこそ父に愛され、「分身」だからこそ母を失った私が、「分身」以外の何者かになることなんて、幻想に過ぎないように思えるのだ。

(引用:分身 P357/東野圭吾)


あの時私のおなかの中にいたのは、私の子供ではなく、私のクローンだったんですね。私は、私の分身を宿られせていたということですね。

(引用:分身 P395/東野圭吾)


結果として晶子は流産したわけだが、それでよかったのだろうな...。なにも知らずに、「私」が「私」を育てるなんて...。


クローンに関わった人間がみんな不幸になっていくのが、読んでいて辛いところ。晶子は勝手に分身を作られ、双葉の母は殺害され、双葉自身は母の死に悲しみ、鞠子の母は鞠子を受け入れられず、鞠子自身は母の死に苦悩する。



4.ラスト

読みはじめてからすぐに、クローンの二人が、いつ、どこで対面して、どんな反応をして、どんな話をするのだろう?と考えながら読んでいたが、まさか最後まで引っ張らせるとは...!!



鞠子と双葉の二人があの後、何を話し、何を思い、そしてどのように生きていくのか...想像が掻き立てられるラストだった。



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『自家焙煎cafe KOMIBOU』に行ってきた【埼玉県上尾市】

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自家焙煎のこだわりコーヒーが飲めるお店、埼玉県上尾市にあるカフェ『KOMIBOU』へ行ってたので紹介する。


JR高崎線の線路沿いに店を構える『KOMIBOU』は、上尾駅と北上尾駅のほぼ中間に位置しており、どちらの駅からも徒歩7分ほどで訪れてることができる。


もちろん駐車場もあるので車での来店もOK!!

【看板】
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【外観】
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落ち着いた佇まい。




【店内①】
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【店内②】
f:id:furikake-gohan:20180815210541j:plain


店内はジャズが流れ、ゆったりとした時間が流れる。机と椅子は木で統一されていて、温かな雰囲気。


店内にちょこちょことある小物類が、なんだか子ども心を刺激させてくれる。


カウンター席から4人がけの席まで用意されているので1人でふらっと訪れるもよし、友人とゆったり過ごすのもよし!



【店内③】
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「enjoy coffee !!」


私は今回食べなかったのだがランチメニューも充実している。

パスタ類(880円)、サンドウィッチ(820円)、キーマカレー(900円)、etc...


お店のHPにセットの内容や写真が載っているので詳しくはコチラでどうぞ。



【クリームチーズタルト&こうみぼうブレンド】
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タルトもコーヒーもビックリするくらい美味しかった。クリームチーズタルトは、なめらかな口当たりで口の中でとろける。


そしてそのクリームチーズタルトに相性の良かったのが、こうみぼうブレンド。特にこのブレンドが美味しかった...!


程よい苦味、香りがあるのはもちろんだが、さらにほのかな甘味がありブラックでも飲みやすい。今まで飲んだコーヒーの中でも1位、2位を争うくらい私好みの味だった。


あと、嬉しいのがおかわりのコーヒーが半額で頂けるので、ついつい長居してしまいそう。


ブレンドの他にも様々な種類のコーヒーが揃えてあるので、おかわりでは是非飲み比べてみては!?



お店の情報

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『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』のあらすじ・紹介【岡崎 琢磨】

良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。

(シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール [フランス、1754─1838])



私がカフェ好きというのもあって、コーヒーやカフェに纏わる小説を探していたときに出会った
『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』


何の気なしに手に取ったこの作品が想像以上に面白く、珈琲好きも、カフェ好きも、もちろんミステリー好きにもオススメできる物語だったので、紹介していく。

  1. あらすじ
  2. あらすじ補足
  3. 見所
  4. 最後に

感想はコチラ


1.あらすじ

京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅力的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり──。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。

(引用:『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』裏表紙/岡崎琢磨)


2.あらすじ補足


自称コーヒー愛好家の主人公・青山は子供のころに、フランスの伯爵が残した名言に衝撃を受ける。


それが冒頭にあげた

良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。

という言葉だった。


以来、青山は理想のコーヒーを探し求めていた。ちなみに先ほどの名言を残した伯爵の名は、シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール 。


青山はついに、理想のコーヒーと巡り会う。偶然か運命か、その理想のコーヒーを提供する店こそ伯爵の名前と同じ『純喫茶 タレーラン』であった。


そして、その理想のコーヒーを淹れるのが、魅惑的な女性バリスタ・切間 美星。


美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を鮮やかに解き明かしていく。



3.見所

『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』の見所について、重要なネタバレには触れないが、物語の構成や展開について若干触れて紹介していく


物語をまっさらの状態で楽しみたい方は、ここで引き返しすことをオススメする。














さて、
あらすじには

美星には、秘められた過去があり──。

とサラッと触れられているが、この『秘められた過去』こそがこの物語一番の見所となっている。


物語の構成としては

第一章 事件は二度目の来店で
第二章 ビタースウィート・ブラック
第三章 乳白色にハートを秘める
第四章 盤上チェイス
第五章 past,present,f*****?
第六章 Animal in the closed room
第七章 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を

の全7章で構成されており、各章では『タレーラン』に持ち込まれる日常の謎を美星と青山で解き明かしていく。


そしてポイントになってくるのが、先ほども触れた『美星の秘められた過去』について。


物語後半で核心に触れてくるにつれて、物語の雰囲気がガラリと変わる。日常の和やかな雰囲気から、少し不穏な雰囲気になり...


そしてまさかまさかの展開の連続が──。


っと、続きは是非ともご自分でどうぞ...!!


4.最後に

実は、『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』は、2012年の「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉作品に選ばれた作品である。

※隠し玉作品とは

新人賞『このミステリーがすごい!』大賞で、受賞には及ばなかったものの、将来性を感じた作品を、著者と協議のうえ全面的に改稿し、編集部推薦″隠し玉″として刊行したもの

解説で語られていたが、キャラクターや設定、モチーフの選択は良かったものの、個々のミステリ要素が改稿前は弱かったらしい。


つまりミステリ要素さえクリアできれば十二分に面白い作品になるということだ。


そして元の設定や雰囲気を損なわないようにしつつ、ミステリ要素が改稿された。そう、これで面白くないわけがない!!


喫茶店を舞台にした物語だけあって、コーヒーに関する蘊蓄も面白い。カフェに行きたくなるような、またカフェで読みたくなる一冊。


コーヒー好き、カフェ好き、もちろんミステリー好きは是非とも一読してみては?




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『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』の感想を好き勝手に語る【岡崎 琢磨】


「その謎、たいへんよく挽けました」

バリスタ・切間 美星の淹れる珈琲に惚れた青年・青山の物語『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』が想像の3倍くらい面白かったので感想を語っていく。




ネタバレありで語っていくので未読の方はコチラをどうぞ

【あらすじ・紹介】



感想

タイトルに「珈琲店」とある通り、コーヒーについての知識も散りばめられた、ほんわかする日常ミステリー...と前半までは勘違いしていた


後半からの展開は、予想外の連続で一気に物語に引き込まれた。

もくじ

  1. 前半
  2. 後半
  3. 最後に

1.前半

1章・傘の謎での色弱説、2章・ブラックコーヒーの謎の妹説、私も読みながらも一緒に考えていたが、見事なくらい青山と同じ答えにしかたどりつけず、切間の「全然違うと思います」の台詞が突き刺さった。






2.後半

前半の日常ミステリーとはうってかわって美星の過去を巡るシリアスの展開に、グッと物語に引き込まれる。


とくに5章の終わり、謎の男が登場してから不穏な雰囲気が漂ってきて、物語から抜け出せなくなる。


青山の正体にも気づけなかったし、叙事トリックも見事騙されて...。前半のような和やかな流れでくるかと思っていたので、後半は驚きの連続だった。


青山に関しては、美星にいつも丸め込まれる、冴えないけど優しい青年ってイメージしかなかったのに、いい意味で裏切られた。


青山の喫茶店『タレーラン』以外の様子があまり、語られていないとは思ったが、『タレーラン』中心にきてこその物語だからそんな違和感がなかった。


「あ、えっと、あおのやまと、書いて《青山》です」

(引用:珈琲店タレーランの事件簿 P202/岡崎 琢磨)


「″青山″の漢字をわざわざ、そんな丁寧に説明する必要ないだろう」と違和感を感じてはいたが、まさか...。


他のキャラクターのネーミングにうまく隠されてたよなぁと。


切間は「キリマンジャロ」だし
水山 晶子は「クリスタルマウンテン」だし
その流れの「ブルーマウンテン」


これは...気づけない...。


まぁ結局、青山の正体に気付き、更に裏に隠していた優しさにも気付いた美星が最強なんだけどね!!


3.最後に

私が、コーヒー好きでありカフェ好きだったので、読もうと思った『珈琲店タレーランの事件簿』


本当に喫茶店『タレーラン』があったなら、是非とも訪れてみたいと思った。


美星の淹れるコーヒーに藻川の爺さん特製のアップルパイ...。そして『タレーラン』のお店の雰囲気を味わってみたいと思うのは、私に限ってのことではないはずだ。


カフェに行きたくなる、またカフェでコーヒーを楽しみながら読みたい、そんな一冊だった。


2012年に刊行され、2018年現在では5巻まで発売されているよう...!!これは早急に続きを読まねば!!



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【小説】2分でわかる『人魚の眠る家』あらすじ・紹介【東野圭吾】


「今、我が家に......うちの家にいる娘は、患者でしょうか。それとも死体なのでしょうか」

(引用:人魚の眠る家 P293/東野圭吾)


2018年11月16日に映画公開が決まった東野圭吾の『人魚の眠る家』


予告の動画では、だいぶ不穏な雰囲気が漂う作品だが、実際はどんな作品なのか?


【映画:人魚の眠る家 予告動画】


今回は、その『人魚の眠る家』の原作小説のあらすじや実際どんな作品なのかを重要なネタバレはなしで紹介していく。


ネタバレありの感想はコチラ


目次

1.あらすじ

娘の小学校受験が終わったら離婚する。そう約束した仮面夫婦の二人。彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。娘がプールで溺れた―。病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか―。

(引用:人魚の眠る家 - 東野圭吾 - Google ブックス)



播磨薫子は夫の和昌の浮気が原因で別々に暮らしている。



二人は娘・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚をすると決めていたが、受験を迎える前に悲劇が訪れてしまう。


瑞穂が遊びに行っていたプールで溺れてしまったのだ。


病院に運ばれ懸命な治療が続けられていたが...医師からは、瑞穂の意識は戻らないだろうと告げられる。


そしてもう一言...医師は言葉を続ける。


「お嬢さんの脳死が確定された場合、臓器を提供する御意志はありますか?」


詳しい話は『人魚の眠る家』で語られるが、日本の法律は臓器提供の意志がなければ脳死判定は行われない


この″脳死について″が物語の核となってくる。


脳はすでに機能を失っているとはいえ、眠っているだけのように見える娘。その姿に″死んでいる″とは、とても考えられない。


死を受け入れるべきか、諦めないべきか...苦難の末に薫子が選んだ決断は──。



2.あらすじ補足

もう少し踏み込んで『人魚の眠る家』について紹介していく。
重要なネタバレには触れないが、ちょこちょこと物語の中身に触れていくので嫌な方は戻る推奨。













さて
映画の予告動画を見たかたは気付いたと思うが、苦難の末に薫子は諦めずに瑞穂の回復を信じる、という道を選ぶ。


まぁそりゃそうですよね、でないと物語終わってしまいますし。


そして何より瑞穂と共に生きると決めてからが、『人魚の眠る家』の本当のスタートと言っていいだろう。


あらすじの最後に

その愛と狂気は成就するのか―。

とあるが、薫子の瑞穂に対する″愛″と裏返しの″狂気″こそが『人魚の眠る家』一番の見所だ。


夫・和昌の助けもあり、瑞穂は順調に回復を続ける。呼吸器もとれて、一見するとただ眠っているだけ、とも思えるくらいに良くなっていく。


だが脳のほうは変わらずで、脳波は──ない。


世間一般からしたら、それは″死んでいる″のと変わらない。しかし薫子にとってはきちんと″生きている″愛娘。


双方の考え方の違いが、次第に大きな亀裂となって周りを狂わせていく。


薫子の愛と狂気の先にあるものは──。


3. ...で、結局面白いの?

好みが別れる作品であるとは思う。
5段階で評価するとしたら3.5くらいかな、というのが私の感想。


あらすじを読めば想像はつくが、決して愉快な話ではない。むしろかなり″重い″と言っていいだろう。


怖いもの見たさ...とは違うが、物語から目を背けたくなる...だがしかし続きも読みたい...と、じわじわと引き込まれる社会派のミステリーである。


″死″とはなんなのか、何をもって″死″とするのか。果たして母親の歪んだようにも思える愛に救いはあるのか...。


娘に訪れた悲劇を前に両親はどのような決断をくだすのか。もし自分が両親の立場だったら...と思わず考えてしまう。


脳死、そして臓器移植。現代日本における問題も投げかけた作品である。




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【2022年版】『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ一覧!全5作品をまとめて紹介する【ダン・ブラウン】



2018年に最新作品『オリジン』が刊行され、『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズは現在5作品ある。そして5作品中の3作品はすでに映画化されている。


今回はそんな大人気シリーズの魅力と特徴について触れ、そのあとに各作品を一つずつピックアップしてあらすじ・紹介をしていく。
(※長いので目次を活用していただけると幸いです)

目次

『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズとは?


『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズとは、ハーヴァード大学の象徴学者ロバート・ラングドンを主人公とした物語で、主人公の名前をとって、ラングドンシリーズとも呼ばれる。


『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズと呼ばれているが、そのシリーズ第一作目は『ダ・ヴィンチ・コード』ではなく、『天使と悪魔』。


『ダ・ヴィンチ・コード』は44言語に翻訳され7000万部を越える異例の大ヒットを記録している。


このため、そのシリーズを世に知らしめるきっかけとなったダ・ヴィンチ・コードの名前をとって、『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズと呼ばれるようになった。


シリーズ5作品と刊行年
1.天使と悪魔〈2000年〉
2.ダ・ヴィンチ・コード〈2003年〉
3.ロスト・シンボル〈2009年〉
4.インフェルノ〈2013年〉
5.オリジン〈2017年〉


シリーズの特徴・魅力

シリーズ通しての特徴、魅力を挙げていく。

──1.史実にまつわるストーリー

事実
この小説に登場する芸術作品、建築物、場所、科学、宗教団体は、すべて現実のものである。

どの物語も上記の謳い文句で始まる。


実在する舞台で語られる、実在する芸術作品や宗教に纏わるストーリーは、フィクションなのだがノンフィクションのようなリアルさがある。


歴史上の名だたる偉人を、芸術作品を、秘密結社を取り上げて構成される。実在するものゆえに知的好奇心が刺激されてやまない。


──2.暗号

作中に登場する歴史、芸術作品、象徴、時には数学など、様々な要素を絡めた暗号は、読者を引き込むこと間違いない。


一つの暗号を解き明かすごとに、また立ちふさがる次の暗号。それを解読する爽快感と驚愕の連続は他にはない読み心地を与えてくれる。


──3.観光ミステリー

ラングドンは、実際に存在する国で、実際に存在する教会や美術館を訪れる。そこで語られるのは建物に関する細かい描写や歴史、美術品に関する膨大な知識と興味深い蘊蓄...。


読んでいるだけで実際にその土地を訪れたような満足感を与えてくれる。また実際に『ダ・ヴィンチ・コード』を片手にパリのルーブル美術館やサン・シュルピス教会を見学する観光客も多いという話である。


その土地を訪れたことがある人には
「こんな秘密が隠されていたのか!!」と驚くこと間違いない。


──4.宗教と科学

宗教や偉人や芸術作品が登場するのは前述した通り。そこだけを聞くと、歴史上のモノを取り扱う堅いイメージがわくかもしれない。


しかし『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズでは「歴史」だけでなく、最先端の化学も取り扱われる。


読んでいただければ一目瞭然たが、第1作『天使と悪魔』では、宗教と科学の対立を描いた物語だし、最新作『オリジン』では、今話題のAIが活躍する物語である。


『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ5作

1.【天使と悪魔】


──あらすじ

ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる。それは16世紀に創設された科学者たちの秘密結社″イルミナティ″の伝説の紋章だった。紋章は男の死体の胸に焼き印として押されていたのだという。殺された男は、最近極秘のうちに反物質の大量生成に成功した科学者だった。反物質はすでに殺人者に盗まれ、密かにヴァチカンに持ち込まれていた──。

(引用:天使と悪魔〈上〉裏表紙/ダン・ブラウン)


評価9/10
──伝説のはじまり
シリーズ第二作目となる『ダ・ヴィンチ・コード』が爆発的ヒットとなり、第一作目となる『天使と悪魔』も注目を集めるようになった。


しかし、クオリティーを見ても『ダ・ヴィンチ・コード』と比べて遜色がないくらい密度が濃く、練り込まれた作品であるのは間違いない。


『天使と悪魔』は宗教と科学の対立について片寄りなく双方からの主張がなされている。


宗教と科学
物質と反物質
希望と絶望
天使と悪魔

相反する二つが織り成すストーリー



──コンクラーヴェ

コンクラーヴェとは「教皇選挙」を意味する言葉で、カトリック教会においてローマ教皇を選出する選挙システムのことである。最近では2013年にコンクラーヴェが行われ、メディアに取り上げられていたので聞いたことのある方も多いのではないだろうか。


『天使と悪魔』の事件は、この厳正なるコンクラーヴェの真っ只中に起きる。有力候補の枢機卿4人が消え、犯人からは一時間ごとに一人を殺すという予告が...!!


2.【ダ・ヴィンチ・コード】


──あらすじ

ルーヴル美術館館長のソニエールが館内で死体となって発見された。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大教授ラングドンは、フランス警察より捜査協力を求められる。ソニエールの死体は、グランド・ギャラリーでダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっており、さらに、死体の周りには、複雑怪奇なダイイングメッセージが残されていた。館長の孫娘でもあり、現場に駆けつけてきた暗号解読官ソフィーは、一目で祖父が自分だけに分かる暗号を残したことに気付く...。

〈モナ・リザ〉〈岩窟の聖母〉〈ウィトルウィウス的人体図〉──。
数々のダ・ヴィンチ絵画の謎が導く、歴史の真実とは!?

(引用:ダ・ヴィンチ・コード〈上〉/ダン・ブラウン)


評価10/10
──暗号
私が初めて読んだダン・ブラウンの作品がこの『ダ・ヴィンチ・コード』だった。そのときの衝撃は今でもありありと思い出せる。


圧倒的な密度で語られるストーリー、予想できない結末・どんでん返し、そしてなにより練りに練り込まれた暗号さらにそれが史実に基づき実在する芸術作品を絡めてつくられている


『ダ・ヴィンチ・コード』に登場する最初の暗号を載せておく。


(出典:ダ・ヴィンチ・コード〈上〉P61/ダン・ブラウン)


わくわくしませんか?答えと続きは是非ご自分で読んで見てください。



──レオナルド・ダ・ヴィンチ
タイトルになっている『ダ・ヴィンチ』、そして表紙の『モナ・リザ』。


レオナルド・ダ・ヴィンチは、イタリアのルネサンス期を代表する芸術家だが、その才能は芸術の枠だけに収まらず、音楽、建築、数学、幾何学、天文学...などなど、とどまるところを知らない。


『ダ・ヴィンチ・コード』ではレオナルド・ダ・ヴィンチの作品である〈ウィトルウィウス的人体図〉〈モナ・リザ〉〈岩窟の聖母マリア〉〈最後の晩餐〉などの謎に始まり、歴史上で隠された謎に迫っていく。



3.【ロスト・シンボル】


──あらすじ

世界最大の秘密結社、フリーメイソン。その最高位である歴史学者のピーター・ソロモンに代理で基調演説を頼まれたラングドンは、ワシントンDCへと向かう。しかし会場であるはずの連邦会議事堂の〈ロタンダ〉で待ち受けていたのは、ピーターの切断された右手首だった! そこには第一の暗号が。ピーターからあるものを託されたラングドンは、CIA保安局局長から、国家の安全保障に関わる暗号解読を依頼されるが。

(引用:ロスト・シンボル〈上〉裏表紙/ダン・ブラウン)

評価6/10
──フリーメイソン
『ロスト・シンボル』を語る上で外すことができないのが、秘密結社″フリーメイソン″だ。というより物語の大半はフリーメイソンに纏わるストーリーである。


「フリーメイソン」という名前を、組織があることは知っていても、その組織の実態について知っている方はほとんどいないのではないだろうか。


「フリーメイソンが世界を支配している」といった隠謀論もあるなか、『ロスト・シンボル』では、アメリカ建国の父を始め、世に知られるさまざまな人物が、フリーメイソンの会員だという設定が与えられる。


そんな世界を動かした彼らが残した、フリーメイソンの″秘密″。その″秘密″をめぐる争いにラングドンは、いつの間にか巻き込まれていく。


──暗号
あらすじには「国家の安全保障に関わる暗号解読を依頼される」とあるが、この暗号がまぁ濃密。


①の暗号を解いたら、次は②の暗号
というわけではなく
①の暗号が、見る角度を、着眼点を、解釈を変えることによって何重もの答えを持っている。


驚きの連続に流石、ダン・ブラウンと思わざるを得ない。


私が個人的に印象に残っているのが『魔方陣』と呼ばれるモノ。『ロスト・シンボル』では暗号を解くための鍵でしかないのだが、この存在は初めて知った。


【魔方陣】

(出典:ロスト・シンボル〈中〉P183/ダン・ブラウン)

ちなみにこの数字群は、アルブレヒト・デューラーの版画「メランコリアⅠ」に描かれている一部である。


あなたはこの16個の数字が意味することがわかりますか...!?


4.【インフェルノ】


──あらすじ

「地獄」。そこは″影″──生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂──が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件のてがかりがあると気付くが──。

(引用:インフェルノ〈上〉裏表紙/ダン・ブラウン)


評価8/10
──ラングドンの『空白の記憶』
アメリカにいたはずのラングドンが目を覚ますと、そこはイタリアの病院だった...!?


丸々2日間の記憶が抜け落ちている。ふと悪夢のように思い出すのは、″銀髪の老女″と″疫病医の仮面″...手元にはバイオハザードの象徴が印された金属の円筒。


『空白の2日間』でラングドンの身にいったい何が起きたのか...!?


──『神曲』
『インフェルノ』の最大の題材がイタリア・フィレンツェ出身の詩人『ダンテ・アリギエーリ』によって創られた『神曲』である。ちなみに表紙の人物こそダンテだ。


ダンテの『神曲』は世界文学史上屈指の名作とうたわれ、〈地獄篇〉、〈煉獄篇〉、〈天国篇〉で構成される叙事詩である。



【地獄の見取り図&ダンテのデスマスク】

(出典:インフェルノ〈上〉/ダン・ブラウン)

写真の上が〈地獄篇〉の様子を忠実に再現したボッティチェルリの作品地獄の見取り図


ラングドンは予想外の形で〈地獄の見取り図〉と出会い、『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付き、物語の歯車が動き出す。


【インフェルノをもっと詳しく知りたい方へ】

5.【オリジン】

──あらすじ

宗教象徴学者ラングドンは、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れていた。元教え子のカーシュが、“われわれはどこから来たのか”“われわれはどこへ行くのか”という人類最大の謎を解き明かす衝撃的な映像を発表するというのだ。
カーシュがスポットライトを浴びて登場した次の瞬間、彼は額を撃ち抜かれて絶命した。カーシュ暗殺は、宗教界によるものか?もしくは、スペイン王宮の差し金か?かくして、誰も信用できない中で、ラングドンと美貌の美術館館長・アンブラは逃亡しながら、人工知能ウィンストンの助けを借りて謎に迫る!


評価9/10
──我々はどこから来て、どこへ行くのか

『オリジン』で問い掛けられる一番の謎...もといテーマが上記の通り「我々、人類はどこから来て、そしてどこへ行くのか」


未来学者のエドモンド・カーシュが提示した真実は驚きだった。とくに「人類の運命」については驚愕なものだった。その答えについて知るだけでも読む価値があると思う。


もちろん、それだけで終わらないのがダン・ブラウン。カーシュが暗殺されたことにより、闇に葬られたと思われた





──カーシュが残した人工知能″ウィンストン″

カーシュの無念を引き継ぎ、真実を世に明らかにするためにラングドンはカーシュが残した人工知能″ウィンストン″の協力の元、謎に迫る。このウィンストンの活躍が見所の一つと言ってもいいだろう。


人工知能らしい正確無比かつ膨大な情報処理能力を生かしたサポートは正に最強の相棒


現代ではまだこのレベルのAIは存在しないだろうが、科学の発展のスピードを考えるとウィンストンのようなAIが現れるのもそう遠くない未来なのかもしれない。

【オリジンをもっと詳しく知りたい方へ】

ダン・ブラウン最新作品について

次のダン・ブラウン作品はいつになるのか!?ファンの方は気になって仕方がないだろう。ダン・ブラウン作品を訳している越前敏弥氏のTwitterより下記のツイートが2021年12月12日にされた。

ラングドンシリーズの最新作がまもなく完成…!! 
その後に訳されて……と手順を踏むわけで、日本語版を読めるのはまだ先になるわけだが、期待して続報を待とうと思う。



終わりに

私個人の好みで言えば
1位:ダ・ヴィンチ・コード
同率2位:天使と悪魔、オリジン
同率3位:ロスト・シンボル、インフェルノ

と言った感じ。
第一作目の『天使と悪魔』から順番に読んでいくのが順当だが、気になった作品から読んでもらってかまわない。


第二作目の『ダ・ヴィンチ・コード』では、ちらっと第一作の『天使と悪魔』の内容に触れられたりするが、物語の大筋には関係ないので問題ないだろう。



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