FGかふぇ

読書やらカフェ巡りが趣味。読んだ本、行ったカフェの紹介がメインのブログです。ごゆるりとどうぞ。

『図書館の魔女 烏の伝言』の感想を好き勝手に語る【高田大介】

図書館の魔女シリーズ第二段『図書館の魔女 烏の伝言』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はコチラをどうぞ。

【図書館の魔女 烏の伝言 紹介】


『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】


感想

マツリカ

さて、読み初めて最初に思ったのはマツリカたちがでてこない!!
これに尽きる。


講談社HPにある著者コメントでは、きちんとマツリカたちがメインではないと言及されていましたが、私が図書館の魔女を初めて読んだときには、もうこの烏の伝言も発売されていて、勢いのまま続編を読み始めたのでそこまで把握していなかったんです。


そしてやっとマツリカの話題が出てきたと思ったら、剛力たちから完全に化け物扱い。まさに魔女。

「酒場には気をつけろよ。その魔女って奴、こっちをさんざん荒らして回ってる間もずっと行く先々で酒盛りしてたって話だぜ。とっとと酒を持っていかねぇとさ、給仕が鯰にされちまうんだ」
「そいつは滅法だな」
「そういう話だ。そして女中は蛙にされちまう」

(引用:図書館の魔女 烏の伝言〈上〉 P57/高田大介)

こんなん笑うに決まってる。
行く先々で酒を飲んでいたってのは間違ってないけど。


ニザマ帝とミツクビをぶつけたのも、三国円卓会議の事なども、魔女の呪いとしてねじ曲げられていて、ニヤニヤしながら読んじゃいました。


地道な努力と策略があって初めて和睦という結果に至った訳だけれども、過程を知らずに結果だけ知らされれば確かに呪いでも使ったのかと疑いたくなる気持ちはわかる。



カロイがちょこちょこと
「あの人ならばわかるだろうか...」
とか、マツリカが出てくるか!と思わせつつ...
だがしかし出てこない。


もうね、どれだけ焦らされるのかと。

そしていよいよ登場したと思ったら相変わらずの態度


うん、逆に安心した。


登場してからは、やっぱり安定の思考と考察力。一を聞いて十を知る頭脳。いいところを持っていくなぁと。


だけど少しもの足りないのはやっぱりキリヒトがいないからでしょうか?二人の掛け合いは第三作に期待ですね。




剛力・近衛・鼠ときどきカロイ

今回のメインであるこの三方と一人

初めは利用し、利用してやろうという思惑しかなかったであろうこの三方がお互いの美徳に気付き、誇りに感化され共闘する場面は心揺さぶられるものがあった。


廓の外道に相対しているからこそ、この三方の人情・誇り・弁えが際立って感じられた。



そして今回のキーパーソン″カロイ″


前作から読んでいる方なら、″隻腕″と見た瞬間から察するものがあったはず。


高い塔から一人離れてしまって
「あぁ、ヴァーシャの軽口を見れることも、もうないのかなぁ...」
と思いきや、まさかの登場に...なんかもう嬉しかったです(語彙力)


お得意の軽口はシリアスなシーンが多い今回はありませんでしたけどね。


ヒュイを助け出すシーン、そして

「そうだ。お前たちのように......決して裏切らない者を......一人助ければ、それが一人分の罪滅ぼし。まだまだ先は長いよ。だからトゥアン、この子も必ず助けるぞ」

(引用:図書館の魔女 烏の伝言〈下〉P228/高田大介)

このセリフは忘れらない。
ひどいめにあわされてきた鼠たちだけれども、剛力・近衛そしてカロイのような大人たちの存在もいるってことはだいぶ救われるだろうな。


何故、山中の村は焼かれたのか?

何故、毒は料理ではなく、酒に盛られたのか?

何故、鈴の音とともに首が狩られるのか?


など各所に散りばめられた謎にも目が離せなかった。中でも一番心に残っているのがエゴンが皆を集めた″烏の伝言″の謎。


言葉が話せないはずのエゴンがどうして皆を集めることができたのか?それを『図書館の魔女』らしい言葉の見解で説明しきっているのには納得の一言。



ふと思ったことある。

たとえば「魚」という本字があり、これが「さかな」という意味、「さかな」という観念に結びつけられる......これ自体はとても単純なことじゃないかな?一方で「さ」と「か」と「な」という仮名がある、これはどんな意味にも観念にも結びつけられていない勝れて抽象的なものだ。それぞれ「さ」と「か」と「な」......何の意味もまだ持っていない抽象的な音にしか紐付けられていない。ここから正しく配列して組み立て、意味を成す言葉、中身のある語に織り上げていかねばならない......(略)

(引用:図書館の魔女 烏の伝言〈下〉P306-307/高田大介)

エゴンが仮名はわからないけど本字(漢字)はわかる。という物語の核になるマツリカによる解説シーン。


これがもし英語など他の言語に訳されるとしたらどうなるのかな...と。


ひらがなと漢字を両方扱う、日本人だからこそ成り立つ...というかスムーズに読むことができるオチだと思うんですよね。


それを思うと日本人でよかったとしみじみ感じます。


最後に

物語のラスト、タイトル通り″烏の伝言″で...また、マツリカらしい内容で...


余韻の残る素晴らしい〆でした。


どうにも登場する人物すべてが魅力的すぎて、またの活躍を期待してしまいます。剛力・近衛・姫・鼠...またチラっとでもいいから登場することを願っています。


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『図書館の魔女 烏の伝言』を紹介する【高田大介】

「普通に喋れないのがなにほどのことか。私の知り合いのなかにも喋れない人が一人おられるが...私の知る限りその人こそ......同盟市全域で最も賢い人ですよ」

(引用:図書館の魔女 烏の伝言〈上〉P408-409/高田大介)




はじめに
『図書館の魔女 烏の伝言』は『図書館の魔女』シリーズ第2段となります。

まずは烏の伝言を読む前に『図書館の魔女』から読むことを強くオススメします。
【図書館の魔女 紹介】


『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】

あらすじ

道案内の剛力たちに守られながら山の尾根を往く逃避行の果てに、目指す港町にたどり着いた地方官僚の姫君と近衛兵の一行。しかし、休息の地と頼った町では、渦巻く陰謀によって、姫は囚われ、兵士たちの多くは命を失う。姫の救出を目指すものの敵方に情報が筒抜けとなり、生き残った近衛兵と剛力たちは隻腕の同志へと疑いの目を向ける。一方、剛力集団の中には言葉をうまく使えない鳥飼の男がいた。山中で姫と心の交流を深めていた男は、生き残った他の者たちから離れ、一羽の烏とともに行動し始める。
姫君は救出されるのか? そして、裏切りの売国奴はいったい誰なのか─?

(引用:http://kodansha-novels.jp/1501/takadadaisuke/)


紹介

さて、シリーズ第二作目の『烏の伝言』
一ノ谷、ニザマ、アルデシュの三国円卓会議から約一年後
舞台は東大陸の一ノ谷とはうってかわって西大陸のニザマ方面へと舞台を移しての物語。


最初に断っておくと、この物語は前作の図書館メンバーがメインの話ではありません。


あくまでストーリーの主軸は、ニザマ高級官僚の姫君と近衛兵、そして山の案内をする剛力たち。一ノ谷、ニザマ、アルデシュの和睦会議の結果、実際に影響を受けた者の逃避行を描いた物語。ということで前作の敵国の人々が中心となっている。


続編...というよりは、むしろスピンオフといったほうが近しいかもしれません。


とは言ってもマツリカや他の図書館メンバーももちろん登場する(キリヒトはでてきませんが。)



姫と近衛

三国の和睦が成立し、ニザマ帝勢力とミツクビ勢力が真っ二つになった現在ニザマ国。そしてニザマ帝により、逆賊として追われるミツクビ率いる宦官連中。


その宦官派に属する高級官僚の姫君と近衛兵は追っ手から逃れるために山を越えての逃避行を図る事となる。


剛力

姫君と近衛兵が山越えをするにあたり、山中のガイドとして雇われたのが、剛力衆である。


本来の剛力としての仕事とは異なるものの、彼らも三国和睦の影響により仕事がなく、道案内という危険な依頼を引き受けることになる。


烏と馬鹿

タイトルにもなっている烏。剛力の一人が烏を伝書鳩のように操り仲間との連絡を手伝ってもらう。


烏を操る剛力″エゴン″は特徴的な人物で過去の怪我により、顔半分が醜くつぶれており、怪我のせいでうまく喋ることができないうえに言語障害にもなってしまった。


人と話すことができない代わりに烏と話せるのだ。と仲間に揶揄されているが...。


鼠と言っても齧歯類(げっしるい)のほうではなく、港町の地下で生きる孤児の少年たちの名称。


地下でひっそりと生きる彼らの力を借りて、近衛兵と剛力たちは迫り来る追っ手から逃げ回る。


理不尽な仕打ちを受けてきた少年たちの言葉
「裏切らなければ裏切らない」
という言葉はあまりに重い。


掟・結束

近衛兵・剛力・鼠、本来は住む世界が異なる三方の結束が深まっていく様子が今作のポイントの一つだと思う。


最初は己の目的のため、利用し利用されの関係だったが、お互いの美徳に気付き感化・共闘する様は心揺さぶられるものがある。




最後に

誰が誰を追い、誰が誰を騙し、誰が誰を裏切っているのか。


そして今回も窮地を救うのは彼女の″言葉″


前作のように歴史的な大局を動かす政治的場面とは一転し、そこで煽りを受けた者たちによる、泥臭いような物語。


しかし、繊細な表現と″言葉″の深さが味わえるのは同様なので、シリーズ第一作が好きな方なら間違いなく楽しめる一冊だと思います。




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猫好き必見『世界で一番美しい猫の図鑑』が想像以上に素晴らしかった

優雅な容姿
ミステリアスさ
自由気ままであり
つんとすましながらも
また愛くるしい



そんな猫をこよなく愛する方へピッタリの一冊を見つけてしまったので是非紹介させてほしい。


それがコチラ



50を越える猫種、それぞれの歴史をフルカラーの美しい写真と共に紹介されており、全ての写真が息をのむほどに美しい。


そして大きいのがまたよい。
文庫本と比較してこの違い。
f:id:furikake-gohan:20180121213233j:plain

このサイズいっぱいに可愛らしい猫の写真があり、たまりません。


正直な話、可愛い猫の姿が見たいだけならTwitterやInstagramを漁れば、今のご時世いくらでも好みの画像が見つかることでしょう。


では、この『世界で一番美しい猫の図鑑』の何がいいか?


それは文字通りになってしまうのですがこの本が『写真集』ではなく『図鑑』だ。という点です。


少しだけ中身をご紹介


f:id:furikake-gohan:20180122071943j:plain
(参照:世界で一番美しい猫の図鑑 P174-175/タムシン・ピッケラル エクスナレッジ)


ラグドール
私が一番好きな猫種です。


大きな身体に、長くもふもふな毛
堂々とした佇まいで優雅な容姿
それでいて性格は、おっとりとしていて人間好きとか
もうたまらなく好きです。


さて、見ていただければ分かるのですが情報量が半端ない!

Appearance:外見
Size:大きさ
Coat:被毛
Personality:性格
から始まり

その猫の名前の由来から、生まれた歴史まで詳細に語られています。


あなたの好きな猫も、また新たに一目惚れするような出会いがあること間違いなしです。

『図書館の魔女』マツリカの両親についての疑問・考察【高田大介】


『図書館の魔女』の主人公であるキリヒトとマツリカ

キリヒトに関しては以前記事を書いたがマツリカについてはまだ書いていなかったので、私が感じたマツリカに対しての疑問の提示とそれに対する考察を行っていきたいと思う。


『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】


第二部である『図書館の魔女 烏の伝言』も発売されているが、まだまだマツリカに関する謎が多い。

マツリカの家族について

マツリカの祖父であるとされる図書館の番人の先代″タイキ″こそ登場するものの、その他にマツリカの家族については一切触れられていない。


作中ではキリヒトの家族(父親)についてハルカゼが秘密裏に調査を進めているようだが、個人的にはここまでまったく明かされていないマツリカの家族のほうが気になる問題である。


そもそもの疑問と言えば、「図書館の番人を引き継いだのが何故マツリカだっかのか?」という点である。


順当に行けば、タイキ➡️マツリカの両親➡️マツリカ、と引き継がれていきそうなものだ。そうなっていないのは何故なのか?


可能性として、大雑把に考えれば

  1. マツリカの両親は図書館の番人としての器がなかった。
  2. マツリカの両親は亡くなっている。
  3. マツリカ自身が養女である。

となるだろうか。



1.マツリカの両親は図書館の番人としての器がなかった

一つ目の可能性としては、マツリカの両親はマツリカほどの能力を持ち合わせてはいなかったために、図書館の番人にはなれなかった、という説。

マツリカの推理力や言葉に対する理解は常識を逸している。例え血縁であったとしてもすべての人がその能力があるわけではないだろう。

まぁタイキを父に持ち、マツリカを子にした両親がただ者であるはずがないだろうから、図書館とは関係ない所で重要な職務についている可能性は高いように思われる。


2.マツリカの両親は亡くなっている
二つ目の可能性としては、マツリカの両親はすでに亡くなってしまっているために、マツリカが図書館の番人になったという説。


3.マツリカ自身が養子縁組である。

上記の1.2とはまったく違う目線からの説で、マツリカ自身が養女であるため両親は図書館の番人を引き継ぐ事とは関係ないと考えた説。

マツリカは特殊な生まれで、厳密に言って貴族ではないし、議会筋にも王宮にも血縁は全くない。一ノ谷に古い血筋と言われながらも、養子縁組が多かった血統でもあり、王城の奥にそそり立つ高い塔の威容と同様に、一家としてまったく独立していた。それで姓名の詳細を知るものはほとんどいなかった。近しい者はただマツリカという名を知るばかりで、世間では「図書館の魔女」と言えば誰のことかははっきりしている。

(引用:図書館の魔女2 P344/高田大介)

『マツリカは特殊な″生まれ″で』の″生まれ″がマツリカ自身を指すのか、家系全体を指すのかはっきりしていないのでこの文章からだけではなんとも言えない。

この子は私と一緒だ。私が望んで図書館の番人の家に生まれてきたのではないように、望んで特殊な教育を受けてきたのではないように、この子だってキリヒトの出る家系とやらに望んで生まれついたわけではないだろう。

(引用:図書館の魔女2 P437/高田大介)

2巻のラストシーン、マツリカが自身の境遇とキリヒトの境遇を重ね合わせる印象的な場面。この時にマツリカは『私が望んで図書館の番人の家に″生まれてきた″のではないように』と言っている。この場面からだと、マツリカが養女というのは考えずらい。



以上の3点が、マツリカの両親が図書館の番人になっていない理由だと思われる。


いずれにしろ、今考えた推測に合っていたものがあったとしても、それがマツリカの両親について、あえて語られない理由にはならない。


最後に

今回はマツリカの両親について自分なりの推論を立てて見ました。粗の多い仮説ではあると思います。こんな考えがあるのでは?という『図書館の魔女』ファンの皆様の意見があれば是非とも聞かせていただきたいと思っております。


シリーズ3作目の『図書館の魔女 霆ける塔』では両親について触れられるのでしょうか?


そのあたりも楽しみにしつつ、霆ける塔の刊行を待ちたいと思います。


当初は2016年刊行予定でしたが、気づけば2018年ですからね...


高田大介先生!そろそろお願いします!


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『図書館の魔女 1巻』の感想を好き勝手に語る【高田大介】

ここには言葉が渦巻いている。針を落としてもそれと気づくほどの沈黙をたたえたこの図書館に、空恐ろしいほどの量の言葉が漲って、渦巻いているのをキリヒトは感じた。(中略)図書館の沈黙は、言葉に充ち満ちた沈黙だったのだ。

(引用:図書館の魔女1 P95-96/高田大介)


今回は、″言葉″をテーマにしたファンタジー小説『図書館の魔女』の感想を語っていく。


内容にはガッツリ触れていくので未読の方はコチラをどうぞ。




さて、初めてこの作品『図書館の魔女』を読んだときの衝撃は忘れられない。1巻序盤こそ、読み進めにくいなぁと思ったものの、キリヒトとマツリカが出会いに関心をひかれ、そして「言葉とは?図書館とは?」というマツリカの答えを読んでから一気に物語に引き込まれた。



文庫本では第1巻~第4巻で構成され、合計ページは1800ページを越える長編作品だが、何かにとりつかれたかのように読みふけってしまった。


間違いなく私の読書人生で一番の作品である。

感想

″言葉″とは、こんなにも深いものだったのかと考えずにはいられなかった。今日まで普通に話し、書き、読んでいたものの印象が変わるくらいの衝撃だった。


それがファンタジーの作品で思い知らされた事がまた衝撃だった。


そもそもファンタジーとはなんなのだろう?

空想小説。現実とは別の世界・時代などの舞台設定や,超自然的存在や生命体などといった登場人物の不可思議さに,物語の魅力を求めたもの。

(引用:https://kotobank.jp/word/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BC-178426)

確かに『図書館の魔女』は現実とは別の世界の物語である。図書館の階段やマツリカたちを襲撃した怪物は確かに現実の物とはかけ離れた存在だ。


だがしかし、『図書館の魔女』の世界は、この場所が、この物が実際に存在しているかのように感じることができる。そして、そこに生きる人々も自然体に描かれている。


非現実的世界であるにも関わらず、現実世界であるような錯覚すら覚える。そこまで完成された世界観もこの作品の魅力であると思う。


第1巻

第1巻で特に印象的に残っているのは
・図書館と言葉
・指話
・井戸の冒険
だろうか?細かくあげていったらきりがないが、好きな箇所を好きなように語っていく。

図書館と言葉

私の知っている現実の図書館とは、まったくスケールの違う世界にワクワクが止まらなかった。

図書館にある書物は、すべてが互いに関連しあって一つの稠密な世界を形づくっている。(中略)図書館は人の知りうる世界の縮図なんだ。図書館に携わるものの驕りを込めて言わせてもらえば、図書館こそ世界なんだよ。

(引用:図書館の魔女1巻 94P/高田大介)

この世界における高い塔の位置付けがよくわかる一節。
この他にも図書館の、その内装、雰囲気を説明する場面では緊張感が漂っている。



また、少し長くなってしまうのだが、1巻中盤の、図書館から出て行くシーンがたまらなく好きなんですよね。

王城の尖塔ごしに月影が輝き、マツリカの影を少年の足元に映し出す。縁が褐色に枯れつつある素馨の花びらは、闇の中から月光のもとへ進み出ていく図書館の魔女の影に一瞬たわむれるようにして、キリヒトの背後へ散りうせていく。そのときの素馨のすずやかな香りがキリヒトの鼻腔をくすぐっていった。
キリンが振り向く。ハルカゼも振り向く。マツリカは塔の前庭へ進みながら、体を翻し後ろ向きに歩き続ける。キリヒトの後ろで二つの扉が大きな音を立てて、閉まる、閉まる、高い塔は閉ざされ、彼らはすでにその外へ立っていた。
そしてその時、こちらを向いた図書館の魔女は月影の逆光の中で二人の司書と並んで、表情を窺うことも出来ない影となって少年に言葉を投げかけた。
ーー高い塔へようこそ、キリヒト。

(引用:図書館の魔女 P142-143/高田大介)


ここの前後の文も好きなのだが長くなりすぎてしまうので省略。
ここに限ったことではないが、『図書館の魔女』は描写が細かくて繊細だな、というのが私のイメージ。


まさに映像で見ているかのように文章からそれが想像できる。上記に引用した場面なんて特に映像で見てみたい場面ですね。


この時、きっとマツリカは口の端をきりと持ち上げた独特の表情を作っているんだろうなぁ。


指話

キリヒトとマツリカだけが使える...いや、使えるようになった特別な手話、指話。


端から見たら手を繋いでいるだけなのに、その手の中では二人だけの言葉が行き交っている。



″二人だけの言葉″って、なんかもうずるくないですか?(語彙力)


指話が、この物語を進めてく上で欠かせない役割を果たしていますよね。
1巻で言えば、マツリカとキリヒトが早い段階で親密になれたのも、井戸を見つけたのも指話のおかげですからね。


井戸が見つかってなかったら今後の展開に支障がでてしまいますし、指話がこの物語における核となっていると言ってもいいのではないでしょうか?


井戸の冒険

1巻の終盤でようやくファンタジーらしい少年、少女の冒険シーンになる。


派手なシーンはないがそれでも面白いのは推理小説のように、小さなヒントを拾い集めて真相に迫るような雰囲気のある冒険だからだろうか?



また、今まで理知的、論理的なマツリカの暗闇が怖いという普通の女の子らしいギャップもたまらない。


井戸の冒険は2巻のほうがメインになっているので、詳しくはまたそちらで書いていこうと思う。

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原点にして頂点!?森博嗣の傑作小説『すべてがFになる』あらすじ・紹介


「先生......、現実ってなんでしょう?」萌絵は小さな顔を少し傾げて言った。
「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考にあらわれる幻想だ」犀川はすぐ答えた。「普段はそんなものは存在しない」

(引用:すべてがFになる P357/森博嗣)



今回は森博嗣のデビュー作であり大人気の理系ミステリー『すべてがFになる』のあらすじ・紹介をしていく。


感想はコチラ。
『すべてがFになる』感想


目次

1. あらすじ

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウェディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大教授・犀川創平と学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。ミステリィの世界を変えた記念碑的作品

(引用:すべてがFになる 裏表紙/森博嗣)


目の前に現れたのは純白の死体

N大教授・犀川創平と学生・西之園萌絵は研究室のゼミ旅行で、ある孤島に訪れていた。その孤島に唯一の建物は最先端の研究所。


犀川と萌絵は、天才工学博士の真賀田四季に会うために研究所を訪れる。萌絵は以前に研究所を訪れた事があり、彼女と会うとは二度目だった。


しかし、そこで犀川と萌絵の前に現れたのは、純白のウエディングドレスを身にまとい、両手両足を切断された彼女の死体だったのだ。


すべてがFになる

真賀田四季の部屋にあるコンピューターのカレンダーには、たった一行のメッセージが残されていた。そのメッセージが『すべてがFになる』

「すべてがFになる?」犀川が口にしたので、山根が画面を覗き込んできた。
「Fってなんのことだ?」と後ろに立っていた弓永医師が言った。
「フィニッシュ......?」萌絵が言った。

(引用:すべてがFになる P176/森博嗣)



真意が掴めない犀川たち。彼女が残したメッセージの真意とはなんなのか。すべてとは?なにが『F』になる?


一度聞いたら忘れられない印象的なタイトル『すべてがFになる』。


読む前では意味不明なタイトルだが、読み終わった後では、これ以上のタイトルはない!と思えるはず。
 

2.魅力

キャラクター

主人公であり大学教授の犀川創平。現実的であり、かつ哲学チックでもある彼のセリフは印象的なものが多かった。冒頭に引用した「現実」についての会話も、犀川のセリフである。


その犀川の思考を引き出す、もう一人の主人公・西之園萌絵大学生である彼女は優れた洞察力と観察力、記憶力を持ち、驚異的な計算能力を有している。冷静沈着な犀川とは対照的に好奇心旺盛で突飛な思考の持ち主。


お互いの足りないところを埋め合わすような、いいコンビ。


そしてこの物語を語る上ではずせないのは天才・真賀田四季博士。14歳の時に両親を殺害した異例の経歴を持つ。事件以後15年間、研究所のある孤島に閉じこもって表に姿を現していない。


その実、天才プログラマーであり情報工学、特に仮想現実、人工知能の領域で卓逸した才能を発揮している。


物語冒頭での萌絵との会話からだけでも、その他を超越したような頭脳の一部を見ることができる。

 

不可能犯罪

外界から隔離された孤島
出入り口が一つしかない研究所
監視カメラがあり出入りが制限された部屋


いわば、三重密室で起きた殺人事件。外部からの人の出入りはなく、監視カメラの映像もそれを裏付ける。


はたして犯人の正体は?その目的は?そして驚愕の真実とは?読めば読むほど深まる謎に夢中になれるはずだ。


3.理系ミステリー

作者の森博嗣は某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビューをはたした。


その知識を生かして書かれた『すべてがFになる』は工学系、コンピュータ系に尖った作品になっている。


刊行されたのは1996年なのだが、事件の舞台になる研究所の設備が、IOTやAI、更にはVRなど、現在の技術となんら変わらないのである。とても20年前に書かれた作品とは思えない。


メフィスト賞とは?

メフィスト賞ってなんぞや?って方へ。
講談社BOOK倶楽部のHPにはこんな説明が載っていました。

メフィスト賞とは?

  1. 編集者が直接選びます。下読みはありません。
  2. 読んで面白いこと。内容制限はそれだけです。
  3. 賞金はありません。読者の感動が賞金です。
  4. 面白かったら、絶対本になります。
  5. 日本で一番尖った賞です。

(引用:メフィスト賞応募要項・座談会|メフィスト賞応募要項|tree)


「内容制限は読んで面白いこと」とは、わかりやすい事この上ないですね。
2018年現在で58作品がこの賞に輝いている。



4.S&Mシリーズ

森博嗣さんの代表的作品であるS&Mシリーズ。


以下、全10作品

1.『すべてがFになる』 The Perfect Insider
2.『冷たい密室と博士たち』 Doctors in Isolated Room
3.『笑わない数学者』  Mathematical Goodbye
4.『詩的私的ジャック』 Jack the Poetical Private
5.『封印再度』 Who Inside
6.『幻惑の死と使途』 Illusion Acts Like Magic
7.『夏のレプリカ』 Replaceable Summer
8.『今はもうない』 Switch Back
9.『数奇にして模型』 Numerical Models
10.『有限と微小のパン』 The Perfect Outsider

5.最後に

小説やドラマ、映画など物語全般に言えることだが、初めて読んだときの感動・衝撃は何事にも変え難い。


紹介を書くにあたって、一年越しくらいに『すべてがFになる』を読み返した。もちろん面白いことは面白いのだが、展開、トリック、犯人、ほとんど覚えてしまっているので、やはり物足りない感はあった。


再読する楽しみは、初見と違った目線で物語を堪能できることだ。隠された伏線に気付くことができたり、犯人がわかっているので犯人の行動に注視して読んだりと。


だけどやっぱり、初めて読む快感を超えることはないと思う。


出来ることなら記憶をなくして『すべてがFになる』を読み返したい!!思えるってくらい初見の衝撃は凄まじい。


逆に読んで無い方には、「この物語を楽しめるチャンスが残っている」と思うと羨ましい限りだ。ちょっと大袈裟かもしれませんが、それくらい推せるオススメの一冊だ。








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【森博嗣】『すべてがFになる』の感想と彼女の真実を徹底解説【ネタバレあり】



『すべてがFになる』は森博嗣のデビュー作にして最高傑作と名高い作品だ


だれが犯人なのか?どんなトリックを使っているのか?ミステリーでは欠かせない要素に対する解答も素晴らしいし、謎めいたタイトルに秘められた意味が分かったときの衝撃といったら他にない。


さて、感想はネタバレありなのでご注意を。未読の方はコチラをどうぞ。
『すべてがFになる』あらすじ・紹介


目次

1.感想

──すべては天才の手の中に

犀川や萌絵ももちろん魅力的なキャラクターではあるが、『すべてがFになる』においては天才・真賀田四季博士の存在感が圧倒的である。


14歳で両親を殺害した異例の過去。現在の研究所での見せる存在感。そして15年間もの間、一歩も外に出ていないという考えられない真実。


序盤の萌絵との会話だけでも、その天才の思考が垣間見える。その会話だけでも物語に引き込まれる魅力に満ちている。

「ほら、7だけが孤独でしょう?」真加田女史が言った。「私の人格の中で、両親を殺す動機を持っているのは、私、真加田四季だけなの。ですから、私の肉体が両親を殺したのなら、私が覚えていないはずはない。私だけが、7なのよ......。それにBとDもそうね」

(引用:すべてがFになる P16/森博嗣)


ミ、ミステリアスー!!この会話だけではなく、前後にある萌絵にいきなり計算させるくだりとかも印象的。


インパクトを与えるだけ与えておいて、そんな天才がいきなり異様な死体で登場するのだから、もう衝撃しかない。ここまで読んでしまったらもう真相が気になりすぎて後には引き返せなくなってしまう。(本当は死んでないけど)



四季に関して言えば、ラストの犀川と四季の会話も印象深い。

「死刑って、いつ執行されるか教えてくれるのかしら?私、自分が死ぬ日をカレンダーに書きたいわ...。こんな贅沢なスケジュールって、他にあるかしら?」
「どうして、ご自分で...、その...、自殺されないのですが?」
「たぶん、他の方に殺されたいのね...」四季はうっとりした表情で遠くを見た。「自分の人生を他人に干渉してもらいたい、それが、愛されたい、という言葉の意味ではありませんか?犀川先生...。自分の意思で生まれてくる生命はありません。他人の干渉によって死ぬということは、自分の意思ではなく生まれたものの、本能的な欲求ではないでしょうか?」

(引用:すべてがFになる P/森博嗣)



まぁ彼女のセリフ一つひとつが深すぎて書ききれない。小説に限らず、物語の中には様々な天才が出てくる。天才物理学者だとか、天才数学者だとか、天才スポーツ選手だとか...。


私が今まで読んだ小説での一番の天才はぶっちぎりで真加田四季なんだよな。『すべてがFになる』で仕掛けられたトリックなどの発想もそうだが、彼女のもつ空気感や思考の展開、会話の随所に感じられる異質さが、私をひきつけてやまない。


彼女のキャラクターを創り上げた森博嗣に尊敬の念しかない。


『すべてがFになる』をまとめるとしたら、”天才の手の上の物語”だと思えるほどだ。


──すべてが”F”になる

なんといっても、タイトルである『すべてがFになる』この意味が明かされるときが、一番の鳥肌物だった。


物語序盤に真賀田博士と萌絵の会話にあった、真賀田博士の「7は孤独な数字。それにBとDもそうね」というセリフは、読んでいてずっと心の中で引っ掛かっていたのだが、まさかそれがタイトルの伏線を回収するヒントになっているとは思いもしなかった。


『すべてがFになる』
印象的すぎるタイトルにして意味不明なタイトルであるが、読んでから考えるとこれ以上のタイトルはないだろうと思われる。

──犀川

現実的であり哲学チックでもある彼のセリフも心に残るものが多かった。

「自然を見て美しいなと思うこと自体が、不自然なんだよね。汚れた生活をしている証拠だ。(中略)つまらない仕事や汚れた生活をしているから、自然、自然って、ご褒美みたいなものが欲しくなるんだ」

(引用:すべてがFになる P78-79/森博嗣)

他にも詳細は省くが、
「生きている」という定義。
大人になるということ。
現実とはなにか?

など、ハッとさせられるものや、感心してしまうものがあり、彼の思考や価値観もこの作品を魅力である。


──『ドグラ・マグラ』

犀川と萌絵の会話の中で『ドグラ・マグラ』という小説の話がでてくる。


萌絵が「最高のミステリィ」と話すこの作品。調べてみると実在する小説なのですね、知らなかった...。


好きになってしまった作品の登場人物が「最高のミステリィ」と話すこの作品。そんなの読まないわけにはいかない。

ということで!!


表紙をみる限りクセがすごい
古本屋で見つけて内容すら見ずにひとまず買ったしまったが...私に読めるだろうか...


裏表紙には「これを読む者には一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書」とある。なるほど、心して読む必要がありそう...。


2.『すべてがFになる』はまだ終わっていない!? 追記(2019.4.15)

『すべてがFになる』はこの一冊で終わったわけではない。それは『すべてがFになる』がS&Mシリーズの第一作目だからまだ犀川と萌絵の物語は続いている!!と言っているわけではない。文字通りまだ『すべてがFになる』は完結していないのである。


『すべてがFになる』のすべては、真賀田四季を主人公として展開される『四季シリーズ』で明かされる。例えば『四季 春』には、真賀田四季の子供時代、『四季 夏』は『すべてがFになる』では明かされていなかった真賀田四季と新藤の関係について…など、それぞれの巻でこれまでの"真相"と天才"真加田四季"に焦点を合わせて物語が進んでいく。


そして、『四季シリーズ』もう一つ見所は『S&Mシリーズ』と『Vシリーズ』、2つのシリーズの登場人物の人間関係が明らかにされることだ。


なので『四季シリーズ』を最大限に楽しむためには、『S&Mシリーズ』(全10冊)と『Vシリーズ』(全10冊)、合計20冊を読んだうえで『四季』に臨むのが一番なわけだ。


しかし、「真相は気になるが、そんなにいっぱい読む暇ないよ!!」という読者も多いはずだ。


そこで、
・何故、四季は新藤と子供をつくったのか?
・パソコンに残された四季の人格、其志雄とは?
・何故、四季は死ぬつもりだったのに、外へ逃げたのか?

など『すべてがFになる』では明かされず、『四季シリーズ』で明らかになった真実を以下で記していく。


3.『すべてがFになる』の真実


以下では、四季シリーズのネタバレありで『すべてがFになる』では明かされていなかった真相を書いていく。なお、『S&Mシリーズ』と『Vシリーズ』の人間関係には触れずに『すべてがFになる』の真実だけにスポットを当てている。『四季シリーズ』未読の方はご注意を。

──四季と新藤の関係は?

四季と新藤の間には子供・道流がいた。天才にも恋愛感情はあり、四季は新藤のことを愛していた。四季が身籠ったのは14歳の頃。四季は14歳ですでに圧倒的な存在で、新藤は四季に逆らうことができなかった。


『すべてがFになる』で新藤は、ヘリコプターの中で四季にナイフで刺されたにも関わらず、それを周りの人間には告げずに四季をかばっていた。それは新藤にとって四季がすべてだったからだろう。彼女のために生き、そして彼女のために死ぬ。そしていつの日か殺される日が来ると、新藤はわかっていたからだ。彼は、予告されていた死を受けいれただけだった。

「すべて私がやって、叔父様は、私を止めようとしたのです。わかりましたか?私は未成年です。すべての資産は叔父様のものになります。もう後戻りはできないわ」
「四季、僕を殺してくれ」
「私の産む子が大きくなれば、私や、叔父様をきっと殺すでしょう」四季はそう言ってナイフを床に置いた。「それまでの間、正しく、そして人の誇りを信じて生きましょう」

(引用:四季 夏 P277/森博嗣)


──四季が両親を殺した理由

『すべてがFになる』では人形が両親を殺した…と理解に苦しむ発言があったが、この事件の真実も『四季 夏』で語られている。


四季が両親を殺害した理由は、新藤との間に子供ができたことを受け入れてもらえなかったからだ


四季は、新藤との間に子供ができた事実を両親に告白。当然、四季の両親は激怒する。それを予期していた四季は用意していたナイフで両親を刺殺する。


『すべてがFになる』のなかでは、新藤がナイフを持っている四季の体を操って四季の両親を刺し殺した、と話があったが、これは四季の嘘の供述である。実際は四季が両親を殺害している(新藤も殺害の意志はあったが)。


「どうして、両親を殺したのに、新藤氏は殺さなかったのか」
という問いに対して四季は
「お父様とお母様の遺伝子は私が引き継いだから」…と。

……天才ってわからない。


──四季が部屋から出た理由

四季は道流に殺されるつもりだったのに、何故研究所から逃げ出したのか?


それはもう一つの疑問である遺体の手足が切断されていた本当の理由と共に説明できる。


まず『四季 秋』で道流の本当の死因は、感電死による自殺だと四季は語っている。では何故、遺体の手足を切断したのか?その理由は道流の細胞を持ち出すためだった。これが四季が研究所から逃げ出した理由でもある。


コンピュータ工学では圧倒的高みに登りつめた四季。設備ともども研究所で間に合っていたが、バイオテクノロジーの面では孤島の研究所では設備が間に合っていなかった。


そのため切断した腕の細胞から道流のクローンを作成するために、クローンの知識と設備をそなえる人物のもとに四季は逃げ出した、というわけだ。


──パソコンに残されていた四季の他の人格

四季のパソコンには、真賀田 四季の他に「栗本 其志雄」と「佐々木 栖麻」なる者からのメッセージが残されていた。(すべてがFになる/P177)


ここでは、真賀田四季の作り出した人格…と簡単にしか説明されていないが、この二人の人格は四季『春〜秋』の間に、モデルとなった人物と共に登場する。

4.最後に

『すべてがFになる』一言でいえば、大満足の一作。
間違いなく、今年読んだ中でベスト5に入る面白さだった。


これから森博嗣の作品を読み漁れると思うとワクワクが止まりらない。





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