FGかふぇ

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『四月になれば彼女は』の感想を好き勝手に語る。常識が崩れ落ちる異形の恋愛小説【川村元気】

愛を終わらせない方法はひとつしかない。それは手に入れないことだ。決して自分のものにならないものしか、永遠に愛することはできない。

(引用:四月になれば彼女は P198/川村元気)


とんでもない物語を手にとってしまった。なんの気なしに読み始めた恋愛小説に、こんなに息が詰まるほど心揺さぶられるとは思いもしなかった。


今回は川村元気『四月になれば彼女は』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はコチラの紹介をどうぞ。

『四月になれば彼女は』のあらすじ・紹介


目次

あらすじ

4月、精神科医の藤代のもとに、初めての恋人・ハルから手紙が届いた。だか藤代は1年後に結婚を決めていた。愛しているのかわからない恋人・弥生と。失った恋に翻弄される12ヶ月がはじまる──なぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去ってしまうのか。川村元気が挑む、恋愛なき時代における異形の恋愛小説。

(引用:四月になれば彼女は 裏表紙/川村元気)


感想

物語の始まりを告げる一通の手紙で、私はもう『四月になれば彼女は』から後戻りができなくなってしまった。


かつての恋人に宛てた9年ぶりの手紙。それは日本から遥か彼方、ボリビアのウユニから送られてきた。

どうして彼女は1人で旅に出たのだろう?
どうして彼女はかつての恋人に手紙を送ったのだろう?
この二人はどうして別れてしまったのだろう?

たった4ページに書かれた手紙は、私を物語に引き込むだけの魔力を持っていた。




──読みながら思ったこと

物語序盤で衝撃だったのが、学生時代の藤代とハルが互いに惹かれ合い結ばれたにも関わらず、次の場面では月日が流れ数年後、藤代とハルはすでに別れていて、藤代は弥生との結婚を控えている事がわかる。


あんなに仲睦まじかった藤代とハルに何があったのだろう?
何故、ハルは手紙を書いたのだろう?
そして、幸せを迎えるはずの結婚式の打ち合わせもどこか影が伺える藤代と弥生。ただでさえ先の読めない展開に焦燥感が加速され、後戻りできなくなった。


あともう一つ、物語序盤で惹かれた箇所があって、それが藤代がハルの事を好きだと自覚するシーン。


ハルがいつの間にかに撮った藤代の横顔。自分でも見たことがない笑顔を見て、藤代はハルが好きだと気づく……え?なにその展開、最高か?


その後の展開で告白シーンがすっごい唐突なんだけど、それもそれで勢いがあって、本当に惹かれ合った二人なんだなぁと思わされる。


だからこそ読者目線で見ると、二人はすでに別れることが分かっている訳で、幸せな場面を見ているはずなのに、ひどく残酷な気持ちになってしまった。


物語に読み進めるうちに自分が一番気になっていたのが、『藤代とハルはどんな再開を果たすのか』という点。


愛し合いながらも別れてしまった二人が、9年の月日を経て、何を想い再び対面することになるのか。それが気になっていたので、ハルがすでに死んでしまったという事実を突き付けられたときには、ハンマーで思いっきりぶっ叩かれたような衝撃だった。

惹かれた表現・台詞など

とにかく心を揺さぶられる台詞が多いこと多いこと…。いくつかピックアップしていく。

「 写真に惹かれるということは、それを撮っているカメラマンの心に惹かれるということだ」

(引用:四月になれば彼女は P51/川村元気)
ハルと大島の会話より。

わたしは時計ではなく”時間”を撮りたかったのだと。

(引用:四月になれば彼女は P82/川村元気)
ハルの手紙より。

「 でも皮肉じゃない?自分のためだけに何十人、何百人も集まってくれるのって、結婚式とお葬式だけで。だけどその人生の一大イベントが、流れ作業で回っているわけだから」

(引用:四月になれば彼女は P103/川村元気)
藤代と弥生の会話より。
気づきたくなかった事実。

「昔は恋愛なんていつでもできると思ってたんだけどな。いまとなれば、それが物語のなかにしかなかったということに気づいたわけで」

(引用:四月になれば彼女は P125/川村元気)
藤代とタスクの会話より。

この国の天気雨は、いつでも虹を連れてくるのです。

(引用:四月になれば彼女は P160/川村元気)

ハルの手紙より。
ハルの言葉の選び方、感性がとっても好き。


「動物から見て、僕たち人間はどう見えますか?」
藤代は、檻から長い首だけを出してこちらを見ているキリンを見やる。
「僕ら以上に君達は退屈そうだ」
弥生は目の前で草を食むキリンの口の動きに合わせて、ふざけた口調で言う。
「そうですかね?」
「ああそうさ。檻の外にいるのに、まるで自由に見えない」

(引用:四月になれば彼女は P190/川村元気)

藤代と弥生の動物園デートより。

「神経衰弱みたいなものだと思うんです。一緒に時間を過ごしながら、伏せられているカードを一枚一枚めくって、自分と同じ部分を見つけていく。美しいところも、弱いところも。そうやって、少しずつ誰かを好きになっていくのかなと」
「でも女からすると、男のカードの少なさにいつもがっかりするの。男の見えない部分なんてわずかだし、とにかく手札が少ない。カードが全部めくれてしまったときに、次にするべきゲームは残されているのか、不安になる」

(引用:四月になれば彼女は P195/川村元気)

藤代と弥生の会話より。

愛を終わらせない方法はひとつしかない。それは手に入れないことだ。決して自分のものにならないものしか、永遠に愛することはできない。

(引用:四月になれば彼女は P198/川村元気)


東京を発つ頃に降り出した雨は、次第に春の雪へと変わっていった。

(引用:四月になれば彼女は P226/川村元気)

「 でも僕、思うんです。人は誰のことも愛せないと気付いたときに、孤独になるんだと思う。それって自分を愛していないってことだから」

(引用:四月になれば彼女は P250/川村元気)
藤代とタスクの会話より。

わたしは、わたしに会いたかった。
あなたのことが好きだった頃のわたしに。

(引用:四月になれば彼女は P263/川村元気)
ハルの手紙より。
どうして好きなのか説明はできないけど、この一文が一番好きかもしれない。

読み終えて

川村元気の作品は今回の『四月になれば彼女は』で初めて体験した。なんともとんでもない作家に出会ってしまったと思う。


彼の描く世界観を知ってしまった今、著者の他の作品に手を出したいと思う期待と、今まで知らなかった…知らないほうがよかったと思える後悔とが、自分の中でせめぎ合っている。


裏表紙のあらすじには、異形の恋愛小説なんて紹介があったがまさにその通り。今まで自分が抱いていた恋愛や結婚に夢を見る気持ち、当たり前だと信じていた常識が、手ですくった砂のようにサラサラとこぼれ落ちていく、そんな感覚を味わった。



「恋愛は美しく、正しいもの」そんな幻想を否定していく登場人物たち。そんな彼らが巡り巡って辿りついた答えだからこそ心に響くものがあったのだと思う。




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『神の守り人』の感想を好き勝手に語る【上橋菜穂子】

「悪人を裁いてくれるような神がいるなら、この世に、これほど不幸があるはずがない。……そう思わないかい?」

(引用:神の守り人〈下〉P136-137/上橋菜穂子)


守り人シリーズの『神の守り人』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。


目次

感想

──伝説・伝承を追って

上橋菜穂子の特徴といったら、ファンタジーの世界というのを忘れてしまうほどの隙がない綿密な世界観、そしてその世界に生きる多様な民族、更にはその民族たちが生きてきた歴史や伝説・伝承がリアルに描かれていることだ。


守り人シリーズに共通している事だが、特に今回の『神の守り人』では伝説・伝承をめぐる物語といっていいのではないだろうか。


一つの真実の歴史をいくつもの部族からの視点で語られているが、自分たちの都合のいいように解釈、歪曲されて伝承されている様は現実の歴史とも共通する点だ。


スファルたちカシャル〈猟犬〉は、タルハマヤが降臨した結果を悪夢の歴史と語り、チキサの母は、タルハマヤが降臨したことで戦のない世界を作り上げたと語る。誰の話が正しく語り継がれてきた歴史なのか、真実なのか。


──ラストシーン

「この子は、どちらかというと、臆病で、こわがりだったよね。
それなのに、畏ろしい神の力を使えるようになって、憎しみを思う存分たたきつける快感を知っても、人を殺すまいと思った。それよりは、神をわが身に封じようとした。……そんなこと、わたしには、とてもできないよ」

(引用:神の守り人〈下〉P315/上橋菜穂子)

上の引用は、物語の終盤でバルサがチキサたちに語っているシーン。


『そんなこと、わたしには、とてもできないよ』
この言葉は、チキサたちを励ますための言葉でもあっただろうが、バルサの本心でもあったと思う。


回想シーンであったようにバルサは幼い頃、怒りに任せて人を痛めつけてしまった経験があった。そのときの憎しみによる快楽の経験を知っていたからこそ、それ以上に追い込まれたアスラが、憎しみに流されずに己にタルハマヤを封じ込めることができたことを素直に驚いていたのだろう。


眠り続けるアスラを抱いて、彼女とチキサに語りかけるこのラストは印象深い。バットエンドではないが、心のどこかでは「結局、すべてが丸く収まるのだろう」とたかをくくっていたせいで、アスラが目覚めないまま終幕するなんて虚をつかれた思いだった。

彼女が目覚める日はくるのかな……。

──名言

「たしかにね。──でも、他人をあっさり見捨てるやつは、自分も他人からあっさり見捨てられるからね」

(引用:神の守り人〈下〉P106/上橋菜穂子)

「悪人を裁いてくれるような神がいるなら、この世に、これほど不幸があるはずがない。……そう思わないかい?」

(引用:神の守り人〈下〉P136-137/上橋菜穂子)

「わたしには、タルの信仰はわからない。タルハマヤが、どんな神なのかも、しらない。
だけどね、命あるのもを、好き勝手に殺せる神になることが、幸せだとは、わたしには思えないよ。……そんな神が、この世を幸せにするとも、思えない」

(引用:神の守り人〈下〉P139/上橋菜穂子)



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『精霊の守り人』の感想を好き勝手に語る【上橋菜穂子】


言わずと知れた和製ファンタジー作品の代表作、上橋菜穂子の『精霊の守り人』の感想を語っていく。ネタバレには触れていくので未読の方はご注意を。


感想

著者の他作品である『鹿の王』『獣の奏者』はすでに読み終えており、上橋菜穂子氏の作品ならば間違いない!とハードルを上げて『精霊の守り人』に挑んだ。


いざ、読み始めてみるとそんな上げ過ぎたであろうハードルもやすやすと飛び越えて、『精霊の守り人』の世界の虜になった。あと何がいいってまだまだ続きの物語『闇の守り人』などの続編があるって点だよね。


『精霊の守り人』では後々活躍する登場人物たちが沢山いるが、特筆すべきなのは、やはりチャグムとバルサの二人。


身分、育った環境などまったく違う二人だが何故か重なる部分がある。それを一番に感じたのが、バルサがチャグムを守る事に幸せを感じると打ち明けたシーン。すべてを捨てることになったチャグムと、昔のバルサの姿が読んでいて被って見えた。


過去にジグロに守られて育ったバルサが、チャグムを用心棒としての仕事で守る訳ではなく、慈愛の心を持って守っている姿(厳密に言えばニノ妃から宝をもらってはいるが)も過去のジグロと今のバルサがシンクロしているように思えた。


ジグロから見たバルサと、バルサから見たチャグム、境遇こそ異なれどいざ『守る』立場になったときに、バルサが自分の気持ち、そして過去に語ったジグロの想いに気付いたシーンは……大好きだなぁ。ジグロのセリフもこころにぶっ刺さる。

「 十六の時にジグロに、別れようっていったんだ。わたしはもう、自分の身は自分で守れる。追っ手に負けて死んだら死んだで、それがわたしの人生だって。もうジグロには充分たすけてもらった。もういいから、他人にもどって、どうか自分の一生を生きてくれって、ね」
チャグムは口の中でつぶやいた。
「ジグロは、なんて?」
「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ、っていわれたよ不幸がいくら、幸福がいくらあった。あのとき、どえらい借金をおれにしちまった。……そんなふうに考えるのはやめようぜ。金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。おれは、おまえとこうして暮らしているのが、きらいじゃない。それだけなんだ、ってね」
バルサは、短刀を布でふいてチャグムに返した。
「そういわれたのに、わたしも馬鹿だよね。これまでずっと人の命を金に換算して、用心棒をやってきちまった。だから、いくど命を救っても、ちっとも、すっきりしなかったんだろうよ」

(引用:精霊の守り人 P246-247/上橋菜穂子)


ジグロの想いをバルサが受け継ぎ、さらにそれをチャグムに伝えている。このようなバルサたちの想いをチャグムが胸に抱えて生きていったから、心優しい人物に育ってくれたのかなぁと感じた(それがわかるのは先の話だが)。

最後に

チャグムの母親である二ノ妃。彼女もなかなかの肝っ玉と判断力のある人物だったなぁと今になって思う。状況上バルサしか頼れる人物がいなかったのでしかながなかったとはいえ、金で動く用心棒であり、ただの短槍使いの彼女に息子を託すなんて、まぁできることではない。


シリーズ4作目にあたるチャグム視点の物語『虚空の旅人』の解説で『精霊の守り人』について触れていたのだが、その解説で小谷真里さんも同じく、ニノ妃について私と同じ感想を持っていたのだが、そのときの表現が忘れられない。

新ヨゴ皇国の帝は、国民にとってはいわば神の生き物。たいへんな信仰の対象になっているのに、バルサはそれに見習うわけでもない。たとえ、身分の高い妃に会うときも、きっとまっすぐな瞳で彼女を見つめただろうな、と推察される。
それを無礼と断定しなかったニノ妃の判断は、なにかとても無謀なだけれど、じつはあまりに正しかった。

(引用:虚空の旅人 P385/上橋菜穂子)



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『虚空の旅人』の感想を好き勝手に語る【上橋菜穂子】


「……そなたの才能を、政だけにすり減らすな。驚きをもって異界を見るまなざしを決ししてくもらせないでくれ」

(引用:虚空の旅人 P380/上橋菜穂子)

上橋菜穂子氏による大人気シリーズ、『守り人』シリーズの外伝『虚空の旅人』の感想を語っていく。


ネタバレありなので未読の方はご注意を。

感想

『妖精の守り人』、『闇の守り人』、『夢の守り人』と順番に読み進めてきてからの今回の『虚空の旅人』。初のチャグム視点の物語だったが、相変わらず期待を裏切らない面白さに大満足だった。


バルサ、タンダ、トロガイは登場せず(名前だけなら出てくるが)、皇太子であるチャグムを主人公にした物語なこともあって、アクションシーンは少なめなものの、チャグムの視点で語られる国同士の駆け引きや陰謀が今までにないシリーズの展開で面白い。


初登場では11歳で弱々しかった少年が14歳となり、今までの王と同じではなく、自分の道を歩み始めたチャグムが、一本太い芯の通った皇太子に成長していたのが印象的。登場人物たちの成長が垣間見えるのがシリーズ作品を追っている醍醐味でもあるよね。


自らの立場をわきまえつつ、助けの手を差し伸べられたら全力で答えようとするチャグムの姿が、なんだかバルサの姿と重なるようで、バルサの影響をうけつつ成長してくれたのだなと思うと胸が熱くなる。バルサから教わった護身術を続けてる所とか、いつかそれを披露したいと思っている所とか健気……。またバルサとチャグムのやり取りを見たい……きっとあるよね。


このシリーズにだいたい共通するのだが、タイトルの意味が明かされるシーンがたまらなく好き。タイトルに秘められた想いなど、知ってしまったらこれ以上のタイトルはないと感じさせてくれる。

「わたしは、あえて、この危うさをもち続けていく。天と海の狭間にひろがる虚空を飛ぶハヤブサのように、どちらとも関わりながら、どちらにもひきずられずに、ひたすらに飛んでいきたいと思う。
そして、いつか新ヨゴ皇国を、兵士が駒のように死なない国に……わたしが、薄布など被らずに、民とむきあえる国にしたいと思う。〈略〉」

(引用:虚空の旅人 p379-380/上橋菜穂子)



ちなみに虚空の意味は

(出典:「虚空(キョクウ)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

今作は『虚空〈こくう〉の旅人』だが、虚空〈きょくう〉の意味に「むなしいこと。」とある。


先程の引用にチャグムの決意が明かされているわけだが、頼もしいと思うと共になんだが、とても寂しいように……むなしいように感じてしまった。


「どちらとも関わりながら、どちらにもひきずられずに、ひたすらに飛んでいきたいと思う。」
王族の人間とも民とも、深い関係を築くことなく孤独に生きていくと宣言しているようで、この一文がとくに突き刺さった。


こう宣言できるのは、心の支えとしてバルサやタンダたちがいるからなのかな…と。はやく『夢の守り人』のときのように少しでもいいから再開してほしい。


あと、「そして、いつか新ヨゴ皇国を、兵士が駒のように死なない国に……」とあったが、このセリフで一番に浮かんだのが、守り人シリーズとはまったく関係ないけど、某図書館の軍師様なんだよなぁ……。

(ファンタジー大好きなみなさま、『図書館の魔女』オススメです。)


最後に

あとがきを読んでいてハッとさせられたのが、チャグムが救われたって点。

『精霊の守り人』を書いていたとき、私はすっかりバルサの気分になっていたもので、たったひとり冷たい宮へ戻っていかねばならないチャグムがかわいそうでなりませんでした。物語を書き終わる頃には、すっかり、このやんちゃで真直ぐなチビスケが好きになっていたからです。

(引用:虚空の旅人 P381/上橋菜穂子)

このあとがきを読んでシリーズ化されてよかったなぁと心から思った。『精霊の守り人』では確か、ラストシーンでチャグムが自ら決意を固めて、バルサたちから離れて宮へ戻っていったと思うのだけど、私も著者と同じ気持ちで、王族として生まれたことで縛られるチャグムがかわいそうで仕方がなかった。


だからこそ『虚空の旅人』では成長した、そして一時とはいえ宮を離れて生き生きとしたチャグムをみれて本当によかった。



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『図書館の魔女』の二次創作小説を書いてみた。


─注意事項

  • 以下は、著・高田大介『図書館の魔女』の二次創作小説です。
  • 『図書館の魔女』本編を読んでから読む前提で書かれています。
  • 好き勝手に書いています。

以上、大丈夫な方はどうぞ。


『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】

─図書館の秘密を追って 〈前編〉

 季節外れの春の嵐が図書館を襲っていた。天井には止めどなく激しい雨が打ちつけているのが見え、豪風が高い塔を揺らさんばかりに吹きつける。
「マツリカ様、この嵐の中で離れに戻るのは危険ですよ。もう少し様子を見るべきです」
──そうみたいだね。ハルカゼたちが心配するだろうから帰りたいところだけど、しょうがないね。まったく……嵐がきていることが分かっていたなら起こしてくれればいいものを。
 この日アカリとマツリカは二人で図書館に詰めていた。アカリは嵐の予兆を感じ、マツリカに嵐の旨を伝えようとしたが、そのときマツリカは迷宮のような本棚の間でぐっすりと眠ってしまっていた。結局、アカリは幸せそうなマツリカの寝顔を前に声をかけることができず、二人は図書館に閉じ込められてしまったのだった。
「起こしたら起こしたで文句を仰るでしょう。それにこの嵐はすぐに去ると思うので待っていたほうが懸命です」
──何故わかるの?
「経験からですね。山の仕事は天候との戦いでもあります。常に天気の予測は欠かせませんでしたから自然と身につきました。雲の流れが速いので数刻の辛抱でしょう。」
 マツリカは書見台の上で開きっぱなしになっていた本を閉じると、スツールに座ったまま両手を組んでグッと上に伸ばして体をほぐしていた。
──それにしてもお腹が空いたね。本来ならば今頃イラムの夕食にありついている頃だというのに。
「いつまでもそんな憎まれ口をおっしゃらないでください。」
──まぁいいさ、私はいくらでもやることが残っているからね。
「私は何をしていたらよいでしょう」
──それくらい自分で考えな。


 雑務をこなし終えて手持ち無沙汰になってしまったアカリは、伽藍の螺旋階段を下り、階段の基部である石造りの壇に腰かけた。小部屋ほどの広さがある基部で、そのまま仰向けに倒れ込むと、明かり取りの柱の隙間から大粒の雨が叩きつけられているのが見えた。
 アカリは目を閉じて、高い塔に足を踏み入れてきてからの日々を思い返していた。初めて高い塔に訪れたときは緊張と不安しかなかったが、数日前にニザマでのキリヒトとしての最後の仕事を無事に終えて、再び高い塔の前に立ったときは、素馨の香りで懐かしさを感じ、帰ってきたという安堵の気持ちでいっぱいだった。自分には、やはり高い塔しかないと痛感させられた。
 そんな事を考えていると閉め切ったはずの大伽藍に素馨の爽やかで甘い香りが微かにするのにアカリは気づく。少し黴臭いような本の匂いに包まれている図書館内で、素馨の香りは夜空に光る一番星のように目立っていた。アカリは上体を起こしあたりを見回すが素馨は見当たらない。導かれるように立ち上がると香りの元を探し始めた。
 アカリは螺旋階段の側面へ回り込み身を屈めて、階段の根元の裏側を覗き込むと香りの元がそこに隠れていた。大伽藍の扉が開いたときに風と一緒に舞い込んでしまった素馨の花が隠れるように落ちている。膝を床につき階段下に手をのばし素馨を掴むと、一緒に塵とホコリのザラリとした感覚が手に残った。
 ホコリで薄黒く汚れてしまっていた素馨の花を、アカリは優しく息を吹いて綺麗にしてやる。いつまで経ってもアカリにとって素馨は特別な花だった。
 アカリが再び階段下に目を戻すと、先程触れた床の場所のホコリが取れ床が見えていたのだが、そこに何か違和感があった。
 素馨の花を床に置くと、手のひらで更に床のホコリを取る。伽藍内は暗く、階段下ともなればかなり見にくいが、床にはいくつもの細かい傷が薄っすらと走っていた。傷は階段の幅を堺にしていくつかあるようだったがすべて同一の方向についているようだ。
 なんだろう、引っ掻いたような、何かを引きずってような……。アカリはその場に座ると考えを巡らせはじめた。


 しばらくすると頭上から足音が響いてきた。どうやらマツリカが階段を下りてきたようだった。風の音に混じってコツンコツンと一定のリズムが伽藍に反響する。マツリカは座り込んだアカリを見つけると怪訝そうに目をやる。
──アカリ、雨はだいぶ弱まってきたみたいだよ。それにしてもそんなところにあぐらなんてかいて何してるの?
「マツリカ様、以前にこの階段の下に何か置いてあったりしましたか?」
──階段下に……?さぁ知らないね。何か見つけたの?
「たいした事ではないのですが……床に微かに傷がついています。なにか引っ掻いたような傷が」
 マツリカは眉をひそめると階段を降りきり、ローブを右手でさばいてアカリの隣にかがみ込んだ。そして階段下をじっと見つめる。
──私には影しか見えないよ。灯りを持ってきて。
 アカリは近くにあった卓上にあった燭台を取ってくると階段下にそっと置いてやる。
──傷か……。たしかにうっすらとついてるね。
「そうなんです。私たちから見て横方向に向かっていくつも線があるのです」
マツリカは、アカリがホコリを払った部分を撫でる。
──触っただけでは傷があるかはわからないね。それにしても妙だね。私の知る限りではここに何か置いた記憶はないし、引きずってついた傷なら相当重いものを引きずったはず。
 マツリカはそのままアカリと同じように、あぐらをかくと腕組みをしたまま右手を顎に伸ばし、親指で頤を支えて手先で口元を隠す仕草。視線は階段の根本に向けられていたが、アカリにはマツリカが床の更に奥へと目を向けているように見えた。アカリはマツリカの思考の邪魔にならないように静かに座り直すと、マツリカの視線の先に自身も目を向けた。

 アカリが置いた燭台の蝋燭が芯を焼きゆらゆらと揺れる。その揺らめきがなければ時間が止まってしまったように見えただろう。二人はしばしの間も微動だにしていなかった。
 アカリは横目でマツリカの様子を伺う。以前は肩にかからない程だったマツリカの髪が、今では背中に少しかかるほどに伸びている。耳にかきあげた髪をかけていて、そこから思考に集中している横顔が見える。
 程なくしてマツリカの口の端がきりと上がる。
「何か分かったのですか」
──初めて地下水道を見つけたときの記録の事を覚えてる?
「えーと……工費の請求書のようなものでしたよね」
 マツリカからの突然の、そして予想外の質問に驚いたが、アカリは遠い記憶を探って答える。
──そう。工費の費目と額が表になって並んでいる書き付け。あとは東方の治水と土木の専門家を招聘した記録だね。
「その記録がどうかしたのですか」
──地下水道の全貌を把握したくて、他に地下水道の設計図やら全体図がないか、お前がニザマに行ってる間も暇さえあれば探していたんだ。どうして私が地下水道について調べていたかわかる?
「町に抜け出しやすくするためですか」
──……アカリ、私は真面目な話をしているんだよ。
 呆れて顔のマツリカにアカリは申し訳なさそうに首をすくめる。
──お前の頭の悪さは変わっていないようだね。ニザマに行ったくらいで考えが変わるなんて期待もしてなかったけど。
「すみません……」
──あの地下水道はね、お前が考えているよりずっと危険なんだよ。
「崩れる恐れがあるということですか」
──いや、違う。構造的な話ではない。私たちは地下水道のおかげで離れの中庭の井戸から簡単に町へ抜け出す事ができるようになったね。つまり逆もしかりなんだよ。地下水道の全貌さえ把握していれば、誰でも地下水道を使って私たちの喉元に迫れるということさ。
 アカリはここまで言われてようやくマツリカの言わんとしていることがわかった。どうして今までこんな単純な事に頭が回らなかったのだ!
「つまり敵が私の首をねらっていて、地下水道について精通していたらどうなるだろうね。なんの苦労もせずに囲いを突破して一手で王手さ。
「では、はやく対応をしなくては!」
 アカリは思わず立ち上がって答えた。しかし、それに対してマツリカは変わらず冷静だった。
──落ち着け、これは万に一つの可能性さ。逆に今、大々的に動いたらやつらにヒントを与えるだけ、それこそ危険だよ。だから私は図書館に記録がないか調べてたのさ。
「なるほど……」
──工費の請求のような些細な記録が残っていたのだから、地下水道に関するもっと詳しい記録があるはずだろう?それでね、何が見つかったと思う?
 マツリカは自信満々の表情でアカリに問いかける。
「さては、本命が見つかったのですね?」
──何も見つからなかったのさ。
「え?どういう事ですか?」
──どうもこうもない。地下水道に関する記録はほかに何もなかった。
 アカリはマツリカの考えがまったくわからなかった。言葉と態度が合っていない。何も見つからなかったのに何故こんなに自信満々なのか。マツリカはそんなアカリの思考はお見通しだった。
──何故、何も見つからなかったのに堂々としているのか?って顔をしてるね。何も残っていないって事がわかったのさ。不自然なほどにね。
 マツリカは畳み掛けるように手を振るう。
──おかしいと思わないか?工費の請求書なんて地味な物が残っているのに、肝心の地下水道の全体図や、設計図がないんだよ?明らかに作為的な力が働いていると思わない?誰かが地下水道に関する記録を廃棄、または隠蔽したと考えるのが筋ってもんじゃない?
「一体誰がそんなことをしたんですか?」
──人に聞く前に考えてからモノを言えと前から……。まぁいい。図書館の記録を扱える人間だよ?そんなの決まってるじゃないか。図書館の番人さ。
 このマツリカの答えは、アカリには信じられなかった。歴史と記録を重んじ、すべてを明らかにしようとしている図書館の番人が、真実を闇に葬るなんて真逆の行為を行っているとはとても考えられなかった。
「そんなことがあるのでしょうか?図書館の番人が記録を……?」
──時と場合によるということさ。おそらく誰にも知られてはならない秘密がそこには書いてあったのさ。
「地下水道の記録に誰にも知られてはならない秘密……?想像がつきません」
──私もその秘密が何なのかまではわからなかったんだ。この傷を見るまでは。
 マツリカは澄ました顔で口の端をきりと上げて、はねた方の眉を上げてみせる。
──この傷は階段の基部が引きずられてできた傷さ。隠れているはずだよ。図書館の地下室が。
 今日一番の衝撃がアカリを襲い、アカリはもう開いた口が塞がらなかった。
──地下水道ができたのは何百年も前だ。そんな昔に異国の職人たちを手配する手腕があって、彼らの言葉や文字に理解があって、王宮に顔がきく、そんな人物、当時の一ノ谷のどこにいるんだろうね?
 マツリカは皮肉な笑いを浮かべて、聞かずもがなのことを聞いた。
──おそらくは、王宮が図書館に治水に関する相談でもしたんだろう。それを図書館は逆に利用でもしなんじゃないかな。地下水道作りはあくまでカモフラージュ、本命は職人たちに図書館に秘密の地下室……または地下通路を作らせること。思い切ったことをする番人もいたもんだ。相当のキレ者だよ。
 マツリカは立ち上がるとローブを数回はたいて、階段の正面に回り込む。
──さぁ詳しい話はあとだ。アカリ、基部の上の書見台を床におろして。
「わかりました」
 アカリは我に帰って頷くと作業に移った。馬蹄形に並んだ書見台を降ろし終えると、正面で待つマツリカのもとへと戻る。
──これを階段の方向に押して。おもいっきりね。
「はい」
 アカリは、腰を落として両手を階段につけ、両足を踏ん張り石造りの基部を押し込んだ。グッと力を込めて押し込んでみても、基部は根が張ったようにびくともしない。さらに暫く粘ってみたが結果は変わらなかった。
「重すぎます。私一人では無理ですよ。それに本当にコレが動くのでしょうか」アカリは押すのを諦めて、階段から手を離す。
 マツリカは腕組みをして眺めていたが、きりと口の端が上がる。マツリカは今しがたアカリが押していた箇所に軽く触れる。
──よく見ていな。
 マツリカは軽く押しているだけのように見えたたのに、びくともしなかった石造りの基部が静かにスライドしていった。マツリカはすぐに手を離したが、その後も基部は意志をもったようにゆっくりと進んでいく。
「そんな……!」
──大伽藍の扉と一緒さ。図書館は資格と意志のある者に対して応えてくれる。
「今までここが開かなかったのは、ここに地下がある事を知らなかったから……。」
──英知を収める本たちが螺旋階段を登った先にあると知っていて、下を見ようとする人間なんていやしないさ。
 ゆっくりと動いていた階段は一段目と重なる位置で動きを止め、元々階段の基部があった場所にはポッカリと口を開けた地下への階段が姿を現した。
──さて、久しぶりに冒険といこうか。
 止めても無駄だなと察したアカリは、螺旋階段をかけあがり、柱の窪みから蝋燭を六本拝借してきて、階段下を照らしていた燭台を手にとった。
「四本目に火をつけた時点で引き返しましょう」
 マツリカは頷くと、二人は手を繋ぎアカリを先頭に地下への螺旋階段を一段、また一段と下っていく。
 二人に大伽藍の灯りが届かなくなるほど階段を下った頃、石造りの基部は音もなくスライドを始め、元の位置に収まってしまった。嵐がおさまり始め、静寂を取り戻しつつある大伽藍に残ったのはアカリが置いた一輪の素馨の花だけであった。




続き→行き詰まってます(10/1)


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【オススメ記事】






【27作品】2019年上期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】

今回は私が2019年上期(1〜6月)に読んだ小説27作品を5段階評価で好き勝手に感想を書いていく。


そして、後半は上期に読んだ小説の面白かった作品ベスト3をあらすじなどと共に紹介。(こちらは再読を含まない)2019年に発売した小説ではなく、あくまで私が1〜6月に読んだ小説なのでご注意を。



目次

──1.読んだ小説・一言感想

巨人たちの星/ジェイムズ・P・ホーガン
☆☆☆☆☆
シリーズ三作目。相変わらず裏切らない面白さ。
「今、当たり前と思っているすべては、誰かが突拍子もない夢を描いたところかららじまっている」



時間泥棒/ジェイムズ・P・ホーガン
☆☆☆☆
全169ページで短いが十ニ分に楽しめる読み心地だった。余分なものは極力削ぎ落とし、SF特有の世界観と問題解決の爽快さが印象的。



東の海神 西の滄海/小野不由美
☆☆☆☆
尚隆と六太は、500年間ずっと馬鹿みたいなやりとりを繰り返しながら国を納めていったんだろうなぁ。仲の良い兄弟みたいで羨ましい。



風の万里 黎明の空/小野不由美
☆☆☆☆☆
己の道を定める物語。ラストが最高に好き。私が好きな要素が詰め込まれてる。



図南の翼/小野不由美
☆☆☆☆
一番の衝撃は蓬山にでてきた"彼"、完全に予想外だった。短編でも"彼"の物語が読みたい。



黄昏の岸 暁の天/小野不由美
☆☆☆☆
続きを…続きを読ませてください。
『魔性の子』から読んでるファンにはたまらない。



華胥の幽夢/小野不由美
☆☆☆☆
冬栄では泰麒がひたすらに愛らしいし、乗月ではタイトルの意味に感銘をうけ、書簡では陽子と楽俊のやりとりに安心し、華胥では失道の過程にやるせなさを感じ、帰山では今後の物語の展開がさらに楽しみなる。



丕緒の鳥/小野不由美
☆☆☆☆
タイトルになっている『丕緒の鳥』の話がたまらなく好き。物語の本筋の隙間にそっと収まる短編。



マスカレード・ホテル/東野圭吾
☆☆☆☆☆
(再読)
映画に触発されて再読。



羊と鋼の森に/宮下奈都
☆☆☆☆☆
言葉って美しい。



四季 春/森博嗣
☆☆☆☆
彼女が小さい頃から相変わらずで逆に安心。



四季 夏/森博嗣
☆☆☆☆☆
『F』の舞台は整った。



四季 秋/森博嗣
☆☆☆☆☆
『F』の答えはここにも隠されている。



四季 冬/森博嗣
☆☆☆☆
四季に対するイメージが、また変わる一冊。移りゆく季節のように変わっていく四季の完結編。



幻惑の死と使徒/森博嗣
☆☆☆☆
内容もさることながら、惹かれるのは奇数章しかないトリッキーさと『奇』で統一された章題。



夏のレプリカ/森博嗣
☆☆☆
『幻想の死と使徒』と対になる物語。
最終的な犯人は、想定外。
そして、結末は悲しすぎる。



今はもうない/森博嗣
☆☆☆
最後の終わり方は好き。
だけど登場人物の一人が気持ちわるくて不快すぎた。



封印再度/森博嗣
☆☆☆
末永く爆発しろ。二人のターニングポイント。



人形式モナリザ/森博嗣
☆☆☆
登場人物に掴みどころがないて、謎が謎を呼ぶ感じ。とくに保呂草さん…!
これは最後の一行にもっていかれる。



パズル・パレス/ダン・ブラウン
☆☆☆
暗号ってロマン
…が、ダン・ブラウンにしては物足りない。



デセプション・ポイント/ダン・ブラウン
☆☆☆☆☆
大統領選挙の攻防と、NASAの衝撃の発見…。予想もできない一転二転の展開にハラハラドキドキで大満足の一冊。『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズとは一味違う、ダン・ブラウンの新たな一面が見える作品。



黄金の王 白銀の王/沢村凜
☆☆☆☆☆
薫衣の生き様にただただ圧倒される。
強いて言うなら自分の幸せを求めてほしかった。



本日は、お日柄もよく/原田マハ
☆☆☆
「言葉は時として世の中をかえる」
言葉の魔力を感じる一冊。ストーリーに惹き込まれるのもあるが、誰もが経験し得るスピーチの極意が散りばめられて勉強になる。



狼と香辛料XIX/支倉凍砂
☆☆☆☆
『Spring Log』かぁ…なるほどね。最高だな?
ロレンスとホロはもう安心して見てられる。



狼と香辛料XX/支倉凍砂
☆☆☆☆
順番に読んでる読者なら、これ以上に次の巻が読みたくなるラストはないと思う。



空色勾玉/荻原規子
☆☆☆☆
神ときくと『絶対的な超越した存在』というイメージを持ってしまうが、そんな彼らですら悩み、恨み、恋い焦がれるなんて、なんとも素敵じゃないか。


童話物語/向山 貴彦
☆☆☆☆☆
少女の成長に心惹かれるのは、同情からなんかじゃない。彼女の不器用だけど真っ直ぐな強さが羨ましいからだ。

──2.2019年上期ベスト3


3位:黄金の王 白銀の王/沢村凜

あらすじ

二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王であった──。翠の国は百数十年、鳳穐と旺厦という二つの氏族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領・穭が治めていた。ある日、穭は幽閉してきた旺厦の頭領・薫衣と対面する。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王。彼らが選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。日本ファンタジーの最高峰作品。

(引用:黄金の王 白銀の王/沢村凜)


『黄金の王 白銀の王』のテーマは、覇権を争う二人の王の「和解」そして「共闘」


大きな目標のために敵同士だった者が手を組む。これだけ聞けば、盛り上がるよくある展開だ。本書もこの展開に違いはないが、『黄金の王 白銀の王』で語られるのは「共闘」を決め、達成を目指す果てない道のりだ


ファンタジーといば魔法がでてきたりだとか、派手なアクションをイメージする方も多いだろうが、そのような要素はなく物語は静かに淡々と進む。だがしかしその世界に惹き込まれる。


それは魅力的な二人の王が歩む軌跡を堂々と、時に残酷に、そして現実世界のように鮮明に描かれているからだろう。


2つの氏族は100年以上前から争いを続けており、それぞれの敵氏族を駆逐するよう教えられ、世の中もそれが当然の摂理であると考えていた。


しかし、2つの氏族が長年争いを続けているために国は衰退の一途をたどっていた。さらに国外から、海を渡って他の民族が侵略してくる可能性も高い。ひとつの国の中で潰し合っている場合ではなく、そのために共闘が持ち出せれたのだが……。


派手さのある作品ではない。しかし『黄金の王 白銀の王』は、私にとってじわじわと心に残り続ける作品だ。激しい熱量で燃焼するような炎ではなく、じわじわと燻り続ける、一見弱々しいが確かに暖かい、そして決して消えることない。そんな炎のような作品となった。



2位:羊と鋼の森/宮下奈都

あらすじ

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく─。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。

(引用:「BOOK」データベース)    

2016年に「本屋大賞」を受賞した宮下奈都のベストセラー小説『羊と鋼の森』


『羊と鋼の森』はピアノの調律師を目指す青年が職場の先輩や、お客さんとの関わりを経て成長していく過程を描いた物語である。劇的な展開や大きな事件が起こる訳ではないが、繊細な心情描写と、主人公の確かに成長の様子は、ジワジワと熱を帯びてくるような面白さがある。


それまでは、物事にあまり関心が持てていなかった主人公・外村がピアノと調律の世界に没頭する。ピアノの音と向き合って、ピアノを通してお客さんや職場の先輩と向き合って成長していく。ひた向きに調律の道を進む外村の静かな情熱が私は少し羨ましかった。


読みやすくスッキリした読了感。そして単行本で243ページと文量も多過ぎず少なすぎず、普段あまり本に触れない方も読みやすい作品だと思う。





1位:風の万里 黎明の空/小野不由美

あらすじ

天命により慶の国の、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父国の非道を知り自らを恥じていた。蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討ちを誓った。それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の邂逅の時を迎える──。

(引用:風の万里 黎明の空〈上〉/小野不由美)


良い国とは?良い王がとは?
『風の万里 黎明の空』は、十二国記シリーズの第5作目の作品で、『月の影 影の海』の主人公・陽子が再び登場する。


今回の『風の万里 黎明の空』では、陽子の目指す「良い国」とはなんなのか?物語序盤に陽子が己に投げた疑問に対して、真っ向から向き合い、悩み、現実を見つめながら答えを出している。だからこそ、最後に陽子が出した答えには痺れるのだろう。


『風の万里 黎明の空』はファンタジー好きの方はもちろん、そうでない方にも是非とも読んで頂きたい一冊だが、シリーズ作品なので十二国記が気になる方はエピソード0の『魔性の子』か1作目の『月の影 影の海』から読んでみてほしい。


十二国記の紹介はコチラから



──3.最後に

この半年で一番の衝撃は『十二国記』に出会った事だろう。面白すぎて全9作品を1ヶ月たたないうちに読み切ってしまったことには、流石に自分でも驚いた。さらには2019年の10月、11月には待望の新刊が出るということで更にわくわくが止まらない。


──4.他時期のまとめ

【2018年】
【29作品】2018年上期で読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】 - FGかふぇ
【34作品】2018年下期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】 - FGかふぇ
【2019年】
【20作品】2019年下期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト5紹介【一言感想】 - FGかふぇ
【2020年】
【26作品】2020年上期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】 - FGかふぇ
【17作品】2020年下期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト3紹介【一言感想】 - FGかふぇ



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『図書館の魔女 合同感想本2』は原作ファン必見の愛が詰まった一冊だった。

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『図書館の魔女 合同感想本』がパワーアップして帰ってきた。


第1段に比べて寄稿者が増え、ページ数も倍増した『図書館の魔女 合同感想本2』


『図書館の魔女』の世界に魅せられた17 名によって綴られたこの感想本は、あなたをもっと『図書館の魔女』の世界の虜にさせるはずだ。


今回は
・『図書館の魔女 合同感想本2』とは何なのか?
・『感想本』の第1弾と第2弾の違い
・みなさんの作品について、私からの感想
・そして私も小説を寄稿させていただいたので、その小説のあとがきのようなもの

の4つについて触れていく。


また、感想は書いているが、みなさんの作品についてのネタバレは極力抑えているので、これからの購入を検討されている方も問題なく読める仕様になっているので安心して頂きたい。


『図書館の魔女』感想・考察・まとめなどはコチラ
【『図書館の魔女』の記事まとめ】

目次

1.『図書館の魔女 合同感想本2』とは?

著者・高田大介による長編ファンタジー『図書館の魔女』及び『図書館の魔女 烏の伝言』の感想などをまとめた同人誌の第2弾である。


サークル・紫向屋のさよさんと寄稿者による『図書館の魔女』に関するイラスト・感想・考察・二次創作などが綴られている、『図書館の魔女』ファンにはたまらない一冊となっている。


2019年6月9日に東京流通センター・ノヴェルの虹橋にて出店・発売され、現在では通販で購入することができるので気になる方は下のリンクから是非。(数には限りがありますのでご注意を)

【購入はコチラから】




『図書館の魔女 合同感想本"2"』ということで第1弾ももちろん存在する。第1弾についての紹介・感想はコチラから。


2.感想本の第1弾と第2弾は何が違う?

──1番の違いはネタバレのあり・なし

感想本1と2の1番大きな違いはネタバレのありなしだろう。

感想本1は、第4巻で明らかになる犯人だけはぼかすという方針で作製されているので、一応『図書館の魔女』が未読の方も手に取る事ができるように作られていた。


そして今回の感想本2は完全にネタバレを解禁した作りになっている。そのため、ネタバレの枷から解き放たれた寄稿者たちが、感想本1では語れなかったより深い所まで図書魔女愛を語り尽くしている。

──第2弾はボリューム2倍!?

感想本1は主催のさよさん+寄稿者9名の合計10名で、合計ページは38ページだった。


そして、今回の感想本2では、主催のさよさん+寄稿者16名の合計17名で合計ページ数はなんと80ページ!!前回の2倍以上のページ数となっている。

──考察・SS・漫画・小説なんでもあり!

ページ数が増え、寄稿者が増えたことで様々な視点からの『図書館の魔女』の世界を見ることができる。


前作同様に感想・イラストもさることながら、今回の感想本2では登場人物についての考察や、寄稿者オリジナルの2次創作(SS・漫画・小説)も描かれている点が感想本1との大きな違いだろう。



3.感想

以下では、私FGが僭越ながらみなさんの作品の感想を語っていく。まだ感想本を買っていない方のために、みなさんの作品についてのネタバレは極力避けているので安心していただきたい。


──さよさん(sakko/さよ (@sayo6) | Twitter)
まず、企画・編集・販売など、また寄稿した小説の誤字・脱字のチェック、更にはアドバイスetc…。細かい所まで本当にお疲れ様でした!ありがとうございました!!すべてさよさんのおかげでございます!!


さて、本編を描いた漫画・イラストは見ただけで「あ!あのシーンだ!!」と興奮が蘇ってきました。水槌の所とか隠れた(?)名シーンですよね。


1番ビックリしたのは『烏の伝言』の時系列をまとめた図!!『烏の伝言』って登場人物が多い上に、それぞれの登場人物が同時進行で行動していくので、「今」「誰が」「何をしているのか」が把握しにくく混乱しやすいと思うんですよ(少なくとも私は混乱しました)。


それをなんと「今」「誰が」「何をしているのか」が2ページにわたって見事にまとめられてるのが素晴らしすぎます。コレはもう『烏の伝言』を読み返すときにの必須アイテムですね。


そして「たかいとうにっし」という漫画まで!流石ボリューム満点!熱量が違いますね…!
キリヒトとマツリカ様のお忍びデートは大好きな場面だったので、あの漫画は……たまらなかったです。


みなさんの内容はもちろんのこと、表紙や奥付、細部に至るまでこだわりが感じられる素晴らしい感想本に仕上がっていました。本当にありがとうございました。



──よいこさん(宵子(よいこ)*和風幻想展有り難うございました! (@kanmi_yoiko) | Twitter)

『食』をテーマに飾られた唯一無二の感想でした!『図書館の魔女』にでてくる食べ物ってめっちゃ美味しそうですよね…!さらには美味しそうなだけでなくて、重要な場面には『食』が絡んでいるんだなぁと、よいこさんの感想とイラストで気付かされました。そしてまた周りにいる登場人物たちが表情豊かで可愛らしい…!


『食』のシーンってこれほどに作品を支える要因だったんですね…!確かにマツリカ様とキリヒトのお忍びデートのいえば春巻ですし、三国会議から帰ってきたと実感させてくれたのはイラムの料理でしたもんね…!



私はまだまだファンタジー作品に触れて日が浅いのですが、これから読むファンタジーにはこれまで以上に『食』に注目して読んでみたいと思います。



──鴇羽さん(鴇羽@読書垢 (@10Baumocho) | Twitter)
疑問・考察がこんなに細かい所まで…!とビックリ!私にはない発想・着眼点でとっても参考になりました。


登場人物の名前についてや、現実世界の場所ならどのあたりなのか?などの考察は、まさに『図書館の魔女』のルーツをうかがえた気がします。


これだけ沢山の疑問や考察を知ってしまうと、ますます『霆ける塔』で疑問などが解消されるのか?伏線は回収されるのか?など待ちきれなくなってしまいますね。



──ともさん(とも (@tomosankamo) | Twitter)
ともさんの描いたイズミルが……めっちゃ好きです……イケメン……。(1番右がイズミルですよね…?違ってたらごめんなさい)


Twitterのほうでは「他の方と被らなそうな題材を選んだ」と仰っていていて、どんなイラストを拝見できるのかワクワクしていましたが、なるほど、確かに"彼ら"とは予想外でした!だがそれがいい!!


伝言の立役者たちですからねぇ。彼らのイラストを全然見かけたことがなかったので、今までは人物像のイメージがあまりはっきりしていなかったのですが、ともさんのイラストのおかけで彼らのイメージが固まりました。



──三船さん(三船 (@Mi_fune) | Twitter)

三船さんがあげた好きなシーン七選はどれも共感で、『図書館の魔女』は印象に残るシーンが多いと改めて思い知らされました。


そして、その選んだシーンに対する感想の奥深さが流石です。その六の「二人だけの静寂な世界を表現しているようで美しい。〈略〉」を読んで思わず読み返して確認したくなり、四巻のその部分を読み返してしまいました。確かに二人の会話だけ…!もう最高ですね…!


あとは、その三を選んだ所が三船さんらしいなと思いました。この部分は、ブログでも触れていた所でしたよね。実は『図書館の魔女』の感想をネットで調べて、他人の感想を読んたのは三船さんのブログが初めてでした。


感想はもちろんのこと、伏線やルビ、そして手紙の文法解説にいたるまで内容が濃密で衝撃を受けたのを覚えています。私と同じような人もいてようで、オフ会でも三船さんのブログは話題にあがっていましたよ!



──アヤをさん(アヤを*2/16西1カ46a (@AyaSu_) | Twitter)
好きです(突然の告白)。
今回の感想本とは別にTwitterでアヤをさんの『図書館の魔女』のイラストを拝見して以来ファンになりまして、今回の感想本に寄稿していると知ってめっちゃ楽しみにしていました。


どのイラストも可愛いくて好きなのですが、私はとくに1ページ目の右上のイラストが…もう…!


このシーン、私が1巻で1.2を争うくらい好きなシーンなんですよ!それをまさかアヤをさんのイラストで再現して頂けるなんて感無量でした……!ハルカゼの笑ってる所も、キリンのツンとしてる様子も、マツリカ様の不敵な表情も…もうたまらないです。



──空飛ぶネズミさん(空飛ぶネズミ (@soratobu_nezumi) | Twitter)
1ページに収めてしまうにはもったいないと思えてしまう情報量とイラスト…!!


1番に目をひかれたのは、下のイラストの右端。しっかりもう一人いる!!と見つけたときはニヤけてしまいました。やっぱり彼らは人気ですよね。


キリヒト・マツリカのイラストはみなさんある程度似ているなぁと思うのですが、衛兵たちのイラストはみなさんの中のイメージが強く出る面白い点だなぁと思いました。



──西UKOさん(UKOZ (@nwxp) | Twitter)
この感想は…すごいです。『図書館の魔女』は要素の多い本だと漠然と思っていましたが、「日本十進分類法」を引き合いにまとめられているのが見事の一言。改めて作者の知識量に驚愕するばかりです。



そして『図書館の魔女』の世界における「将棋」の役割。
・相手の駒を自分の駒にすることができる。
・敵陣に入る事で「成る」ことができる。


「確かに…!確かに…!!」と納得しながら読ませて頂きました。もう着眼点が素晴らしすぎます…!



──かがみさん(かがみ (@mirror_u) | Twitter)
イラム愛が伝わるワンシーン…!登場シーンこそ少ないもののイラムは存在感がありますよね。ふんわりしているようで物事の本質を突いてくる様子にハッとしたのを覚えてます。


描かれているようなマシンガントークもイラムの特徴がよくあらわれているなあと思いました。


伝言では登場しませんでしたが『霆ける塔』ではまた、彼女に登場してもらいたいですね!可愛いし!



──ふじさん(ふじ (@fuji_mi23) | Twitter)
前にTwitterであげられていた指話の話の清書が見れるのかなぁと思いきや嬉しい予想外でした!!


小さいマツリカ様が!きらきらしたマツリカ様がとにかく無邪気で可愛い……!ぜったいこんな出会いがあっただろうなぁと想像が膨らんでいきます…!


「一冊の本」との出会いが彼女の世界を変えたように、マツリカとの出会いがキリヒトの世界を変えたのだな、と思うと込み上げてくるものがありました。


そういえば『図書館の魔女』って回想シーンとかってまだ全然ないですよね?短編集とかでもいいので登場人物の過去のお話とか見てみたくなりました。



──Izuさん(Izu (@velizu) | Twitter)
ページをめくった瞬間に、見開きに描かれた彼らにやられました。え、カッコいい!背景までキレイ!!しかもあの二人!!!……と興奮が抑えられなかったです。


そしてマツリカのちょっと冷たそうな表情、キリヒトの優しげな表情、それぞれ二人らしさがでていてグッときました。


本編と伝言でヴァーシャから受ける印象って確かに違いますよね。私は伝言のほうが本来のヴァーシャなのではないかと思います。本編のほうでは刺客としての立場があり素を出せていなかったけれど、離れからの旅立ち、そしてマツリカからの手紙でヴァーシャは開放されたのかな…と。



──なんてつさん(軟鉄🇬🇧🌙🗯️🏵️⚔️ (@iron_soft17) | Twitter)
第1弾から変わらない…いや、むしろネタバレから解禁されて、さらにパワーアップしたヴァーシャ愛がひしひしと伝わってきました。


ヴァーシャに関するシーンや会話など細かい所にいたるまで考えが張り巡らされていて流石の一言です。


そして行動力が凄まじい…!実際にパンパイプを吹いてみたいなぁとは思っても、それを実行できる人はなかなかいないと思います。ここまできたらホント、ヴァーシャくらい技術を身に着けてほしいです…!応援してます…!



──なしきさん(なしき@十三機兵 (@Aoi_sapphire) | Twitter)
思わずクスッとするような話や、こんなやりとり絶対ありそう…!と思える『図書館談話録』。高い塔メンバー全員がちゃんと登場している所とかこだわりを感じます。


『※図書館・書庫』
この話が絶妙にすきです。これはTwitterにもあがってましたよね!爆速でいいねを押した覚えがあります。キリヒトの察しの良さ、そしてマツリカの考え。二人の特徴をうまく表しているなぁと思いつつ、このクスッとしてしまうやりとり……いい!


あとは『※図書館・伽藍』の話もツボでした。苦労人イズミルと自由人マツリカ様。マツリカ様も「イズミルがいるならなんとかなるだろう」って信用している様子が伺えました。



──北条KOZさん(UKOZ (@nwxp) | Twitter)
マツリカ様はネコっぽい…!めっちゃわかります!そして可愛い…!!


2ページ目のような展開がはやく本編でもやってこないかなぁと待ち遠しいかぎりです。


キリヒトの成長ももちろん楽しみですけど、マツリカの心境の変化や、二人の再開はどんな風なのか、はたまたアキームとイラムの恋路とかetc…。


『霆ける塔』の発売が待ちきれないですね。



──端本 昴さん(端本昴 (お皿に盛り付けてパセリを添えて) (@h_subaru) | Twitter)
キリヒトがマツリカ様を天然で困らせるってシチュエーション…すきです!!


指話を練習中でウキウキな様子が伝わってきます!そして赤面のマツリカ様がかわいすぎ…!


漫画の中での登場人物たちのいきいきした姿もさることながら、マツリカ様の台詞がいかにもマツリカ様らしい台詞回しで、とってもマッチしていました。


是非とも上下に見切れた全文をしっかり読みたい所です。でりかしー?知りません!!



──駒々真子さん(私にかわいい弟ができたみたい…! (@komagomamako) | Twitter)
語彙力、そして言葉の選び方が…見事すぎます。まるで『図書館の魔女』本編を読んでいるかのよう…!物語の隙間を埋める物語、とっても惹き込まれました。


ハルカゼを中心にすえての展開は、感想本1で熱く語られていたように、ハルカゼに対して理解の深い駒々真子さんならではの物語になっているなぁと思いました。


確かにハルカゼならこんな受け答えしそう!こんな考え方なんだろうな!と納得しかないです。



4.あとがき(のようなもの)

冒頭にも書いたのですが、今回は私FGも小説で寄稿させて頂きました。小説を書くのも初めてだったのに、その作品が本に載ってしまうという……。不安半分、楽しみ半分でしたが、今自分が書ける精一杯を詰め込んだつもりです。


タイトルは「新月に願いを」
キリヒト・マツリカを中心に、4巻のラスト、ヴァーシャが旅立ってからキリヒトが旅立つまでの間のストーリーを書かせていただきました。


実は提出期限の2日前まで、新月ではなくて満月の設定だったんですよ(なのでラストも全然違っていた)。それが4巻を読み返していて気付いてしまったんです。

──ではどうしても行くのか。
「ええ、ここにはいつまでもいられない」
新月も近くなった晩に、すでに旅装を調え、懐にはハルカゼに用意してもらった手形を押し込んで、ヴァーシャールヘイは離れの中庭にあった。

(引用:図書館の魔女4 P580-581/高田大介)


新月…?え、シンゲツ…?SINGETU…?
このときは、月に対する知識が皆無だったのでGoogle先生にきいてみたのですよ。そしたら

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(参照:新月とは?月の満ち欠けと呼び名一覧、満月に至る解説も - 気になる話題・おすすめ情報館


見事に真逆!!
流石にこのままいくと時系列が合わないので軌道修正を余儀なくされましたが、結局修正後のラストのほうがまとまりがよかったので結果オーライでした。



読んで下さった方はお気づきかも知れませんが『図書館の魔女』本編との矛盾点があります。それがマツリカの手紙についてです。


本編では、マツリカがあの場で考えて書いた。という描写だったので今回書いたものとは矛盾があります。ただ私的には、うっすらとは手紙の構想は考えてあったのではないかなぁという思いからあのような展開にさせて頂きました。


5.最後に

シリーズ第三作目となる『図書館の魔女 霆ける塔』が令和元年発売との情報もあり、わくわくが止まらない昨今。私と同じように新作を心待ちにしている『図書館の魔女』ファンも多くいるだろうと思ってます。


この感想本は、そんな図書魔女ファンにぴったりの一冊に仕上がっています。一人でも多くの『図書館の魔女』ファンの元にこの感想本が届きますように。


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