自分は、どこまで一つだろう?
生きていれば一つなのか?
生きているうちは、どうにか一つなのか?
S&Mシリーズ第9段!森博嗣の『数奇にして模型』の感想を語っていく。ネタバレありなので未読の方はご注意を。
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あらすじ
密室の中には首なし死体と容疑者が 模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。
感想
2つの密室殺人と、表紙に書かれているどこまでが”一つ”なのかという疑問。2つの見どころがある。
相変わらず森博嗣作品は、要所要所に挟まれる哲学チックな描写がたまらなく面白い。『クリップ』とか『正常と異常の違い』、そのうちの一つが犯人の思考と結びついてる。すごい伏線だこと。
『作っている最中にだけ所有できる実感』は大御坊が物語の序盤にインタビューで語っていた。犀川がその思考について触れたときそのインタビューを思い出して、もしかして彼が犯人なのか?って勘違いした。まぁ同じような思考の持ち主はたくさんいるよね、浅はかだった。
寺林の語る動機は常人ではけっして理解できるものではないが、犀川の語る推理を聞くと、こんな思考の人物もあり得るのか、と納得できてしまうのも面白いところ。
──真実はブラックボックス
物語の中では、寺林が犯人で終幕する。しかし寺林が犯人だと説明のつかない箇所もあり読者の判断に委ねられている部分がある。
中盤(P401)に真実を知っているかのような謎の多い手紙が登場する。物語の中では、萌絵に手紙を渡すように、寺林が紀世都に頼んだのではないか?と推測されていた(つまり手紙を書いたのも寺林)。
しかし本当に手紙を書いたのは、筒見紀世都だと思う、『メスからオスが生まれる』の発言も手紙の内容と一致する。この思考に関しては寺林も有識者だが、エピローグのシーンで鉄道模型の建物の中に、手紙通りの人形を配置されていたのが発見される。それができたのは紀世都しかいなかったように思える(教授も紀世都が作ったものだと言っていたし)。
タイミングとしては、手紙を渡したあとに人形を仕込んだのかな。紀世都は家に帰ったのに教授とも顔をあわせていないようだったし。
曲者なのは、手紙には「首を切った男」であり誰であるかが明言されていないことにある。明日香の首を切ったのが寺林か紀世都かはわからないけど、裏で手をひいていたのは紀世都のように思える。
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