『図書館の魔女 合同感想本』がパワーアップして帰ってきた。
第1段に比べて寄稿者が増え、ページ数も倍増した『図書館の魔女 合同感想本2』。
『図書館の魔女』の世界に魅せられた17 名によって綴られたこの感想本は、あなたをもっと『図書館の魔女』の世界の虜にさせるはずだ。
今回は
・『図書館の魔女 合同感想本2』とは何なのか?
・『感想本』の第1弾と第2弾の違い
・みなさんの作品について、私からの感想
・そして私も小説を寄稿させていただいたので、その小説のあとがきのようなもの
の4つについて触れていく。
また、感想は書いているが、みなさんの作品についてのネタバレは極力抑えているので、これからの購入を検討されている方も問題なく読める仕様になっているので安心して頂きたい。
『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】
目次
1.『図書館の魔女 合同感想本2』とは?
著者・高田大介による長編ファンタジー『図書館の魔女』及び『図書館の魔女 烏の伝言』の感想などをまとめた同人誌の第2弾である。
サークル・紫向屋のさよさんと寄稿者による『図書館の魔女』に関するイラスト・感想・考察・二次創作などが綴られている、『図書館の魔女』ファンにはたまらない一冊となっている。
2019年6月9日に東京流通センター・ノヴェルの虹橋にて出店・発売され、現在では通販で購入することができるので気になる方は下のリンクから是非。(数には限りがありますのでご注意を)
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『図書館の魔女 合同感想本"2"』ということで第1弾ももちろん存在する。第1弾についての紹介・感想はコチラから。
2.感想本の第1弾と第2弾は何が違う?
──1番の違いはネタバレのあり・なし
感想本1と2の1番大きな違いはネタバレのありなしだろう。
感想本1は、第4巻で明らかになる犯人だけはぼかすという方針で作製されているので、一応『図書館の魔女』が未読の方も手に取る事ができるように作られていた。
そして今回の感想本2は完全にネタバレを解禁した作りになっている。そのため、ネタバレの枷から解き放たれた寄稿者たちが、感想本1では語れなかったより深い所まで図書魔女愛を語り尽くしている。
──第2弾はボリューム2倍!?
感想本1は主催のさよさん+寄稿者9名の合計10名で、合計ページは38ページだった。
そして、今回の感想本2では、主催のさよさん+寄稿者16名の合計17名で合計ページ数はなんと80ページ!!前回の2倍以上のページ数となっている。
──考察・SS・漫画・小説なんでもあり!
ページ数が増え、寄稿者が増えたことで様々な視点からの『図書館の魔女』の世界を見ることができる。
前作同様に感想・イラストもさることながら、今回の感想本2では登場人物についての考察や、寄稿者オリジナルの2次創作(SS・漫画・小説)も描かれている点が感想本1との大きな違いだろう。
3.感想
以下では、私FGが僭越ながらみなさんの作品の感想を語っていく。まだ感想本を買っていない方のために、みなさんの作品についてのネタバレは極力避けているので安心していただきたい。
──さよさん(sakko/さよ (@sayo6) | Twitter)
まず、企画・編集・販売など、また寄稿した小説の誤字・脱字のチェック、更にはアドバイスetc…。細かい所まで本当にお疲れ様でした!ありがとうございました!!すべてさよさんのおかげでございます!!
さて、本編を描いた漫画・イラストは見ただけで「あ!あのシーンだ!!」と興奮が蘇ってきました。水槌の所とか隠れた(?)名シーンですよね。
1番ビックリしたのは『烏の伝言』の時系列をまとめた図!!『烏の伝言』って登場人物が多い上に、それぞれの登場人物が同時進行で行動していくので、「今」「誰が」「何をしているのか」が把握しにくく混乱しやすいと思うんですよ(少なくとも私は混乱しました)。
それをなんと「今」「誰が」「何をしているのか」が2ページにわたって見事にまとめられてるのが素晴らしすぎます。コレはもう『烏の伝言』を読み返すときにの必須アイテムですね。
そして「たかいとうにっし」という漫画まで!流石ボリューム満点!熱量が違いますね…!
キリヒトとマツリカ様のお忍びデートは大好きな場面だったので、あの漫画は……たまらなかったです。
みなさんの内容はもちろんのこと、表紙や奥付、細部に至るまでこだわりが感じられる素晴らしい感想本に仕上がっていました。本当にありがとうございました。
──よいこさん(宵子(よいこ)*和風幻想展有り難うございました! (@kanmi_yoiko) | Twitter)
『食』をテーマに飾られた唯一無二の感想でした!『図書館の魔女』にでてくる食べ物ってめっちゃ美味しそうですよね…!さらには美味しそうなだけでなくて、重要な場面には『食』が絡んでいるんだなぁと、よいこさんの感想とイラストで気付かされました。そしてまた周りにいる登場人物たちが表情豊かで可愛らしい…!
『食』のシーンってこれほどに作品を支える要因だったんですね…!確かにマツリカ様とキリヒトのお忍びデートのいえば春巻ですし、三国会議から帰ってきたと実感させてくれたのはイラムの料理でしたもんね…!
私はまだまだファンタジー作品に触れて日が浅いのですが、これから読むファンタジーにはこれまで以上に『食』に注目して読んでみたいと思います。
──鴇羽さん(鴇羽@読書垢 (@10Baumocho) | Twitter)
疑問・考察がこんなに細かい所まで…!とビックリ!私にはない発想・着眼点でとっても参考になりました。
登場人物の名前についてや、現実世界の場所ならどのあたりなのか?などの考察は、まさに『図書館の魔女』のルーツをうかがえた気がします。
これだけ沢山の疑問や考察を知ってしまうと、ますます『霆ける塔』で疑問などが解消されるのか?伏線は回収されるのか?など待ちきれなくなってしまいますね。
──ともさん(とも (@tomosankamo) | Twitter)
ともさんの描いたイズミルが……めっちゃ好きです……イケメン……。(1番右がイズミルですよね…?違ってたらごめんなさい)
Twitterのほうでは「他の方と被らなそうな題材を選んだ」と仰っていていて、どんなイラストを拝見できるのかワクワクしていましたが、なるほど、確かに"彼ら"とは予想外でした!だがそれがいい!!
伝言の立役者たちですからねぇ。彼らのイラストを全然見かけたことがなかったので、今までは人物像のイメージがあまりはっきりしていなかったのですが、ともさんのイラストのおかけで彼らのイメージが固まりました。
──三船さん(三船 (@Mi_fune) | Twitter)
三船さんがあげた好きなシーン七選はどれも共感で、『図書館の魔女』は印象に残るシーンが多いと改めて思い知らされました。
そして、その選んだシーンに対する感想の奥深さが流石です。その六の「二人だけの静寂な世界を表現しているようで美しい。〈略〉」を読んで思わず読み返して確認したくなり、四巻のその部分を読み返してしまいました。確かに二人の会話だけ…!もう最高ですね…!
あとは、その三を選んだ所が三船さんらしいなと思いました。この部分は、ブログでも触れていた所でしたよね。実は『図書館の魔女』の感想をネットで調べて、他人の感想を読んたのは三船さんのブログが初めてでした。
感想はもちろんのこと、伏線やルビ、そして手紙の文法解説にいたるまで内容が濃密で衝撃を受けたのを覚えています。私と同じような人もいてようで、オフ会でも三船さんのブログは話題にあがっていましたよ!
──アヤをさん(アヤを*2/16西1カ46a (@AyaSu_) | Twitter)
好きです(突然の告白)。
今回の感想本とは別にTwitterでアヤをさんの『図書館の魔女』のイラストを拝見して以来ファンになりまして、今回の感想本に寄稿していると知ってめっちゃ楽しみにしていました。
どのイラストも可愛いくて好きなのですが、私はとくに1ページ目の右上のイラストが…もう…!
このシーン、私が1巻で1.2を争うくらい好きなシーンなんですよ!それをまさかアヤをさんのイラストで再現して頂けるなんて感無量でした……!ハルカゼの笑ってる所も、キリンのツンとしてる様子も、マツリカ様の不敵な表情も…もうたまらないです。
──空飛ぶネズミさん(空飛ぶネズミ (@soratobu_nezumi) | Twitter)
1ページに収めてしまうにはもったいないと思えてしまう情報量とイラスト…!!
1番に目をひかれたのは、下のイラストの右端。しっかりもう一人いる!!と見つけたときはニヤけてしまいました。やっぱり彼らは人気ですよね。
キリヒト・マツリカのイラストはみなさんある程度似ているなぁと思うのですが、衛兵たちのイラストはみなさんの中のイメージが強く出る面白い点だなぁと思いました。
──西UKOさん(UKOZ (@nwxp) | Twitter)
この感想は…すごいです。『図書館の魔女』は要素の多い本だと漠然と思っていましたが、「日本十進分類法」を引き合いにまとめられているのが見事の一言。改めて作者の知識量に驚愕するばかりです。
そして『図書館の魔女』の世界における「将棋」の役割。
・相手の駒を自分の駒にすることができる。
・敵陣に入る事で「成る」ことができる。
「確かに…!確かに…!!」と納得しながら読ませて頂きました。もう着眼点が素晴らしすぎます…!
──かがみさん(かがみ (@mirror_u) | Twitter)
イラム愛が伝わるワンシーン…!登場シーンこそ少ないもののイラムは存在感がありますよね。ふんわりしているようで物事の本質を突いてくる様子にハッとしたのを覚えてます。
描かれているようなマシンガントークもイラムの特徴がよくあらわれているなあと思いました。
伝言では登場しませんでしたが『霆ける塔』ではまた、彼女に登場してもらいたいですね!可愛いし!
──ふじさん(ふじ (@fuji_mi23) | Twitter)
前にTwitterであげられていた指話の話の清書が見れるのかなぁと思いきや嬉しい予想外でした!!
小さいマツリカ様が!きらきらしたマツリカ様がとにかく無邪気で可愛い……!ぜったいこんな出会いがあっただろうなぁと想像が膨らんでいきます…!
「一冊の本」との出会いが彼女の世界を変えたように、マツリカとの出会いがキリヒトの世界を変えたのだな、と思うと込み上げてくるものがありました。
そういえば『図書館の魔女』って回想シーンとかってまだ全然ないですよね?短編集とかでもいいので登場人物の過去のお話とか見てみたくなりました。
──Izuさん(Izu (@velizu) | Twitter)
ページをめくった瞬間に、見開きに描かれた彼らにやられました。え、カッコいい!背景までキレイ!!しかもあの二人!!!……と興奮が抑えられなかったです。
そしてマツリカのちょっと冷たそうな表情、キリヒトの優しげな表情、それぞれ二人らしさがでていてグッときました。
本編と伝言でヴァーシャから受ける印象って確かに違いますよね。私は伝言のほうが本来のヴァーシャなのではないかと思います。本編のほうでは刺客としての立場があり素を出せていなかったけれど、離れからの旅立ち、そしてマツリカからの手紙でヴァーシャは開放されたのかな…と。
──なんてつさん(軟鉄🇬🇧🌙🗯️🏵️⚔️ (@iron_soft17) | Twitter)
第1弾から変わらない…いや、むしろネタバレから解禁されて、さらにパワーアップしたヴァーシャ愛がひしひしと伝わってきました。
ヴァーシャに関するシーンや会話など細かい所にいたるまで考えが張り巡らされていて流石の一言です。
そして行動力が凄まじい…!実際にパンパイプを吹いてみたいなぁとは思っても、それを実行できる人はなかなかいないと思います。ここまできたらホント、ヴァーシャくらい技術を身に着けてほしいです…!応援してます…!
──なしきさん(なしき@十三機兵 (@Aoi_sapphire) | Twitter)
思わずクスッとするような話や、こんなやりとり絶対ありそう…!と思える『図書館談話録』。高い塔メンバー全員がちゃんと登場している所とかこだわりを感じます。
『※図書館・書庫』
この話が絶妙にすきです。これはTwitterにもあがってましたよね!爆速でいいねを押した覚えがあります。キリヒトの察しの良さ、そしてマツリカの考え。二人の特徴をうまく表しているなぁと思いつつ、このクスッとしてしまうやりとり……いい!
あとは『※図書館・伽藍』の話もツボでした。苦労人イズミルと自由人マツリカ様。マツリカ様も「イズミルがいるならなんとかなるだろう」って信用している様子が伺えました。
──北条KOZさん(UKOZ (@nwxp) | Twitter)
マツリカ様はネコっぽい…!めっちゃわかります!そして可愛い…!!
2ページ目のような展開がはやく本編でもやってこないかなぁと待ち遠しいかぎりです。
キリヒトの成長ももちろん楽しみですけど、マツリカの心境の変化や、二人の再開はどんな風なのか、はたまたアキームとイラムの恋路とかetc…。
『霆ける塔』の発売が待ちきれないですね。
──端本 昴さん(端本昴 (お皿に盛り付けてパセリを添えて) (@h_subaru) | Twitter)
キリヒトがマツリカ様を天然で困らせるってシチュエーション…すきです!!
指話を練習中でウキウキな様子が伝わってきます!そして赤面のマツリカ様がかわいすぎ…!
漫画の中での登場人物たちのいきいきした姿もさることながら、マツリカ様の台詞がいかにもマツリカ様らしい台詞回しで、とってもマッチしていました。
是非とも上下に見切れた全文をしっかり読みたい所です。でりかしー?知りません!!
──駒々真子さん(私にかわいい弟ができたみたい…! (@komagomamako) | Twitter)
語彙力、そして言葉の選び方が…見事すぎます。まるで『図書館の魔女』本編を読んでいるかのよう…!物語の隙間を埋める物語、とっても惹き込まれました。
ハルカゼを中心にすえての展開は、感想本1で熱く語られていたように、ハルカゼに対して理解の深い駒々真子さんならではの物語になっているなぁと思いました。
確かにハルカゼならこんな受け答えしそう!こんな考え方なんだろうな!と納得しかないです。
4.あとがき(のようなもの)
冒頭にも書いたのですが、今回は私FGも小説で寄稿させて頂きました。小説を書くのも初めてだったのに、その作品が本に載ってしまうという……。不安半分、楽しみ半分でしたが、今自分が書ける精一杯を詰め込んだつもりです。
タイトルは「新月に願いを」
キリヒト・マツリカを中心に、4巻のラスト、ヴァーシャが旅立ってからキリヒトが旅立つまでの間のストーリーを書かせていただきました。
実は提出期限の2日前まで、新月ではなくて満月の設定だったんですよ(なのでラストも全然違っていた)。それが4巻を読み返していて気付いてしまったんです。
──ではどうしても行くのか。
「ええ、ここにはいつまでもいられない」
新月も近くなった晩に、すでに旅装を調え、懐にはハルカゼに用意してもらった手形を押し込んで、ヴァーシャールヘイは離れの中庭にあった。
(引用:図書館の魔女4 P580-581/高田大介)
新月…?え、シンゲツ…?SINGETU…?
このときは、月に対する知識が皆無だったのでGoogle先生にきいてみたのですよ。そしたら
(参照:新月とは?月の満ち欠けと呼び名一覧、満月に至る解説も - 気になる話題・おすすめ情報館)
見事に真逆!!
流石にこのままいくと時系列が合わないので軌道修正を余儀なくされましたが、結局修正後のラストのほうがまとまりがよかったので結果オーライでした。
読んで下さった方はお気づきかも知れませんが『図書館の魔女』本編との矛盾点があります。それがマツリカの手紙についてです。
本編では、マツリカがあの場で考えて書いた。という描写だったので今回書いたものとは矛盾があります。ただ私的には、うっすらとは手紙の構想は考えてあったのではないかなぁという思いからあのような展開にさせて頂きました。
5.最後に
シリーズ第三作目となる『図書館の魔女 霆ける塔』が令和元年発売との情報もあり、わくわくが止まらない昨今。私と同じように新作を心待ちにしている『図書館の魔女』ファンも多くいるだろうと思ってます。
この感想本は、そんな図書魔女ファンにぴったりの一冊に仕上がっています。一人でも多くの『図書館の魔女』ファンの元にこの感想本が届きますように。
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