″敵がいる? いいことじゃないか。それは何かのために立ちあがったことがある証だ″。
(引用:オリジン〈上〉P326/ダン・ブラウン)
まちに待ったダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ第5弾、『オリジン』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はコチラをどうぞ。
【『オリジン』のあらすじ・紹介】
目次
あらすじ
宗教象徴学者ラングドンは、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れていた。元教え子のカーシュが、“われわれはどこから来たのか”“われわれはどこへ行くのか”という人類最大の謎を解き明かす衝撃的な映像を発表するというのだ。
カーシュがスポットライトを浴びて登場した次の瞬間、彼は額を撃ち抜かれて絶命した。カーシュ暗殺は、宗教界によるものか?もしくは、スペイン王宮の差し金か?かくして、誰も信用できない中で、ラングドンと美貌の美術館館長・アンブラは逃亡しながら、人工知能ウィンストンの助けを借りて謎に迫る!
感想
帯には
「ダ・ヴィンチ・コード」を超える面白さ
とあるが、好みの問題はあるけれども私は「ダ・ヴィンチ・コード」派。
勘違いしてもらっては困るからはっきり言うが面白いか、面白くないか、で言えばもちろん面白い。
一つの作品と見れば面白い。しかしそれが「ダ・ヴィンチ・コードシリーズ」と言われると、なんだか少し物足りない。
それは私が『ダ・ヴィンチ・コード』のようにいつくもの暗号を解き明かし、真相に近付く...といったストーリーが好きだからだろう。
しかし
「われわれはどこから来て、どこへ行くのか──。」
進化論と人工知能をテーマに描かれた壮大なストーリーは満足のいく一冊だった。
──われわれはどこから来て、どこへ行くのか
今回の大きなテーマである人類の起源と、そしてその行く末。
「われわれはどこから来たのか?」それに対するカーシュの解答は、さほど驚くほどのことではなかった。以前から漠然と聞いたことがあること、それの明確な証拠を提示した。といった印象。
だがその解説で出てきたエントロピー...無秩序さの話などは非常に興味をひかれた。
「われわれはどこへ行くのか」これはもう...面白い。
「人類は絶滅に瀕している。われわれの知る人類は五十年後には姿を消している」これを目にしたときは「いやいや、それは流石にないだろう」と思ったが、カーシュのプレゼンテーションを聞いて納得した。
人類とテクノロジーの融合
五十年後かはわからないが「確かに...」と思わざるをえない。
今ではスマートフォンの存在は欠かせないし、VRゴーグル等の新技術、スマートスピーカーなどのAIも家庭に普及し始めていている。
しかもそれらが現れ、発展を遂げてきたのがこのたった十数年というのを考えると技術の発展は凄まじい。
そしてウィンストンの活躍、性能を目の当たりにすると「そんな時代がくるのかもなぁ」と思わされる。
──黒幕
私の予想はカーシュの「より多くの人々に自分の大発見を伝えたい」という願望をウィンストンが倫理を無視した歪んだ方法(カーシュを殺害することで注目を集める)で実現させたのではないか?AIの暴走を描いているのか?と考えた。
他に黒幕の候補が考えられなかったし、どんでん返しのダン・ブラウンの手法を考えれば、予想はそこまでは難しくないと思うが...個人的には「予想はできた...が、そうであってほしくはなかった」というのが素直な感想。
所詮はAIかもしれないが的確なサポートを行ってくれるウィンストンという個体に好意があったからだ。真実をウィンストンから聞かされているときは、まさにラングドンと同じ気持ちだったと思う。
物語の終盤ウィンストンからの説明があったが、刺客であるアビラをラングドンたちのいるサグラダ・ファミリアに導いたことだけが引っ掛かっていた。
「ウィンストンは何故ラングドンたちを始末させようとしたのだろう?いや、やっぱり黒幕はウィンストンじゃないのか...?」
と散々悩まされたが、ウィンストンの説明を聞いて納得。確かに指示を無視してフェンスを越えてたわ...。
その時のウィンストンの「機械とちがって人間は、予測できない場合がありますから」という台詞がとても印象に残っている。
──エドモンド・カーシュ
ダン・ブラウンが描く犯人は、皆知的で、計画的で、己の信念を貫いていて、とても魅力的である。
今回の場合、カーシュを犯人と言っていいのかわからないが、彼もそれに当てはまる。
新しい宗教は、人生の大いなる謎の答を与える。
──われわれはどこから来たのか。われわれはどこへ行くのか。
新しい宗教は、ほかの宗教を非難する。
──カーシュは昨夜、世界じゅうのあらゆる宗教を貶めた。
新しい宗教は、よりよい未来を約束し、天国が待っていると請け負う。
──楽観主義者の未来予測。
(引用:オリジン〈下〉P303/ダン・ブラウン)
もう完璧すぎて鳥肌がたった。
ダン・ブラウン最新作品について
『オリジン』が2022年現在のシリーズ最新作なのだが、ダン・ブラウン作品を訳している越前敏弥氏のTwitterより下記のツイートが2021年12月12日にされた。
ダン・ブラウンからのちょっと早いクリスマスメッセージ。ラングドン・シリーズの最新作はまもなく完成するそうです。https://t.co/jmkERoUCGp
— 越前敏弥 Toshiya Echizen (@t_echizen) 2021年12月12日
ラングドンシリーズの最新作がまもなく完成…!!
その後に訳されて……と手順を踏むわけで、日本語版を読めるのはまだ先になるわけだが、期待して続報を待とうと思う。
最後に
未来について考えされられる壮大なストーリーに大満足だった。強いて言えば今回はヒロインの活躍が目立たなかった気が?
そして相も変わらず舞台となる現地に赴きたくなる。とくに今回でいえばサグラダ・ファミリア。
ダン・ブラウンの影響でヨーロッパへの関心がますます高まっている昨今である。
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