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【20作品】2019年下期に読んだ小説を5段階で評価する&ベスト5紹介【一言感想】

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今回は私が2019年下期(7〜12月)に読んだ小説20作品を5段階評価で好き勝手に感想を書いていく。


そして、後半は下期に読んだ小説の面白かった作品ベスト5をあらすじなどと共に紹介していく。2019年に発売した小説ではなく、あくまで私が7〜12月に読んだ小説なのでご注意を。



目次

1.読んだ小説・一言感想

十角館の殺人/綾辻行人
☆☆☆
周りの評判は良かったけど合わなかった、趣味の問題。ガッチガチのクローズドサークルものって苦手な事に気づいた。


精霊の守り人/上橋菜穂子
☆☆☆☆☆
言わずと知れた和製ファンタジーの王道。著者の他作品はすでに読んだことがあったのでハードル上がってたけど、やすやすとその期待に応えてくれるんだから流石。


闇の守り人/上橋菜穂子
☆☆☆☆☆
『守り人シリーズ』で1、2を争うくらい好き。バルサとジグロの過去の清算がめっちゃ心に響く。


夢の守り人/上橋菜穂子
☆☆☆☆
ヒリヒリするようなチャグムと帝のやり取りが面白い。あとはなんと言っても”二人”の再開シーンだよね。


虚空の旅人/上橋菜穂子
☆☆☆☆
皇太子であるチャグムを主人公にした物語。バルサがでて来ないことでアクションシーンは少なめなものの、チャグムの視点で語られる国同士の戦いや陰謀が今までにないシリーズの展開が熱い。


神の守り人/上橋菜穂子
☆☆☆☆
”あの子”は助かるのかな…。代償が伴うのは当然としても、このままは悲しすぎる。


蒼路の旅人/上橋菜穂子
☆☆☆☆☆
続きが気になりすぎて、速攻で続編買った。それくらい最高の終わり方。


天と地の守り人 ロタ王国編/上橋菜穂子
☆☆☆☆
ラストが…いい
更に続きが気になる。


天と地の守り人 カンバル王国編/上橋菜穂子
☆☆☆☆
名前をつけたら別れがつらくなる。だからコイツには名前をつけないんだってこれ十二国記の『図南の翼』でもあったなぁってふと思い出した。


天と地の守り人 新ヨゴ王国編/上橋菜穂子
☆☆☆☆☆
チャグムやバルサはもちろん、登場人物みんなカッコいいわ…。
長編物語のラストほど難しいものはないよなぁと思うけど、守り人は納得の結末。


まほり/高田大介
☆☆☆☆☆
私の大好きな『図書館の魔女』の高田大介氏による待望の新作。
著者の本領が見えた気がする。『まほり』の意味が明かされたときの鳥肌がハンパない。


天気の子/新海誠
☆☆☆☆
映画に魅せられてその勢いで本まで読んだ。
まぁ新海誠を楽しむなら映画が一番だね。


スミソニアンの王冠/ジェームズ・ロリンズ
☆☆☆
復活した古代の最強昆虫vs人類
設定は面白いし、内容も練られてるんだけど、途中で飽きてしまった。


白銀の墟 玄の月/小野不由美
☆☆☆☆☆
18年の歳月を経て復活した十二国記の新作。
『魔性の子』から始まった泰麒のストーリーがやっと一段落…なのかな?まだまだ彼らの今後が見たい。


図書館の魔女/高田大介
☆☆☆☆☆☆
(再読)
登場人物に注目してあっさり読むはずが、結局ガッツリ全部読んでしまった。
『図書館の魔女』の登場人物を全員まとめて紹介する【高田大介】 - FGかふぇ


図書館の魔女 烏の伝言/高田大介
☆☆☆☆☆
(再読)
同上。
『図書館の魔女 烏の伝言』の全登場人物をまとめた【高田大介】 - FGかふぇ


狐笛のかなた/上橋菜穂子
☆☆☆☆
そっちかああぁぁ!
終わり方が最高に好き。二人は真っ直ぐだなぁ。


スロウハイツの神様/辻村深月
☆☆☆☆☆
コウちゃんが…ずるい。
上巻の物語の引き込みから怒涛のラストまで寝食を忘れて没頭できる一冊。


さよならドビュッシー/
☆☆☆☆☆
予想外の展開に大満足
ピアノの旋律が聴こえてきそうなほど丁寧な描写、ミステリーとしても間違いなく上質。あなたもきっと騙される。


4月になれば彼女は/川村元気
☆☆☆☆☆
裏表紙のあらすじには、異形の恋愛小説なんて紹介があったがまさにその通り。今まで自分が抱いていた恋愛や結婚に夢を見る気持ち、当たり前だと信じていた常識が崩れ落ちていく、そんな感覚を味わった。


2.2019年上期ベスト5

前回まではベスト3までの紹介だったが、今回は読んだ冊数こそ少なかったものの、惹き込まれた作品ばかりで絞りきれなかったので3作品から5作品に増やした。あなたが興味を惹かれるきっかけになれば幸いだ。では、早速どうぞ!


5位:精霊の守り人シリーズ

──あらすじ

 老練な女用心棒のバルサは新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズは今始まる

(引用:精霊の守り人 裏表紙/上橋菜穂子)


──言わずと知られた和製ファンタジーの代表作
小さいときから読書家だった方なら必ずと言っていいほど通るであろう上橋菜穂子作品。そしてその中でもとくに有名なのがこの『精霊の守り人』シリーズ


児童書という枠組みでもあるので、子供向けの作品なんじゃないの?と思われる方もいると思うが、ところがどっこいこのシリーズ、大人が読んでも面白い


純粋な気持ちでストーリーを楽しめる子供時代に出会ったとしても間違いなく面白いだろうし、大人になってから読んで思ったのは、世界観の緻密さ、登場人物たちの関係性や気持ち、著者の民族学者ならではの知識を生かしての物語…ホント、シンプルに面白い点が多すぎて物語の世界に没頭してしまった。


それでありながらキャラクターたちがそれぞれ魅力的で、彼らの会話のやり取りも読みやすい。そしてストーリーも小気味よく進むのでサクサクと読み進めることができることから子供向けというのも納得だ。


大人になった今だからこそ、年齢の近い主人公の気持ちがよくわかって、もしかしたら子供時代に読むときより、楽しむことができる一冊かもしれない。




4位:4月になれば彼女は

──あらすじ

4月、精神科医の藤代のもとに、初めての恋人・ハルから手紙が届いた。だか藤代は1年後に結婚を決めていた。愛しているのかわからない恋人・弥生と。失った恋に翻弄される12ヶ月がはじまる──なぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去ってしまうのか。川村元気が挑む、恋愛なき時代における異形の恋愛小説。

(引用:四月になれば彼女は 裏表紙/川村元気)


──ありきたりな恋愛小説に飽きたあなたへ
心躍る恋心から人間らしい欲望を孕む生々しさまで、振り幅のある表現で描かれる『四月になれば彼女は』。人間の真理が見えてしまう恋愛模様に、思わず息をのむ瞬間があるはずだ。


裏表紙のあらすじには、異形の恋愛小説なんて紹介があったがまさにその通り。今まで自分が持っていた価値観や常識が、手ですくった砂のようにサラサラとこぼれ落ちていく、私はそんな感覚を味わった。


物語は、主人公の藤代の元に届いた一通の手紙で幕を開ける。それは大学時代の恋人であったハルからの9年越しに便りだった。


手紙は、日本の真反対のボリビアのウユニから送られてきていて、「いまわたしは、ボリビアのウユニにいます。」から始まる手紙にはハルの現状と9年前に秘めた思いが綴られていた。


どうして彼女は1人で旅に出たのだろう?
どうして彼女はかつての恋人に手紙を送ったのだろう?
そして……この二人はどうして別れてしまったのだろう?

たった4ページに書かれた手紙は、読者を物語に没頭させるだけの魔力を持っている。


この物語の解説をあさのさつこさんが書いてくれているのだがその一部を引用しておく。

軽やかに生きていきたいと望む人は、すてきな恋をしたいと願う人は、すてきな恋をしていると公言できる人は、誰かが愛しくて、幸せにしてくれると信じている人は、読書は楽しくてためになると口にする人は、この本を読まないほうがいいと思う。残酷なシーンなど一つも出てこない最上等の残酷な物語、わたしの、あなたの、人間の正体に肉薄する物語。 うん、やっぱり怖い、怖すぎる。

(引用:四月になれば彼女は P281)


「残酷なシーンなど一つも出てこない最上等の残酷な物語」そう、この解説に私が言いたかったことが詰まっている。恋愛というキレイな幻想の裏側、人々が見ようとしない部分をさらけ出している残酷な物語。だがしかし、そんな幻想と知ってなお、葛藤する主人公の姿が胸をうつのが、この物語『四月になれば彼女は』であった。



3位:スロウハイツの神様/辻村深月

──あらすじ

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ──あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激しあってた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

(引用:スロウハイツの神様〈上〉/辻村深月)


──物語は衝撃で幕をあける
物語は小説家であるチヨダ・コーキの大ファンが廃屋で殺人事件を起こす場面から始まる。そしてこの殺人事件が普通の事件ではない。

「チヨダ・コーキの小説のせいで人が死んだ」その日の天気は、快晴だった。
《略》
二十一歳、大学生の園宮章吾の発案による自殺ゲーム。下は十五歳から、上は三八歳までの、参加者十五名は全員死亡。(発案者、園宮含む)

(引用:スロウハイツの神様〈上〉P9/辻村深月)


こんなインパクトのある始まりなわけだが、本筋は夢を追いかける創作家たちの青春物語が描かれている。


『スロウハイツの神様』を簡単に説明すると、現代版『トキワ荘』を舞台とした物語である。トキワ荘とは、手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎など、今なお語り継がれる漫画家たちが住んでいた実在のアパートだ。


『スロウハイツの神様』は登場人物こそ漫画家ではないが、脚本家、作家、漫画家etc…創作に情熱を注ぐ人たち共同生活をするアパートで、そのため現代版トキワ荘という訳である。


なぜ彼らは共同生活をしているのか?登場人物たちの関係は?そして殺人事件については?など、初めに多くの気になる情報を与えられて、後々なぜそうなったのかじっくり明かされていく形なので、気づかないうちに物語の世界に一気に惹き込まれることになるだろう。


読み終わる頃にはきっと、とある登場人物がとても好きになるはずだ。


2位:まほり/高田大介

──あらすじ

蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習
膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実
大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?
『図書館の魔女』の著者が放つ、初の長篇民俗学ミステリ!   

(引用:まほり 高田 大介:文芸書 | KADOKAWA)



──膨大な史料から浮かび上がる驚愕の真実
ファンタジー作品の著者の前作『図書館の魔女』とは違い、現実世界を舞台にした民俗学ミステリーの『まほり』。知識量と情報量が圧倒的(『図書館の魔女』を読んだ方ならよくわかると思う)で、史実をベースを展開される物語はリアリティの塊である。


大衆の歴史の裏に隠れて普段は表立っては出てこない史実をベースとして物語は展開されていくわけだが、とにかく事実と虚構(フィクション)の境目がわからなくなるくらいリアル。もしかしたら物語に登場する村はどこかあるのでは…?こんな風習が残されているんじゃないか…?と思ってしまうほど。


白文がでてきたり、知識量と情報量の圧倒的物量で会話が進んで行くところがあったり、歴史について深く突っ込んだりと、要所要所は間違いなく難解である。


だがしかし、白文でいえば登場人物たちがうまい具合に解説をしてくれたりと、なるべくスムーズに読み進められるようになっているので安心してほしい。


そして、そんな膨大な史料から答えを読み解いていき、少しづつ物語の全体像が浮かび上がってくる様子が、パズルのピースを一つ一つはめていき全体像を作っていくようでたまらなく面白い。史料を読み解くにしても、机にかじりついているだけではなくフィールドワークや実体験の昔話からのアプローチを駆使しているのも物語に引き込まれる。


あとは難しい話だからこそ、登場人物たちのやりとりがまた映えるし癒やされる…。


とはいえ、なんといっても一番のポイントはタイトルの『まほり』の意味、そして表紙にも散りばめられた◎の意味。すべての答えが明かされる時に…!



1位:白銀の墟 玄の月/小野不由美

──あらすじ

戴国に麒麟が還る。王は何処へ──
乍驍宗が登極から半年で消息を断ち、泰麒も姿を消した。王は不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎は慶国景王、雁くに延王の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国に戻った麒麟は無垢に願う、「王はご無事」と。──白雉は落ちていない。一縷の望みを携えよ、無窮の旅が始まる!

(引用:白銀の墟 玄の月〈一〉裏表紙/小野不由美)

──シリーズ最新作!絶望の先に…!
『白銀の墟 玄の月』はファンタジー好きの方はもちろん、そうでない方にも是非とも読んで頂きたい一冊だが、シリーズ作品なので『十二国記シリーズ』が気になる方はエピソード0の『魔性の子』か1作目の『月の影 影の海』から読んでみてほしい。


シリーズは現在で10作品で下記がその一覧。

1.『魔性の子』
2.『月の影 影の海』
3.『風の海 迷宮の岸』
4.『東の海神 西の滄海』
5.『風の万里 黎明の空』
6.『丕緒の鳥』〈短編集〉
7.『図南の翼』
8.『黄昏の岸 暁の天』
9.『華胥の幽夢』〈短編集〉
10.『白銀の墟 玄の月』


『白銀の墟 玄の月』が『魔性の子』から始まった泰麒の物語の一つの終着点だと私は思っているので(もちろん続きはまだ読みたいが)、十二国記に興味がある方!今が読み始めのチャンス!!


十二国記シリーズは下のページで詳しく紹介しているのでよろしければどうぞ。

3.最後に

2019年に読んだ小説は約50作品ほどだった。数としては例年より少なめではあったものの、印象に残った小説・好きになった小説と出会えたのはこれまでで一番多かったと思う。


これまでは本屋に立ち寄って、自分の直感で気になった本を読むのが多かったのだが、最近は読書趣味の会う友人やTwitterのフォロワーさんの紹介から読む本を探すようになってから、アタリの作品と出会うのが多くなった。


そんな私のオススメ作品は下のページで紹介しているので、今回挙げた小説で好みがかぶっていそうだったら是非覗いていただけると嬉しい。